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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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2022年10月
リネン日記:9
2022年10月30日
私はコンピュータゲームをしないのでグラフィックボードの価値が分からないのだけども、仮想通貨のマイニングにはグラフィックボードが使われる。仮想通貨のマイニングブームがあったのでグラフィックボードが高止まりしていたのだけども、この夏あたりから2倍以上の性能の新しいグラフィックボードがどんどんと出てきたことによって、仮想通貨のマイニングで利益を上げることが難しくなって、グラフィックボードはゲーム専用に戻った感がある。

グラフィックボードは電力を大量消費していて、最新の高いものだと450wとかで、コンピュータ一システム式で1kwくらいの電力を消費する。1時間の電気代が30円としてとして、5時間使うと150円で、一か月で5000円くらいの電気代。画像処理などの仕事でビデオなどのエンコードで24時間使うとなると、一日720円で、1か月で2万円くらいの電気代になる。

シャトル織機1台もガチャンガチャンと動きながら音を立てるのだけども、その半分の500kwくらいしか電気を使っていないのである。林与の会社の場合も、シャトル織機の動力の電気代よりも照明の電気代のほうが高かったりする。工場全体には、蛍光灯が200本以上ついているから。一部の蛍光灯はLEDに交換してさらに、人感センサータイプにした。一番良かったのは昔よりも工場の中が明るくなったこと。まだ、一部の蛍光灯は昔のままだけども、蛍光灯もまだ使えるものがあまっているので、すこしづつ使って使い切ろうと思う。

事務所の蛍光灯もほとんど交換せずに30年以上使っている。ものというのはなかなか長持ちするもんだなあと思う。まだ使える蛍光灯を捨てるのがもったいない気がする。事務所にしても使う時間は少ないので、全部をLEDに交換することのほうが無駄が多い話で、たまに少ししか使わないものは買い替える必要なんてないのである。

そしてよく使うものは使い勝手が良く丈夫で長持ちするものが大事で、別に高い物でなくてもよいけども、本質的に良いものを使うのが私的にはあっていて、よく使うノートパソコンやスマホは、中古の同じ機種を手に入れてそれを何台ももっていて便利に使っている。今のノートパソコンもスマホも、バッテリーを交換できなくなってしまって改悪ではないのかと思える。
2022年10月30日
先日のビジネスマッチングイベントでSDGsの取り組みに関して5分ほど話させて頂く機会があって、まず、林与のような昔ながらの小さな企業でも日本の中で残っていくのは相当覚悟のいる大変なことであることで、天然繊維の織物が国内でこの先存続できるのかという大きな問題が日本の中にあって、それに関してはそれほど国内では危惧もされておらず、海外の繊維業界に関しては働いている人日の生活など危惧がされていても、国内の繊維業界というのは競争力がないとか、斜陽産業だとかいう位置づけで、昔ながらの織物業を取り巻く環境は厳しい状況であること。だからこそ、自分自身が織物を織つづけていくこと自体が繊維業界におけるサステイナブルな取り組みだろうと考えている。なぜ、取り巻く環境が厳しいのかというと、以下のような背景がある。


ロスや無駄をなくすというと、ジャストインタイム、小ロット生産、在庫ゼロの考え方というのは、優良企業的なのだけども、それを受ける側というのは無駄ばかり。トータルで見ると無駄を意識せずの生産方法ではある。織物の生産現場には無駄ばかりが残ってしまう。サンプルの時につくった10mのうちの着分3m以外の残りとか、50m作ったうちの15m以外の残りとか。またいろんなサンプルのバリエーションをつくって残った部分とかも。アパレルさんにとってはそれは関係のないものになるのだけども、実際に生地を企画されるときにそういったトータルなものづくりがみえていないと、ロスのことすら頭になく、意識高い系のロスゼロでそれは単に利益目的でトータルな考え方が無かったりする。

林与的考えると、定番的なものをベースにして、シーズンに問われずに作ったものを次の年にも店頭に並べることができるようなスタイルが、ロスゼロに近い概念に結び付く。今までのようにセールで売る形だと、発注量が200mだとかだとして、200m納めるためには、240mくらい生産する計画で、200mに必要量の、1.3倍くらいの糸と糸染めをすることになる240m織れたとして、どれだけ加工縮みや加工ロス、キズ引きなどがあるかで、220mくらいに落ち着いて、そこから200m程度を納めることになる。

ショート厳禁のブランドさんだと余計にショートしないように多く材料を投入するので無駄が多くなるし。1反の長さを50mのプラスマイナス5%以内とかのブランドさんだともうお付き合いは難しくなる。そういうブランドさん向けにはオリジナル的な生地は生産しないほうがリスクが少なくてよいのである。ブランドさんの規定で使える生地も使えないという問題は、最初に言ってもらえれば断って進めるか、仕事自体を断って済ませないと。最初に書いた、ロス程度のロスでは済まない、1反単位のロスができて、またもう一度追加で作り直すような話も出てきたりする。

納期なんかに関しても、今の日本の体制で品質検査などもある場合に、ぎりぎりの予定で仕事を受けている状態で、品質検査が通らなかった時にはどうするのか?とか。ジャストインタイム、小ロット生産、在庫ゼロというのは、単純な組み立てとかの製品には適しているかもしれないけども、一から素材をつくるとなると組み立て作業ではないから、いろんな問題などが起こるを想定してスケジュールも柔軟に考えておかないとエシカルなものづくりは実現をしない。

織物の現場の仕事でも、この仕事を他の誰ができるんだろうかと考えるときに、普通は技術的にも体力的にも難しいような仕事だろうと思う。そこにいろんな制約ばかりをぶつけてみたところで、余計に仕事が難しくなるだけのことで、いろんなところでどんどんと無駄が出てきてしまうのである。実際に無駄と向き合って解決する能力を持つことも大事で、作ったものが残ったときにそれを料理する力みたいなものがアパレルさんにあったらよいと思うし、なければ林与にあるようにしないといけないと思う。

今は、お客様の長く扱っていただける定番素材や、林与の自社生地を使ってもらうような形も増えてきた。アパレル業界の展示会受注方式というのは、アパレルの次のSS展示会は10月ころに行われるのが普通で、11月末くらいに発注量が決まり、12月頭に生地の本生産の数量が決まる。そこから糸を染めるにしても、フル生産の時期に12月中に染められるのかという問題がある。年を明けるともう1月末とかの納品は難しくなる。加工ですら2週間、ときには1か月掛かることもあったりする。正しく生産できたとしても、そこに品質検査などがあって、引っかかってしまうと再加工など。最初から展示会受注方式というのは、手間のかかるモノづくりには向いていない方式で、今の日本ではどんどんと難しくなってしまっているように思う。
2022年10月27日
今日は、2日目、朝10時から、昨晩は本当によく眠れたのだけども、それでも目が覚めたのは朝の3時。コンピュータでの作業を起きて少しやって、会社に戻ると月末納品が詰まっているのでなるべく体を休めておこうと、朝の10時のチェックアウト近くまでは、ホテルのベッドの中で横になって体力を温存しておく。手織り織機というのはやっぱり会場の中でも人目を惹くので、たくさんの方が手織りを体験してくださる。学生の方が興味をもって織ってみたいと思ってくださることは多く、それも私としてはうれしい。

ファッション関係の専門学校が大阪にはいくつもあって、展示出展もされていて、若い学生の方々がたくさん会場にも来ておられ、ぱっと見、コスプレのような風貌の若い方々が手織りのような光景は不思議に思えるのかもしれないが理には適っている。若い方々が手織り織機を見て織ってみたいと思ってくださるのはうれしいし、そういうのを体験することでこんごどこかで織ったことが知識となって役に立つとか、織物に関してさらに興味をもってもらえるとか、自分で手織り織機を使って、布から織ってみてその織った生地で洋服をつくってみようみたいな流れになったりすることもあるんじゃないのかと。なにかのきっかけになればよいなあと思ったりもする。

繊維業界に織られる方々でも手織りを経験されたことのない方は多くて、織機を眺めていてくださるかたはやっぱり興味があったりされて、どうぞ織ってみてくださいと声をおかけすると織ってくださる方が多く、誰でも簡単にきれいに織れたりするので体験された方は楽しんでいただけると思う。ビジネスマッチングのイベントなのだけども、まったくビジネスを意識はしていない体験イベントで、いろんな方と話ができて繋がれるというのはありがたいことである。

コラボさせていただいたESINの伊藤さんが、糸車で手紡で羊毛を手で紡いで糸をつくるところも実演をさえて、それもいろんな方が興味を持って話しかけに来てくださる。林与というのは麻織物の織物工場なのだけども、繊維の世界というのは工場みたいな感覚でとらえられることが多いのだけども、経験いただく手織りのような布を織って自分が作るという部分は、一番基本の部分なので、生地は売って買うものという感覚も一つではあるとは思うが、つくる工程や自分たちでつくるというような感覚まで広がってほしいなあと思ったりもする。

体験いただいた方々というのは、平織という織物の基本組織の織物がどうやって織れるのかというのを頭ではなくて、体で織って理解できるので目からうろこみたいな、やれば簡単に織れるみたいな部分もあったり、また織ることも楽しいと感じていただけたのではないだろうか、

今回は主催かたにお願いして林与のブースの横に手織り織機を置かせて頂きたい、テーブルがなくてもよいので手織り体験をしてもらいたいということを提案させて頂いたところ、手織りコーナー用のスペースを用意いただくなどになって、逆に私が誰が閑古鳥だったらどうしようか?と心配してた部分もあったのだけども、この2日間、ほとんど間が空くことなく、伊藤さんには大活躍をいただいて、何十人もの方々に手織りを体験いただけた。体験された方だけでなく、体験されている友達をスマホでとったりされておられる方も多く、私自身本当にうれしかった。

そういえば、もう7年ほど前になるだろうか、昔、東京テキスタイルマルシェで初めての手織り体験企画をやったことがあって、その時も小学生くらいのお子さんが楽しそうに織ってくださった。一人でも二人でも楽しんでいただける方があれば織機をもっていった甲斐もあるというもので、そういうのが発展して米原でのロビー展示や今回の繊維の日のイベントでも、すごくたくさんの皆さんにチャレンジしてもらえるような流れになってきた。活躍しているのは中古で買った手織り織機で、長く使われずに放置されていたような織機たち。何十年も放置されていた手織り織機が、繊維関係者の集まるイベントで脚光を浴びるみたいなのも私としては、なんとなくそういう見向きもされずに放置されていた昔の手織り織機というのが日本の織物産業を象徴しているような気もして、織物の世界が脚光を浴びたような気がしてうれしい。

帰りがけに、手づくりフェアでお世話になっている関西ファッション連合の清水さんにお会いして、大阪の手づくりフェアも3年ぶりにくらいに開催をされたそうで、手づくりフェアは家族で来られる方も多いのでそういう場所でも2つか3つ分くらいブースを借りてやってみたいなあという新たなるプランも生まれてきた。織物経験するなんてあまりないだろうから子供たちにも織物がたのしいを知ってもらいたい。やれるうちにいろいろとやっておきたいなあと思うのである。また、仕事で布を織ってほしいというようなリクエストも多く受けたりするのだけども、林与のシャトル織機でつくるのも一つだけど、ご自身で手で織られた方がご自身で試行錯誤もできてよいのではないかと業者の方にも手織り布を織ることをお薦めしたりもするのが林与だったりする。

この2日間、手織り体験のことばかりだったといこともなく、本業の麻織物の仕事のほうのお話もいくつかいただいたり、昔からのお付き合いの方々とも久しぶりにお出会いが出来、お話ができたりと、普通にビジネスマッチングの場としての面も活用はさせていただいた。
2022年10月26日
今日は午前10時に大阪の綿業会館に到着、手織りの織機を2台持ち込んで手織り体験イベント。今回の会場のテーマもSDGsがテーマとなっている。ペットボトルなどの再生繊維や洋服を再生した再生衣料などの企業などが多く出展。こういうイベントに出展させていただくと、いろんな意味で今のトレンド的なものを知ることができる。基本、林与のものづくりというのはぶれなくてもよいんじゃないかと考えていて、麻織物というのはそれ自体が非常にエコなものづくりでサステイナブル、丈夫な繊維なので、長く使える良いものを作るというのがいいんじゃないかと。

今日は、ESINの伊藤さんとコラボで、手織り体験コーナー。手織りの織機というのはやっぱり存在感があって、今日も専門学校の学生のみなさんなどがたくさん体験をしてくださった。学生の方の場合には、友達同士で体験してもらうパターンが多く、二人が興味を示して一人が織ってくれていると他の友達も集まって来てみたいな感じで、学生さんらしいと言えば学生さんらしく、手織り織機に興味をもってはくれているのだけども、一人だと近寄りがたい感がやっぱりあったりするんだろうなあと思う。

ESINの伊藤さんは、本職がパターンナーで、手織りは初められてまだ1年ちょっとなんだけども手紡や草木染などもされていて、1年の経験というよりはプロの実践という感じで、ストールなども一つ一つ市販レベル以上のものをつくっておられる。もうすぐ販売もスタートされるということで、このビジネスマッチングイベントも良い機会ではないかと、ブランドPRも兼ねて、手織り体験のコーナーも担当くださっている。いろんなことが出来る方なんである。

今回は、手織り体験コーナーも盛況で、初めて織られた方はやっぱり、目からうろこみたいな経験だったと思う。だれでも最初から簡単に織れる。こういう機会を通じて織物に興味をもっていただいたり、また、自分で手織りをしたいなあと思う人が増えればよいんではないかと思う。私自身も織物に携わっているものだけに、織物に興味をもってもらえることは本当にうれしいことだったりする。
2022年10月23日
今日は、シュワイターの前が暗いので、昨日買った延長コードと蛍光灯用のACコードが届いたので設置。まあまあの感じで明るくなった。それと同時に検反場も今までは別の延長コードでやってたのでそれを同じ場所から電源を取って検反機の上にもLED蛍光灯を設置した。長い間、やりたかったのだけどもやれてなかったことの一つで何年振りかのようやくできたこと。母親がシュワイターを使って糸を巻く作業をしていることが多かったのだけども、暗そうにしていたので。

糸を触る作業というのは明るくないと何倍も作業がしにくいので、明るいに越したことはない。昼間は大丈夫でも夜の作業というのは手元が暗いとなかなか思うように作業がはかどらずに、気分的にも作業がしづらくなる。もう5年ほど前になるけども、工場の中をLED化した。その時にやっておいて本当に良かったなあと思う。この5年でも作業は何倍もやりやすくなった。その前というのは、工場の中も電気をつけていてもかなり暗かった。まあ、LEDも5年もたてば明るさが落ちて寿命らしいけども、まだつかえるので10年以上は使えるだろう。蛍光灯よりも寿命が長いのがすごく有難い。あと割れないので取り扱いが楽なのでありがたい。

年内も作業予定がいっぱいに詰まって来て、また、月末までにやらないといけないことだらけで、月末までにどこまで作業をすすめられるか。朝方がめっきり寒くなって、夜間の作業なども寒さを感じ始め作業がちょっとしづらくなっては来ている。でも、まだまだ10月。



2022年10月19日
今日は、数か月ぶりに食べ放題焼肉、肉と野菜を食べたいなあと思って。そしたらやっぱり食べ放題の値段も上がってた。材料費の高騰は食品が著しく、たいへんだろうは、お菓子なんかは、新旧の値段が入り混じったりするんじゃないだろうかと。価格改定をせずに内容量を減らず、手法なんかもあったりはするけども、それでもパッケージを再度印刷しなおすとか、いろんな配慮が必要になって来くるので、単に値上げするほうが簡単じゃないのかと思える。

食べ放題も時間がおそかったからか?というより、値上げしたからお客さんは以前よりもすごく少なくなっているように思う。食べ放題も2割の値上げしても売り上げは結局落ちていると思う。2割値上げした分、良い感じの新しいお肉が増えていた。値上げして質が落ちるというのはお客さんばなれにつながるであろうから、経営努力みたいなものが見受けられる。

私もあまり前ほどは食べないので、普通のお店で少量食べるくらいでよいのかなあと思うようになってきた。月末までが忙しすぎるような状況で、25、26日は大阪のビジネスマッチングイベント。オーガニックリネンのエプロンを今回の企画では作ってもらえるので、それを見るのも楽しみなのだけども、生成り無地のリネンなので「素朴」ですねえ、という印象だろうけども、それでよいのだ。林与の思い入れのある素材だから。

これまた数か月ぶり位か、夜の出荷のあと、疲れていて休憩でマクドナルドでホットコーヒーだけ、Mサイズ頼んで飲む、ブラック。久しぶりに飲んで飲みやすい苦みがあるのが林与好み。コンビニのコーヒーよりも上に思った、すごくおいしかったのは疲れていたからだろうか。
2022年10月09日
10月25日26日に大阪の綿業会館で、ビジネスマッチングのイベントが行われます。林与も毎回出展の機会をいただき、新しいお出会いをいただいておったりするのですが、今回は、繊維関係の方々でもあまり普段糸などに触れられた方は多くないのではないかと思い、小型の手織り織機2台を持ち込みさせて頂き、手織り体験コーナーをもうけさせていだだくことになりました。本当に誰でも簡単に手織りです。

布をつくる仕事に携わっていて感じるのが仕事で繊維の世界にいる方々の多くが手作業をすることなく繊維の業界が営まれているようなのが普通で、仕事としての仕事で終わってしまっているような気がします。趣味の人のほうがより布や素材のことに詳しかったり、学者的な人のほうが詳しかったり、仕事としてやっているものが一番分かっていて実際に形にできないといけないんじゃないかと思ったりします。糸を結ぶをやってみませんか、手織りをやってみませんか、そこにはモノづくりの基本みたいなものがあって、講釈を垂れる必要もなく、できた時の喜びがそこにあり、次のきっかけとなったり、違う世界が見えたりするものです。

今日午後から、私が世話になっている中学の時の同級生の友達のご夫婦と娘さん。旦那さんも繊維の世界の方で、奥さんも百貨店に昔勤めておられて婦人服売場担当で布の世界には馴染んでおられて、娘さんは繊維と別の世界の方に見えつつも、現場とか実家の繊維の世界を経験されているだけに、いろんな重いものを見ながらもひるまないあたり。帰り際にも洋服にも興味を持たれて、そして一番林与にある良いものの一つを見つけられた目があって、私自身がそうなんだなあとおもった。旬の女性の方がいい感じに思ってもらえるものが林与の中にあるのが、まだまだ、林与が大丈夫な辺り。それは40年以上前のレナウンが世界一のアパレといわれた時代のゴールドのアイリッシュリネンのジャケット。世界一すばらしいものを的な世界が日本のアパレルにあってそれは高級だったけども今ではもう幻となってつくることが難しいようなものがつくられ販売されていた。

特別な金ぴかのアイリッシュリネン的なアイテムをセレクトされた目は本物だろう。探しても、今だとまったく手に入らないような価値観を素で引き当てる感性は世界一クラスのものを見つけるような力。その力には感服で、それを自分が売りたいというけども、売るんじゃなくてプレゼントするから自分で使ってほしいとリクエスト。事務所の片隅のハンガーにあったものが行くべき先が何十年たって決まったのは不思議だけど運命の一つだと思う。そして若い女性に似合う淡いベージュ系やゴールドなアイリッシュリネン。似合っていてそれだけでいい、行くべき先が偶然見つかった感じ。そういう特別なものをプロモートや作れる側に回れるかどうかの前にそういうのを良いと思う目が大事。

近江上布のアーカイブもみてもその価値観が伝わる人と伝わらない人がいて、布がその人に語り掛けるか語り掛けないかの違いがあって、その差が布の世界の共通言語てきなものだったりするけども、その言葉がまだ私は理解ができるのは救われていて、その布が発する言葉が伝わらない人も多い。世界の高級ブランドのデザイナーの多くが林与の近江上布のアーカイブを布としては特別すぎる世界に思ってくださるのも、それは布が語り掛ける言葉が通じるかどうかのところ。昭和の時代の与一爺さんの着物の世界が、ヨーロッパのブランドの皆さんに語り掛けるような世界があったりする。友人である奥さんにもそれが伝わっているあたりが、それは布の価値がわかる世界の人。林与の近江上布は日本の布の資料としては質と量的には世界中の布を見歩いておられる方からもこんなのは初めてみたと驚かれることが多い。

日本のワビサビ的な色柄の世界がヨーロッパのブランドも魅了するようなテイストだったりと、時代を超えて地域を超えて、奥の深いものづくりの世界というのは通じるものがあって、語り掛けるものがあったりする。布が私に語り掛けるような感じはあったりはするけど、洋服やモノが購入者に語り掛けたりする感じというのも同じようにあったりするのだろう。そういうのが薄れているのが現代なんだけども、今日はそういうのがあるのを感じさせていただいた。

私は麻布を見る目というのは特別なものを持っているというか、布が語り掛けてくるようなものを感じる感性的なものがある。それは普段から糸を暑かったり布を扱ったり、糸や布と親しんでいるから、それを作った人の思いを感じるとか、自分の中で想像してしまうことからくるのだろう。与一じいさんの近江上布をみると、人々の厳しさみたいなものが伝わってくる部分がある。ゆらぎのあるモダンななかに今では絶対に難しいだろうくらいの厳しさがあってそれが高級感につながるような辺りで、今の人生観では真似のできないものづくり。
2022年10月05日
左腰のあたりに違和感、尿路結石があるのだろう。コーラでも飲むか。中国の人に中国では結石ができたときにはコーラを飲むというのを聞いて、馬鹿な冗談かと思ったが考えてみると中国4000年の歴史で漢方的な考え方、利尿作用があるのと糖分や炭酸はカルシウムを溶かす?ので、実際に、コーラの2Lを数日がぶ飲みしていたら、石が落ちたことがある。結石が尿路をふさいでいるとすごく疲れるというか眠たくなる。これは非常に理に叶ったことで、ヨコになることで石を腎臓に戻すような働きにつながるのだろう。尿路結石は運動をたくさんして、石が小さなうちに落としてしまうのが良いのだが、織物の仕事でバタバタと動いているくらいではなかなか腎臓内で出来た石は落ちてくれないんだろう。重いビームなんかを運んだ時に、無理したりすると石が落ちたりするんだろう。この1か月ほどの間にも大きなビームをいくつも運んだ。

15年ほど前に、初めて尿路結石の症状に悩んだ時には病院で超音波で落としてもらった。たった1日のことなのだけども、1日入院させられて、病院にいる間中、点滴状態で、あの点滴のスタンドと友達。点滴の針が腕に刺さっていたら安心して眠ることもできないじゃないか。全然必要のない過剰医療そのもので、30分超音波だけ当てて石を割ってくれたらよいだけなのに、それで自己負担分で10万円くらい払ったから、35万円くらいは掛かっているんだろう。前後の検査などもあるので病院での結石治療は大掛かり過ぎる。

そのあとは結石ができても放ってあるけども、いつの間にか落ちているとかで対応している。尿路結石の原因も、食べてすぐ寝るとかが悪いみたいで、仕事して疲れたら食べて寝るみたいなのを繰り返しているので、結石もできやすいんだろうとは思う。水分は常に多い目に取るようにはしている。

なん年ぶりかに5kmくらいジョギングでもしてくるか。激しい運動は結石を落とすのにはよいようである。結石もスムースな石なら落ちやすいのだろうけども、とげみたいなものが出ているので、なかなか狭い尿路の中をスムーズに下には動いてくれない。結石があるかどうかの診断は尿検査で、血が混じっていると結石の疑いが高く、レントゲンを撮ると石が確認出来たりして大きくて落ちにくいとなると超音波で割るみたいな、小さければ利尿剤などを飲んで落ちるのを待つのも一つの解決方法だったりするので、必ずしも超音波で割る必要もない。それほど騒ぐほどの病気でもないので様子見の状態。
2022年10月02日
日本の手仕事というのは、食べていくための仕事というレベルでは、この先日本ではどんどんできなくなっていくと、青土さんとお話していっておられた。分かる気がする、消費者の人たちというのはものづくりというと手仕事みたいな手間暇を思ってくださるけども、日本の繊維業界を取り巻く状況というのはそれほど甘くなく、仕事としてやってるとそれは金儲けのためみたいに思われて、金儲けするなら手間暇省いて上手にしろみたいな誘導も多い。

思うことのひとつに、田舎のおっさんが、「もうけましょう」みたいなのスローガンにしていても、世の中の人というのはドン引きだろう。でも、そういうのが商売の業界では良しとされ、それが仕事というのは金儲けで汚いことみたいなイメージとつながってしまって、地道にやっていることの良さを打ち消してしまうようなところがある。なんとかやっていければよいのであって、そこにも競争があって、辛抱強く地道なことを続けているものが最後はやっぱり本職として強く本物ということになる。楽して金満みたいなのを求める風潮があるけども、地道な仕事がそういう考えに陥るとそこでもう続かなくなるのは、ひと世代前に経験済み。

林与は完全にベクトルが一つの方向に向いているので、商売上手な会社のようになってしまわないほうが特色もあって存在の意味もある。日本の風潮として売ってる人が国産といっても売っている人自体が本当にどこまで国産なのかがしらないという現実が普通だったりして、消費者の方々というのは一番の語りの部分で騙されてしまっていることが多い。日本では30年も8割のアサリが海外産だったというのと似ていて、一般的には繊維業界の国産も似たようなものなのである。

繊維業界の正しい知識からして業者さんにもないのが普通で、それが売り場までいくとすべて国産に化けてしまうことがほとんど、百貨店のイベントでは、ほとんどが国産という表現がされている業者さんがあったけども、仕入れ先が国内業者だからみたいな程度でどの生地が国産でどの生地が国産でないかすら売っている人は分からない状態で、国産をPR。なんかアサリっぽいなあと思えて仕方ないのである。国内で縦横先染めリネンを織れる機屋というのは本当に少ないからこれは事実なのである。