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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

成り立つための考え方

2020年09月18日

物事というのは成り立つように考えていかないと成り立たないものだなあと思うことが多い。なんにも問題のないレストランなんかでもこのコロナで多く廃業となってゆく、本部が決めれば終わりみたいな話で、実際は働いている人が自分たちの意志でレストランをやっているわけではないのであるからだろう。

コロナが終わればなんとかなるという覚悟で、働いている人たちが本部を説得してでも、あるいはオーナーとコック一人ででも自主経営で成り立たせていく形にすれば残せる道もあるだろうけども、そういう考えにはほとんどの場合ならないものなのだろうと思う。

個人経営のレストランなんかは自分がやるかやらないかだけ、そんな感じが基本で長続きするんだけども、100人のお客さんが入ることができるようなフランチャイズのファミリーレストランというのは、食材なんかもレトルト化されて暖めるだけのものも多くなっているし、食材の原価率も20%台だろうけども、それでも成り立たせることが難しいのが広告宣伝費や人件費とテナント代、巨大な設備の維持問題なんだろうといえる。効率化が進みすぎたがゆえに、効率化が働かない場合にはなすすべがない。

数年前のある大雨の日に、近くのそこそこ人気のラーメン屋が看板の照明も消して店の中の電気はついている、やっているのかやってないのか分からない状況。ワンオペの状態で、店を一人で店員が回しているお客さんは私一人、アルバイト店員が一人で何かの事情でお店を任されたのだろう。自暴自棄でその店員さんは愚痴をこぼしながら腐ってしまっている。私一人がお客さんなので一人を相手にすればよいのだが、それでも一人もお客さんが来ないように照明も消していたのだろう。従業員として一人いても、お客さん一人分のラーメンをつくるのも嫌そうな感じ気の毒に思った。情熱のラーメンの店が謳いなのではあるが、一人一人にそういうのがあるのではないなあと思える。多くの従業員がいないと成り立たない量産型の店舗経営。

また、別の時に、別の牛丼とカレーがメインのファーストフード店、7時半くらいに朝行って食べ始めると、急にあと15分でお店を閉めますという話、次のシフトの人が来ないということで、そのワンオペしていた人は家に帰らないといけない事情があって店を閉めるということ。そのとき思ったのがそれでよいんじゃないかと思う。その女の人にしても、単なるアルバイトで、早朝の1時間、2時間を任されているだけなんだろうから、次の人が来ないなら、店を閉めるというのもありだろう。本来はそういう場合には、本部の社員が来て対応をするべきだろうけども、本部の社員でもアルバイト一人がこなす仕事を背負うような覚悟もないだろう。スーパーバイザーみたいのは指導だけで自分が代わりに業務全般を知ってはいても実際の緊急時に一人で覚悟決めてこなせるようなタイプではないだろう。それで成り立つのがファーストフードの人気のお店。

東京で夜に入った、さっきと同じファーストフードのチェーン店では一人が20人以上のお客さんの相手、外国人のアルバイト女性店員。料理をつくる、片付けるから会計まで、多分、働いてそれほど長くもないのだろうけども、それを嫌な顔せずに次々とこなしているすごいなあと思った。この女の子なら何をやっても成功するだろうなあと思える。おっさん店員が一人いたとしても3分の1のお客さんをあいてするのも無理だろう。普段は3人でやっているみたいだけど、たまたま、その日は他の人の都合が悪くって一人だという。そういうピンチを支えられる力というのがあるのが、20歳くらいのアルバイトの女性の女の子、世界中どこでも働けるタイプで、将来は企業経営して成功する器だろうと思う。

フランチャイズの本部というのは本来はピンチのときには社員を派遣しないといけないのだがそういうのもできずに搾取状態にあることがほとんどで店任せ。店も能力のある人と力のない人の差があって、店にたくさん人がいたとしても、能力のある人が能力のない人を支えているような状況なんだろうと思う。休みなんかも社員なんかが優先されてその穴埋めがアルバイトだから、大事な時ほどアルバイトが成り立たせているようなもの。

能力のない人がかわいそうに見えるかもしれないけども、能力のある人が自分のことだけでなく他の力のない人の分の仕事も2倍3倍仕事して支えてで成り立っているもので、能力や他の人を思いやる気持ちのある人というのはかわいそうに思える側面がある。


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