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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

玉綛

2011年02月24日

昨日は朝は糸屋さんがこられ、午後からは京都の呉服関係のお客様、夜は彦根商工会議所主催の彦根でワークメッセの説明会がありました。そして、夜中に倉庫に行ったときに不思議なものを発見しました。倉庫にある昔風の大き目の鉄箱に先代の字で「玉綛」と書いてあるのです。なにだろうかと見てみると、手績糸の麻の綛玉が、二つの箱に200くらいは入っていました。

別の倉庫で、手績みの糸を大量に見つけたときも驚きましたが、それが別の形になっているこの綛玉にはびっくりです。形がとても不気味で、ひとつなら愛嬌があるかもですが、たくさんあるので動物の大きな卵がいっぱいみたいで怖い感じです。たぶん、戦前か戦後間もない頃のものだと思います。捨てなかっただけでなく、大事そうに大きな四角の缶の箱にわざわざいれてあるのは、合わせても10kgほどの糸のために、大げさすぎる気もしますが、たぶん当時でも目にすることのないほど珍しいものになりつつあったので大事に保管していたのだと思います。

見る人が見ると昔の宝物で、ほかの人がみるとごみ同然な物です。麻機屋に代々残っているので、まだその価値があり続けるのだと思いますが、私も今まで見たことがなかったので、こんなに嵩張るのに何のために綛玉にして使うのだろうかと思いましたが、それを見たときに、倉庫で新聞に丁寧に包まれた苧績糸をみたときに私の頭のなかに沸いた疑問が氷解した気がしました。絹は綛、麻は綛玉なんだと思うのです。一度、一個どうなるか試してみようと思います。苧績糸というのは農作物なんだなあと感じてしまいます。


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