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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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2013年5月
リネン日記:28
2013年05月30日
「林与」の会社案内を、初日は40部ほど今日はお昼過ぎには30部ほどがなくなり、今回もバタバタとご用意させていただいた冊子70部をもらっていただけ目標はクリアでした。たぶん、ゲストのお客様以外に出展者の方で林与に興味を示していただいた皆さんが、たくさん、もらって下さった可能性があってそれはそれでうれしいことでした。

展示以外に交流会的なセミナーなども開催をされていたので参加しました。元気にされているなあと思ったのが、以前、リネン日記でも取り上げたことがありますが、テキスタイルマルシェ参加の企業さんで、わいわいとやっておられるところと言うのは、新しい生地なども自然にモーティベイトされて生まれてくるものだと思います。作り手が楽しみながら生地が生まれてきてそれが自然とお客様のお手元に届くような流れが、周りから見ても心地よいものです。

ものづくりの本質が献身的な気持ちがそこに流れている限り大きな歪はないですし、損得だけが判断になるとやらないほうがマシな事も多いものです。織物の業界なんて、家族規模で守っているところが多く、献身的に守っているから成り立っているようなもので、食べつくしてしまおうと思えば培ったものすぐに食べつくして終わり、逆に、新しいところでも大事に独自のものづくりを育んでおられるところというのは、5年10年動かれるだけで一つの世界を作り上げられるものです。

林与の場合どうなのか?単純作業においても年季があるなら若い人に負けたら駄目だろうと思います。一番怖いのは、年配の経験のある人たちではなく、これからの意欲のある人たちです。これは同じく、日本のものづくりが空洞化してどんどんと海外のものづくりのほうが美しくなって来てしまっているのと同じ流れ。かつては、日本の自動車でもアメリカ進出した1970年代には、フリーウェイでまともに安定して走ることができないレベル。それを乗り越えたものの、スピリッツが消えたときに、また次の国に5年10年で追い抜かれていきます。

伝統工芸などの職人を育てるべき産業を育むべき家業の主クラスでも、今の時代のものづくりになびいてしまっては海外の量産のレベルにすぐに落ちてしまうものです。それはほんとメンタリティな問題、失礼なことも承知で先代の世代の70代や80代の職人の指導するべくクラスですらも、今の国際的な競争に晒されている小学生のメンタリティにも負けてしまうのもときおり感じるのはさびしい現実。

産地や歴史などにとらわれず、やる気のある人が四苦八苦されながらものを生み出していく形を応援することそこが、偽装問題なども防ぐ一番の手立てなのかなあとも思うのです。世代を超えてものづくりを続けていくということは非常に難しいことですが、新しく麻織物に参入をされた方も、今の流行だからというのではなく、厳しい時代にも自分のものづくり守り続けていただきたいものです。
2013年05月29日
今日は朝彦根での会合があって、そのあと、インテックス大阪でのRINCROSSING商談会に向かいました。電車に乗り換えで3時間弱の道のり、途中、駅で月見そばを食べました。おいしいことおいしいこと。

インテックス大阪の建物は、ビッグサイトと同じで、巨大すぎて、展示会場の何十倍もの空間が使われてしまっていて、大きいことはよいことだという昔っぽさを感じます。優雅な余裕は大事なのですが、人が、平均すれば十数平米の空間に押し縮められながら毎日の生活や仕事をしているのにアンバランスだよなあと。

RINCROSSINGのイベントは6号会館の2階で、テーブルをシェアさせていただいたのは、富山の松井機業さん、シルクの高級な襖素材を製造されている会社です。反対側の近くのブースには京都の泉工業さん、小型の合糸撚糸機がテーブルの上でくるくると回りながら糸を作っていました。反対側には綿のガラ紡の糸を織っている会社さんなど。

会場についてすぐに交流会で、岡山の綿ハンプのタケヤリさんのお若い担当の方とお話し、ハンプ布に使っている綿の糸などの話は知らなかっただけになるほどなあと思ったりしました。ハンプの世界というものは、定番的なものが普通に流れているということでうらやましく思えるものの、普通に流れるものというものはそれなりに価格の競争もあったりで大変だなあと思えたりです。

いつもは大阪にきても観光をするなんてことはないのですが、今日は、新世界でご飯を食べてみたいと思い、新世界名物の串かつを初めて食べました。これほど串かつのお店が多いと競争も激しいでしょうが、これこそまさに名物の世界だなあと思えるのです。通天閣の近くにスパワールドがあって入館はしませんでしたが、後学のために入り口周辺で概要を知り次は使ってみたいなあと思いました。
2013年05月28日
今日は朝からしとしとと雨、夕方、インテックス大阪で行われるRINCROSSING展示会の準備に行くために昼の間は、会社案内などを作ったり。中小企業基盤機構主催の中小企業総合展に合流してのイベントで初参加なので、まずは経験から。

繊維の世界も技術革新的な商品開発に長けておられる分野と、もう一方ではそのまったく逆に位置するであろう揺らぎやローテクであることを追い求める味の世界がある。今回の展示は素材を見ていただくというよりも会社案内や出展者同士の交流の場になろうかと。

林与も、30日は11時から18時まで会場におりますので、麻関連でのご案件などございましたら、サンプルなどもあまり用意しておりませんが、会場まで脚をお運びいただけますと、いろいろとお話させていただく一つの機会となるのではないかと思います。
2013年05月27日
今日は朝から糸を染めるため糸の準備をして、染工場さんに糸と指図を投入しました。林与にしても同じ色でも染めた時期が違うと染料が違うこともあるので、リピートの場合、その染色ロットと同じ色に染めないといけないので、単に色番だけではなく、いつのどんな染なのか調べる作業が付きまといます。

縦糸と横糸に使うのでは、染め方が違う場合があったり、糸に糊をつけたりつけなかったり、縦にも横にも使うとなると同じ色で縦用と横用ができるとややっこしいので、一番安全な方法で染めることになります。

午後からは、昨日、織る注文をいただいたのでその分を糸の染を待っている間に織ってしまおうと、在庫の横糸探しを行い、何十メートルかパンツ用に織りました。しっかり目に織っておこうと思って、打ち込み本数を決め、パンパンに近い状態です。

厚い織物というのは織機を苦しめることになるので、標準的な密度で織りたいものではありますが、普通じゃなく見栄えしたり、面白くみえるものは、普通じゃない要素が必要だったりします。

でも、今回の分は、次に同じものができるかどうかを確約しなくてよいだけ、気はすごく楽。アカデミックなモノづくりでは、こういう部分を大事にとなるのでしょうが、一般的には、布づくりというのは、再現性をもたせるためにどれだけのお金と時間を使うかという戦いだったりするものです。手間の掛かるモノづくりほどもろく、同じものだけを作り続けるところが強いのも再現性

今日使った横の糸などは私が仕事を始めた頃にすでに在庫としてあった糸。ダンボールの箱から取り出すと撚糸が掛かって何十年も経っている糸ですが、この糸たち100年どころか、たとえば、1000年後でも糸は残せば織ることできると思うほどです。
2013年05月26日
今日は朝、大阪からお客様がお越し下さり、食事のあとお客様が北川織物さんで生地を見られるということでファブリカ村にご一緒しました。久しぶりに、お会いした北川さんのお母さんも、私以上に林与の昔のことを良く覚えられておられ、懐かしいお名前がいくつも飛び出してきました。

ファブリカの上の部屋で陽子さんが作れられた生地を説明されるに、自分ひとりだけでなく昔一緒に生地をつくられたお父様の思い出なども生地には詰まっているのが良く分かるのです。思い出の詰まったその生地を価値がわかって欲しいという方には、敢えて販売される。布というのはつくろうと思っても一つ一つそう簡単じゃなく、大事に使って欲しいという気持ちよく分かります。

他のアパレルさんとの昔のやり取りのお話なども、生地というのは使うアイテムによって基準が変わるなど単にデザインだけではなく用途を考えた物性の考慮など、私も展示会などでもよく、ストール生地を服に使いたいとデザイナーさんの方がおっしゃって下さり、洋服でありがちな根本的な問題をご説明することも多いもの。

昔の近江上布なんかも今だとアパレル向けには硬くてごわごわだといわれますが、それは着物の世界の規格としては完成された形の極みで追い求めた挙句の最終形であったりもします。リネンにおいても形をつくるところからはじめ、何十年も同じ形を守るのも、今では、どこもがやられて同じに見えても、生み出してきた歴史なども考えると、林与にとっては、別のところで大きな意味のあるところです。

マーケティングの専門家が大好きな世の中にないような布をつくればつくるほどそのリスクは累乗的に増え、マーケティングの専門家が目を向けたがらない根本的かつ基本的なものづくりの問題に繋がるもので、今の時代が検査検査になるのも布から布の物性を感じることができないものづくりにあろうかと思いますし、検査よりも商品を作ってしっかりと叩いてみることが大事という基本プロセスの大事さを感じます。

検査機関に検査プロセスの意味のなさを理解されていないことが多く、何十年の実績があり売れ筋の布が検査では落とされるというようなパラドックスもあって、洋服のプロであるはずの世界がそんな数値に縛られるというのも酷な話です。

世の中にない斬新なものを出していこうとすると、そういうパラドックスに気がついていないと駄目なのですが、本質的なところに解決方法が見出せたとしても、無味乾燥なものづくりでは数値に縛られ、たとえば色によって物性が異なるなどのトラブルだけに終わることも多いものです。色によって打ち込みなどの規格を換えるなどの匙加減も実は昔からあった手法なのですが、今の人というのはそういう匙加減しらないものです。

色の問題に関しては、数値に縛られたものづくりでは、何らかの避けることのできない違う要素が存在するときに、解決方法がないのです。たとえば、黒の織物をつくるのと、白や生成の織物を作るのでは、素材そのものが染色物性も化学変化的に安定している合成繊維では同じかもしれませんが、麻織物では今の染色や染料の特性を考慮するとその色による違いは、染料の選択を替えるなどして物性を高める必要があるのです。

これは、今は、どこの染色工場で染めても同じ傾向がでる感じ。分業の専門家が集まると起こりがちな問題で、世の中にない良い物を出していこうとすると、色が違うと規格が違うというのも、実は色による染料の物性の違いを考えると当たり前のことだったりするのですが、そこまで考えるものづくりする人は完全に超えた試作を積み重ねて積み重ねてのモノづくり、数値と規格の両方に縛られると改善方法も無くどこまでも深みにはまることになります。

洋服などでも数値をみて安全というのではなく、一度試作していただくことを前提とするのが、プロがプロであるがためには、押えておくべきポイントではなかろうかと思います。デザインなんてものも感性に基づくもので、数値基準で縛るそれ以前のところで、大丈夫大丈夫でないという判断をしないと、ヨーロッパの数値に縛られないクリエーションの世界と比べると見劣りしてしまうものです。
2013年05月25日
滋賀県は人口の増えている県でありながらも、かつて栄えたところほど過疎化という問題は進行するものです。地域も色が濃すぎると順応しにくく、その場所に思い入れをもった人だけが残るような形になります。まれに、新しい人が入ってこられたとしてもそれは奇跡的なこと。

ニュータウンブームと呼ばれた場所もいつの間にかオールドタウンになり、60代、70台の方が増え空家が増えています。家というのは厄介なもので、同じ場所に立て替えようとすると、1年ほど他の場所を借りて家財道具を一切合切移して住まないとなりません。家が出来上がるとまた引越しです。田舎の家ほど持ち物が多いものでそれがなかなか難しく、新しい家は新しい場所でということになりがちです。

建て直しの際に、市町村が仮住まいの場所と保管する倉庫を準備するだけで、人口の流出なんかも防げるのかもしれません。世代を同じ場所で循環させることというのはそう簡単じゃあないもので、一旦、空家ができるとゴーストタウン化って案外早いものです。家があっても人が住んでいないと家は土に帰ろうとするし、空家の横に新築の家を建てるというのも侘しいものだったりします。

林与の会社の建物も、建った25年前は、田舎にふさわしくないド派手なカラーに思えましたが、25年も経つと景観の一つとして落ち着いた感じもいたします。
2013年05月24日
今日は、朝一番にリネンの糸が届いて、会社には4トン車は入り難いので、会社から3分ほど離れた場所に荷物を受け取りに行く。そのあとすぐに、出機さんから電話があって、そのうちの1箱を出機さんに持っていきました。

吼えるほどに元気にしていた犬がいつもと違って元気がなく後ろ両脚が悪くなったので聞いてみると、道に飛び出して車に轢かれてしまい、意識不明で病院で1週間、意識は戻ったものの脚の神経がやられてしまったそうで可哀想な話。

今日はコズミックワンダーさんから、瀬戸内国際芸術祭のご案内をいただきました。3年に一度の瀬戸内海の島々で行われるスケールの大きな芸術祭。アーティストの前田征紀氏も名前を連ねておられます。7月20日から9月1日までロングランで行われるので夏に時間を見つけて行ってみたい気がします。会場として船で渡らないといけない島々を選んであるのも芸術祭の主旨自体が島々に来て欲しいという思いの詰まった芸術祭であるのを感じます。

私自身は観光地というのは俗化しすぎる傾向がありあまり好きじゃあないので、自然を眺めたり、昔ながらの小さなお店で買い物をしたり、現地の味が食べれればそれが旅の良さというものだろうと思います。旅をするときに現地では自分の足で歩き回り疲れることも大事じゃないのかと。
2013年05月23日
今日は午前中お客様、午後からもお客様、夕方は彦根での会合。一日仕事が進まないままに、出来ていないことを順番に取り組んでいく。

人生でやりたいなあと思ったことは、チャンスが訪れたときにはやっておくべきだろうなあと思う。そう人生に何度もチャンスは無いものだ。失敗しても他の仕事で取り返せるなら、やらないよりは何倍もマシだろう。あーだ、こーだ、言っているだけの、その他大勢に入りながら成功しようとしてもなかなか難しい。あーだ、こーだー言っている暇があるなら、体と時間を使って成果を生み出し自分のものとするのが仕事。これは農業に通じるものがある。
2013年05月22日
「三方よし」の考え方というのは、経営者が学ぶものではなく、丁稚さんに教える程度の基本的なことです。自己犠牲こそが三方よしの基本で、それは丁稚の状態から経営者の状態まで貫かれるべき精神であろうかと思います。

また、「三方よし」の精神というのは少し話をするとすぐに分かるもので、これは近江出身だから云々というのではなく、心優しい人がもつべき精神で、ときには、それに反する精神に対しては非常に厳しく対応する必要もあります。

興味深かったのが、「三方よし」を経営哲学に取り入れているかという、滋賀県と龍谷大学が行った調査です。近江湖東地域の企業には、経営哲学なんてものがそもそもないことが多いということで、それは、経営だからといって人が生きていくときの信条をベースとしているからです。丁稚さんには「三方よし」の考え方を理解するのは難しいもので、なぜそれで商売が成り立つのかというあたりだと思います。北風を吹かせる商法が良くありますが、それは「三方よし」とはまったく逆の考え方。

「三方よし」の精神では、相手を助けることが商売の基本で、宣戦布告なんてしたものが負け、負けるが勝ちというのが常識です。本来、商売をするときに、10以上の力をいれて、なんとか10を稼ぐというのが「三方よし」の実践的な形ですので、譲り渡したとしてもそれを奪った競争相手が自分の大事にしてきた人たちを守れたとしたら、自分は身を引いたとしても天晴れなものです。そういう中で全体的な産業の発展も円満に進むのだろうと思います。
2013年05月21日
物事を検討するのと物事を進めるのとは違う概念です。検討しても進まないことのほうが多く、物事を進めるための検討というのは実績になりやすいものです。ノーリスクな検討を重ねているタイプの検討というのは、実際に何もしていないのと同じで、物事を前に進めて、答えを見極めるような形が一番ほどに判断も付きやすいものです。

売れる売れないかで迷っているよりも、実際にやってみて売れるか売れないという判断を早めに出したほうが、一人の人間が何日も仕事しないで検討だけしているよりも、損は少ないでしょうし、また、やらないという判断の場合、そういう方はいつまでも時間が掛かってやらないままであることが多いのです。また、プロでありながらも分からないことも分からないまま、次のチャンスで重い腰が上げられるのか。上がらんと思いますし、上げたとしても一生とかのトータルで見るとすばやく動いている人に比べ勝るはずがないのです。

そういうのが今まで仕事をやってきたやってこなかったの実績的なもので、仕事というのは長くしているから上手ということもなく、仕事を覚え始めたときの学習能力が一番高く、そのあとは学習能力も一般的には落ちていくものですし、仕事に対する意欲というものも経験や人脈でお金を稼ごうとするので一般には衰えていくものです。

知識や経験があっても実際に仕事をしていないと急速に衰えていくもので、昔は出来たのに今はできないというような商品も多いものです。一旦、衰えるとそれが前の水準に戻ることは難しいものです。村の加治屋さんなんかが消えてしまった背景なんかが、天然記念物のトキが消えるのと同じような運命でまた希少性にしても同じです。
2013年05月20日
今日は海外向けの出荷を行いました。DHLの営業所に持ち込もうと高速道路に乗った途端のリフレッシュ工事の片側規制での大渋滞で、締め切り時間に間に合わず、受け取りはしてもらったものの、今日の便には乗らず、結局帰ったら午後9時過ぎ。丁度昨年も同じようなことがあったなあと思い出しました。

お昼過ぎには先日1枚確認のためにお送りしたストールに関して、お電話があってつけるロゴタブを変更するお話で、確認してよかったなあと思いました。午後からはお客様で、海外向けの一つの後染めの企画に関して知恵を貸していただこうと京都からわざわざお越し下さいました。

また、今日は、あるプロジェクトで、リネンの不思議な特性を発見。私の思っていたのと違う物性をリネン生地が示すので、今晩、寝ながらでもじっくりとその理由を考えてみようと思いました。案外、寝ているときに仕事の答えが見つかるものです。
2013年05月19日
今日は雨がしとしとと降る一日。今日も朝から倉庫です。今日は何とか撮影も捗り、昨日と今日で目標の2日分の20種類以上を撮り終えました。同時にハンガーも作っています。夕方までに出荷の案件をいくつか終え。夜には、画像を10数点アップしました。倉庫には、麻関連の数千種類の布がありますが、それを1年掛かっても撮り終えることが一つの目標です。

倉庫のもののほうが今作るものよりもよいというのは、時間のあるときにじっくりとモノづくりをしたからだろうといえます。仕事が少ないときに積む覚悟をして作ったものが多いので、そういうものというのは残しても価値のあるものをつくろうと何倍ものコストを掛けて見本的に1反づつ作ってあります。

中には、縦キズが全通の反物もあったりしますが、そんな反物でも処分せずに15年ほども経つと、懐かしいなあという思い出が詰まった布になっていて、キズがあろうが、その布の価値というものはそれほど私にとっては低くは無いのです。反物なんて上手に縫製する力があれば一つのキズなんてカバーできるもの。

昔は縫製の力があったから、良い布を使うことができたのだろうと言えなくも無いのです。今は、国内というのは、OEM的な、がっちゃんな縫製にどこもがなりつつあるので、糸からして安全な糸しか使うことが出来ない形に追いやられてきたのが、日本のものづくりの特徴であったりもいたします。
2013年05月18日
朝から倉庫。倉庫の中は暑い日でも驚くほどひんやりとしています。倉庫の一角で撮影が行えるようなセットをつくって、とりあえず、倉庫や在庫の反物を一日10種類撮影しようと目標を立てました。倉庫の中の照明が暗いので照明を追加するもののなかなかオリジナルな色味が出ずに苦戦して、今日は7種類どまりで出荷に着手。

今回のプレミアムテキスタイルでは、150番手のリネンストールが、一番ピックアップが多かったのです。お客様の声を聞いて参考になったのが、オフ白よりも生成のほうがよいということ、それは、白だとファンデーションなどの色が移ったりして汚れやすいからという、売れ筋を形成するのはカラーコーディネイトだけではなく、モノづくりというのは実用面でのプラスマイナスを理解していないと難しいなあと思う展です。

真っ白なハンカチが売れるのかと思いきや、オフ白のハンカチのほうがリネンのハンカチとしては人気があったことも、林与が行った調査では、1対9くらいの差があって、オフ白のハンカチのほうが好まれやすいという傾向も判明をいたしました。それも、同様な理由の部分も含んでいるんだろうと思います。また、日本人は、一般的に塩素系や蛍光系の漂白を嫌う傾向があるのかもしれないと思います。

150番手リネンストールは、ビンテージアイリッシュリネン140番手ストールの派生商品になり、現行の150番手の糸を使っており手の届くところにまで来たのではないかと思います。現行の糸を使っているとはいうものの、150番手クラスとなると供給が安定せず、糸在庫があるときでないとなかなか納期が読めないのです。

それには、ファイバー原料の背景からして特殊なので、リネン紡績工場にとっても重い腰を上げないと引く事のできない糸なのです。リネン150番手の織物というと、カシミヤ以上に希少な織物であったりするのですが、織れる機屋も少ないのであまり話題にはなりにくいものです。リネンストールは150番手をガーゼに織るので、比較的簡単なのです。アパレル向けに150番手を通常の糊付けの方法で織ろうとするといろいろと大変です。
2013年05月17日
連日、お客様続きですが、みなさんが暑くなってきましたね、とおっしゃっておられ、冬が寒くて夏が暑いのが昔の日本の気候風土。原発の停止している状態というのが日本の昔の気候を取り戻す大きなきっかけとなるのではなかろうかと思います。

いろいろな法制度の整備で、自然が破壊されていくことも多いものではなかろうかと思います。短絡的な対応で法律をつくると続かないものをその場しのぎに援助して、本来続くものを淘汰してしまうことが多いものです。新しい物づきといわれる感覚で、しっかりとしたものを淘汰していくのが次から次へとできる法律。

リサイクル制度も壊れやすい電化製品をつくればつくるほどリサイクルシステムの維持が安泰し、メーカーが儲かるシステムになってしまっているのは、本来のリサイクルの主旨に反するところではなかろうかと思います。そろそろ気が付かないとマイナスを大きく作り出しています。
2013年05月16日
プレミアムテキスタイルジャパンにおいて感じたのが、林与が一般的なアパレル素材以外に、薄いものから分厚いものまでリネンで展開をしているので、アパレル以外の得意分野であるストール、ハンカチ、キッチンクロスの分野のほかに、バッグ、帽子、傘、扇子など、その道の専門のみなさんとの出会いが多いものです。また、リネンの機能性に着目したところのご用途などのお話もあり、その筋のかなり深い世界にはまり込んで行くものです。

心配するのはその御用途にあう素材を、自分の頭の中で組み立て数回試すだけで満足いただけるのかどうか。ベストを見つけ出すために無限の組み合わせを試したいながらもそれをやろうとすると、日本国内ではコスト面では難しく、ノウハウの世界なのかなあとも思うのです。
2013年05月15日
今日、朝一番に現物反の仕上がりの確認があって、加工工場さんに問い合わせするとまだもう少し掛かるとのこと。仕事が少なく何か仕事がないかという問い合わせに応じて、投入もしたものであったので納品の予定も狂ってくる。

ボイラーの運転が止るとのことで仕事ができない状態が続いておられるそうで、昔に良い設備を入れておられれば入れておられるほど、今の時代の安い設備とは違うので、修理部品なども調達しようとすると非常に高価であったりするのだろう。

電気仕掛けになった部品というものほど、昔のよいパーツが一旦壊れると、新たなパーツというものは今の部品の寄せあつめなので、メーカーの一つの小さなパーツの選択が使う人に大きなリスクをもたらしてしまうという危うさ。そこまでメーカーの人も考えずにというよりも、修理させることを当たり前に考え、買い替えればよいじゃないのというような考えも多い。

JR西の脱線問題でもATSがあればというような馬鹿げた話ばかり、原発が爆発するのも当たり前といえば当たり前で、今も、2重の予備電源があれば安全だというような話。たぶん、意思決定と現場が異なり知識のないものが人の命すらも揺さぶる。緊急時に柔軟な対応もできないマニュアルシステムのほうが大きな問題だろう。予定通りにいくことばかりを考えて予期せぬことが起こるという想定がなく、それに柔軟に対応するというのがJR西の脱線問題の防止でもいえることだし、原発の爆発に関してもいえることだろう。

電車を走らせるのも脱線するかしないかを判断できるプロが運転していないと駄目でATSある無しの議論は逃げているだけに思う。原発も同じで、いざ爆発したときに対応できるようなプロが運用の決定権をもっていてほしいものだ。人々の財産に関わる年金問題にしても破綻するのは見えているが開き直ってしまっているから驚く。

寄せ集めでしかないものというのは不具合も多いもの。
2013年05月12日
プレミアムテキスタイルで、奈良のミルツルさんがプレミアムテキスタイルの会場で、ツバメダンサーズの布を見せて下さいました。ベースの生地は林与がつくりしたリネントップ生地なのですが、その上に子供の落書きのようなツバメが連なる刺繍を載せてかわいく仕上げてありました。

ああいう創作的な布というものがもっと世の中に溢れていても面白いだろうなあと思えますが、魅力的な布に見えるまでには幾度かの小さな修正を重ねる必要などあるもので、刺繍の方が作業の手間を惜しまずに細部を詰めて完成にまでたどり着いたものと感じました。

ツバメダンサーズのような布が展示会でもたくさんならぶと面白いと思うのですが、不特定多数の多くのメーカーさんに対して提案をする生地というものは、独創性を抑えたものであったほうがよいのも事実です。外にはでないミルツルさんの布ですので、興味のあられる方はミルツルさんのサイトでチェックしてみて下さい。

仕事においても、あったら面白いのになあと思えるものを形にするということはなかなか難しいというのは、林与の布看板を作っても感じました。布って力を注ごうと思えば、どこまでも力を注げるものなので、人生の時間も注ぎ込むのよいのです。

商売で布をつくるとよい布ほど先に売れていってしまい、手元には残らないことが多いものです。日本の織物産業の歴史を振り返えろうとしても、機屋さんにもアーカイブが残っていないことが多いものです。
2013年05月11日
今回のプレミアムテキスタイルでの林与の中での目玉のひとつが、リネン150番手のストールやアパレル向けの素材です。これは、ビンテージアイリッシュリネンプロジェクトの成果ともいえるもので、ビンテージアイリッシュリネンプロジェクトばかりが注目をされますが、現行のリネン150番手をアパレル向けにレピア織機で量産しようと試みまして、織りに時間は掛けて織ってみました。

このことも現行の世界最細番手を通常の糊付けの技術で、アパレルに使えるような密度で織るというところ麻織物のマニアックな世界そのものです。ビンテージアイリッシュリネンハンカチとほぼ同じ密度で織り上げましたので薄くてもしっかりとしています。

ビンテージアイリッシュリネンのストールも展示会などでは好評だったのですが、価格の面でカシミヤを超える想定の世界で流していくことが難しく、現行リネン150番手でストールを作って、生成、オフ白展示しましたところ、多くの皆さんが目に留めてくださいました。今回の一番人気は、リネン150番手ストールでした。繊細なリネン150番手の魅力をストールの形で表現するとこんな感じですというようなアイテムです。

リネン150番手に関しましてはこれから先もより細く進化していく可能性も秘めており、紡績技術の工場に、麻織の技術も追いついていかないと、細い糸の開発というのも無意味に終わってしまうと危惧します。
2013年05月10日
近江上布というのは、夏の浴衣地につくられた絣柄なのですが、今回のプレミアムテキスタイルでは展示いたしました。この世界に興味を持ってくださる方というのは、いろいろなものを見慣れておられるブランドなどのデザイナーさん自身であることが多いのです。

一見して、近江上布の世界というものの完成度の高さに驚かれるもので、技法だけでなく、デザインに関しても、「林与」の近江上布の世界がハイカラであり、今の時代にも新鮮に映るというコメントをたくさんいただきます。インターナショナルなブランドのデザイナーさんですらもが、目を奪われ吸い込まれる世界というのがそこにはあります。

私自身も一発勝負で、林与のかすり織物の色柄が生み出されていたのには驚くしかないのです。数千種類あってもハズレと思えるものは、非常に少なくどれもが使いたい気分にさせるような重みをもっており、実際に生地に再現すればそれこそ今の生地の中におくと飛びぬけて目立ちます。最初に、プリントで再現した近江上布プリント柄の蝶柄もよい柄であるということでお褒めいただくこと多いです。

できるところからということで、プリントの版を起こすところから始まるのですが、それも試織まで行くと少なくない費用が掛かり、本番に進まないといけないプレッシャーも多いものです。灯台下暗しは商品開発だけでなく、目をつけて下さったお客様にしても灯台下暗しを感じる出来事がありました。林与自身、ヨーロッパの生地を扱っておられるので着物の世界はテイストが違うと思い込んでいて…。

プリントというものをソリッドに色を出すのではなく絣調に色を出すという発想も、単純なことではありますが、同じ1色でも色の表現力や面白さというものは何倍にも膨れ上がります。近江上布プリント柄が素敵に見えるのも、柄がよいからというだけではなく、日本の繊細なプリント技術を十二分に活用しているからよい感じでの再現が可能となりました。これは、かすり織物が通常のプリント織物と比べて、平べったくなく、立体的に見えるのと同じ効果出ているものと思います。
2013年05月09日
今日、最終日の2日目は朝から会社案内のパンフレットが無くなってしまって、つなぐ通信も皆さんがもらっていいですか、とたくさん取って下さって、ご用意くださった成田さんがご到着の頃には、最後控えにとっておいた2部が残るだけ、成田さんもおっしゃっておられましたが、表紙が使い込まれたリネンキッチンクロスだったので、プレミアムテキスタイルジャパンでのウケがよかったのかもと。

成田さんと同時期に上島佳代子先生もお越し下さり、そこへ、上島先生がご着用されていたリネンワンピースのお話をしていて、それが、リゼッタでご購入されたとのお話に驚いた瞬間に、そこへリネンバードの皆さんがお越し下さり、えー、とびっくりのタイミング。みなさま、お忙しい中を、掛けてくださりありがとうございました。

滋賀県からは、滋賀麻さんと近江織物さんもご出展されておられ、ハーベスト展でご一緒のパノコトレーディングさんならびに、カゲヤマさんの皆さん、ともお会いでき、2日間があっという間に短すぎました。

会場で、弊社のことを始めて知っていただいた皆様とは、十分にお話させていただくこともできなかったかとも思うのですが、メールでご連絡おとりいただくか、次の機会にまたぜひお立ち寄りくださいませ。林与のロゴ看板も元気に復活しました。頭でイメージした以上によい感じに仕上がりました。変なところに満足してしまってます。