for English speakers: Welcome to HayashiyoWelcome to Hayashiyo
リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

すべての織機が調子よく動き出して

2018年07月22日

昨日の夜は、一人、工場で織機を調整する。私自身、職人といわれることがあるけども工場でゆっくり修理している時間もない。昨日の夜というのはめずらしくゆっくりと織機を調整できた。動きが気に入らなかったレピア織機を理想の状態に持ってゆく、縦糸の張りなんかをゆっくりと確認しながら微調整を加えて行く。

2年前に移設したシャトル織機も動きが不安定だったので、安定して動くように微調整を加えて、縦糸も横糸も問題なく、横糸を交換するだけの状態に持ってゆく。現場経験が長いことと能力とは比例しないことが多い。面倒くさがる人というのは小さなことを気にしないので問題を多く生み出してしまう。

たとえば、糸を繋ぐときにすべての糸を一本も間違えずに繋ぐとか、繋ぎ間違えたら繋ぎ間違えたでそれを把握しているかどうかとか。どうしようもないのが、まっすぐに糸が走っていないと織りにくくてキズになりやすいのに、それも理解しないで、どこが問題なのみたいな人は何十年やっている人にでも多い。

海外の織物でその問題が少ないのは、縦糸を繋がずに、機に毎回縦糸を通して、機とビームを丸ごと乗せかえるから、案外、海外のものづくりというのは安定しているのだろうと思う。タイイングマシーンも使わず、よく出来ているなあとおもうけど、一回の生産量が異なると異なる手法が良いこともある。

林与の工場の中には30台くらいの織機があるけど、全部を動かすことはまずなく、ほとんどが違う規格の機が掛かっていて、見本、本生産で、1年が過ぎてしまうことがほとんど。機の乗せ替えを極力減らして、織りながら糸を繋げるようにして、少人数での生産効率を確保する。全部の織機を動かそうとしない、多様性のあるものづくりに特化した珍しいといえば珍しい形。


ホーム | ショッピングカート 特定商取引法表示 | ご利用案内