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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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2011年9月
リネン日記:26
2011年09月30日
昨晩は遅くまでストール関連の撮影を行っていましたので、今日はバテ気味でした。会社も期末なので、通常の月末とは違うような忙しさでした。月末というのはどうしても月末払いのものなどが多いので伝票の処理など増えてしまいます。9月を振り返ると、7月、8月よりは落ち着いてはいたのですが、詰まっている中に、毎日、新しいお話をいただきますので、どこまで一つ一つを丁寧にやるのかというところだと思います。

午後からはお客様で1ヶ月半ぶりくらいにお見えになられましたので近況などをお聞きしました。震災の影響で、資材関連の織物業の方というのは、かなりお忙しくされているようなお話です。「備えあれば憂いなし」ということわざがありますが、製造メーカーですら在庫ゼロを目指す体質ですので、全体としては備えることが悪とみなされる時代です。

電気、自動車関連が、組み立て産業になってしまった現状では、海外に移転することのほうが安定してものづくりをできるようなお話をよくきくようになりました。日本国内のものづくりがギリギリまで常に追いやられている状況で、さらに何かあると選択肢として海外のほうが自由度が高いというのが、ちょっとやそっとの努力ではどうしようもないというのがどの産業にも共通する部分だと思います。

リネンの糸なんかも国内で在庫をしっかりと持てるところも少なくなってきていますので、糸を作る力だけでなく糸を持つ力すらもが海外に依存する時代になりました。本来は国が急激な価値観などの変化を吸収するような役目をしないといけないのでしょうが、数年で180度変わってしまうような誰が見ても成り立たないようなものを考え失敗の多い政策に、大きなところは守られても小さなところの経済までもが、その尻拭いの悪影響を受けるという時代なのかなあと思います。
2011年09月27日
今日はファンドの説明会がありました。朝からバタバタと会社の中の用事を済ませて高速道路で大津に着いて午後2時くらいに会社に戻りました。電話がたくさん入ってきましてバタバタしているうちに夕方で、今日あがり予定の反物があって気になっていましたが、夕方になっても届かないので、夜8時前に加工工場のほうにもらいに行きました。

夜見るとなかなか良い感じに上がっています。中には、ちょっとなあと思うものもありますが合格点の感じです。色柄も含めると200から300種類を超えています。リネンの超細番手のシリーズでリネンも細くなると光沢感が増し、通常のカジュアルのリネンとは別世界です。

気がついたのですが、ストライプとボーダーの違いってやはりあるもんだなあと思います。縦横が違うだけで同じようなピンストライプの柄があるのですが、ストライプのタイプは高級な感じで、ボーダーのタイプはカジュアルな感じなのです。細番手使いだと正統派のストライプ使いのほうに軍配を上げたい気分です。今日上がった反物は薄いリネン生地なのにしわになりにくいのでハンカチ用途には最適かと思います。

リネンは、「WOVEN MOONLIGHT(織られた月光)」といわれるほどに、光沢感があります。たぶん、昔のリネンというのは手績糸だったでしょうからピカピカだったに違いありません。今日上がった超細番手のリネンも紡績糸ながらも光沢感が素敵です。

リネン生地も、朝見るのと夜見るのとでは違って見えたり、お天気の良い日と雨の日では風合いが違ったり、加工上がりが一番シカシカしていることが多いのですが、このリネンも寝かせることでどんな表情になっていくのかも楽しみです。リネンは放反して放っておくと比較的早く風合いが良くなる気がします。
2011年09月26日
ようやく連休が終わった!!!という感じで、やろうと思っていることが再び進み始めます。今日は、朝に加工からストールが上がってきてストールがほとんど完売状態になってしまっていたので、うれしかったです。先々週に上げてもらったときに少し硬く、それに再度手を加えてもらいました。一ヶ月くらいお待ちいただいたお客様には大変ご迷惑をお掛けしましたが、出来上がりの風合いには喜んでいただけると思います。

午後からも反物が上がってきて、明日も反物が上がってくる予定です。何ヶ月も掛けて新しい見本などを織って、それが加工から上がってきたときに、それがどんな風に上がったのかを確認するのは非常に楽しみな瞬間で、織の専門として企画し織るのに集中して、染めは染で染めの専門家、加工に関しては加工の専門の方に委ねることが一級のものを仕上げる一つの方法です。

今日は、お取引のある人気のネットショップさんから新しいご本をお送りいただきました。毎年、イギリスでロケをされてさすがだなあと思います。そういう本を眺めていると、ヨーロッパに出かけてみたい気分に誘われます。イギリスって格式があってよいなあと思うので、日本も日本らしいところを残して海外から良いなあと思ってもらえないといけないと思います。

林与の写真はプロがとっているわけではなくあんまり良くないかもしれませんが、自分なりに大事につくった布ですので、写真の見え方とは違うところで布が存在をしています。ものというよりも自分が作ったときの思い出のような感覚として布が存在しているのです。

今日はお世話になった別のお取引先の方から、この月末で退社されるとのご連絡をいただきました。その方が企画されて作ったストールも一つの思い出で、ストールの風合いとかそんなのを超えた、一緒に仕事をさせていただいた部分でストールの存在価値があったりいたします。
2011年09月25日
今日は連休の最終日ながらも明日が締め切りの書類があるので、朝からその書類つくりで、夕方なんとか完成しまして、クロネコにもっていくとすでにトラックが出てしまったということでガーンと頭を叩かれた気分、でも、佐川に持ち込みなんとか明日中に東京に到着するということで一安心です。実は連休であっても時間との戦いです。

いつも仕事をぎりぎりでするのは良い癖ではないのですが、一つ一つのものづくりをより完璧にしようとするとどこまでも時間がなくなってしまいます。どこで手を抜くかとなったときに仕事で紙や連絡のことは我慢ができても出来上がるもののことは我慢ができないことが多いのです。ものをつくる部分は守り抜くことが非常に難しく、それに力を注ぐことが一番だと考えています。

納期と価格を優先される安く手軽なものを求められるお客様と、高級かつ品質を優先されるお客様の二通りに分かれると思います。林与の場合は、後者のお客様のお客様の比率が高く、それが林与の特色のひとつであり、どうしてもそのタイプのものづくりに常に時間がとられてしまいまい、糸、染、織、加工とも、どこでも誰でもできるというのではなく、すべてにおいて制約を受けるので、製造工程においても待ち時間がすごく長くなってしまいます。
2011年09月24日
子供のころに秋にはよく、ヒガンバナが咲いていたものです。彦根の田んぼでちょこっと見かけてヒガンバナのことを思い出しました。毒があるので、子供のころヒガンバナは雑草かと思っていたのですが、動物が畦道を住処にするのを防ぐために意図的に田んぼの周りに植えられていたようです。

稲刈をするころには、赤とんぼが飛んでてもおかしくないころではありますが、田舎でもトンボもほとんど飛ぶことのないのが今の時代です。人にとっては住みやすい環境になったのですが、一方で、動植物にとっては厳しい環境になってしまっているのを感じます。

150年ほど昔に遡れば草から繊維をとって績んでいたのが日本です。彦根では井伊直弼と150年祭というのが行われましたが、まさに、文明が海外から入ってくると中にあった文化は手軽なものに置き換えられていってしまうのです。ヨーロッパですらもリネン文化があったのに、アメリカから安価でやわらかい綿が入ってくると、リネンは綿に置き換えられてしまいました。北アイルランドには100を超えるリネン紡績工場があったのに、ほんの100年ほどで、ひとつもなくなってしまうというほどの勢いです。

日本も60年ほど前まではほとんどの人が着物を着ていたのに、それが洋服になっているのですから、文化と文化の戦いなのかなあとも思います。実際には外からの力ではなく中から外のものを取り入れようとする中からの動きのほうが大きいのです。世界で何か便利なものが作られると、それが1年もしないうちに世界中に広まるのが今の時代です。
2011年09月23日
暑さ寒さも彼岸まで、という諺がありますが、今日は涼しい一日になりました。朝から秋晴れらしい透き通った空気を感じることができ、この感じというのは秋の紅葉を連想させます。夕方車で走っていると西の空は虹色に染まる夕暮れで、良いものを見たなあと思えました。太陽が昇るときと太陽が沈むときの違いって、空気そのものが違うのでしょうか、見え方がまったく違います。

今、冬によさそうなリネンに挑戦をしています。それが本当に冬に良いのかというのは出来上がってみないと分かりませんが、思い切った規格のリネンでよいものに仕上がると思っています。通常のリネンの2倍くらいの厚さのものが出来上がる予定で、織れたら面白いものです。

以前のリネンを分析したときに、糸自体の太さがそれほど細くないとう結論に達したことがありました。あの綺麗さというのは、糸の細さからくるのではなく、糸の均一性から来るものだと思うことも多いのです。均一な糸というのは織り上がりが綺麗で素敵です。昔のリネンの在庫のものは均一な感じがすごくするのですが、今のリネン糸というのはどこのメーカーのものでもスラブ感があります。

でも、リネンって見られる方によってほんと価値基準が違いますので、スラブを許容だとされるかたも多いし、スラブが少ない均一な良い糸を使って良いものができたと思っても、その後の縫製の技術の問題で、逆にスラブが多いもののほうがクレームが少ないことも多かったりします。百貨店の店頭向けなどはリネンは無地が多いのもスラブの問題が多く絡んでいます。ネップやフシの問題で昔はよくあったピンヘッドやハウンズトゥースのようなトラッドな高級な白黒の柄に使えるようなリネンというのは少ないのです。
2011年09月22日
今週は連休に挟まれて、働ける日が3日しかないという非常に短い一週間でした。糊付のできていない糸も染工場に入れて来週はじめには上がってくるようで、来週明けからはヨーイドンでスタートできそうではあります。その帰り道、郵便局で振込みなどをしました。郵便局のATMシステムも民営化で当たり前に良くなってきたと思います。

色って名前がついていますが、たとえば、ポストというと赤い色のイメージがあると思うんです。オレンジやみかんもダイダイも全部食べ物からきています。色の名前の由来は、それを象徴する色なんで、オレンジの色、ミカンの色、ダイダイの色が、オレンジ色、ミカン色、ダイダイ色となっていったんだろうと思います。

茶色なんかはお茶の葉の色かなあと思いきや、たぶん、お茶の実の色でしょうね。黄土やエメラルドとか、ターコイスなんかは、宝石の名前から色がきています。肌色、玉虫色、虹色なんていうのもあるので、結局は、自然界にあるもののイメージが色の名前そのものなのかも知れません。

写真撮影をして、生地をアップしようとすると色の名前で迷うことも多く、まあ、いいやと思いながら、近そうな名前にしていることも多いです。グレーやベージュなんかは、微妙に色味の違う糸がいくつもあるので、なんとかグレー、なんとかベージュとなってしまいます。

車や電化製品なんかはたくさん出回るのに本当に色味が少ないものだなあと思います。車なども人気車種でも無地で5色から10色程度、もっとデザイン性があってもよいのかと思いますが、中山道を通るとき豊郷小学校周辺で、「けいおん」のペイントをした車がたくさん集まっているのをみると、そこらじゅうがペイントした車ばかりになるのも、一台車があるだけでも、その街並みのイメージを作り出したりイメージを変えたりしますので、一般的な車というのは景観を壊さないためにも無機質な色が良いのかもしれません。
2011年09月21日
今日は、台風が近づく雨の一日で肌寒い一日でした。午前中加工工場に行ってリネン140番手を含む反物の加工出しをしました。短いサンプル反物が多いので、一度にまとめて出さないと上手に加工から上がってこないのです。いろいろなハンカチ用の生地なども含まれています。

午後からは、会社の携帯電話のひとつを変更に行きました。MOVAのままにしておいた携帯電話が1台ありますのでそれを機種変更です。そのころの電話が10年でも使えるのに、今の電話は2年持たせるのが厳しいのが不思議です。保険もつけておかないと安心して1年使うことができないほどに華奢になっています。

1年使ったエクスペリアが日本語入力ができたりできなかったりするような不安定な状況で、ギャラクシーS2という機種を契約しました。契約が複雑すぎてドコモの人でも契約の内容を完璧に説明できるかというと無理だと思います。どこまで複雑になるのでしょうか?

今日は、リネンの糸が3色上がってきました。作業をしているものがそのひとつがやわらかいことに気がついて難を避けることができたのですが、糊の付け忘れでした。大きなミスというものが潜んでいてすべて台無しになるところで、作業しているものの手の感覚がそれを判断できるというのは大事です。
2011年09月20日
今日は朝から提出用の会社の資料つくりをしておりました。麻のこと、リネンのこと、湖東産地のこと、林与のこと、近江上布のことなど書き始めると文章だけがだらだらと長くなってしまいます。資料を読んで下さる方がどの程度、麻のことをご存知であるかないかで、中身の説明の度合いが変わってきます。

あっさりとした説明のものというのは、巷にあふれていますので、ちょっと普通にはない説明の文を自分なりに考えてパンフを仕上げます。1ページをA5サイズに収めようとしたら文字が小さくなりすぎて、1ページをA4サイズのバージョンにしました。

印刷しはじめると非常に時間が掛かってしまい。タイムオーバーで、非常に簡単なレイアウトのもので提出することにしました。画像ももっと入れたかったのですが、次のバージョンで肉盛りしていこうと思います。

今回作った資料は日本語版ですが、インターテキスタイル上海などでも会社案内がないのかとお尋ねいただくことが多かったので、英語バージョンも作ってみようかと思っています。手作りなのであんまりたくさんはつくれませんが、手作りには手作りの味があると思います。
2011年09月19日
会社をやっていると、ものづくり以外の部分が大きいものです。書類などは通常の商社さんのやっている以上にものづくりの際についてきます。ものづくり企業がだんだんと簡単なものしか作れなくなってきている背景には複雑なものをつくると書類に押しつぶされてしまうというところです。出荷業務や在庫管理なども作業だけでなく書類が付きまといます。

業務的な書類以外に、クリエーティブな提案をするときにも文章の作成などが必要です。これはマーケティングの部分でどうやって自分の作ったものをPRするかというところです。作っただけでそのものの良さが伝わらないのは残念なことですが、たとえばベストセラーのものにしても、その機能性を謳うだけでは駄目で独自性も謳わないとその他大勢のうちの一つの選択肢にしかなりえません。これはここでしか買えないというのが一つの魅力であるのだと思います。
2011年09月18日
ビンテージのリネンというのは独特の光沢感があります。これはどこから出てくるのか分からないのですが、今のリネンも何十年か経てばビンテージらしい風格がでてくるものなのかに興味があります。

3年前のジャパンクリエーションのデザイナーズコラボでスズキタカユキ氏に作っていただいたリネンのプルオーバーブラウスが3年の年経っています。リネン100番手のオフ白ソフト仕上げを紅茶で染めていただいて展示したまま保管しているのですが、ビンテージな光沢感が出始めてきているように思います。

繊細な素材なのですが、目ズレなど起こらないように、アパレル向けの規格設計は行ってあり、定番の規格の一つとして仕上げました。高速織機では織れないといわれてきたリネン100番手を超える糸を量産のレベルで問題なく織ることができたはじめのシリーズです。

今日は大型プリンタで、メール便用の封筒をデザインいたしました。リネンのパープルの花をあしらったデザインにしたのですが、シンプルながらも、ちょっとかわいくなりすぎて・・・。
2011年09月17日
リネンハニカム127cm幅を洗ってそのまま115cmほどのシーツにして寝ています。普通のシーツと違ってゴザっぽいナチュラルハードな感じが肌に刺激でクール感があります。肌に触れる面積も少ないのでべっとりしないのがよい感じです。ぐっすりと眠れて寝起きも疲れが少ない気がします。夏のお昼寝からの目覚めのような感じです。

リネンがよいのは吸水性だけでなく衛生性に富むことです。麻というのは綿に比べてカビが生えにくく、細菌等が繁殖せず、体にもよいという結果につながります。汗疹なんかも起こりにくいと思っております。靴下のゴムの入った締め付けるあたりが夏場痒くなることがありますが、あれのまったく反対の環境ではないでしょうか。

衛生的なので、バスタオルなんかにお使いになられるのもよいです。薄いタオルでも水を十分に吸い取りますので、夏場でも綿のタオルが拭いても拭いても肌の水分が取れないのに比べて、リネンのタオルは水分が残っているような感じても、かなり、拭き取れてしまっているのでそれが吸水力の差です。

人間が生きるうえで緊張というものが必要なのですが、それを解き放つのが眠りだと思います。体中の緊張が解けて体中に血液がめぐり、疲れが取れるのが眠りの効能ではないかと考えます。私の場合、リネンのシーツで寝ていると眠りに落ちるときに、肌に当たる感触が消えていき眠りに落ちていくのを感じられます。実はここに寝付き早くするトリックが含まれているのではないかと思っています。
2011年09月16日
新商品のアップがひと段落しまして、久しぶりに会員様向けのメールを配信させていただきました。あんまり頻繁にメールをお送りするとご迷惑だろうと思っておるのですが、今週には第二段も少しづつアップできそうです。一般のハンドメイドの方に販売するのは、6月、7月くらいがベストなのでしょうが、林与の生地をお使いいただいているプロの作家の方も多いので、秋、冬にも、新しいものを出していこうと思います。

リネンウールを販売してみたのですが、よい感じなのですがあまり動きが少ないようです。これって、もしかすると昔からの秋冬にはリネンは難しいといわれているジンクスが生きているのかも知れないなあと思います。ウールのものに関してはリネンと違って注意が必要ですので、林与もたくさん作ってストックすることはいたしません。

秋冬向けのオーガニック商品としてコットンリネン関連のものも織り始めています。林与ではリネンの通年化プロジェクトを行っておりまして、高級ゾーンではございますが、冬に使えそうなものもいくつかできてまいりました。リネンというのは質量が高く、厚く織ると重いので、なかなかリネン100%では秋冬物の開発が難しいのです。

わざわざリネン100%で、秋冬物を開発する意味があるのかどうかというところは疑問ではありますが、今の時代、体質の問題で天然繊維のものしか受け付けないという方も多いようで、とりわけ麻だと大丈夫という方がおられますので、リネンがそういう問題を解決するのではないかと思います。

11月の終わりに、天然繊維企業が集まった展示会を東京で計画しておりまして、その概要が煮詰まってまいりました。林与はリネンや麻という素材で展示を行います。ジャパンクリエーションにも出展は予定をしておりますが、もし、来春夏ものの企画などじっくりとお話ができない場合などは、11月末の展示会のほうが落ち着いておりそうですのでそちらにお越しいただくのがよろしいのかなあとも思っております。ナチュラル系の素材を探しておられる方にとってはよいのではないかと思います。
2011年09月15日
今日は午前中、京都からのお客様でした。ここ数日暑い日が続いており、昨年を思わせる残暑が続いています。滋賀というのはまだ緑が多く水が豊かなのですが、京都というのは同じ盆地でも風が吹かないので非常に暑いというのを学生時代に経験してわかっています。京都のほうが滋賀よりもまだ2度、3度と高いのです。

滋賀県でよりも京都の人のほうが近江上布の着物をたくさん着ておられたというのも、そういう京都の蒸し暑さが要因ではないかと思います。薄くて涼しいものほど喜ばれたのだと思うのです。人々が鴨川の辺で夕涼みする光景も、暑さがゆえに自然な姿ではないでしょうか。

今日は、先日上がって来たストール生地などを確認しておりました。今までよりも少し硬い気がして、加工上がりのせいなのかそれとも今回の仕上がりが今までとは違うのか、寝かせてみて様子を見る必要がある気がしています。

夜には、たくさんたまってしまっていた新作生地の撮影を行いました。色柄含めると百種類以上に上ると思うのですが、キャノンのデジカメで撮影です。シャトルで織った生地というのは撮影すると非常にかっこよく絵になります。色無地が多かったのですが、それでも、色華やかな世界が広がっています。
2011年09月14日
今日は、彦根の小学校でミシンの授業のゲストティーチャーということで、社員のものと一緒に手伝いに行きました。小学生の子供たちにとっては最初の授業ということで、ボビンに糸を巻くところからなのですが、今の授業のミシンというのはミシンにミシンの使い方の説明が書いてあるのでそれを読んで、順番に糸を通していけば進んでいきます。

小さな女の子2人男の子2人の4名の班を担当したのですが、女の子の一人がやる気を出してみんなをリードしているのがわかります。他の3人はなかなか自分がやったことのない作業を進めていくというのは難しいようで、その女の子が間に入って冗談交じりに一言二言楽しげに言うと作業が進んでいきます。

失敗しても問題はないのです。というよりも、失敗してみないと何が正しいのかわからないことも多いのです。言われたとおりに言われたことをやるよりも、自分で時間いっぱいいろいろやってみることのほうが大事で、言われたまま正しく1回でできた人というのは何分の1しか経験していないことも多いのです。失敗したときにリカバーできる子供ほど大人になったときに強いかとおもいます。針に糸を通すのも5分掛っても自分ができるということを体験させてあげるのが大事だろうとおもいます。

夜はひこねの組合にお客さまでした。中国から来日されいろいろな組合を回っておられるのですが、中国の方のほうが日本でのビジネスチャンスなども含めて積極的に動かれているのを感じます。

インターテキスタイル上海などでも、インドの方が10社程度は弊社のブースに起こしになられていますので、インドの方がリネンを探しておられるのがよく伝わってきます。将来はインドで展示会をできたらなあとおもっているところに、たまたま、インドでの市場調査の話が入ってきましたので申し込みをいたしました。思っているとチャンスは偶然めぐってきたりするものです。
2011年09月13日
今朝は糸が届きました。字の中は大きなトラックが入りにくいので近くの空き地での受け渡しです。軽トラックに乗って車を走らせるとこれは夏の日差しだなあと思う感があります。季節が1、2ヶ月遅れて動いているような錯覚です。今は、旧盆のころであると聞いています。お月さまをベースにした旧暦のほうでもうまく季節感がつかめるこのごろなのかも知れません。今日は天気がよければ満月でしょうかね。

昨夜は夜まで掛かってリネンハニカムの商品アップしました。長さを測ってみるとどれも2mから5m程度しかなく、まだ、テスト的に作っただけですが、秋冬向けのリネンストール、キッチンクロス、ハンドタオルなどとして活躍しそうです。生機の状態でも色がきれいで、洗い上げるともっと素敵な感じになります。サクラ色だけは、少し色糸に斑が出てしまっていますが、洗い上げるとわからない程度だと思います。その分、今回のサクラ色だけ特別に少しお安くさせていただいています。

ハニカムは、どれもシャトル織機で織っています。リネンのトップ染の糸を使ったタイプなんかもあって、ソリッドな染糸とは違う面白さが出ていると思います。洗い上げると生機幅36cmが32cmくらいになって、ハニカムらしい凹凸感が出てきます。リネンなので少し荒めに織ってあるのと、ハニカムの大きさを小さくしてありますので、普通のしっかりな大柄のハニカムと違って服飾関連での応用範囲が広がると思います。いくつかの色味は広いキバタ127cm幅のものも作ってあります。
2011年09月12日
昨晩は、リネンハニカム生機カラーバージョンの撮影を行いました。ちょっと前にかなり時間をかけて織ったのですが、今のところ各4Mほどしか作っていませんので、販売する段階ではないかとも思ってとっておいたのですが、このまま世の中に出ないのもと思い、ようやく撮影を済ませました。珍しいカラーがたくさんあると思います。

今日は、織機につけたインバーターという機械が最近調子が悪くなっています。原因が不明なのですが、よく考えるとインバーターを付け替えてから2年9ヶ月です。今の電子部品は中身が輸入部品がほとんどですのでコンデンサーの寿命が切れたのかと思います。

昔なら3年で使えなくなる電化製品というのもリコールものだと思いますが、今の時代は産業用部品ですらもが消耗品の組み合わせになってきています。昔、レピア織機に織機メーカーの大型のインバーターをつけたときは7年ほどですべてが寿命でしたが、インバーターもコンパクト化して寿命がさらに短くなってしまっています。

戦後間もないころに作られた松下のラジオが今も聞けても、今のラジオは半年ほど電気を流さないとコンデンサが放電してしまって使えなくなるという問題を持っています。パソコンなんかとくにそうで、しばらく使わないと立ち上がらなくなるものがほとんどで、そのときに初めて品質というものに気がついたりいたします。
2011年09月11日
今日も、日曜日ながら、リネンのチェック柄をつくりました。色あわせが頭で思い描くのと実際に織機で準備のできている縦の色の濃度など、無限の色があると作りやすいのですが、限られた何十色かの色の中で、雰囲気のある色柄に仕上げていくのは難しいなあと思います。

コンピュータで並行して色を出していくのですが、無限の色の中から選べるシュミレーションでは、自分の好みの色付けができても、現実、限られた色を組み合わせる中でものづくりをしていかないといけないのでは、一色の筋の色で何時間も悩むことも多いものです。

ひとつのシリーズで5配色考えていて、途中でよい色柄が違う感じでできてしまうと、バランスをとるために全部の配色を考え直すということも多いものです。昔は、こうやって色柄を出す生み出せるデザイナーさんはたくさんおられたと思うのですが、今は、先染で物を作ること自体が贅沢になりすぎて、デザイナーさん自身も先染の柄を手がけることは少なくなっていると思います。

本麻の100番手の総先染などは良いものであるのはわかっていても、今の世の中からは姿を消しています。たぶん、専門家の方などが言われる、差別化されたよいものづくりの形そのものだと思うのですが、それを一般の生地と同じラインで流そうとすると難しい時代であるのを感じます。
2011年09月10日
今日は、残暑で外の気温が34度までも上がっていました。9月に入ってからは、お店の洋服売り場も秋色になりましたが、この暑さが続くと秋冬物の売れ行きというのが悪くなります。

林与自身もリネンの秋冬物の開発ということで、実は、ここ数日もリネンを毎日着ています。この素材には非常に満足で、通常のリネンとはまったくことなる着心地があって、それを否定するのではなく応用していく方向でいます。

平行しまして、細番手の先染織物も先染らしい色柄での展開を考えています。出展予定をしていおりますジャパンクリエーションんなどでもご覧いただける形にしていきたいと考えております。今回のジャパンクリエーションは、秋冬展となっておりますので、リネンや麻が注目にはなりにくいとは思いませんが、老舗らしいリネンや麻の世界をPRしたいと思っています。

今は円高もあって、日本製というのは日本人にとっても高嶺の花になりつつありますが、製造コストの高い日本国内に生産基盤を残すことでものづくりのぶれることのない独自の方向性が守られるのではないかと思っています。ヨーロッパの人にとっても日本製というのは高嶺の花で、ヨーロッパの人々の手が届くところまで円高も落ち着かないとものを流していくことは難しいだろうなあと思います。
2011年09月09日
林与も普段は地場に根付いたものづくりをしているのですが、製品にする肯定までを地場で行おうとする動きも最近は多いようです。逆から言えば、地産地消という言葉であらわされる概念かもしれません。

林与の場合は、産地でのものづくりをベースに最終的には日本全国の方にお使いいただいていたので、近江上布にしても近江の方に使っていただいていたケースというのはまれだったと思います。滋賀県のお客さんが京都や大阪の呉服店に行って近江上布を買うというのもおかしな話だからです。

伝統とか文化というのは、地域社会のアイデンティティそのものなのかも知れません。地域社会が、それを押す必要など別にないのですが、それが商売としてではなくその地域の主体性を持たせる意味で地域の強みになるのです。たとえ無駄であっても、特色のあるものづくりをしていることが非常に大事ではないかと思うのもその部分で、世間の評価は低いものでも自分自身の中で評価の高いものは作り続けていかないと駄目でしょうし、他の人が作らないものなので、独自の世界がそこに生まれます。