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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
異組織使いの織物
2009年08月10日
異組織使いで、ストライプ柄を作っています。平の部分と組織が甘い部分の違いを活用して、ストライプ柄を組織で出すという織物です。織機についているドビーという装置を使えば、柄表現は難しくはないのですが、こういう組織では、糸の緩みという問題がつきまといます。

この辺りが、テキスタイルデザインというのが柄だけでなく織物であるという部分です。縦糸のアップアンドダウンがすべての糸に関して似ていないと、アップアンドダウンの少ない糸は緩んでくるのです。緩んでくると、ドロッパーが落ちてきて織れなくなります。ドロッパーが機能しないと経切れしたときに、機械が止まらず、キズが発生します。

対処方法としては、2重ビームにする、緩む糸をコマにする、すべての緩む糸に重りを掛けるなど考えられると思うのですが、織れればそれでよいというものではないので、それぞれに問題が潜んでいます。

芸術品としてものをつくるのと、工業製品としてものをつくるのでは、観点が大きく異なってまいります。複雑なものを作る場合、芸術品としてものを作るほうが自由で簡単なことが多いのです。1週間も掛ければ一人の人間が作り上げてしまえるものが多かったりします。変わったもので、工業製品として量産するものを作る場合、後の生産や品質を考え、そのシステムを作り上げるのに、手作業の何倍もの時間を掛けないといけないという必要があります。