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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

近江上布柄プリントストール

2023年12月31日

近江上布の柄をリネンにプリントで再現したストールも今はサンプルに残っているだけでほぼ完売になってしまい、10年前に簡単にできたことが今は、糸からしても織からしてもプリント工程にしても、実績のある過去にやったことすらもがやって成り立たせるということが難しいよう状況。あのクオリティのものは今作ることは本当に難しくなってしまっている。

自社のストールではないのだけども、問屋さんが林与がストール生地を作っていることを知っていて、林与自身簡単なことではないので、白いストール生地は販売できるけども、後は問屋さんが自分でやってくださいということで約束してやり始めたのだけども、結局やり始めるとまったく経験のない問屋さんには無理な話で、結局、林与がストールに仕上げるまでの工程を作業を引き受ける形になり、問屋さんにしてもまったく素人がつくることがむりな話なのは、よくわかられたと思う。作ることが無理というよりも、よくそんなあいまいな状態で仕事を進めようとされたのかが怖いくらいで、1工程の間違いで失敗して最初からやり直さないといけない話になるという怖さを経験されておられないから。

お金の問題じゃなく、本当に仕事がとん挫するようなことが一番ヤバい話で、普通にそういうのは起こりがちで問屋さんの頼めば他がやってくれる気分の仕事ではものづくりというのは頼んでお金を払っても問題ばかりが付きまとう。結局、その問屋さんも廃業されて代金の改修も難しいという話で、ブランドさんは販売は出来ただろうけども、作った林与にはお金は入ってこない話で、プリント工場にお金がちゃんと入ったのかどうか心配な話。プリント工場とも話をされていたのが、問屋さんだからきっとプリントの代金の支払いなども問屋経由だとプリント工場も被られてしまったのではなかろうかと思う。

白い生地の約束だけでなく、プリントまで弊社で引き受けて仕事をしていたら林与はプリント代やデータ作成費用までも被っていた話で、プリント代というのは非常に高価なので、3倍くらいの被害になっていただろうと思う。プリント工場には気の毒な話。後でどんどんと話が変わっていくような企画というのは、もめたくないから釘を刺していうのだけども、安くしたいから自分でやるといわれるもののいざやろうとしても問屋さんでは無理なことがほとんど。今の林与が、問屋さんとの仕事を減らして生地を買って使われる業者の方と直接仕事をするのはそのあたり。

林与のリネンストールというのは、シンプルに布に見えるようなものが多いがそれなりの生地としての本場の麻織物としての完成度があって、それは私自身のこだわりだったりする。自分自身がちょっとよいなあと思えるような布でないと好きじゃなく、町の生地屋さんでみる麻生地と比べてももちろん、良い感じでしかも染、加工、物性など品質的に高くないといけないと思う。町の生地屋さんやおみやげ物屋さんの麻生地というのは、海外で安く作ってるケースも多く、見た目はかわいくても染料の問題や加工の薬剤などのプロが心配するような消費者が使用されるときの安全性をクリアできているのかどうかが不透明。エシカルやオーガニックを謳っていても海外のリソーサーから購入してるだけとかで、騙されていたとしても仕入れ先のリソーサーの問題というだけで終るような大手のエシカルやオーガニックの意識では駄目だろうと思う。林与の場合には謳いと違うもので対価をいただいたなら、問題があるならもちろん返品を受け付ける覚悟はある。そういうのが昔からの日本の繊維業界の信用だったとはおもうけど、大手のものづくりがブラックボックスになりがちな今の日本の繊維業界の問題にもつながると思う。


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