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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

地場産業が難しい理由

2019年12月11日

昨日、今日と熊本からお客様、地場産業的な話をしていたときに、地場産業というのは分業であって、家族経営的なところがある。従業員さんがいて、技術があっても、仕事があっても続かないケースは多いものである。技術継承とかいう簡単な問題ではなくて、従業員の面倒をみる覚悟のある人が亡くなったりしてしまうと、残りの人たちで続けることは難しいだろうと思う。

ある機屋さんが10人以上の人を抱えておられてても、社長がいろいろとできない部分を自分が抱えて作業で苦労されている話を聞く。仕事の内容だけでなく、従業員の給料のやりくりなども大変だろうなあと若い人が多いうらやましく見える会社さんでも将来が安泰なのかというと、10年後、20年後は逆に企業も高齢化し作業もより難しくなってしまう。

新しい人が産地に入っても数年でやめてしまう問題の原因とも似ている。新しい人というのは一般的に自分のやりたいことをする場所探しをしていることがほとんどで、やってみて自分のやりたいことと違ったとか、自分のやりたいことができないとかでやめてしまうことが多い。会社の仕事としてその人のやりたいことを与えたときにまずその準備ができているのかというところその準備も自分ができないままに自分のやりたいことを会社に求めていても成り立たせることは本人の能力的に難しいだろう。

自分のやりたいことが目の前にあったときにそれが思い切ってやってみることも大事だろう。若いころから自分のブランドを立ち上げたい人がおられてその布を作らせていただいたが、難しい結果に終わられ、やらなかったほうがマシなのかというより、いつまでも夢のままで思っているより、やってみて現実を知るのも人生経験としては大事だろうと思う。私がおすすめするのは普通に社員として働いていても、夜とか休みがあるんだからそういう時間で成り立たせていかれたほうがよいのではないかというアドバイス。軌道に乗ったら自分の夢を全力で追うも、現実的な夢の追い方だろうと思う。

私も小さな織物会社の社長だが、お客さんから頼まれた仕事をこなしながら、自分のやりたいことは後回し、自分のやりたいことを優先しても会社も従業員も守ることはできないだろう。一方で普通に仕事をこなしていく中で余力を生み出し、その余力を自分の時間を使って成り立つところまで育てるのは大事だと思っている。成り立つようなら仕事に組み入れてゆけばよい。そういうのは仕事じゃなくてクリエイターな部分だろう。

与えられた仕事をこなすだけの人と、プラスアルファの作業をこなす人がいる。そういうのは会社の従業員教育とかの問題ではなくて、その人が今まで生きてきた生き方が作業として違いとなって出てくる。決して私は一般的にみて成功している人間でもないけど、成り立って続けてられていて、いろんな方から仕事をいただけ、そこから余力も生まれ、人生の中で自分のつくりたいものもちょっとづつはやってみるチャンスもある。

アイリッシュリネンハンカチにしても整経だけで、6か月1台の整経機を独占させたまま、縦糸のフシをできるだけ取り除きながら時間を見つけ少しづつ整経した。織るのも半年くらいかけて時間を見つけ140Mほど織った。自分の夢を追って1年近く、手間かけてつくった布の一つ。リネンの細番手の高密度の平織布、アイリッシュリネンらしい、細番手の高密度なハンカチをつくりたいと思ったから。


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