for English speakers: Welcome to HayashiyoWelcome to Hayashiyo
リネンや麻を織る日々をつづっています。
ホームリネン日記運送業
リネン日記
運送業
2025年04月24日
運送業の方が配達に来てくれて話をしていると、荷物の量が減っているとの話で、昼間は企業を回って荷物を集めるのに力を入れているということらしい、送料も何度も値上がって高くなって、これが運送業界が難しくなる2024年問題の現実なのだろう。

ドライバー不足といわれていたトラック業界も、運ぶ荷物が減ってしまっていては、運送会社の経営自体を苦しめるような結果につながると、従業員を支えていくことがより難しくなる。また、トラック業界だけでなく、飲食業界も特に焼肉関係が牛肉やコメのコスト、人件費、光熱費の上昇で、価格を2倍くらいに値上げしたところも多く、お客が激減しているという。

アパレル業界にも一般的な法則みたいなものがあって、上代が10万円なら生地代というのは、1割程度というのがバルクの世界の法則だったりする。その1割の中に、糸代、染代、織り賃、加工代、企画、送料、など生地になるまでにも多くの企業が関係して、直接費用だけでなく間接費用や人件費なども含んで考えていかないとならない。

ある機屋さんも、仕事をしても成り立たないとおっしゃってられたが、麻糸の上昇と人件費の上場で、麻関連の織物業界も、非常に厳しい状況に追い込まれていて、2000年のデフレのときの不況とは違って、インフレ不況、すなわちスタグフレーションという状況が、日本中に広がってしまっている。

人手不足だからといって景気が良いわけでもなくて、人がいても人を探しておられる企業も多かった五する。特に期間工を必要とするのが自動車業界だったりもして、20代、30代の若い世代の期間工を必要としているのが自動車産業。

織物業界もどう考えても75歳定年なんて言うのは無知な話で、全員が全員ではないけども多くの人が50歳くらいで作業が出来なくなる人が多い。60歳ともなれば、20代の頃の3分の1くらいしか仕事ができなくなるというのがよくある話で、正確さも落ちて正しい結果が出せないことも多くなる。時代が進めばより高度なものを作らないといけないのに、働いて貰うことすらが難しいという現実はあるが、国内の流れは心地よい響きの緩い話ばかり。

昔の人というのは良い時代に10倍以上のものが生産で来ていたころを知っているので、経験も積んでいるし、実績もある。それでも、年を取ると仕事ができなくなっていく。今の繊維業界では、週40時間程度では学生のアルバイトや昔のパートさんとそう変わらない仕事量だったりする。いろんな経験を積んで実績を残すことも難しくなっていて、そういうのは働く中で能力を養うということの難しさと、それを日本で形にすることの難しさがある。

アメリカもトランプ氏がメイドインアメリカの復活だといっているけども、一度失われた製造業というのは、多くのアメリカ国内の法律なども絡んでいて失われて行った経緯があり、関税を掛ければ国内で生産が可能になるというようなことは、まず不可能。また、法律なども正しいこととして認識をされているので、政治家というのは違法なことをやっても平気な人が多いけども企業というのは違法な行為というのは許されないので、アメリカのような自由で気楽な人生観が素晴らしいとされる国で、張り詰めた緊張感で一つ一つの作業をこなさないといけない製造業というのは、働く人の価値観からして相容れないところがある。関税を増やせばすべて解決みたいな短絡的な考え方が、労働環境にも問題をふやすばかりの典型ではある。