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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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2012年10月05日
弊社のリネンストールに関しまして、滋賀のアイテムとしまして推薦をいただいたということで、県からアンケートをいただいたのですが、それに答えようとすると弊社のストールにもいろいろとあってどのリネンストールを提案させていただくべきなのか。

私自身が、自分のできるベストで挑んだ北アイルランド紡績のアイリッシュリネン140番手ストールなんかが国際的にみても最高の目玉だとおもうのですが、見ていただくのにはよろしくても、販売して皆様に使っていただくことを考えると一般的なもののほうがよろしいのではないかと思うのです。

ハンドメイドの皆様向けにご提案させていただいているリネンガーゼストール生機なんかが、おもしろいのではないでしょうか。ボリューム的には、何千メートルも一年でお使いいただいておりますので、最終で何千人の方にご愛用をいただいているベストセラーアイテムです。

あるいは、ブランドさま百貨店様向け仕様に仕上げた、リネン66クラスあるいは、ワンランク上のリネン100番手ストールが高品質なイメージでよいのかとも思います。今では当たり前になりました、やわらかなリネンガーゼストールに関しましても、手探りな状態からこの10年ほどの積み重ねで出来上がってきたもので、小さな機屋のものづくりが世界に広まっていくというのは面白いものだなあと思います。

不思議なことに、最初の頃に手作りに近い状態で作り上げたアイリッシュリネン140番手ストールが、今もリネンストールの手本とするには良いのです。海外の展示会でも、皆さんに見て触ってもらって、これがリネンなのと感動してもらって、私の取り戻そうとする昔のリネンの憧れの世界というものを形にしたもので、非常に高価ではありましても、海外のブランドデザイナーの皆様にも感動を与えるような世界だったりいたします。良質のリネンを使い化かしていないのも自分自身では気に入っているところです。

迷った挙句に、日本の麻織物の本場近江の麻織物をより多くの皆様に体験していただいたほうが良いのではないかと、一番手軽なリネンストール生機で応募させていただこうかと思いました。手軽といいましても、買っていただいた方ご自身で洗い上げて房を作って仕上げてもらうので、1枚のストールに仕上げるまでに凝ったことをされると何日も費やしてくださる方も多いのです。使い込むごとに風合いがまして、また思いいれも増していくというリネンの本質に迫る要素があるので、よろしいんではないかと思います。

多くの皆様から、自作したものを自分用にだけでなくプレゼントして喜ばれたというお話をいただいており、大事な方へのプレゼントにお使いいただけるというのは、手間を掛けて織っているだけに、本当にありがたいお話です。

プロの皆様も作品つくりのベースに使ってくださっているケースも多く、もともとプロ向けに作ってありますので決して安いものづくりのものではなく、リネンのシャトル織を極めた一つの形だと考えています。実は、日本の着物の小幅麻織物の流れを残しておけないものかという思いもあったりするのです。実際、本麻の小幅織物も将来的には生産が難しくなってくると思いますが、文化が途絶える前に、手を打って技術や生産環境を保全しておかないと、一度途絶えたものを復興できたとしても、数年だけの話題性はあってしばらくは出来ても長続きはしないものなのです。

今言われる、サステイナビリティという言葉ですが、商品のサステイナビリティを考えるよりも、生産環境のサステイナビリティに取り組んでいくべきではないかと思っています。ものづくりそのものが永続性がない世の中ですので、新しい商品に飛びつきながらサステイナビリティを求めるというのもおかしな話です。本当は自動車なんかでも、エコな車に買い換えるよりも使える車を大事に乗るほうが最終的にはエコだったりすることも多いのです。原発問題なんかがエコのコンセプトに潜む一番のパラドックスだったりして、国連を挙げて、原発を地球環境保全と称し推進するほど盲目的になってしまうと地球温暖化も防ぐことなどはできませんし、損得が優先して問題の先送りばかりで、人の命の軽るさにすらもつながっています。その裏で、日本国内では何百年も普通に続いてきた永続性のあることを禁止して自然の循環を妨げるようなことになってしまっています。
2012年10月04日
今日は繊維の日のイベントということで、りそな銀行本店の地下で展示会です。朝早くにおきて最終の準備を終えて出発したのですが、展示会というのは現実的に商談を成立させるための場ではなく、出会いの場ではないかと思うのです。

せんば適塾と大阪府の主催で、繊維関係だけでなく、地域が一体しての繊維業界を盛り上げるためのイベントで、出展者はもちろん、お越しくださったお客様というのも仲間意識をたかめ自分たちで前向きに取り組んでいこうという雰囲気が伝わってきます。滋賀の湖東産地からは、滋賀麻さん、麻糸商会さんも出展をされていて、近江湖東産地の麻織物が本場であるイメージが来場の皆さんにも伝わったものと思います。

最後の打ち上げてきな交流の時間も、仲間の輪をつくる場として機能していた気がします。林与は普段は外にでないタイプなので、皆さんと実際にお会いする機会と言うのはこういった展示会のときくらいなのです。私自身も糸、染、プリント、加工などを依頼する側でもありますので、ここしばらく間、頭の中で寝かせていたことなどに関して、こういうチャンスを生かして質問してみたりしますがその専門の方が専門的な知識を分けてくださいます。

今回の展示会に参加させてもらって思うのが、自分の商売云々よりももっと大きなスケールで動いていかんとならんなあと思うのです。林与も自分で織れるか織れないかわからないものを自分で試作したりしているので、自分みたいな馬鹿は他には少ないだろうと思っていましたが、ここにお集まりの皆さんというのはそれを当たり前にやっておられるところが多いのです。

無意味や無駄に思えることを積み重ねておられることが文化の形成につながっていく、結局は文化というのは人の考え方の違いで異なるものづくりに繋がっていくものなのだと思います。謳えるところというのが無意味や無駄に思える部分で、そういう無意味や無駄な部分に労力や費用を掛けられるかが、人の考え方の違いで、文化の違いにも結びついていくものだと思います。

文化といいましたが、それは一人の個人の考え方かもしれませんし、企業文化みたいなものかも、また、地域的なものなのかも、国家規模、世界的なものかもしれません。全体の考えがまとまって変わるということは、風見鳥的な逆に薄っぺらいメンタリティであったりするものです。文化を形成するためには一個人ベースからの変わらない価値観というものを受け入れるような土壌つくりが大事ではないかと思うのです。こういうイベントが、その土壌の一つなのだろうなあと、出展させていただき支えていただく側の立場ではありますがありがたく思いました。
2012年10月03日
ビンテージアイリッシュリネンのハンカチも織りにくい細い糸をなんとか織り上げた形ではあるものの、その生地をハンカチにしようとするとまた別の問題が、なかなか難しいのが小さなキズをどうやって避けるかです。大事に一枚分づつをキズを避けながら裁断をします。

洋服でもそうなのですが、今の時代は安全なものしか出来なくなってきたのも、危ないぎりぎりの生地というものをどううまく裁断の技術で使って一着に仕上げるのかでも、裁断一つでキズがうまく避けられたりもするものです。

麻のものなどどうしても傷がなかったとしても糸のフシなんかが無数にある素材を洋服という形に仕上げるときに、作る人によって、作り方によって、同じ生地を使っても出来上がるものというのはかなり異なります。
2012年10月02日
インターテキスタイル上海に向かう飛行機を7月に予約しておいたのに、10月になって欠航の連絡、海外が絡んでくるとこれくらいのことは普通にあるとは思いながらも、午前の便が午後の便に変わってしまい、あまりばたばたしないでおこうと思っていたのに、予定が狂ってしまいました。

会場準備も30分もあれば大丈夫なので夕方5時に会場入りしても1時間あればなんとか準備完了できるはず。林与のロゴ看板さえうまく吊るすことができれば、ほかの事は別に展示会の初日の朝に準備ができす。最悪でも展示会初日の朝に準備をしてもよさそうというか仕方ないこと。

今回は、最終日25日の午後か翌日26日に上海ブランドさんと会場外でお会いできないかと思っております。
2012年10月01日
同じ会社でも人が違うと対応も違います。以前資金繰りが苦しいから買って欲しいと頼まれて実際には取引を止める紡績工場の糸をつかまされたことがあったのですが、その会社の別の担当の方というのは信頼できそうな要素を持っておられます。ある糸を買おうとしたときにこの糸は弱いとネガティブな要素を告知されたのです。その糸を最初見て毛羽が大目なので織りにくいだろうなあという推測があったのですが別の要素に惹かれて使ってみようと思ったのです。

糸商さんにしてもわざわざ間に入ってもらう理由は糸のプロでないと駄目なわけで、間に入ってもらうことで問題が増えるようでは、自分で糸を手配したほうが安全でその必然性すらもが問われます。騙すことが商売になってしまっては、その方の印象が悪いだけでなく会社の品性が問われます。糸商さんにしても、海外の企業との取引の時には注意をしていないと安さに引かれて品質の悪いものに引っかかることも多いでしょうが、それを第三者に被せるようなことをすれば信用というものは崩れます。営業の人にしっかりというのではなく、その会社の体質なので、品位をまもるためには社長がしっかりせんと駄目だろうなあと思います。その会社でもできないといわれている人ほど正直な人だったりして正直に商売をすることの難しさを実感します。

老舗の糸商の人間が箱の中身は別物だと平気でいわれるのも驚きで、それが本当なら海外の偽物を引っ張ってこられて黙って売っていられるというのはどういうことなんだろうと思ったことも有りましたが、会社全体のことではなく個人の問題なのだろうと思いますが、社内で実力主義を取って営利重視の会社ほど偽装も多いものです。麻糸にしても信頼できる人やルートから買うことが非常に大事だと常に思うのです。

ヨーロッパブランドの糸でも実際どこの国で作られているのかはブラックボックスなことが多いものです。それは相手が悪いのではなく、イメージを作りあげることで商売をする日本の商社側に問題のあることも多いのです。実際に自分が紡績をしている会社は正直なものです。あとは日本人が日本の糸を使う業者さんにどう伝えるかです。業者さんも素人だと引っかかってしまいます。糸にしても、北アイルランド、イタリア、フランス、ベルギーで作られたことになりますが、実際に、高品位な細番手の糸が今は、中国、ポーランド、リトアニアなどで作られるようになっているのが実情で、幻想だけが一人歩きすることも多いものです。

生地にしても国産なのか海外産なのか産地を判断することも難しいですが、糸の紡績地にしても、ファイバー原料、さらには、フラックスの産地にしてもそれを扱っておられる会社の体質を見て、信頼の置けるルートで買うしかないのだろうなあと思います。
2012年09月30日
昨日の夜は夜中まで仕事をしていてお腹がすいてココイチのカレーを食べに行きました。通常は10辛なのですが今回は中途半端ですが4辛です。ココイチは半年振りくらいでしょうか、体の中から温まる感じで、水が美味しい。

今日は、台風の風が朝から強く、テレビを見ないので台風が近づいているのに気がつかず、風が強いので台風なのだろうかと思っていましたが、本格的に風の強い台風でした。海外から糸が届くのですが台風の影響で船が遅れているようです。

午後から出機さんに行って織って貰らったサンプルを取りに行きました。一つカードの穴をあけ間違えたようで、ヒガエがうまく出ずにそれを直してから、2枚織ってもらいました。クロネコの締切ぎりぎりでした。他にも、キッチンクロス関係などを縫製して出荷しました。

9月も終わり、この9月は暑かったですね。ビンテージアイリッシュリネンのハンカチの販売を始めます。今回は限定の15枚となります。無地のオフ生成タイプです。
2012年09月29日
機械というのは同じように見えても、糸が違うと同じタイプの機械でもこちらの台ではうまく織れるけども、あちらの台ではうまく織れないということがありがちです。同じものを織り続ける工場さんだと調整が少なくて済むので、織るということにそれほど力が必要はないだろうと思います。

糸の太さが違うと糸道にあるテンサーの加減やレピアのピッキングのタイミング、レピアの糸のつまみ具合や開放などが異なってくるのです。麻織物というのは糸の伸縮性が少ないので特にそのあたりがシビアだと思います。織物工場さんでも同じ織物を織られているところですとロット差くらいの問題で済むのでよいのでしょうが、糸番手が変わると機械の調整が必要になってくるというのは織物をするうえではとても大事な要素です。

シャトル織機で織った織物とレピア織機で織った織物とを相対的に比べるとシャトル織機で織った織物のほうがふっくらとしているといわれるのですが、すべてがそうとも限らないので、それは、織りの部分だけでなく、加工などの方法とも絡んで大きく関わってきます。染めにしても同じ黒でも染料によって風合いが異なってくるのです。
2012年09月28日
今日は、朝からコラボしがで開催されました英文契約書講座に参加してまいりました。50人を超える方が参加しておられ個人の皆さんも含めまして海外に自社製品を輸出して行こうと考えられている方は多いようです。

ジェトロの貿易アドバイザーをされている方が先生で、最後にもいわれていたのですが、細かいことは見よう見まねでやってみてうまく行けばそれでよい、実際はやってうまく行けばそれが結論だといわれていました。契約書に書かれた内容がそれほど厳密であるのかというと許容範囲もあってよいもので、あんまり考えすぎていると身動きが取れなくなるのも実際だと思います。腹を括るか括らないかだと何度もいっておられるあたり、大手の商社で実務をこなされてきて実際の話が聞けてよかったです。国内と違うのは、海外の場合には出荷に関するドキュメントが増えることが違いだといっておられたのも現実的なお話で、輸出というのはものを作るだけでなく、決済に関する取り決めなども含めものを流していく力も同時に必要になってくるものです。

仕事というものは契約を超えたところで動いているのが普通ですので、契約に縛られるようなものづくりというのは安全なありきたりのものばかりで、あまりよいものが提案できなかったりです。人が何かに共感しそこでものづくりが進んでいくと新たなチャンスというのも関わった全員に生まれてくるものですが、チームの中でガチガチにリスク回避的なテイキングな人が関わるとそこがボトルネックになってしまいバランスが崩れることで物事が難しくなります。レベルの高いものづくりの絡む仕事をするときに外も中もですが、途中もトラブルが当たり前なので人と人との関係が大事で、それに携わる人の力というものが一番大事だなあと思います。

今日は実質的な月末で、10月には中国が国慶節に入るということもあって中国向輸出だけでなく連絡までもがストップしてしまいます。1週間のことですが実際には船を決めるなんかの業務的には3週間ほどの到着の違いになってしまいますので、今日中に連絡を取って片付けておかないとならないことがたくさんありました。

インターテキスタイル上海の最初の日の夜にセレモニーとレセプションに招待をいただいて重なってしまいました。両方とも特別なイベントなので両方に関わっておられる方というのも居らる両方に出席させていただくような形も可能ではないかと、週明けにでも調整ができればと思います。

会計年度末で、セミナーのお昼の休憩の時間も振込みなんかも含めて今日はてんこ盛りな一日でした。会社に戻ってから、織機の調整や作業の進捗含めて動いて、インターテキスタイル上海までのあと3週間ほどで解決しないとならない問題も多いです。
2012年09月27日
毎日が追われすぎてしまっていて、散髪に行くのも2ヶ月ぶりで行きました。写真の提出が必要で、最近写真を撮ったことがないので提出期限のぎりぎりで写真を撮ります。ファッション業界の人が見るメディア向けの写真なのであんまり格好の悪いのも駄目だろうと髪の毛を切りに行きました。会社にもどって、デジカメで写真を数枚とって、一番若そうに見えたのをデータサイズを小さくしてメール提出しました。

もう10月も近いというのに日中は暑さを感じるくらいで、今年は平均気温も高い年になるのだろうなあと思います。シャツ一枚でも暑いくらいというのは、逆に大丈夫?なのか。体の調子が悪いのかと思って、温度計を見ると工場の中は夜でもまだまだ28度。

夜中、工場の機械を直していて不思議だなあと思うのです。なぜ、ねじが壊れるほどまで強く締めてあるのか、ねじの調節にしても加減が非常に大事で、一回のことでねじ山がつぶれてしまうと、その後の仕事が毎回毎回大変になります。ねじ一つの締め方にしても人それぞれだったりします。
2012年09月25日
今朝は大阪からお客様、9月も最終の週に入って、今年は、どこもが早めに注文をいれてくださっており、ものづくりや書類のことなどが追われてしまっていて、やらないといけないことだらけです。

10月4日に大阪でせんば適塾さんと大阪府が開催されるイベントがあります。大阪のりそな銀行本店の地下ホールで展示商談会です。小篠ゆま氏、森俊彦氏の講演もありますので、繊維に興味のあられる皆様はぜひご参加ください。詳細は、http://senbatj.com/event_cat/seni_20121005.html

商談会や展示会というのもその場所で話が決まるということはほとんどなく、出会いやPRの場として活用をさせていただいております。今、扱っているものばかりではなく、昔の近江上布の見本切などを持ち込みまして、もう忘れ去られかけている日本の春夏の服飾文化の歴史的な側面も見ていただこうかと思います。

近江上布プリント柄もインターテキスタイル上海を発表の場にと考えていたのですが、こちらで先にお披露目になります。数千種類の柄のうちに出来上がったのは今は二つですが、会場でみなさんの意見をいただきながら次にどの柄を展開していくか考えていきたいと思います。絣調にプリントしてあり、普通のプリントとは違う味が出ています。

何百種類かの見本切を持ち込みますので、昔京都大阪の呉服問屋さんが扱っていた麻布の贅沢なイメージというものをご覧いただけるかと思います。草木をモチーフにした世界で、日本的な木の文化に通じるところがあり、麻織物が植物繊維であるだけでなく、林与の近江上布柄が草木を柄にすることにこだわったのも面白い部分です。私がそれらを眺めるときに感じるのは夏の夜の花火のような儚さです。手触りなども今の麻生地とは違ってしっかりとしていますのでそういうのも実感していただけるものと思います。

時代というものは移り変わるもので評価されるものというものも変わり、絶対的な価値観というものはないのが商業ファッションの世界で、絶対的に評価されるものではなく、絶対的な価値観というものは案外小さな個体自身がそれぞれに守り続けていかねばならないものだなあと思うところです。
2012年09月24日
職人さんが消えていく背景というのは分業体制であったが故だと思います。分業化が進むと生産性は上がるもののそれは産業としては末期に近いものです。どこか一箇所が途絶えるとそれまでのものづくりが途絶えてしまう。

ボリュームが少なくなるときに分業化が進みすぎていると人を減らすことができないし、人を減らしたら同じものが作れなくなるということが起こりえます。自動車や電器のようにアセンブルだとまだ海外生産でも代替が利くものです。

職人を名乗るもの自身がどこまでものづくりにこだわるかですが、日本が海外にものづくりで負けてしまうのも単に価格の問題だけではなく、気質面でも職人らしさというものがなくなってしまっているがためだと思います。

2012年09月23日
今日はひんやりとした夜で月光が綺麗です。月光の光はアイリッシュリネンの光沢と似ているなあと思います。

最近は、空気が澄んでいるので、山がはっきりと見えることが多く、それだけでうれしくなります。秋らしい涼しさの中で快適に仕事が出来るありがたさというものは、暑い夏を乗り越えただけにより集中して仕事ができそうです。

仕事のほうが10月末までの仕事がほとんど埋まってしまって、今は11月の仕事の調整に入っています。12月から1月末仕事の計画も目処が立ち始め、今年はどこもが早めに進行をしてくださっているようです。

11月くらいに織ろうとおもうと今から糸の準備などを始めておかないとなりません。この休みが明けると20色くらいの染を進めようと思います。
2012年09月22日
食べ物の安全を考えるときに、腐らない食べ物が安全かというと、食べても下痢を起こす原因になったりします。インスタントラーメンやファーストフードを食べると体調を崩す方が多いかと思いますが、何に問題があるのかは分析しないと分からないと思いますが、インスタントラーメンやファーストフードの食べ物というのは体調を崩す原因になることが多いものです。腐っているわけではないのですが、体が吸収をしにくいほどの処理がされているのだと思います。

食品なんかは通常1日で駄目になってしまうものですが、1日経って食べる人もいたりするかもしれませんので、持ち帰りを想定して食べ物を提供する場合などは1週間くらい後で食べても安全なくらいのものでないと大量に販売する場合には仕方がないのかもしれません。

オーガニックな概念と関連した部分で、ウールなんかも昔のウールは1年で虫が食べてしまいましたが、今のウール糸というのは何年でも保存が出来ます。虫が食べないものほどオーガニックとは別の概念で、私も心配をして、自社が使っているリネンの生機を草の上に何年か放って置く実験をしました。上の部分は丈夫なままですが、数ヶ月で石をのせて土と触れる部分はしっかりと駄目になり土に返るような形です。
2012年09月21日
今日もまた新たな問題で、糸切れを感知するフォークがうまく糸切れを感知しないのです。機械的に糸切れを感知するシステムというのは糸が太かったりすると力加減が足らずに感知しにくくなることも多いのです。動いているのは同じ感じで動いていても糸切れしたときに、うまく引っかからないと織機は止まりません。

このフォークの仕組みも本当にうまく出来ているものだなあと思います。フォークを微妙に曲げることで止まったり止まらなかったりすることができるので、逆にいろいろな糸を感知できるのです。レピアに関しては糸切れはフォークでの感知ではなく、横糸をテンサーが糸の振動を感じて、振動がないと横糸が切れたということで織機が止まります。

糸を持っていくときと最後糸を離す前の2回チェックすることで糸切れがあるなしを調べるのです。これは電気的なメカニズムを使っていますので、すぐに止めることができるので高速で動く織機には適しているといえます。

また、止まるときも、シャトルとレピアとでは異なります。シャトルのほうは、ブレーキは付いていても自然に止まる感じですが、レピアのほうは強制的に機械に電気ブレーキを掛ける機構が付いていてすべりがほとんどないのです。

シャトル織機というのは遊びがたくさんあります。レピア織機には遊びがありません。遊びが多いと、この部品長持ちするのかなあと思えるのですが、機械的に動いていても長持ちするのは部品一つの素材も長持ちするような材料を使っているからです。壊れないように遊びがあるのも設計されたときから考えられたことで、ソウコウの目玉の大きさなんかも遊びのうちの一つです。
2012年09月20日
今日は昨日注文したリネンの糸が届きました。リネン43番手、リネン25番手の定番の生成が売切れてしまっていてすみません。今日届いた糸を使って生産をしますので、2ヶ月ほどで出来上がるかと思います。お時間くださいませ。

もう、9月も後半に入っていますが、滋賀県は異常に熱い気がします。本当なら9月に入ると第一週くらいで、夜露が降りるような感じになるものですが、大気中の水分が少ないのでしょう。夜、工場で作業をしていても蒸し暑い毎日です。京都はもっと暑いのです。沖縄や九州よりも、近畿が暑いというもの少しおかしな話ですが、秋は秋らしく、冬は冬らしくあってほしいなあと思います。

夜、8時前に、久しぶりに近くのショッピングモールに行きましたが、2階の洋服売り場は秋らしい装いに様変わりしていました。その隣に閉店セールをやっているファッション衣料のお店があって、どちらもお客さんというのはまばらでした。
2012年09月19日
糸の入っている箱というのは大事です。そこにその糸のロットが書いてあって、その糸をたどることが出来るからです。一番困るのは糸の管理のできないタイプの人で、そういう人の仕事というのは使うことの限られてしまうゴミが増えるばかりなのです。

仕事のできる人というのは書いていなくてもロット管理が上手なのですが、仕事の出来ない人が書いていないと全員の仕事を駄目にしてしまいますので、ロット管理の出来ない人が仕事に入るときにはその人のためにロット管理できる人を監督的に割り振る手間が増えます。

量産の時代の人ほどロット管理ができずに品質が落ちてトラブルに見舞われて消えていくというケースが多いようです。原糸のロット、染のロット、糊付のロットなど、同じ色に見えるほど微妙な色の違いが命取りになります。

原糸を管理するときには元箱にいれて、糸のロットが違う場合には別々の箱に入れて管理するのが適当です。案外それができない人が多いもので、大きなトラブルを避けるために、ロットの判断があいまいになった10kgや20kgの糸を正しい糸として使えなくなることも多いのです。

作業している人には糸の価値が見えないことが多く、織りあがった布の価値もみえていないことも多いものです。その価値の見えている人の作る布と見えていない人の作る布とでは品質に大きな差が生まれてきます。

糸の入っていた箱にしても、再利用ができるので壊さないで再利用を考えるべきですが、今の時代というのは品質管理の為に使い捨ての時代になってしまっていることも逆に多いものです。糸の箱も使い捨てるようないい加減なものではなく、しっかりとした材料で作ってもらっていると再利用を考えるうえではありがたいのですが、今の時代は使い捨てを前提とした梱包の時代です。

リサイクルといいますが、今の時代のリサイクルは、ゴミとして捨てているのに等しく、利用するために一から溶かして使うようなことは、セカンドベストで本当の意味での省資源化ではありません。ダンボールにしても何十年も使えるものなので、使い捨てるダンボールよりも、何十年も使えるダンボールを使ったほうが何倍も省資源につながります。
2012年09月18日
今日は、糸量の計算や織機の調整を行いました。夕方には糸が染まりあがってきて喜んでいたのですが、受注が同時に入ってきて、少し足りないことが判明し、急遽再度染めを追加することになりました。

ストール関連の見本つくりもかなりの数に上るので、10月中頃までの仕事が埋まってしまっています。10月後半はインターテキスタイル上海を予定していますので、実質、これから受ける仕事というのは11月からの仕事になる感じです。

全体的なイメージとしまして、今年は仕事の進行が早いようでありがたいところです。ぎりぎりだと出来ないことのほうが多くなるのです。特に、シャトルで織るものなどは生産自体が簡単ではありませんので生産途中でも納期が読めなくなることが多いものです。

これからの時代、シャトル織機があってもシャトル織機を使える人がいるのかというと、織るだけはできたとしてもその調整やメンテナンスはさらに難しくなってくるといえます。どこまで生産性のない背景で生産性を上げられるかは、技量そのものなのですが、織るだけでなく、織キズの手直し、ヒマが空いたときの目直し、耳糸切りなど、トータルでできないと織る技量というものは上がりません。機械の調整だけでなく、織る人の調整が必要な場合も多いものです。
2012年09月17日
今日は午前中、出機さんにビームを一本持って行きました。台風の影響で風が強く、小雨交じりでシートをかぶせて軽トラの後ろに積んでいきました。もう、田んぼは刈り取りも終えられたそうで、ちょうど織物の生産時期に入ります。今年は、熱かったので米は豊作だったそうです。

午後はm倉庫に籠もって出荷の準備をしておりました。検反機で検反をしておりますと急いで仕事をしているつもりではありますがすぐに時間が経ってしまいます。検反の作業にしても簡単そうに見えて糸の処理などの修正作業を伴いますので単純作業では細かい仕事で、あまり仕事をしていないようでも時間の経つのが早く思えるのかもしれません。

織物の仕事というのは目が良くないとなかなか難しいものだなあと思うことが多いものです。キズを見つけるだけでなく、そのキズを直さないとならないので、一本一本の糸のアップアンドダウンが見える人でないと仕事は難しいのです。私も織物の仕事をしていて見えなくなったら終わりだなあと思うことが多いものです。

糸が見えるか見えないかというのは視力の問題のほかに集中力の問題が大きいと思います。あきらめずに見ていると案外、頭がイメージを作り出して見えていなくても見えているように正しく糸を通せるようになるものです。
2012年09月16日
ボーダーとストライプの柄とではどちらが織物として価値があるのかというと、ストライプです。ストライプの柄は縦糸を作って繋いで織って初めてできるのですが、ボーダーは無地の縦が機械に掛かっていれば、色数は限られるもののほとんど自由な柄イメージが比較的簡単に出来ます。

私自身は麻布に関しては、布は縦は縦として使うべきで、縦横使いはあまりよいとは考えません。といいますのも、通常の麻布の織物加工においては、生機というのは横に15%ほど縮む想定です。縦方向に関しては縮みはほとんどありません。あったとしても数パーセントです。

人が洋服を着るときに、横方向にストレッチ性があることは非常に大事です。横方向にストレッチ性がないと着ていて苦しいのです。縦方向のストレッチ性は有るとそれがすぐに戻らないとぽこんと膝や肘の部分が飛び出たりします。これが、高密度織物などでよく問題になるところです。縦方向のストレッチ性はないくらいで大丈夫なのです。

なぜ、高密度織物では縦にストレッチ性が出てしまうかというと、縦が織った状態ではアップアンドダウンしきることがないので、織物加工でさらに縮む傾向にあります。高密度織物では、横の加工時の収縮というものは少なく、幅広く仕上がる傾向にあります。横方向のストレッチ性は少なめです。

横糸密度を上げると、織物の幅は機上でも、狭くなっていきます。それは、織り密度が少ないと縦糸が横糸に掛ける負荷は少ないからです。横糸の密度が上がるほど、織物が窮屈になり、横糸も織った状態でアップアンドダウンして対応をしようとします。そのため、織り幅が狭くなってくるのです。

このことは、柔らかい糸を使うほど幅は狭くなります。たとえば、横にリネンを使うよりもウールを使えば、折りあがりの幅が狭くなってくるのです。また、同じ密度でも、太い柔らかい目の双糸を横糸に使えば、より窮屈になりますので幅は狭くなります。

堅く考えると以上のようなことですが、ファッション性を重視するときには、細かな布本来の品質的なものはほとんど考える必要はないかと思います。デニムなんかでも高密度に織り上げたものは、生地が斜行するのが当たり前のことですので、ジーンズが左右対称でないのが良いジーンズみたいなこともありえます。
2012年09月15日
昨晩は後染生地が加工工場から上がってきました。輸出のものだったので3回連絡をしていたのですが先染の産地であるが故か、なかなか後染の短いものというのは逆に時間が掛かってしまうようです。厚手のリネン100%の素材で、染工場さんにしても今までこれほど厚いものは染めたことがないといわれるほどのものでリネン100番手とは対に位置する特別なものです。

林与にとって後染めの素材というのは本当に珍しいのですが、この織物は1回1回の手作業部分が大きすぎて先染でやるのは非常に困難な織物です。糸を割ると糸の結び目ができるのでよろしくなく、縦つなぎのときも、糸を機械で結ぶことが出来るのかというとすべて手作業で結んでいきます。繋いだ糸を送る作業にしても結び目を織筬のところを超えさせるだけで大変です。織機が違うタイプだときっと楽なのでしょうが、自分の会社の環境というものは限られているので、自分でものをつくるということはそういうことなのです。

1mで700g近くある織物というのはほんと重いです。注意していないと織機も壊れるほどで実際に1度壊れてしまったのですが、糸が切れるということはほぼないもので、三本の矢ではありませんが、麻糸が鉄の鋳物の機械部品をへし折ってしまうという世界です。麻布のコレクションをつくるためみたいなための布つくりになり、同じ1mでも、通常の5倍6倍の糸を使いさらに織ることも容易ではありません。無理とそうなるところのものづくりに持っていったので、仕方がないといえば仕方ないのですが、1mあたりの目付けが15倍くらいの範疇で織物の超薄い織物から超厚い織物までが形になります。
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