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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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2010年6月
リネン日記:26
2010年06月30日
今日は彦根の組合で午前中面接を行いました。その後、法務局に行き、組合の定款の変更の届出を完了いたしました。組合の定款というのは、組合で勝手に変更できるような類のものではなく、県知事の変更許可を得ての変更ということで、許可を得た時点でほとんどの作業が終わっていますので、法務局での届出自体はそれほど難しいものではありません。

この作業を通じて感じたのが、地場産業の組合というのは県の機関の一部であるという印象です。県知事の認可を得て成り立つものでありますので、それが存在することにより、滋賀県を特色づける結果になるのだなあと思います。

帰ってから、7月5日のジェトロのヨーロッパ輸出商談会の資料作成に取り掛かりました。年間に4回の大きな展示会に出展させていただいておりますので、ハンガーなどは特別に用意する必要などはないのですが、カタログやプライスリストなどを完備しないといけないということで、数日というのがあっという間に時間が経ってしまいます。

商談会とありますが、林与の目的は、ヨーロッパブランドのバイヤーの方に、日本で作る麻の世界を見ていただくということです。ヨーロッパのアパレルリネン世界というとイタリアのウィーバーが有名です。イタリアのウィーバーにしても、常に新しいものをバラバラと生み出し続けているのではなく、培われた技術の上に色柄を展開して、一つの機屋が自社特有のコレクションを形成するのです。機屋のなかにテキスタイルをデザインする力があるというのが大きなポイントです。

ヨーロッパのトップブランドのバイヤーの方に、日本のテキスタイルを見ていただく機会ですので、商談以外の日本の織物文化を伝えるような商品もご覧いただいたほうが良いのではないかと考えております。値段や売り買いの世界ではない、日本の伝統に培われたものづくりの世界というのを理解いただかないことには、イタリアを主としたヨーロッパで作られるアパレルリネン以上に高価になりがちな、日本の本場の麻織物の世界に価値を見出してもらうことは難しいと考えます。

展示会や商談会を商談の場と考えないのが、林与のスタイルです。世界の麻織物文化を担う一端として、損得ではない価値観の世界、ものづくりの世界をご覧いただくことに意味があるのではないかと考えています。
2010年06月29日
今日は、繊維組合の定款変更などの登記処理で午前中は法務局に事務員の方と行き、昼過ぎまで、事務局でその書類作製に取り掛かっておりました。最近は、書類が多すぎて逆に本質がだんだんとなくなっています。他国と比べると日本のそこが弱いところで、ものどごとを、決断できる人、すなわち責任を被れる人がほんと少なくなりました。

今日は、リネンの超細番手の高密度を吟味しました。誰が判断できるというのではなく、私自身の判断が一番大事なのです。自分にとって満足できるものなのか、それとも、まだまだなのか。

リネン66番手クラスと比べると同じ目付けでも愕然とした差異があります。かなり、昔の世界に近づいた感はあるのですが、ここ2年ほど超細番手に取り組んできただけの意味がなければならないと考えます。

出来上がった生地をみていますと、リネン独特の光沢が見られます。皺っぽくても光沢があるのです。リネンというよりもシルクの世界です。密度を上げれば上げるほどソフトに感じる世界があったりするものです。超細番手を極めたアイリッシュリネンの織りの世界に近づいた瞬間です。綿でも同じですが、細い糸を高密度に織るとシルクの世界に到達します。
2010年06月27日
今日は朝の6時過ぎに愛知川の河原の堤防の草刈がありました。小さなエンジンの付いた草刈機をみんなが持参で、草を刈ってしまうと芝を刈った後のゴルフ場のような感じですが、刈る前は、前人未到の山の中そのものの感じです。

総勢20名ほどで、約300Mほどを3時間ほど掛けて刈り終わりました。その後、公園に行きましたが、他の区の方がすでに公園のほうの草刈とその始末はしておいてくださいました。これは、決して私の地域が怠けているわけではなく、私の区の世帯数は半分くらいなので、同じ面積をやろうとすると2倍ほど大変なのです。

草を刈っていて思ったのが、草というのは強いなあということです。人間が手を入れなければ、1年で自然に戻してしまうような力を持っているのです。草を刈るのも、人間が手で刈っていては、自然には負けてしまいます。草刈機で刈っても大変なのです。

地球温暖化といいますが、CO2を自然に循環させることを考えるべきだと思います。昔だったら刈った草を干して焼いたりしたものですが、化石燃料や原子力発電以前のカーボンオフセットな行為自体否定してしまうようでは、自然の人間の生活が成り立たず、本末転倒なことをどんどん推し進めていては地球は危ないです。
2010年06月26日
今日は、職人さんと打ち合わせして、どうやって高密度に織るかを検討いたしました。私の考えと職人さんの考えがほぼ一致しており、織機の調整のプラスマイナスの要素を考え、どこまでのことができるのかという点を話し合います。

林与の場合でも手作りの世界でよければ、良いものを2Mとか少しだけ作ることは可能なのですが、本番の何百メートルというケースを想定すると、限界すれすれのところでの生産というのは、他の問題を伴いよい反物には仕上がらないのです。

2010年06月25日
今日は、午前中組合のほうで面接がありました。午後からは、書類などの処理をしまして、会社に戻ってから、柄出しの確認をしたり、ジャガード織機の調整、ストールなどの加工、トップの織物の企画の確認など、確認作業に終われておりました。

私の目を通らずに流れる生産工程というのがほとんどありませんので、その辺りが、自分でものを手がけているという実感そのものなのですが、ほんとたくさんのことに追われていって今日もバタバタです。

今日、今年のマス見本から起こした、マドラス柄のストールが織りあがってきています。新作ストールの発表です。白いTシャツに良く合いますよ。生成やビッグチェックなどのベーシックな世界以外に、こんな華やかなリネンの世界があることを林与のリネンストールで楽しんでいただけることと思います。今回もキバタでの販売ですので、ご家庭で洗って作り上げてくださいね。

明日、日曜日にアップしますね。あと、お客様からのリクエストのありました林与がHPの看板に使っているパープルギンガムの布のほうも織りあがりました。こちらは、ナチュラルな仕上げです。こちらも、日曜日のアップを目標ですので、よろしかったらチェックしてくださいね。
2010年06月23日
今日は、東京からリネン教室の先生である上島佳代子さんと出版社の方が3人で、おみえになられました。携帯電話の電池が寿命で連絡がとりにくくなってましてバタバタです。リネンの生地を多く取り扱っているということでリネン生地を作っている現場などを見学に来てくださったのでした。

フランスなどのリネン織物工場なども見てこられたときのお話や、かばんをおつくりになられたアンティークのしっかりとした厚手のバスク織りの生地などを見せていただいて、リネンを大事にしておられるのが伝わってきました。ハウスリネンや雑貨系のリネンの世界というもの世界各国でいろいろと特色があり、織物というのは、各国の文化の象徴だと思います。どこの国でも特色のある織物があるのです。

工場見学では、シャトル織機が動く様子や、シャトルや、シャトルの管など、糸を機械でつなぐところ、糸を手でつなぐところ、整経するところ、かせをチーズアップするところ、ジャガードの部屋や、いろいろと興味をもってくださいまして、布つくりがどんな感じなのかをご覧いただけたかと思います。説明している自分でも、織物を作るのってほんと手間が掛かるなあと実感しました。

この秋にリネンの本を出版されるご予定で、今回の工場見学の様子などは、本の中でご紹介いただけるかもしれません。
2010年06月22日
今日は、JETRO主催の、大阪帝国ホテルでの欧州向けテキスタイル輸出展示商談会に出展できることが決定いたしました。締め切りぎりぎりに滑り込ませていただいたので、難しいかなあと感じておりました。コラボしがのみなさんから情報をいただきまして応援もいただき、国が力を入れて日本の織物をプロモートしようとする企画に参加させていただくチャンスをいただきました。

イヴ・サンローラン様、 グッチ様、ジル・サンダー様、ジバンシー様などがバイヤーとして予定されている商談会で、ヨーロッパのブランドの目に、日本のリネンテキスタイルがどのようにとまるのかという気持ちがあります。たぶん、季節的な要因もあって、出展者の中で、リネンを全面に打ち出すのは林与だけだと思いますが、そんな展示があってもよいかとおもいます。インターテキスタイル上海は、AW展としての色が濃いながらも、林与がリネンの世界で展示を行い、多くの方の興味を引きました。

林与はこの一年の間で、5度目の大きな展示会になります。近い将来には、ヨーロッパでの国際展示会などを視野に入れております林与としましては、世界的な高級ブランドさまがどのようなリネンを求められているのか、また、林与のリネンの世界がヨーロッパで通用するのかをみる絶好の機会です。ヨーロッパでのアパレルリネン事情に関してもトップブランドの皆様から直接お聞きできる特別な機会ではないかと考えております。

午後からは選挙の生地の件で、組合のお仲間である彦根の資材屋さんをお尋ねしました。イメージしていた生地が見つかりましたので一安心です。しわになりにくく、丈夫そうで、切るだけであまりほつれないようなもの、結論はニットのポリエステルの素材です。サンプルをお送りして先日のお客様に使われるかどうかはお任せですが、こちらの資材屋さんをご紹介することができそうです。
2010年06月21日
今日は、午前中、生地のカラーを調整できないかという依頼で染工場に行きまして、染工場の代表の方お二人に相談に乗っていただきました。たまたま、そこに加工工場のほうからも染に関しての担当の方がお見えで役者は揃った感じで、やってみましょうという感じで動き始めています。

午後から、刺繍工場に伺いました。刺繍工場に伺ったのは初めてなのですが、単に仕事を依頼するのではなく、いろいろと刺繍に関しての知識を教えていただき、こちらの依頼に対してベストで応えてくださるような代表の方の対応には、非常に感激いたしました。別案件でのハンカチに関する刺繍だったのですが、私自身のハンカチのプロジェクトにも大きく貢献する出会いです。

そのあと、選挙の開票場でお使いになられるという生地に関してお客様がお越しになられました。選挙が迫っているのだなあと思います。資材系の生地ということで、皺になりにくい、ポリエステルなどが良いのではないかと麻生地屋ではありながらも、市販生地っぽいものをお奨めして、縫製資材関係のみなさまのお力を借りてみようかと考えております。

うーん、会社の中では、リネン100番の厚地の織物の初トライアルです。織れないと言う大きな壁にぶつかります。でも、そこが良いのです。簡単なら誰でもできるので特殊な商品に関しましては乗り越えなければならない壁というものは高ければ高いほど良かったりいたします。
2010年06月19日
今日は、申し込みの処理などをいたしました。土曜日なので外の世界は止まりがちですが、大手のアパレルさんというのは今日も動いておられ、確認事項などありましてお電話をかけると繋がるだけで救われた気分です。

午前中にバタバタと申し込み書類を作って、午後からは別件の書類作製に取り掛かっておりました。同時にものづくりのほうも進んでおり、私自身が一番出来上がるのを楽しみにしています。綿糸のサンプル代金を海外送金した旨を知らせるファックスを香港に送るとかもやってみましたが、FAXがうまく送れたのかどうかというのはわかりませんので、香港ならたぶん言葉が通じると思い電話を入れてみますが、香港は土曜日は休みみたいです。
2010年06月18日
今日は、午後から自治会の企業懇談会があって行政、企業が集まられました。町長さんとは麻織物をしていることなどをお話しすると周辺市町村と合同で企画されています地場産業振興に関する助成金があることなどをお話くださいました。今までの箱物ではなく、民間が提案したものを採択しようとする民間提案型のタイプが今は主流になってきているようです。ものをつくるという一番大事な部分に力を注げるような形でなければと思います。

リネンの細番手の新企画の織りに取り掛かり始めています。数キロだけ作っていただいた非常に貴重なサンプル糸ですので、テストと言えども失敗が許されないのが厳しいところです。そのために、テストのためのテストを昨日今日と掛けて行いました。この一連のプロジェクトでは、すでに2ヶ月ほどに渡って5回の試織を行っております。どれもが満足できない結果に終わっているのですが、それを経験できたことこそが、成果以上の意味だったりするのです。ものづくりってそんなものですが、結果だけをみて、そこの部分を評価できる人が少ないのも事実です。

ある糸のトライアルにおいても織れることは織れたのですが、別のすごく大きな問題をその糸は抱えていることに気が付きました。それは、自分自身が最終的なところまで試してみたから分かったことで、糸の根本的な問題に気が付いたということです。
2010年06月16日
今日は反物が上がってまいりましたので、夕方以降は、出荷のほうに追われていました。お昼には、縫製の関係で近くの縫製工場のミシンを借りに行きました。思ったような縫製ができなくて、別の方法を考えないといけないと思います。

今日は、おじさんが来て下さいました。林与の第四工場といっても、小さな小幅の工場を見てくださっているおじさんです。今の時代と言うのはシャトル織機と言うのは本当に動かすのが難しい時代です。技術的なことだけでなく、音の問題もあります。

お客様が工場見学にお越しになられますが、シャトル織機が動いているのを見られるとその音の大きさに驚かれるかと思います。昔の織機が元気に動く様子というのは、ほんとうに希少な限りです。そういうところに惹かれて、いろいろな方が、特別の思いをもってくださっております。

今日は、合繊関係の大手さんからも、お願いいたしましたリネン糸の件で丁寧にご連絡いただきまして、明日から見本つくりに着手できるのではないかと思います。林与自身も未知のリネンプロジェクトなので、どんな結果がでるかは分かりませんが、自分自身の決意以上に他のご協力をいただいている責任を感じると同時に、日本にそういう世界が残っているのだなあと日本のものづくりの良さを感じます。
2010年06月15日
今日は、糊付のために加工出しをいたしました。麻100%の糸ですが、毛羽があるので、それを抑えるための糊付けです。糊加工でもいろいろな種類の糊があり、それぞれに特性があることをお話の中で今までの知識以上のことを知りました。そこに、自分のもっている知識と掛け合わせて、より、リネンとしてナチュラルな風合いを求めることが可能になるのではないかと考えます。

本麻にしても、昔の本麻というのは、本当にきれいなものです。シルクのような光沢感が売りで、今のマットな感じのラミーとは比較になりません。昔の本麻というのは、加工工場でもつるつる滑って扱いが大変だったそうです。本来、そういう世界が日本の麻の世界であって、今の時代にそんな本麻をみることは不可能に近いです。

そんな本麻を見かけられてこれがほしいと言われる方はその道のプロで、麻関連の和装業界の中でも、そんな何十年も昔の良いものを扱った記憶をお持ちの方というのはごくわずかだと思います。

日本の織物が使用した糸の材料が良かっただけでなく、紡績技術、染色の技術、織物の技術、加工の技術と、すべてが揃っていた時代がありました。今、麻生地をつくろうとしても、すべてを調和するのは本当に難しいのです。

このことは、各企業努力というレベルの問題ではありません。基本となる部分を海外に持っていかれてしまっては駄目なのです。高級なものだけが日本に残ると言うのは幻想で、高級なものと言うのは通常の生産基盤があって、その余力を使って作る側も無駄を覚悟で生産するものなのです。安いものは海外で高いものは国内でと考えられる方には、なかなか理解が難しいと思います。結局は、産業を支えるためには、人の生活を支える力がなければならないのですから…。モノだけ見ていては駄目です。
2010年06月14日
今日は、リネン日記が始まってから一年目の誕生日です。最初は、数週で書くネタが尽きるのを心配しておりましたが、布を作るときにはすごく準備が必要でいろいろな作業と考えないといけないことやり直しなどが伴いますので、書ききれていません。というより、リネン日記のお陰でたくさんの皆さんと出会え、書くことはさらに増えています。

今日は偶然にも誕生プレゼントかなあと思う画像付きメールが届きました。先日、リネンストール用キバタの仕上がりの心配ことを書いたので、リネンストールをおつくりになられたかたから、その手順や感想と画像をお送りいただいたのでした。画像を見てびっくりで、皆さんが私よりも上手に仕上げてくださるか心配していたこと自体がうぬぼれでした。パターンナーさんで、私よりも創作力はもっておられます。

ということで、画像は、「リネン100%ストール用キバタ ビッグギンガム」をストールに仕上げてくださった画像です。自分自身で仕上げるためには相当な時間と手間を使わないといけないのですが、手作りで世界に一つとかいうのって本当に素敵だと思います。

一年ぶりくらいの画像アップになりますが、リネン日記「1周年」ということで特別仕様です。堅苦しい文章ばかりが続いておりましたので、皆様のお目の保養になればと思います。これからも「リネン日記」よろしくお願いいたします。
2010年06月13日
「リネン日記」が誕生したのが、昨年の6月14日です。皆さんに読んでもらえるようになったのは、昨年の12月頃からです。展示会のことや仕事のことなどを思い出せる良いヒントとなります。

今日は、リネンキッチンタオルのご感想をいただきました。3回洗ったら良い感じになったとおっしゃってくださり、林与のイメージと同じです。ただの平織りのキバタが洗うだけで良い感じに仕上がるのは見ていてうれしいものです。ストールよりもこちらのキバタのほうが何倍もなぞに満ちています。限界まで厚く織ってあるのに、タオルにもできそうなソフト感があるのです。キバタのストールがうまく行った方は、キバタのキッチンタオルに挑戦してみてくださいね。

皆さんにキバタで買っていただいたストール生地、生成、ビッグチェックはどんな感じでしょうか?150mづつくらいはすでにお買い上げいただいたので、たくさんの方がストールつくりに挑戦されたものと思います。何度か洗っていただいていると、そろそろ、柔らかくなって、こんな梅雨っぽい雨降りの日には、しんなりとしてよい感じではないかと思うのです。色も、だんだんと薄くなってきたのではないでしょうか。今、手元に10回洗った生成がありますがふっくらとしています。

普通のリネンタオルなどで販売しているものは一旦柔らかい加工がしてあってそれに糊を付けて販売しているのが普通です。リネンのキバタと言うのは通常しわが入っていますが、販売されているタオルが硬くてもしわがないのはそのためです。林与が今織ったのは本当のリネン100%の生地です。本当と言う意味は、織るときに糊もつけず、油も付けずに織ってあり、生成の糸がそのまま生地になっています。また、使用している糸はエコテックス規格100のリネン糸なので安全性の面でも一般のリネン糸と比べると安心かと思います。
2010年06月12日
「本麻手もみ100番」をアップしました。写真をご覧いただけると分かるかと思うのですが、発色など綿とはちがう本麻の美しさがあります。シンプルながらも、本麻が本麻であることを感じるシリーズです。

ずーっと、アップしたかったのですが、写真を撮るのに手間取っておりました。こういうのが本麻の織物のベーシックな世界です。リネンを着ておられる方と言うのは増えてきたものの、夏に本麻の洋服を着ておられる方と言うのはほとんど見かけることはないですが、本当に軽くて涼しいものです。

生地屋さんなどでも並ぶことは少ないですが、日本らしい麻の生地もあるということをご覧いただければと思います。
2010年06月11日
夜には、縫製の組合の会議がありまして会議が終わってから、先月イベントで大量に余ったという冷凍ホットドックを3本食べました。今、夜なのに寝付けないほど胸焼けのような感じでうなされています。とうとう寝苦しい夏が到来したのでしょうか、それとも、ホットドックのせいでしょうか。

今日は、コラボしがの産業支援プラザの方からJETROが行うヨーロッパブランドバイヤーさんの展示会のFAXをいただきました。魅力的な内容だったので申し込みをいたしました。国や県などが情報を提供してくださることは非常にありがたいことです。

昨日書きましたカシミヤの糸は、なんだか不思議な感じの糸です。一本だと弾力性があって強そうな感じなのですが、束になると扱いにくいです。「麻糸のごとし」という表現がありますが、麻屋さんなので、麻糸を特別扱いにくいと感じることはないですが、そんな感じだと思います。

インターテキスタイル上海と北京で通訳してくれた方からメールが届いて、今は、上海の友人のメンズブランドのお店で働いているそうで毎日たくさんのお客さんで非常に人気だとか、今、上海は万博の効果もあって世界中からの人が集まっている一番熱い場所なので、メールからもそんなイメージが伝わってきます。
2010年06月10日
国内紡績のカシミヤの細い番手が届きました。毛番で80番手です。このクラスが多分通常流れているうちではかなり上位のクラスのカシミヤだと思いますが、カシミヤはあまり使わないので、自分自身が使って良し悪しを判断していこうと考えます。

林与は、超細番手の麻を織っておりますので、通常の糸だとほとんどの糸を織りこなすことが可能です。たぶん、この糸も織れるんじゃあないだろうかということで、試しにどんな感じなのか見てみたい感じで、他と違うものができるなら商品化していけるかと思います。

細番手の魅力と言うのは、リネン100番手のストールとリネン66番手のストールでは、原材料はもとより紡績工程からして難度が異なりますので、ほぼ同じ目付けで織り上げて同じ加工を施しても、その生地はまったく別物に感じます。

通常リネンの66番手でも繊細な織物に感じるのですが、リネンの100番を超える世界と言うのは、別世界で、海外のアパレル向けの素材の展示会などでは見たことがないといわれる方が多いです。そんなリネンの100番とカシミヤとのコラボなんかも秋もの向けにはよいんじゃあないかと思うところです。
2010年06月09日
社内では、リネンワンピースの販売に向けて動きがあります。ベーシックながらも素材の良さを楽しめるようなリネンのワンピースが作れないかと思っています。市販されているクラスのリネンだと面白くないので、リネンの100番手くらいのオフ白をベースにしたクオリティでエレガントなものにできないかと思います。

同時に、ひこねの縫製の力を生かしたものができないかと、林与独自のプロジェクトも進行しております。2年前までは、不可能だったリネンの世界が、素材の開発をできたことで広がり始めようとしています。

数年前にチャレンジした、リネンの浴衣も再度新素材を活用してどうなるのだろうか、楽しみです。綿のマットな感じとは違って、リネンの太くても光沢感や繊細で透明な感じが、女性の美しさを引き出せるのではないかと考えています。

浴衣って、涼しそうに見えても熱いというのが実際だったりするところです。たぶん、綿の浴衣だと寸胴にしないときれいじゃあないのだと思うのですが、簡単に羽織ってエレガントなものが作れないだろうかと思うところです。

リネン日記をご覧で、自社柄をお持ちでコラボしてくださるような捺染屋さんおられましたらご連絡くださいませ。林与では、リネンにプリントを考え、100番手クラスのP下素材などをどう料理しようかと思考中です。午後からは彦根の組合で事務的な作業などを行いました。
2010年06月08日
今日は、午後からコラボしがの方がお二人お越しになられ、今、滋賀県のファンド事業として動いています。ビンテージアイリッシュリネンハンカチのプロジェクトに関して中間の進捗状況の確認に来られました。現在、40プロジェクトが動いていると言うことで、継続の審査は厳しくなっているとのことですが、もともと自分でやろうと考えていたことですので、全力で突っ走るのみです。

このハンカチ用の生地を展示会などでご覧いただき、いろいろなご意見をいただきまして、2年目の物づくりの参考になりました。今年は、単なる白いハンカチではないので、ハンカチの規格を決めたりして、ハンカチのなかの簡単な柄をいくつか試してみました。

今年の次のステップは縦横の先染です。ある程度しっかりした密度で織るので、糊付けの問題が生じてきます。きれいなハンカチが織れるでしょうか。並行しまして、社内での縫製のテストなども行っております。

素敵だなあと思えるハンカチと言うのは、見ているだけで、触りたくなるようなハンカチではないかと思います。真っ白なハンカチよりもアイボリー掛かったオフのハンカチのほうが何倍も人気が高いことも展示会で分かった成果の一つです。
2010年06月07日
同じものでも使う人が違うと長持ちしたり、素敵なものに変わるというのも感じる出来事がありました。先日、お越しくださいましたお客様が、早速、リネンの布にハンドヘムを入れてくださった写真をお送りくださいました。わー、っと思ってしまうような出来事です。

一日掛けて、丁寧に一つのラインを完成して、これって、ほんと昔の手仕事の世界ですよね。今の時代にそのような作業に没頭できる方にお会いできることは、プライスレスな価値観の世界だと思います。林与も一つの布を作るときに糸探しから初めてそれを織れるまで何度もトライアルすることがあります。特に新しい糸とであったときには、半年、一年考えて形にしていきます。途中、満足できずに一からやり直したり、織ったものを加工に出して、自分の中での合格点まで近づけて行きます。

そういう布という完成品にたどり着くまでにいろいろな苦労があるからこそ、たとえ、無地の布を見たとしてもいろいろな思い出がよみがえってくるのだと思います。ロットが違うだけで同じ加工をしても風合いがまったく違うように思えることも多いのです。朝触ったときちょっと違和感を感じる布でも、心配で、夕方触ると程よいとか、ほんと、天然を感じるのが本来のリネンや麻布です。

近江米を産する田園に囲まれた湿潤な気候の中で、加工をあがってから、だんだんとリネン布の味が増していくのも感じることができます。寄せ集めではない昔ながらの価値観を守ることで、本場の近江湖東産地の麻織というものを守っていければよいと考えております。