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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

冷え込みと織り

2014年12月23日

織物は冷え込めば冷え込むほどに織りやすい。氷点下であるほど織り易い事はない。糸のなかの水分すらもが凍ろうとして糸が強くなるのだろうか。温度の下降途中は非常に織り易く、上昇局面は織りにくい。湿度の上昇と低下と絡んでいるとは思う。

滋賀県で織物が盛んになった理由に琵琶湖が挙げられるが、私自身は琵琶湖はそれほど大きな理由ではないと思える。一番には人の要素で、2番目には農業が盛んで雪深かったこと。夏の蒸し暑さよりも、冬の厳しい寒さこそが、麻織物のイメージである。昔から、湖岸で織られるものは安価なものが多く、陸地で織られるものは上等だったとされる。

湖岸では太い繊維のものが織られ、山側では細い番手のものが織られていたということが言われる。琵琶湖が麻織物の要因なら、湖岸で細い番手のものが織られていてよいはずだが、豊国地区のような琵琶湖と山の境の農業が盛んだった地域で繊細な麻織物が織られていたということは、農作物に非常に恵まれていたことが、閑散期の麻織物の生産を支えたといえる。

琵琶湖に近いところにある母親の実家には、子供の頃よく滞在した。生活は農家ながらも、川からの恵みと琵琶湖からの恵みで食生活の半分が成り立っていた。漁民的な水の文化を子供ながらに感じたものだ。


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