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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

いろんなことをやったほうが得だと思う

2019年02月12日

私は織物の会社をやっているけども、織物をつくることが中心だけどそれ以外にも作業は多岐に渡る。ほかでは手に入らないと思えば自分で糸を見つけてきて糸を輸入することもあるし、生地も海外に輸出するのも商社でやるのと同じようなことだし、展示会のブースなんかも自前で装飾する。林与の冊子も自作で、ちょっと出来が甘いけど、業者に頼むと業者仕様の無味乾燥感が漂い、スタイリッシュではあるけど好きじゃない。

だいたいは誰かに任せたほうが時間も手間も省けてよいといわれるけど、織物を作る作業に比べるとそういう作業は簡単なことだったりする。自分でやると自分の表現がそのままできるというのが良いところで、他の人の制約が無いあたりがよい。単純な話、1文字でも間違って入稿したら後戻りできないとか。他人に頼むとできることもできなくなることが多いし、他の人に頼んで他の人が動いてやってくれれば良いけども、他の人にやってもらうためにすべての資料を用意するとかしていると、自分の動いている部分のほうが多すぎてのパターンも多い。

また、織物も色柄扱うデザイン的な仕事なので、パンフとかも自分でデザインして作れるくらいでないと駄目なんじゃないかと思えるところがある。器用さのあるところが私の特徴で、案外そこに救われていることは多い。生地の世界で織物屋さんじゃないけど、器用だなあと思える方の一人が、京都の棉生テキスタイルの馬渕さん。柿渋とか、プリントとか、超軟水とか、いろんなネタをもっておられて、キューピーのプリント生地を柿渋にして茶色に染まったシュールなキューピーのハギレを見たときには目指すところは違うのかもしれないが、クリエイティビティでは負けてしまったのではなかろうかと。

3年まで絶対にできないと思っていたおじいさんの頃の近江上布を絣で広幅で再現することも目処がついてきて、だいたいのことは気持ち持ってやればできるじゃないかと自分でやってみることにしている。十分な設備があればもっと簡単なのだろうけども、贅沢を言わずに出来る範囲で成り立たせてその後で設備を考えればよいと思う。誰もがやっていないことをやらないと本当に新しいものはできないのだから、正しい答えというのは自分がやってうまくできたらそれが正しい答えでしかない。試行錯誤の中でうまく行く方法を見つけ出してその道の一番の専門家になることが大事。やってみて駄目だったらなぜ駄目だったのかを考え問題点を解決できる、別の方法を考えるしかない。自分で失敗なんかも経験すると正しい方法がなぜ正しい方法なのか分かるし。


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