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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
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2009年08月07日
先日、ハンカチプロジェクトのプリントを相談しに、近くの捺染工場にご挨拶に行きました。昔は、林与は自社内で染をやっていたので、他の捺染工場とは縁が薄かったのです。そして、先染やジャガード主体の織物を作っていたので、プリントものはほとんど実績がありません。今回は、ハンカチということで、レディースの一部にどうしても花柄のものがほしいと思いました。

捺染工場にお邪魔すると、いろいろと教えていただき、ハンカチプロジェクトのほうも応援してくださるとのことでした。手捺染の細かなやり方まで説明いただいて、頭の中で、プロジェクトの企画のほうが格段に進みました。

一つ感心したのが、色だしです。一つの柄で10色程度の配色をする必要があるのだといわれ、そこが、先染織物と共通するところだと思ったのです。同じ苦労をされている方がおられることがありがたかったです。言われたままに色付けをするのではなく、自分で提案しなければならない部分をもち当たり前に、それをこなすというのは大変なことです。

そういう部分で、この捺染工場は本物だなあと実感させていただきました。
2009年08月02日
先週は、リネンハンカチのプロジェクトの企画提出があって忙しく動いていました。世界最高峰のリネンハンカチシリーズをつくるというプロジェクトなので、織の技術的だけでなく、ハンカチのデザイン、糸、染色、加工、縫製、パッケージング、製本化へのこだわりを散りば3年がかりで行います。超高価なため非売扱いで、展示会や百貨店のイベントなどでの活用を計画しています。

最高の糸を使うということで、30年前のアイルランドで紡績さた本物の超細番手アイリッシュリネン糸を使用いたします。織の要素、先染の要素、プリントなど要素を散りばめて、日本の麻織物技術の最高をハンカチというキャンバスを使って表現いたします。90種類くらいのハンカチができあがる予定です。

使う織機は、50年ほど昔のシャトル織機です。一つのモーターの動きが伝わり、複雑なからくり人形が動くようにして、織物が織り上げられていくさまは圧巻です。現在の最新式の織機が世界最高のものを織り上げるのではなく、今の日本の自動車機械技術の全身である戦前、戦後の日本の織機技術が、このプロジェクトを支えるのです。

麻の品質にこだわる「林与」だけに染や加工にも日本の麻業界を代表できるメンバーたちのもつ伝統で立証された技術で臨みたいと考えております。永く使えるものを作るためには見えるところだけでなく見えないところの要素もプロのものづくりでは大事なのです。日本でもこのようなリネンの最高峰を目指すリネンプロジェクトは企画されたことがなく、超細番手織物のメッカであったアイルランドでは、紡績が行われていないだけでなく現在は織職人は少なくなり、織物産業自体が様変わりし過去の技術が消え去ろうとしています。

世界を代表するリネンハンカチのコレクションをつくりあげるプロジェクトがまもなくスタートです。世界の麻織の最高峰の技術を蘇らせ、麻織を織りつづけるということの価値に気づいていただければなあと思います。安価なリネンが大量に生産されるようになる一方で、ハイグレードな細番手の麻を織るという技術は、世界的にも失われつつある技術なのです。
2009年07月24日
以前、人気の布の生地屋の社長さんと話をしていたときに、織るということの場所にこだわっておられるのに驚きました。布の原産地というのが、その布を織った場所であるということを理解されておられ、そのことにこだわることのできる、すごい人だなあと思ったのです。消費者を騙さないという姿勢が伝わってきました。

一部のこういう方を除いては、インターネットでリネンを販売されている方のほとんどがそのことをよく理解されておられず、外国で作っても西陣織みたいのと同じ感覚で売られています。アイリッシュリネン糸を使ったという布が大量に出回っていても、実際にアイルランドで紡績された糸ではないのです。1万円未満の近江上布があったりするのも、中国で作ったものを近江の業者から買ったというだけで、産地も由来もしっかり確認せずに近江上布として不当表示で販売しているケースです。お客さんというのはその言葉を信じて買って、それを使って物をつくりまたみんなに自慢するだろうに本当に気の毒な話です。当たり前のことですが、偽のブランドを騙して売って騙されるほうが悪いというのがまかり通っては駄目だと思うのです。

リネンの業者の間では、ヨーロッパのものはいい加減なものが多く、リネン100%を謳っていても実際はコットンリネンの糸を使っていてやわらかかったり、どう見てもリネンじゃないなあと思う糸が使われていたりすることが多かったりします。日本でそれを売る人に基本的な知識がないので、コットンリネンの安い糸を使用したものを、よいリネン糸だからやわらかいとか言って売ってたりします。ブランドの方が、ヨーロッパでリネン100%ですごいものがあると見せてくれても、綿かレーヨンじゃあないのかという結論がほとんどで、特にイタリア近辺のものが怪しくなっています。

残念ながら、近江産の麻布に関しても、この産地で本当に織られる近江湖東産の織物というのはほんとうに少なく、他産地で織られたものに「近江」という言葉をつかって販売されているケースがほとんどです。産地で織を守るのが難しいのもそのあたりです。湖東産地で麻を織っているところはほとんどなくなっているので、本物の近江産麻布といえるものはほとんどなく9割以上が他産地産というのが現状かといえます。
2009年07月20日
シャドウチェックってご存知ですか?普通のチェック柄は、同じ太さの糸を使って、色でチェックを作るのですが、同じ色の糸を使って、糸の密度を変えることでチェック柄を作るのがシャドウチェックです。無地っぽいながらもチェックに見えるだけでなく、凹凸間ができるので、肌との接触面積が小さくなり、春や夏の涼しい織物や服ができあがるのです。

春と夏の有名な織物に四国で生産が盛んな綿織物の「しじら」という織物があります。この織物は、基本的には12枚のドビーというので織られ、6枚は平織、残りの6本は2本をセットにして平に織ることで、織密度の変化が生まれ、凹凸間のあるストライプ調の織物です。

「林与」が手がけようとするのは、最近夏素材によく使われるようになった、凹凸間のあるポリエステル調の織物です。それをリネン100%や本麻で実現できないだろうかと取り組んでいます。こういった取り組みは、30年くらい前にもやっており、再度、10年くらい前からも本格的にやっているのですが、技術的に実現が難しい状況です。イタリアの布などそいうものをやっているケースは多いのですが、日本の品質基準だとブランド向けの商品としては通用しないレベルの布だったりします。

日本のシルク織物の産地である山形県の米沢というところでは、シルク100%で見事なサッカー調の織物を生産されています。伝統文化で作り上げられた日本の織物が誇ることのできる一品で、単純な平織り物が主体のシルクの世界でも別格の商品として取り扱われています。ほんの数件の機屋さんがその技術を開発ならびに継承されているだけで、他国が真似することのできない日本の絹織物文化が守られていることは感服いたします。

どうやって安く物をつくるかに力点を置けば、品質は落ちてゆきます。糸を落として、織を落として、染を落として、加工を落とす。最悪の場合、産地偽装すらされ、手を抜いたものが最高級のリネンや麻としてインターネットやファストブランド店で売買されてしまっている今、本当によいものは消え去っていく傾向にあります。
2009年07月18日
今日は、愛知川の河原で、夜、花火大会がありました。お天気のほうもそれほど暑くもなく、河原の土手に座って、次々と打ち上げられる花火を眺めると、今の花火のことよりも小さなころに花火を見に来たことの思い出がいろいろと蘇ってきます。

今回の花火大会は1時間ほどのものでしたが、愛知川という小さな町で、128回を数えるような花火大会が続けられていることはすごいことだと思います。主催者側が持ち出して地元を盛り上げるためにイベントを続けておられる姿勢には、テレビなどでの商ビジネス化したボランティアを超えたものがあります。

子供のころには、年末には中仙道の商店街の大売出しがあったり、地元のお祭り行事というのは、子供のころの特別な思い出となって残っていくものです。大人になってからの自由な気分で見物するより大きなお祭りよりも、子供の頃の地元のお祭りというのは大事なものです。

今は花火を見るだけで十分で、子供時代に夜店で売られているカブトムシやくじ引きに熱くなれたのが過去のこととなり、花火大会への胸躍る気持ちも小さくなってしまったことを自分自身に対して寂しく思います。一方、夜店で買ったおもちゃを自慢げにしている子供たちをみると、まだまだ、日本の活力はまだまだあるぞと感じます。

熱中時代というテレビ番組が昔ありましたが、熱中できることがあることは本当に幸せなことで、熱中できない人たちばかりになってしまえば、職人さんというのがいなくなってしまい、良いものは作れなくなってしまうだろうと考えます。
2009年07月17日
今日は、夕方から地元企業の経営者が集まって懇親会がありました。地元には、藤居本家という酒蔵があるのですが、その藤居さんとお話しする機会があり、弊社の麻布の話が出てまいりました。

藤居本家は、天皇陛下もご出席の皇室行事であります新嘗祭に献上される「旭日」というお酒を製造されています。全国の何千という地域の神社で行われる新嘗祭もすべて「旭日」が使用されています。

藤居さんが、皇室に「旭日」を献上される際に、お酒を包む布が麻布で、「林与」の麻布を使っていただいております。先代からその話はなんどかお聞きしていたのですが、藤居さんからそのお話を直接聞かせていただく機会にめぐり合い、ありがたさを実感しながらも、妥協したものをつくってはならないという自戒の念に駆られます。

時代に流されることなく変わることのない価値観を持ち続けることが、最高の品質を守り続ける一つの秘訣であろうかと思っております。本物の近江産麻布というのを残していくためには、「林与」は本物の麻機屋でありつづけ、この場所で織り続けなければならないと考えております。
2009年07月15日
今日は、リネン日和です。外でリネンを干しました。すごく、暑い日だったのでいくつもいくつも干すことができました。夜に反物に巻き上げてあげると、スペシャルなリネンのできあがりです。

耳のところが、デコボコしていて、ナチュラル感たっぷりなのがとても素敵です。加工屋さんで仕上げるリネンというのは、耳がピシッと決まっているので、他の素材の織物と一見して区別がつきにくく、触ってみないとわからないのですが、「林与」のナチュラルシリーズは、見るからにリネンしています。

今日は、薄手の生成と白のリネンシャツを1枚、ワンピースもそれぞれ1枚づつ作ってみました。柳流感があって、光沢感もある、素敵なシャツの出来上がりです。

多少、ざらざら感があったりするのですが、着込んでいくうちにだんだんと味がでてきて、柔らかくなっていくところが、リネンのよいところです。綿のものだと買ったときが一番よくて、だんだんと弱っていくのですが、良いリネンの場合は、十年以上も着ることができるというのがすごいところです。
2009年07月14日
今日は、彦根の市役所の方を交えて、彦根で開催中の井伊直弼と150年祭への協力ができないかというのを模索するミーティングに夕方から出席しました。

明治から大正に掛けての衣装がつくれないかというのがテーマだったのですが、甚平や着物なら、素材にしても簡単に手に入り縫製も「林与」で簡単に出来るのですが、開国を象徴するような西洋チックな衣装となると、写真や画像をみて、型紙から起こし、また、モデルさんに合わせてサイズを決めないといけないので、試作するのに、うまくいって一回一着に一週間くらいは掛かるだろうなあというのが私のイメージです。

彦根という地域を盛り上げるために、400年祭があり、大盛況に終わったのですが、その後も、ボランティアの皆さんが中心となって、彦根の文化をPRしておられます。彦根には仏壇、バルブ、縫製という地場産業があり、地域の消費を支えるだけでなく、全国的な産地として名高いもので、そういう彦根の産業家たちがこと前向きに彦根の活性化に協力しようという意気込みでおります。

ひこにゃんが有名ですが、そのほかのゆるキャラも彦根周辺で開発が進んで次々と生まれていき、彦根でゆるキャラサミットが開催されるまでになったのも、彦根が縫製技術があったということが要因しています。
2009年07月11日
東京から戻って考えました。リネンをはじめて使われる方が、使いやすいベーシックなリネンのシリーズを作ってみようかと… ブラウスに使う超薄手、ワンピースに使う薄手、メンズシャツなどに使う中肉、パンツなどに使える厚手です。

林与では、糸の番手に応じた規格が基本的に決まっているのですが、サンプルなどを織ったときの感触で、若干の調整を加えることが多いです。メンズ用とかレディース用とか、シャツ用とかジャケット用とかニーズに合わせて、基本の数値から上下10本程度範囲での調整を行います。

新しいブランドさんなど、町の生地屋さんから買われているようなケースもあるようで、そいうブランドさんが本格的なアパレル向けの生地を使ってもらえるような位置づけにしたいと考えています。一般の方からプロまで使っていただけるよう家庭洗濯を想定したシリーズにしたいと考えています。

リネンで洗濯物性を抑えるのはほんとに難しいことなのです。リネンは水を良く吸い、反対に、乾燥も速いので、そのことが、糸が水を吸って膨らんで縦横方向に布が縮むという物性が悪い原因を作り出しています。

加工のロットだけでなく、糸の銘柄はもちろん、原料のロット、紡績のロットによって、収縮物性は変わってくるということが過去の経験上の結論です。そのために、縮みやすい銘柄の糸の場合には、縦の本数を増やしたりして、仕上がり幅を調整するようなことも行っています。

糸屋さんは、一般に資材を多く扱っておられますので、洗濯しないものが多いのと、糸屋さんのように右から左へものを流すスタイルでは、糸のことを聞いても十分な答えが返ってこないことが多くなっています。糸に関する知識も使い方のノウハウも機屋で蓄積しないといけないことになってきます。

このあたりが、紡績工場の技術力の差になってきます。一流の紡績メーカーは値段も高く、かつ、量もたくさんやっておられるので、実績値が高いのです。安く出回るリネンもあったりするのですが、そういったものは、製品にしてからの品質面での危険が付きまといますので、弊社ではスポットで出回る糸は使わないことにしています。新しい織物を次から次へと作り出すためには、織物の織りの規格も多様になるので、品質の良い糸の選択が非常に大事なのです。
2009年07月10日
今日は、朝早くに起きて、車で東京まで行きちょっと遅れてしまいましたが、無事午前中のブランドさんにたどり着きました。ブランドさんで、面白い布のお店があるということで、紹介していただいたので、お昼の空き時間を利用してお店のほうを拝見しました。

雑貨や小物を中心としたおしゃれなお店ばかりが集まったビルの地下に、布のお店がありました。いろいろな布が置いてあり、色柄も豊富に手を掛けて作ってあります。織物を作られる方の意気込みが伝わってきました。

店員さんも非常に優しく、丁寧に布の説明をしてくださいました。ブランドさんでお聞きしたそのお店の一番看板商品の布でつくったストールを記念に購入しました。

看板商品というのは完成度が高いので、見ていても味が伝わってきます。
2009年07月08日
今日は、オーガニックリネンを洗いました。滋賀県の産地がなぜ麻の織物の産地なのかというと、湿潤な気候で織りやすいというのがあるほかに、麻は染色や加工という作業が必要で、水が良いということが非常に大事なのです。

リネンを柔らかく仕上げるにはいろいろな方法があるのですが、オーガニックリネンなので柔軟剤などの薬剤は使ってはいません。林与独自の方法で、やわらかくなるように仕上げるのですが、やわらかく仕上がる糸とやわらかく仕上げることができない糸とがあります。

今回のオーガニックリネンのロットは、やわらかいです。水だけで仕上げて、ここまでやわらかいのには満足で、よいロットにめぐり合えて幸運でした。殺虫剤も化学肥料も使わずによいリネンをつくるのは大変だろうに、リネン農家の方に感謝です。
2009年07月07日
今日は七夕で、ヒロインは織姫です。七夕はもともと中国の話だったようで、中国でも昔から機を織るというのは大事な仕事の一つでした。夕鶴のような話でも織物を織る話で、美しい織物を織ることのできる女性は美しいというイメージだったんでしょうね。

昔の織物というと小幅と呼ばれる幅の狭い織機なのですが、見ていると本当にかわいいんです。昔話で宝物の中に、反物が入っていたというのもうなづける話で、昔の人たちは今の人たち以上に布に憧れをもっていたんだと思います。

先日も、京都の百貨店さんで、小幅の布が売られているのを拝見しました。見ているだけでスローライフな感じで和みます。着物というのは今の時代着る機会がないのですが、流行に流されず、そういうものを評価できる人柄には憧れを感じます。

私もだんだんと年を取ってきて、自分自身が、商売云々以上に、こういうものを作っておきたいなあと思うようになってきました。今後、作られることのないような小幅の本麻の先染の織物も残しておきたいなあと思っています。


2009年07月06日
今朝は、朝6時前に起きて、加工出しの準備に取り掛かりました。オーガニックリネンを縦7パターンで、合計14柄と、リネンガーゼを加工出ししました。アパレル向けなので、綺麗な仕上がりを狙っています。

一方、アパレル向けでないオーガニック派向けに、ナチュラルなワッシャー仕上げを同じ柄で展開しようと考えています。こちらは、やわらかな風合いの仕上がりです。ほかに、色耳を使った白の無地と生成の無地も何色か展開いたします。

通常は、リネンの細番手を織るときには糊をつけたり、ワックスをつけたり、水溶性ビニロンを巻いたりするのですが、環境保護の観点からそういった薬剤を一切使わずに、オーガニックリネン糸を低速のシャトル織機で織り上げています。オーガニック認証を得たオーガニックリネン原糸を使用したというだけでなく、製織法までもナチュラルな仕上げにこだわりました。また、加工方法もナチュラルワッシャー仕上げは、天然の地下水で丁寧に洗い上げ、天日で干して、麻機屋の倉庫で寝かせることで湿度を適度に戻し仕上げます。

次のステップとしましては、世界認証の取れたオーガニックリネン糸を100%草木染で染め上げて、世界基準よりも厳しい基準のオーガニックリネンを作り上げようと考えています。リネンのものとしては高級ゾーンとなりますが、語れる一品にしたいと考えています。
2009年07月05日
今日は、お昼に3時間ほど京都の四条の高島屋をぶらっとしてきました。目新しいものがあるわけでもありませんが、暑さもそこそこ、夏休み前の行事を控えた日曜日とあって、洋服の売り場もそこそこの賑わいをみせていました。

林与の麻の素材も何点か服になってブランドの売り場のボディやショウウィンドウを飾っていました。夏のリネンのマフラーとかどんな感じなのだろうかと見て回ったのですが、もう店頭にはあまりありませんで、売切れてしまったのか、あるいは、夏になりすぎて使われなくなっちゃったのかと思っています。

注目して探したのが、リネンの素材を作った製品です。太い番手を使った素材は、パジャマやシャツなどとなって先染で売り場を賑わしていました。細い番手を使ったものは、無地ライクなものがほとんどですが、やはり、素材のよさが引き立ち、店頭のボディによく使われていました。

リネンで先染を展開できるところは日本でも数少ないです。ブランドさんでも日本的な彩で華やかなものを求めてくださってるところが多いので、素材にデザインをオンして目立つような素材を展開していきたいと思っています。
2009年07月04日
今日は、一台の織機に細い番手のガーゼを掛けました、マフラー素材を服地にしたような素材です。やわらかく仕上げると軽い羽衣のような素材が出来上がるのではないかと思っています。この前は薄くしすぎて、ズルズルなものができてしまいました。

来週、東京にでかけますので、デザイナーさんに提案できるよう急ピッチでの仕上げです。2010AWのジャパンクリエーションの出展も決まりましたので、進行中の究極のリネンがメインテーマとはなると思うのですが、ほかのブースとの調和もありますので、秋冬っぽい素材や通年素材もブースには展示できるように準備しようと考えています。

展示会というのは、基調となるテーマがあって色や素材のテイストの統一が求められています。ものづくりをする側からすれば、自社の素材をベースに、ブランドさんに色柄を合わせるのと同じことで、それほど難しいことではありません。

できる限り多くの素材を送り込んで今年のトレンドを作り上げたいと考えています。リネンに関しては流通量は益々増えてきていますが、生成りっぽい資材からの流れで売られていたゾーンが飽きられはじめ、生成りっぽいカジュアルさを残しながらも、かわいい色使いで提案したようなものに人気が集まってきています。
2009年07月03日
今日は、朝一番に、染工場に糸のビーカーをお願いに行きました。ビーカーというのは、糸を30g程度試験染して色出しすることです。今日は、こげ茶の色だったのですが、着見本というのが入ってきて、糸のほうは在庫があるのですが、昔の糸なので在庫の糸で足りるかどうかわからないため、念のために、着分を作るために1kgだけ染めて着分を作ります。

着分3Mは本番を生産するのと同じくらい手間が掛かりますので、高級な布を扱っておられる機屋さんでは、着分対応ができないところが多くなっています。安い布の場合、大量に生産して、その原反から着分を切って送ればよいのですが、ブランドオリジナルの高い布の場合、前もってたくさん作ることはできないので、着見本は着見本としてだけ作ります。

糸から染めたりするような着見本ですと本番と同じくらいの拘束が掛かります。普通のペースですと1ヶ月から2ヶ月ほどかけて3Mを作るわけですから、1M当たりに何万円ものコストが注ぎ込まれます。「林与」の場合、10日程度で見本を仕上げ、服にして2~3週間程度が多いです。そうして作られた服は展示会デビューするのです。

糸から服まで眺めていると、いろいろな改善点が浮かんできます。もう少し、布が柔らかいほうがよいとか、透け感を抑えたほうがよいだろうとか、そういうフィードバックを本番に入れ込むこともよくあります。
2009年07月02日
昨日、お昼ごろ、地元の織物関係の会社にシャトル織機で織った布を納品に行きました。そのとき、社長が居られ、縦糸に特殊な方法で捺染をした織物をみせてくださいました。柄が、ぼやーっとしていて、絣調で良い感じでした。

綿の織物だったので、素材自体がくすんだ感じで昔調の感じがしたのですが、リネンに同様の捺染を施せば、光沢感と透明感が出るので、良いものができるんじゃあないかと頭の中でシミュレーションしています。

本麻(ラミー)でやるとリネン以上の高級感がでると思うのですが、より加工工程が複雑になるので、値段が合わないだろうなあと思ったりします。一般的には、リネンのほうがラミーよりも安いと思われているようですが、国産ラミーの細番手は非常に高いので、通常出回っているリネンの2倍から4倍くらいの値段です。

糸が高いだけでなく、ラミーの場合、縦糸には糊をつけなければ織れないので、安い方の糊付でもリネン糸くらいの値段を払って糊をつけます。コンニャク糊となると糊をつけるだけで、通常出回っているリネンの何倍もの糊付代を払うことになります。

今日の画像は、横糸の打ち込み本数を決めるギアです。
2009年07月01日
今日は夕方、夏過ぎに開催するバーベキュー大会の打ち合わせに行きました。縫製の社長さんたちと合流して、バーベキュー大会の5Wを決め、その後、夕食に行きました。

新しくできたお店で、内装も綺麗で、静かな時間が流れているのに、わいわいとバーベキューのことなど話しながら、おいしいものを食べて、あっというまに夜11時の閉店時間になりおいとましました。

なかに飾ってあった暖簾とかも、特注でつくられたそうで、お店の雰囲気に調和していました。林与のリネン、本麻でも、暖簾をつくったりしてもらっているケースがあります。簡単な縫製をして、プリントなどを載せて暖簾として使っていただきます。

お店の看板としてお使いいただく暖簾に弊社の生地を使っていただけることは光栄です。麻の暖簾のよいところは、見た目の雰囲気だけでなく、非常に長持ちするところです。
2009年06月30日
梅雨の合間に、昔に織って倉庫で寝かせてあったアイリッシュリネン糸で織り上げたキバタを洗いました。本物のアイリッシュリネン糸なので、水洗いだけで柔らかな仕上がりです。

不思議に思うのが、「アイリッシュリネン」と謳って、「アイリッシュリネン」が大量に販売されていることです。たぶん、アイリッシュリネンと謳えばよく売れると思われてでしょうが、買った人からすれば騙された後悔するに違いありません。残念ながら、アイルランドで紡績されたリネン糸というのはもう手に入りません。今販売されているアイリッシュリネンは、アイルランドで織られた布という意味か、イタリアもアイルランドもEUだと考えてアイリッシュリネンとよんだり、ある紡績会社の糸ならアイリッシュリネンだと思い込みだけで、アイリッシュリネンとして売っているケースがほとんどです。

昔のアイリッシュリネンといえば、北アイルランドで紡績された糸を使用したもので、機屋の憧れだったのですが、今では、北アイルランドでの紡績自体がなくなってしまったので、今の本国アイルランドでの定義はリネンテキスタイル・メイド・イン・アイルランドに変わりつつあり、糸の産地はどこでもよいということになって、アイルランドで織ったリネン織物というのが今の定義です。海外で売っているアイリッシュリネンは、偽装でないとすれば、糸はアイルランド以外で紡績され、輸入した糸をアイルランドで織ったリネン織物というものがほとんどということです。アイルランド産のリネン糸のほうは希少価値が増したのですが、アイルランド産の織物のほうは昔のような職人気質のものは少なくなり、量産タイプのものが大量にアイリッシュリネンとして出回る時代になり、もし希少価値を感じて買われていたらがっくりされると思います。

でも、リネンのよしあしは自分で決めるものですから、自分の目や手触りでよしあしを判断されることが大事だと思います。林与が、昔、アイリッシュリネンからイタリアンリネンへ移行したのも自分たちの情報と目と感覚で糸を判断し、イタリアンリネンの品質の高さを認めたからでした。そして、今、イタリアンリネンも本国生産が減少をはじめ、中国トップブランドのリネンとの有意な差がなくなり始めてきました。働き手が年を取ってくると解雇しない限り品質を守るのが難しいラインあるのです。

ちなみに、アイリッシュリネンの糸の昔の生成は金色っぽく柔らかかったです。元来の北アイルランド産のフラックスを使用して紡績していたんでしょうね。今のベルギーのコルトレイク産やフランスのフランダース地方の糸はグレーっぽいです。アイルランドでフラックスの生産が減少し、紡績が終了するまえにはベルギーやフランスから輸入するようになってしまっていたようです。イタリア紡績、中国紡績の生成の糸も良質なものの場合ベルギーやフランダース地方の糸を使用しているので、アイリッシュリネンと比較するとグレーっぽいです。

今日の画像は、シャトル織機に使う織筬です。
2009年06月29日
今日は、朝一番に一年前に引退してもらった私の叔父さんが来てくれました。叔父さんも仕事のほうは心配していてくれるようですが、中国やベルギーなどからのベーシックな輸入リネンテキスタイルやそれを使った製品が国内でも飽和状態で、人気のリネンでも良いものしか通用しなくなって、ブランドオリジナルのリネンを求める動きはより強くなってきています。

オーガニックリネンのシリーズも、ギンガムを中心に5柄目に突入で、もう一つ織ったら加工出しです。シャツやブラウスに使えるオーガニックリネンのシリーズがまもなく完成で、私自身がオーガニックリネンのシャツを作ろうと一番楽しみにしています。

「林与」の布のほとんどはプロの用途なので、デザイナーさんへの提案や製品企画会社にベースとなる「林与」の新企画を提案します。そして、その企画にブランドの要素を加えて、それぞれのブランドのアイテムが新しいものとして出来上がって行くのです。

日本国内においては先染めを展開できるデザイナーさんが少ないのが現状です。先染というのは、一配色だけを作ればよいのではなく、最終的に3配色必要なら、同じ柄で、10配色くらいデザインできるデザイナーの力と見本を実際に作れる能力の両方が要求されます。

今日の画像は、縦糸を巻くビームです。