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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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2011年10月20日
今朝は、ちょっと遅れ気味で会場入りです。頼んだ冊子の表紙の林与ロゴがかなりズレテいて、中国の現地の女性スタッフたちが、印刷屋さんの男の人をコテンパンに口でやっつけています。この人可哀そうだなあと思いながらも、とくに印刷がずれている半分くらいは作り直してもらうことになりました。

朝一番にはブースにJETROの荒居さんがお見えくださいました。午後からは、昨日も来てくださった帝国繊維の常務さんがTAという中国NO1の繊維の業界新聞の記者の方を連れてきてくださり林与を応援くださいます。トスコさんもお越しくださいました。林与は、普段、ものづくりのことで精一杯で、ご交流をさせていただく機会もすくないので、ジャパンクリエーションやインターテキスタイル上海の場が、お出会いまたご挨拶させていただける絶好のチャンスです。

今日は、お客様は少ない感じです。それでも、朝100部つくったうちの50部はなくなりました。改めて、インターテキスタイル上海のお客さんの数の多さに驚きます。今日は、現地のリネンの紡績会社も数社セールスに来てくださり、気になる一つの会社からは、気になる糸があったのでさっそくサンプル用にオーダーしました。

中国の紡績会社も、今、岐路にあるのかと思います。ボリュームゾーンに徹するのか、あるいは、世界一の技術水準を目指すのか。ウールなんかでは毛番500番手が出ています。また、綿糸でもC320/2の糸のご提案がありました。中国の紡績技術が世界でトップクラスに達したのを感じざる負えません。天然繊維だけでなく、合成繊維に関しても、日本の紡績メーカーが中国を生産地としているがために、世界でも最高水準のものが中国で作られています。

今回感じたのは、上海の物価がついに日本の物価を抜き始めていることです(日本の物価は世界で一番高いと思うあたりですがそれをも抜き始めています)。日本のバイヤーさんの手に出しにくい価格帯のものを、香港や中国、特にシンセンやセッコウショウのバイヤーが求めています。ヨーロッパも非常に積極的で、イタリアの会社も林与のリネンに非常に興味を持ってくれています。円高で、私自身でも高すぎると感じるコストのかかったものにほど興味を示していただけるのが今年の傾向です。かつては日本が世界のブランドの6割を購入しているといわれた時代がありましたが、今それが中国に移ったのを感じます。

林与はストールにも力をいれていますがストール関係は以前ほど見かけません。林与のリネンストールは欧米のみなさんからも非常に注目をいただいております。残念なことに、細番手リネンで作った洋服を出がけに入れ忘れてしまい。それが唯一悔やまれるところです。あれがあれば、もっとブースが楽しそうに、また、可愛くなったのにです。
2011年10月19日
昨日は夜遅くまでタクシー運転手と一悶着あった現場近くの警察にいまして朝起きられるか心配だったのですが早起きできて、ホテル近くで拾ったおばちゃん運転手の白タクで会場入りです。

今日は、お昼前に地元の川口織物の社長がお立ち寄りくださいました。私のほうが最近は髪の毛がさみしくなってしまった話で、私も若いけど負けてませんよみたいな笑い話です。滋賀の産地では先代の世代の方がバリバリに動かれております。そういうお話をお聞きすると私も若いんだからもっと挑戦していかないと駄目だなあと思うのです。失敗も大事な経験で、自分自身で経験や失敗をできる限り積んでいかないと。

今日は、会社案内の冊子が足りなくなってしまい、夕方には名刺を作る業者に100部ほど依頼しました。上海でつくってもカラーだと一冊30元するというので、敢え無く、白黒で一冊6元で100冊作ってもらいました。カラーコピーだと心配なのが生成の色で、カラーよりも白黒のほうが安全です。

夜は、JETROさん主催の懇親会が会場近くのホテルでありました。30名ほどの出席で、展示会をしていても、なかなか横のつながりというのは生まれにくいものですが、今回は、JETROの河村さん、熊澤さんや前多さん、富士吉田の組合の代表として出席された宮下織物さん、上海マートさんとテーブルにご同席させていただき、お話しできるなど楽しかったです。日本企業のあつまった日本のJFWチームながら交流させてもらえる機会が今までございませんでしたので、粋な計らいをしてくださり参加させていただいて展示会以外のプラスでした。

日本の国も本気で繊維の輸出拡大に力を入れてくださっているのを感じます。小さな林与にですらチャンスをくださっているのですから、がんばらんとなあと思います。3年続けて出させていただいて麻業界以外のみなさんともお知り合いになることができ勉強になることも多く準備がだんだんと備ってきた感じです。
2011年10月18日
今日は初日、10月も後半に差し掛かっていても暑く感じるくらいのよいお天気で、展示会の会場の中で過ごすのがもったいない気すらいたします。今年は、昨年と違って朝もスムーズに会場に入れました。最初に中国のリネン紡績会社の方が来てくださり、お話を聞きました。ヨーロッパの原料が高くなりすぎてなかなか苦戦しておられ、一方で今年の原料自体はそれほど悪くないということらしいのです。

特別の招待者しか入場ができない初日はの最初のお客様は毎年きてくださっている中国のグループでした。今回はJETROさんが招集されたVIPバイヤーさんという形でのご来場でした。日本からはすでに生地を大手商社さんからは購入されているそうで、弊社に期待されているのは機屋との直接のつながりがしたいということらしいのです。また、自分のオリジナルをつくりたいという思いを強くもっておられ、こういうのはできますかとか、すごく前向きなブランドさんで中国のなかでも伸びられているのが分かります。日本の工場も見学したいということで、そこまでやる気でお話できるとありがたいです。

林与のブースに来ていただくお客様というのはなぜでしょうか、昨年もお越しくださいましたね、という方が多いのです。今日は、中国や香港のバイヤーさんをはじめ、アメリカ、スウェーデン、オーストラリア、トルコなどの方がブースにお越しくださいました。紺九さんにお染いただいたビンテージアイリッシュリネン140番手生地を筆頭に、インディゴで染めたものには注目が集まっていました。

今日は、中国人のお二人の方が来られて尋ねられました。中国なら1m30元(400円)で似たようなものがつくれますよ、日本のものはどう違うのですか?と質問されました。そういうところがご理解いただけますよう、今回は冊子を100部持ち込んだのです。

リネンの世界をご存じない方は同じものがつくれるとおっしゃられますが、2倍細い糸を手に入れることが可能なのかからはじまると思います。ボリューム生産向けの生地にしても、糸からリネン紡績会社のわずか数十キロしか在庫にない細番手の糸を購入して作った生地で織ることすら簡単ではないのです。

リネンの紡績会社の方もこられましたが、今回は前回よりも番手が落ちていました70番手(NM42クラス)までの糸を作れますというところが多かったです。昨年はNM60クラスができますと言われてこられるところが多かったのに、すでに中国紡績のグレードダウンが起き始めているような気がしました。前回よりもリネンの紡績工場も訪問が少なくなり、もうこれからは中国国内でもリネンの紡績工場が増えることもなく減る一方ではないのかと思います。

夜は、近江湖東産地の大長さんとアサヒ産業さんにお誘いをいただきまして、テレビ搭近くのレストランで夕食をご一緒させていただきました。その後、ホテルに帰るために乗ったタクシーが偽タクで旅の醍醐味を味わいました。こういう経験も本物じゃないかと思います。
2011年10月17日
朝6時前の電車に乗って出発です。いつもながら思うのですが、京都駅のハルカ、フォームに降りてから100mほど歩かないとたどりつかないだけでなく、ホーム表面がざらざらしていてカートをうまくころがすことすら難しい。こういうのをみるとお金をかけても問題は解決するものではないのを感じます。

午前9時40分の飛行機に乗って午前11時には中国に着きました。今回は、リニアモーターカーで行ってみようと乗ってみましたがそれほど迷わずに行けました。国際博覧中心は終点駅の近くですので、展示会場に行くにはリニアモーターカーが便利だなあと思います。でも、展示会場まで、またタクシーに乗りますので結局のところ40元プラス14元かかります。

展示会場につくとここからがまた大変です。重い荷物を持ちながらW2の会場まで移動するのはひと苦労で、たぶん、タクシーを降りてから400mほどだと思いますがボロボロな感じでブースに到着です。

現地のスタッフが到着するまでに、ほとんど、飾り付け作業が終わりました。白ベースに赤の差し色で日本らしいブースのイメージです。壁にリネンのポスターを張ったりしましたが、壁面が寂しく思えて、夕方に食事のついでに雑貨店で装飾用のフックなんかを買いました。
2011年10月16日
今日は朝からインターテキスタイル出発のための用意をしておりました。紹介冊子を準備したり展示会で配るようのプレゼントを用意したり時間が足りず、敢え無くの出発になりそうです。前回の感じからも多くのお客様がお越しくださるような気がしますので、冊子を印刷していても非常に楽しみです。

出発間際までの準備で預け荷物の重さを計ると30kgオーバー、今回の国際線の限度が20kgまでなのでいろいろなものを割愛して23kgで出発です。ジャパンクリエーションでのスワッチリクエストも帰国後になりそうで、ご迷惑お掛けいたします。
2011年10月15日
途中大きな混雑もなく、今朝朝3時に滋賀に戻りました。昨日は午後から上島先生がブースに顔を出してくださいました。アンコドーナツボールっぽいものを差し入れてくださり、お昼ご飯代わりにいただきました。それと、良いものを持ってきたとおっしゃられ見せてくださったのは、カリフォルニア大学サンディエゴ校の蔵書であったクラークという一族のリネンストーリーでした。

家にもどって起きてすぐに読んでみました。アイリッシュリネンの世界というものについて経営者的な視点から書かれてあり、なぜアイリッシュリネンが途絶えてしまったのかという問題に関するヒントが書いてありました。1970年代と言うのが終焉のピークとなったようで、林与に残る細番手アイリッシュリネンも1970年代に買ったものではありますがそれ以前に紡績されたものであろうと想像されます。
2011年10月14日
ジャパンクリエーションの最終日、ホテルのチェックアウトを早めにして展示会場に車で向かいました。ジャパンクリエーションは続けて出ていますのでもう慣れてきた感じで、この慣れ感みたいなものあんまり好きじゃないのです。出展者もお客さんもそうですが、毎年あるお祭りみたいな感覚になってしまうと長続きしないものじゃないかと思います。毎回あっても、そこには新鮮な感覚がないと。

昨日の夜はインドへの視察旅行の説明会がありました。展示会を中心としたイメージで、空いた時間に周辺のモールへ出かけマーケットリサーチというスケジュールで、林与の通常の展示会などと比べるとゆったりとしている旅になりそうです。

全体的な流れからすれば、関税が撤廃されて物の流れが自由になれば、インドの衣類なんかが日本に流れてきて、一方で日本の自動車や機械へをインドへ売り込みやすくするという国際分業を進めるためのような締結なのだろうと思います。私自身、自由競争はよいことだと思うのですが、本質的な部分で国内ももっと自由な政治経済にならないと海外との競争では重いハンディを背負った戦いになります。

ジャパンクリエーションの場では各地の地場産業の組合の出展などもあります。地域というひとくくりになるのが、ここのものあそこのものというような差別化を生み出す一方で、代替的な感覚で産地というものが捉われてしまうケースも多いのかなあと思います。

今日もたくさんの方とお会いすることができました。秋冬物のシーズンということにも関わらず、リネンのものに関心をもってくださる方というのが多い気がします。今年は昨年よりも多くのみなさんにPRまた情報交換などさせていただくことができたかと思います。秋冬にも麻を提案することで、年中麻を織っている本場である意気込みみたいなものも感じていただけるのではないかと期待しています。

出展者のみなさんとも回を重ねてまいりまして交流も深まり、お話しさせていただくケースが多くなりアットホームな気分でジャパンクリエーションに参加させていただける感じになりました。冒頭でも書いたのですが緩みみたいなものが出ないように、しっかりとスタイルを保っていかねばと考えています。
2011年10月13日
今回のジャパンクリエーションでは入り口のすぐのところだったこともあって人通りも多く、いろいろな方が前を通ってくださいました。初日のほうが人の流れは多かったと思いますが、弊社のブースにお越しくださった方の数は今日のほうが多かったです。今回用意させていただいた林与の企業紹介パンフもお昼前にはなくなりました。

ジャパンクリエーションのような場所で、初めて林与に興味を示していただいたかたにとっては、どこでつくっているのかとか、何を得意としているのかとか、の情報が、商品そのものよりもお尋ねになられるケースが多いので、作って大変便利です。表紙には、林与ロゴをあしらっていますので、林与ロゴに興味をもたれましてこれもらっていいですかとおっしゃってくださるかたもおられます。

オーガニックコットンを取り扱っておられるパノコトレーディングさんのご紹介で、今度一緒に展示会をさせていただく、青野パイルさん、カゲヤマさんにご挨拶。泉工業さんやモンドさんもプレミアムテキスタイルのゾーンに出ておられますので、明日の朝の準備の時にでもブースに伺ってどのようなものをされているのか拝見させていただこうと思います。

今回のジャパンクリエーションでピックアップが多かったのが、ビンテージアイリッシュリネンを本藍染にしたもの。これはさすがに皆さんが高い評価をくださいました。紺九さんの染めであるだけに評価が高いのは当たり前といえば当たり前なのですが、ベースとなる生地も林与の妥協のない世界のものです。

もうひとつ注目アイテムがありまして、それは、出発の前の日にできあがった、リネンの厚地素材です。バッグも林与オリジナルなデザインです。これはインパクトがあって、麻袋らしいインパクトです。一生もののエコバッグとしてブレークするのではないかと思います。使えばどんどんと味が出てきます。デザインも林与のサイドBな感じで素敵で、バッグとしての重量感もそこそこでよい感じなのです。シャトル織で、コンセプトもまさにエコです。サイトでも近々販売をスタートいたします。たぶん、中にはなぜか林与のパンフです。林与の麻袋バックを予約したい方があられましたらメールでどうぞ。今のタイプは幅50cmほどで、肩から掛けられるように少し大きめです。

今回は学生さんも2日間で、10組以上はお越しくださいまして、スワッチに関しましても、最初に「学生なのですけどよろしいですか」というお言葉で接してくださるのが好印象です。なんかおしゃれな方が多すぎて…、学生なのにプチゴージャス過ぎるではありませんか。ファッションは最終的には哲学的な部分に行き着くもので、見た目よりも真髄的な部分に到達していないと駄目だろうかなあと思います。

かわいい、かっこよいとかの人気投票じゃあないところ、それがものづくりです。お越しいただく方と接していて企業の大小ではない部分でお付き合いは考えています。林与自身小さな会社ですので、欲なんかに振り回されるとどこにでもありすぎて普通になって駄目なのです。まずは、お金儲けよりもお金を捨てることを考えて、自分の作ってみたいものを作ってみて、それで試行錯誤から始まります。ものづくりにおいて、そういうのって当たり前に大事じゃないですか。

ストールなんかも展示会からは消えつつありますが、実際によいものなら消えては駄目だろうと思います。流行を追うのではなく、最終、自分のものづくりのスタイルを貫くことこそが、ブランドのブランドらしい高貴なところだと思います。方向性を失うブランドさんというのは、最終的に人々が求めるような哲学的な部分がないのです。それは、どんなものであってもよいと思いますが、一貫したものがないと弱いのです。
2011年10月12日
今朝は、夜3時に出発しました。ここしばらくあまり寝ておらず、車で行くのを辞めて新幹線にしようかと迷ったのですが、荷物も多いので余計に大変になるだろうと思って、今回も車で行くことにいたしました。

途中2回休憩を取って、首都高速も混んでいてついたのは朝の11時で、展示会が始まるのが午後1時ですので、もうほとんどのブースが準備完了で、私もあわてて1時間ほどで準備を済ませました。今回からは、ジャパンクリエーションとプレミアムテキスタイルジャパンの2本立てになったので、どうしようかと迷ったのですが、秋冬ということもあって一般の方との交流もあるジャパンクリエーションでの出展いたしました。

今回は会場も2階になって秋冬の展示会、どうなるものかと心配したのですが、入り口近くのジャパンクリエーション事務局裏の一番便利なところが当たりまして、お客様の流れというのは非常に良い場所でした。林与の対角のコーナーには近江織物さんのブースが対角の場所にあって、会社が同じ近江湖東産地というだけでなく近江織物さんの展示会を担当されておられるも林与のご親戚のお方です。

近江織物さんのブースは今回も非常に人気でインクジェットプリンタを活用した日本の最新のものづくりを提案されています。そういう最新の技術と産地の昔からのものとが結びつくとほかに真似のできないものが生まれてくる最高のパターンなのです。リネンにインクジェットしたものも見せていただきまして、すべての技術的な心配しているような事象にもすでに取り組んでおられるのがお話からも伝わってきて安心というものを感じます。

お隣のブースは今治タオルに掛けては一番の有名どころ吉井タオルさん。正面には浜松の織物組合さんのご出展でリネン関連も手がけておられ後染めのものに関しては味のあるものが多いなあと思います。斜め前はミンク素材を扱っておられる貿易会社、そのお隣が、皮革なども手がけておられ、そこにディスプレイされている敷物になっている5Mほどのワニの外皮、本物なのかが終始気になります。

展示会だけでなく、ファッションショーなども力を入れて行われ、服飾系の専門学校の学生のみなさんの力というのが伝わってくるのです。今日は、ブースにも学生さんが何人かお越しくださいました。織物というものになかなか興味があられる学生さんというのは少ないかとも思うのですが、テキスタイル関連の専門学校の学生のお話をお聞きしましても織物に掛ける情熱みたいな真摯な姿勢が伝わってきます。大事なのは学生に本当の厳しさを厳しいまま体験させてあげることではないかと思います。それこそが普通では体験できない貴重な経験です。

アニメの一休さんの有名な話に、将軍様が贅沢な食べ物に飽きて一番おいしいものを食べたいという話があって、薪を割って火をくべて疲れ果てて作った、味噌汁とご飯が最高のものであるのと気がつき、本質がそんなもんで自分が働くことの大事さと、贅沢いっていた自分が馬鹿さに気がついてハッピーエンド。でも、今の時代だと、将軍は味噌汁とご飯を食べたけど満足せずに、コンビニのおにぎりのほうが働かなくても何倍もおいしいみたいな時代です。

夜にはビジネス交流会があり、主催の皆さんや出展者の皆さんがパーティ気分で交流を行いました。
2011年10月11日
連休明けで今日は朝から加工工場に伺って反物をとりに行ったのですがまだ上がっていおらず、午後一番に加工から上がってきました。この連休中も準備に追われてほとんど寝られないものの、ハイテンションな状態が続いています。ゆったりとした気分で物事が進むかというと、張り詰めた中で浮かんだひとつのひらめきみたいなものを信じて実践したほうがよいのです。

結局、自分が作ろうとおもったものを作るという、作業を繰り返したものほど経験値が高まり、ものづくりの甘さが消えていくのだと思います。

2011年10月10日
昨夜から、ジャパンクリエーションに向けての作業が続いています。布づくりはほぼ完了で、あとはプレゼンをするかという部分で、カバン生地を生地というだけでなく、カバンの形にしようと、バッグをデザインしました。

無理と縫製を減らすようなデザインで、それも織物屋のコンセプトがあって布らしくよい感じです。完璧なカバンというのは完成度が高いですが、布らしいインパクトを大事にするカバンを作りたいという意味での林与オリジナルのカバンです。

カバンと一緒に、帽子と手袋を作りました。リネンなので冬の手袋としての実用性はゼロに近いですが、キッチンなどで鍋持ちなんかに活躍しそうな気もします。帽子はエスニック調でそれなりにインパクトがあります。千利休がかぶっているようなタイプの袋状の帽子です。フサがかわいいのです。秋冬の展示会では、アパレルの方ではなく、資材、帽子、バッグ、靴などの業界の方がリネンという素材でものづくりをしたいというお話が多くありました。

企業紹介冊子の印刷に時間をつかっていますが、画像の色調整をしても紙の上で上手に色が出ないのです。大判のプリンタを使うことにしました。業務用のプリンタというのはさすがですね。色を一切調整しないでそのままで画面と同じ感じで出力ができます。
2011年10月09日
展示会の前で、展示会に向けての準備が続いているのですが、今日は村の運動会です。私の出る種目は2つだけにお願いしてムカデ競争と最後のリレーでした。リレーは通常の種目と違って、各区2人だけで私が一番年配くらいになって中学生なども出てきています。

スタート係の体育委員をしている私と同世代の子が、私のお腹がちょっと出てるの見て若い子に混じってかわいそうやねえ、若い子らに負けんときやみたいな話なので、1年に一度だけの全力疾走をしました。終わったあとすごく疲れてましたがあまりに速すぎたのか、幼稚園とか小学低学年くらいの子供の人気者になってしまって、どうやったら早く走れるのとか本気で聞かれて、「ほうれん草」を食べたんやと答えておきました。たぷんポパイを知らないと思うけど子供たちの頭の中が爆発してました。

鬼ごっこをしようと誘われて小さな5人子供に混じって大人一人が20分ほど運動会が終わるまで一緒に鬼ごっこなのです。子供みていると優しく、鬼になると、「氷鬼」というのでしょうか、動けない鬼になっているとタッチしに助けに来てくれるのです。子供たちも鬼ごっこが楽しいのではなくて一緒に遊べる仲間を探しているのだなあと、今日の運動会も私が参加したのは2時間ほどでしたが子供たちの遊び上手には感心します。

リーダーが私じゃなくリーダーになる子がいて、みんなを引っ張って楽しくまとめているのもさすがです。子供たちは私の雰囲気の中に自分たちに共通する何かを見つけたのか、普段話したこともない、おっちゃんに声を掛けられる優しい子供たちが多いのも、小さな村の良いところかもしれません。
2011年10月07日
インターテキスタイル上海などでは、インドの方のリネンに対する関心が非常に高く、セが高くてがっしりとしたインドの方が林与のブースにいろいろと興味を持ってくださっておりました。また、リネン紡績工場の方からも中国原料を使用したリネンなどの今最大の輸出先はインドであるという話で、インドの市場としての可能性を常に考えておりました。

また、業界内での情報だけでなく、インドの人口増加率や経済成長率、また、自由貿易の推進化など、日本国内でも中国の次はインドではないのかというムードが広がってきています。また、インドというのはイギリスの植民地であったがためにイギリスの文化の影響も受けています。リネンが好まれるのもその影響が大きいのではないかと思うところです。また、インドは暑い国で、麻というものが愛されるのは自然なことだと思います。

そんななか、11月に経済産業省委託のインド市場調査事業に参加させていただくことが決まりました。1週間の日程の中では、デリー近郊での展示会なども予定されていて、多くのインドのバイヤーのみなさんと情報交換ができるのではないかと思います。インドに興味をもっているときに、国の調査事業に参加でき、展示会や現地の工場やショッピングモールを見学する機会が巡ってまいり、ありがたいなあと思います。
2011年10月06日
今日は午後から東京からリネンバードさんがお越しくださいました。今作っているクロスの撮影に起こしになられました。織りのテスト、半分、残り半分と3本に分けて作業をしたので、きていただいたタイミングとも合って、いろいろな工程をごらんいただくことができました。

倉庫の生地なんかもごらんいただいて、特に昔っぽいようなイメージのものに興味を持ってくださり、作っても違う感じにしかあがらないなあと思うような年季というか、重厚さが詰まっているので珍しく見えるのではないかと思うのです。セピアな感じでしょうか。

昔の糸の白というのは独特に見えます。すごく白くって、これは、生成を日本で白に晒したからだといえます。本晒という工程で晒されているので昔のものは白いだけでなく、光沢感がより際立つのです。それが時を経て焼けた感じになるとベーキングしたような色味で光沢感がいい感じなのです。

そういう価値観の世界って面白いなあと思うのです。何十年も掛けて味が出てくるというのも気の長い話ですが、昔のものほど本質的な部分でしっかりと作ってあって、コスト競争の中ではその技術すらもが消えていくというのを反物が語っています。

反物に付いたラベルすらもが織物業界の歴史を語ります。反物を加工した工場や染工場さんがなくなってしまっていたりすることも多いというのを感じます。日本で一番の技術と言われたところが高度化しすぎ大きくなりすぎ消えていくのは常のことで、それは一般に共通するところではないかと思います。技術も行き着くところまで行き着くと何人もの人間がひとつのものを作るのに協力が必要だったり、工程が多岐にわたりすぎるのでさらに手を掛けることが難しくなったときが頂点でそこからは技術も落ち始めるのです。新しい技術を開発するよりもしっかりとものをつくれるような価値観や考え方こそが大事ではないかと思います。

倉庫に残るそういう反物を見ていると日本の技術というのは味があるなあと思うことも多いのです。探そうとするものが新しい技術で生み出されるものにあるのではなく、昔に作られた力を注いだものの中にあるというのはそれがものづくりの本質なのかとも思います。
2011年10月05日
今日は、オーガニックリネンのカラーカードを見ておりました。色に染めてある糸ですが、草木染ではなく、化学染料染です。オーガニックというと、日本人的感覚からすると染めも草木で染めでと希望される方が多いのですが、リネンは汚れが落ちやすいという性格をもっていますので、それは裏返すと染めた色が落ちやすいということなのです。

濃い赤の色をみると反応染料で染めてあるのかなあと思ったりします。色のついたものは、生成とオフ白の世界とは別世界で、それはそれでバリエーションを広げるのにはよいものだと思います。アパレルブランドに要求されるような摩擦堅牢度や耐光堅牢度をクリアするためには仕方のないところなのだといえます。

草木染で染めるようなオーガニックリネンの世界というのは、濃く染まりやすい藍染くらいが一番落ち着くのかとも思います。媒染剤として金属系のものを使えば、それは草木染であったとしても、オーガニックなんだろうかという部分にぶつかるでしょうし、藍染自体が昔から麻に使われていたということも昔に戻る自然な形でしかないのです。

無限の色が出せるかというと草木染の世界では制限が付いてきます。赤は茜の赤色を使う。でも、コチニールのような虫をすりつぶしたものがどうして、草木染なのかと疑問に思ったこともありましたが、より赤らしい赤を出すために自然もので一番きれいに出るものを探した結果がコチニールだったのでしょう。ログウッドにしても、コチニールにしても、遠く遠くから運ばれてくる話を聞くと、今の時代のLEDではありませんが、青色が開発されたことにより、瞬く間に世界中の照明がLEDに置き換えられたのと似ている気がします。
2011年10月04日
今日は、田んぼにコスモスが植えられているのが開花し始めています。寒くなる秋に花が咲くというのも考えてみると不思議なものです。昔だとこんな光景は珍しかったのが、ひまわりが植えられたり、コスモスが植えられたりが当たり前に感じられるようになりました。

遠めに眺めるにはきれいで、畑によっては、一つ二つほしいと思えば植えている方もどうぞお取りくださいという町をにぎわすような商売抜きの気持ちでの事業もあります。それはそれで、地産地消的な楽しみがあって家に持ってかえって眺めていても意味が深いものだと思います。

知り合いの方から聞いたのですが、昨年は大根が豊作気味でトラクターで最後つぶしてしまうそうで必要なら取っても良いというような農家の方があるとのお話を聞きました。せっかく育てたものが、何の価値もなくつぶされてしまうというのは、日本の国というのは豊かだなあと思います。

林与自身は、なるべくご飯などは最後まで残さず食べるタイプではありますが、それをしていても、その裏では、大量に食べ物が廃棄されてしまっているというのは、個人の努力というものがそれほど力にはなりえないという悲しさです。

ファーストフードチェーンで、何分か以上放置したものは廃棄処分にするというのが衛生品質管理の徹底でよいことのように謳われていますが、捨てても大丈夫な程度の食べ物であるというのは悲しい気がします。

コスモスを見ていても見るだけのためにこんなに大量に植えるのは贅沢だなあと思うのですが、そういうのが今の農業の一つの形なのだろうなあと感じます。食べ物も保存する技術がしっかりとあれば捨てなくても済むのになあと思いつつも、今の時代それが進んでいるから代替されてしまい嗜好が変り、新鮮な食べ物の価値というのが落ちてきたのだろうと思います。
2011年10月03日
今日は、朝一で加工出し、午後からは大津のプリンスホテルで、中小企業団体中央会の滋賀県大会がありました。そのあとレセプションもあったのですが欠席させていただいて、野洲の紺九さんにお邪魔しました。

紺九さんでは、林与の生地が本藍染めに染まりあがっていました。林与が織った140番手や100番手をストールに染め上げたものは、今までのソフトなストールとは違います。すこし、ハリがあるのですが、その肌あたりの自然さが魅力で、肌に痛くないのです。超高密度細番手の厚地も2mだけですが染めていただきました。こちらは、ワンピースにすると素敵ではないかと思います。ジャパンクリエーションの場で皆さんにご覧いただこうかと思っております。

紺九さんの魅力は藍染の中でも、重要文化財などの修復にも使われる古来からの藍染の形を守っておられるところです。そんな藍染のストール、本物の藍の香りがいたします。販売も計画いたしますので楽しみにしてくださいませ。

森さんとお話していると、つい昔のものづくりの話になります。野洲晒が近江上布を支えていたということも今日のお話では出ており、いろいろな謎が解けてきます。お話していて、林与が頭の中でたどり着いている昔の麻の世界のものづくりと整合していている感じがします。

出来上がるものだけでなく、作り手の普通とは違う価値観というものが、他とは違う世界を生み出すためには一番大事ではないかと思うところなのです。
2011年10月02日
リネンの特殊な糸を使ってウィンドウペンを作ってみています。予想通り良い感じに見えます。リネン100%の特殊な糸というのは非常に少なく、アクセントになる太い糸を作ろうとするとなるとなかなか難しかったりするのですが、この糸は良い感じに軽く仕上がりしかも上品です。

今日は、インターテキスタイル上海の飛行機の手配を行いました。もう間際過ぎて飛行機がとりにくい状態になってしまっていて、日程的に都合の良い飛行機というのは、トータルで9万円くらいします。現地で前後余分に宿泊することを考えるのも手ではありますが、生産時期に入って時間的には余裕がありませんので仕方のないことかと思います。

ジャパンクリエーションのホテルの手配なども行っておりますが、なかなかホテルの確保などは難しいようで、一方で、震災時期の状況とは打って変わって正常な経済が取り戻されつつあるのを感じます。ホテルが安く取れるのを喜んでいるというのは駄目で、ホテルがなかなか取れないくらいのほうが、本質的な意味ではよいのだと思います。

食材すらもがほとんど手に入らないというホテルのブッフェも春には経験しましたが、そんな状態を乗り越えられたホテルというのも大変な努力ではなかったかと思います。
2011年10月01日
今日は、10月1日の月始めながら土曜日だったので、1日ということを忘れたままの一日でした。でも、それに気がついたのが、夜、西濃運輸さんに荷物を持ち込んだときに、皆さんが着ておられた制服が白からブルーに変っていて、ああ、衣替えの季節なんだと思いました。

それなりに夜は外も寒くなり、もう暑さというのが昔のことのように思える感じです。ヨーロッパのフラックスのリポートも届きまして、今年のフラックスの作柄というのはあまりよろしくないようです。

土曜日というのは外からの電話などが少なくて落ち着くのですが、週休2日というのが当たり前の時代というのは、平日が修羅場で、これって、逆に職場環境が悪化してしまっているだけではないかとも思います。普通に働けるような環境ではなくなりつつあり、日本でのものづくりというのは難しいなあとつくづく思います。

今の時代、仕事を実際に動かしている人というのは、結局、週末に月曜日に向けて準備していることが多くなっているのではないでしょうか。大勢でやるものづくりというのは無機質で、一方、一人でやっている田舎の職人さんのものづくりのほうが味があるのもじっくりと時間を使えているからではないでしょうか。
2011年09月30日
昨晩は遅くまでストール関連の撮影を行っていましたので、今日はバテ気味でした。会社も期末なので、通常の月末とは違うような忙しさでした。月末というのはどうしても月末払いのものなどが多いので伝票の処理など増えてしまいます。9月を振り返ると、7月、8月よりは落ち着いてはいたのですが、詰まっている中に、毎日、新しいお話をいただきますので、どこまで一つ一つを丁寧にやるのかというところだと思います。

午後からはお客様で1ヶ月半ぶりくらいにお見えになられましたので近況などをお聞きしました。震災の影響で、資材関連の織物業の方というのは、かなりお忙しくされているようなお話です。「備えあれば憂いなし」ということわざがありますが、製造メーカーですら在庫ゼロを目指す体質ですので、全体としては備えることが悪とみなされる時代です。

電気、自動車関連が、組み立て産業になってしまった現状では、海外に移転することのほうが安定してものづくりをできるようなお話をよくきくようになりました。日本国内のものづくりがギリギリまで常に追いやられている状況で、さらに何かあると選択肢として海外のほうが自由度が高いというのが、ちょっとやそっとの努力ではどうしようもないというのがどの産業にも共通する部分だと思います。

リネンの糸なんかも国内で在庫をしっかりと持てるところも少なくなってきていますので、糸を作る力だけでなく糸を持つ力すらもが海外に依存する時代になりました。本来は国が急激な価値観などの変化を吸収するような役目をしないといけないのでしょうが、数年で180度変わってしまうような誰が見ても成り立たないようなものを考え失敗の多い政策に、大きなところは守られても小さなところの経済までもが、その尻拭いの悪影響を受けるという時代なのかなあと思います。
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