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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

水害

2019年10月14日

水害で思い出すのが、私が3歳の頃、記憶では雪一面になった道を2つ上の姉と二人で三輪車で出陣した。いつもよりも広くなった広い道、それが雪ではなく、台風で一軒隔てたところに流れるアンコ川から溢れ出した水で集落に水が氾濫。家から50Mほど離れた角の深みにはまりこんで、姉が家に助けを呼びに行ったのだが間に合うはずもなく、遠くの方からそんな天候の中を親戚の20代の女性が見ていたことで、拾い上げてもらって命拾い。それ以来、水泳は苦手なほう。

今回の台風でも平地でもやはり危険だなあと思う。アンコ川も直線的に改修されて氾濫しにくくなったが、どの家も70CMほどは上がったところに家が建てられているのが昔から水害の危険に面してきた集落の姿。台風のときなどには、道が水路に変わる。農村というのは村中に水路が張り巡らされ成り立っている。何十倍もに水が増えたときにはあふれるのも仕方のない部分で、水を絶って農業を諦めるか、それとも水と付き合うか。

自然からすれば平地というのは水害時には水が溜まる場所、川にしても普通なら川底に石が溜まって、側面の土も川底に溜まって、平たくなって、川の流れというものが固定的ですらないのが普通。昭和の時代に、池や沼地が埋め立てられて農地や宅地に変わっていった。水害は例外的なもののように思えるが人々が作り上げた文明のほうが例外的なもので、その上に人々の日常の生活が成り立っているだけのことなんだなあと、今回の台風をみて思う。

救助の際に、ヘリから人が落ちてなくなったということもあったが、救おうとしても失敗することも当然あるというところ。隠したりせずに自分たちの失敗を認めるも立派だと思う。ヘリで救助するのだから当たり前に落下事故は起こりうるということも想定はしておかないといけないことだとは思う。実は一人より、二人で作業をすると余計にこういう事故が起こりやすいということも現場ではよくあること。一人で作業するよりも二人で作業するほうが確実だと思うかもしれないが、二人で作業するほうが緊迫した中で伝達という部分が増えてくるので、事故は起こりやすい。

今日も集落で防災訓練があったが、字の防災担当は自警団ではなく、80歳近い方々の防災チームで動いてもらうのも気の毒な気もする。でも、仕方のないことだろうと思う、私も50歳だが、若い世代に助けてもらうようなことを考えていても次がいないという田舎の事情は、早く理解していないと若者の田舎離れは加速する。何事も自分たちで解決してゆくことが大事で、立場の弱い能力の高い若いものに雑用的なものごとを背負わせてばかりでは全体的な集落の力も落ちてしまうだろう。農業やってる親戚のおっちゃんとちょっと話しした78で背中が曲がっていても仕事されている、若い頃は勢いもあった方だけど年取って静かに仕事や世の中の雑用部分を黙って支えられていて立派だなあと思う。曲がった腰は健康の証でもあるのかもしれないと思う。もうひとり近所に曲がった腰のお爺さんがいてその方も勤勉な方で立派に蓄財もされて小さなことも自分でいろいろと動いておられる方で、普通のものはなかなか足元にも及ばない。


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