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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

状況判断

2016年01月10日

シャトル織機を動かしているときに大丈夫かどうかの状況判断というのは大事で、それは車を運転するよりは遥かに難しいと思う。事故寸前のニアミス状況で織物というのは織られていく。縦糸横糸が切れなければ、横糸の交換作業だけなので、シャトル織機もそれほど織るのは簡単なのだが、縦糸、横糸が切れ易い細番手の麻糸を織るときには難度は何倍にも上がるだろう。

自動車の運転以上に難しいとは思える。私自身も周囲に見学の人がいるときには、織機を運転するときに自分の中では張り詰めたものがある。シャトルが飛び出せばけが人が出ることすらある。自分が失敗しなくても、縦糸が切れて、開口部分でもつれると、そこからシャトルが飛び出す可能性もある。

今の人というのは昔の人と比べると、頭でっかちで実際の経験値が少ない。経験や積み重ねを単純な作業として嫌う傾向があり、学校教育が進むと実際に仕事が出来ない人が増えるというのも実感ではある。海外では、小学生の子供でもシャトル織機を動かしている、それは児童労働で悪いこととされるが、子供のころから大人顔負けの仕事をしているので、実際にそういう子供が大人になったときに能力は大学を出た人よりも何倍も高かったりするものだ。

ある海外の人の子供のころの経験を聞いた。家が貧しくて、朝早くから豆腐をつくって母親と一緒に朝売るのを毎日していたのだが、そういう人というのは、売れないものをどうやって売っていくのかということを当たり前に経験している。生きていくことの苦労を知っているので、やはり、学校なんかでもずば抜けた能力を発揮して学校教育程度のことは簡単すぎて、たぶん、学校の先生よりも思考回路は上だろう。

塾の中の頭でっかちより、子供の頃にスポーツなどをしている子供のほうが大人になったときに、仕事でもずば抜けて出来る人が多いのも、理想というものを捨ててその場その場で全力を出し切れるタイプが多いからだろう。案外、勉強なんかでも教えてもらうのが当たり前の人というのは、教えてもらうことが仕事みたいな錯覚を起こしてしまって、自分で仕事を実践できない人が多いものだ。


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