for English speakers: Welcome to HayashiyoWelcome to Hayashiyo
リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

アパレル大手で3100店舗閉鎖

2020年10月13日

アパレルの大手5社で、3100店舗を閉鎖するというニュースが目に入った。3100人じゃなくて、3100店舗閉鎖。単純に考えて10倍から20倍のスタッフの働く場がなくなるのではないだろうか。店舗なんかも何の落ち度もなくきれいなお店が消えてゆくことになる。たとえば単純に売り上げが3分の1になった場合に、百貨店の中のお店よりも直営の路面店のほうが維持が難しいのではないだろうか。

アパレルも身内である従業員の解雇問題への対応でアパレルも服を作っているような状況でも今はないだろう。企画したとしても1つの企画あたりの数量が半分に減ってしまうと、製造原価は逆に上がることになる。サンプル、本生産の流れだと、生地からつくることは難しいだろう。また、閉店の大きな特損を乗り越えるためには、原価率を下げたモノづくりへの移行が必要になってくるだろう。不況時にあるデフレではなくスタグフレーション的な、売れないときに物価が上がる流れ。また、売れるときに大量生産で物価が上がるでなく下がる流れが今の世界経済。

日本のアパレルの原価的な下代は上代の3割くらいだろうと思うけど、在庫リスクとあとの処分を考えると成り立ちにくいだろう。素材にこだわりをもっていたブランドさんにしても海外のSPAモデルへと移行してゆくしかないような気がする。海外のSPAモデルの原価的な下代は10分の1とかが普通で、仕入れ値の10倍の値段をつけて、店頭に並べるものづくりしか選択枝のないアパレルも増えてくるのではないかと思う。

アパレル不況というのは当面続くだろうと思われる。同じく素材関係の不況も当面は続くだろう。国内が海外の大手SPAのようなものづくりを追うようなことをしても成り立つはずもなく、国内は国内でモノ作りが薄くなるほうに動くのではなく、モノづくりが濃くなるほうに動くようにしないとダメだろうと思う。

繊維業界というのは、どうしても古い体質から抜け出せず、権威主義になりがちで、もっと、原点に返って地道な価値観から再出発が必要だろうと思うのである。繊維の業界でもピンな人たちというのは古い体質ではなく、前向きに自分が手や体、頭動かして、トータルソリューション。古い体質のよくあるパターンが、具体的な仕事の話や問題の話をしても、うちのだれだれに言ってくれとか、自分が自分の会社の担当に話をするのもしようとしない程度だと新しいものをつくるとか問題を解決するとかは無理だろうなあと思う。


ホーム | ショッピングカート 特定商取引法表示 | ご利用案内