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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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2009年11月
リネン日記:23
2009年11月03日
リネン関連ではまだ少ないのですが、テキスタイルの業界では先染めが人気の傾向があります。先染は2年ほど前の秋冬あたりからブームの兆しだといわれていましたが、無地ライクに見えるギンガムなどが中心でした。最近、マドラスチェックやタータンチェックなどの文様が本格的な人気になってきています。

もう20年以上前になりますが、チェッカーズが一世を風靡した頃は、どこを向いてもチェック柄という時代もありました。タータンやマドラスの柄を配したものというのは、つぶしが利くと言われます。といいますのも、後染や単純なギンガムなどと比べると作るのが大変だということがあるからです。デザインが大変であって、そのデザインに応じた小ロットの染が必要になってくるのです。

チェック柄というのはデザイン性が重視されますので、先染の無地などに比べると、染めの品質としてはそれほど高度なものは要求されませんが、先染でブラックウォッチなんか作っても、本当に色の濃いものを作るのは難しかったりして、売り場に普通にあるのは白っぽい感じがしたりするものが多いです。これは、糸が一様に染まっていなかったり、また、中までしっかりと染まっていないという問題があります。

チーズ染とかせ染では、かせ染のほうが一様に奇麗に染まるのですが、リネンやラミーの場合、かせ染ででも色むらの問題は起こります。ましてや、チーズ染色では、内外差は付き物だといわれ、織でそれを吸収することが要求されています。チーズ染で無地を作ると斑々感を消し去ることは難しいです。

この問題とは別の問題で、ノットレスといわれるスプライサーヤーンといわれる紡績時の結び目が少ない糸があるのですが、これも、糸の染めに関しては大きな問題を含んでいます。ローブのつなぎ目を貼り付けるために調子が悪いと、そこが2倍くらいになるだけでなく、その部分が染まりにくいという問題が生じてきます。生地になると糸が太くて色が薄い部分が出来るのです。

ほかの色斑の問題としましては、ワラの問題です。ラミーに良く観られるのですが、黄色いワラがところどころに入っています。これは白だと黄色いワラがそのまま織物に出てしまって、大きな問題となります。薄い色だとそのワラが逆に濃く染まってみえるという状態になり、これも大きな問題です。リネンの問題で多いのは中が奇麗に染まっていないという問題です。リネンの糸をほどくと白い部分が出てきます。最近は、とくに濃色でこの問題が多く起こるようになっています。通常は、織り上がると無視できるレベルのものですが、染めの本質的な問題につながっており常に注意はしています。
2009年11月02日
中国の展示会に行ったときに思ったのが、中国キバタが日本で加工されて、中国で販売されるという流れが起こり始めているということです。この背景には、中国の染色技術や加工技術が物性面で十分な基準に達していないということが上げられるかと思います。中国国内で流通する中国生地も、日本の技術を必要としている時代になりました。

中国のキバタというものは問題を含んでいることが多いのは事実のようで、一回染めて失敗するので一度色を抜きなおして染め直したらうまく行くというような話を聞きます。中国国内向けの糸のグレードは、日本向けの糸のグレードよりも低いことが当たり前なので、このような問題が起こりやすいのだと思います。

上海の展示会でも、中国のリネンの紡績メーカーが10社ほど弊社のブースに来てくれました。価格は安いものの明らかに中国糸であるといえる白っぽくそばかすの多いリネン糸を製造する紡績メーカーから、ヨーロッパ原料を使用したトップクラスの紡績メーカーまであります。トップメーカーのものでも中国向けと日本向けは使い分けているのでその辺りが品質のポイントかと思います。

以前、ヨーロピアンブランド糸を使用したときに、中国糸以上の問題が発生するような事態が起こり、本国紡績もの以外は注意して使わないといけないレベルまで来たということを実感しました。最近では、競争の成果もあって、中国紡績のトップクラスのブランドのほうが品質だけでなくフォローも良くなってきています。最高を誇っていたアイリッシュリネンが10数年前くらいから品質の低下がみられ、紡績産業自体が消えてしまったのも同じような流れで、このことは、同様に日本の製造業にもいえるのではないかと思います。
2009年11月01日
今日は、午後からかばんメーカーの社長さんが林与に起しになられました。かばんというのは革のものが良いというイメージがあるのですが、最近は、布かばんが人気だそうで、エコバックなんかも引き合いが多いそうです。

リネンの布というのも、大量に使われる場合、大手さんの生地をお使いになられるほうがお安くつくのですが、国産の本格的な語れるものを使いたいということで近江の織を使用したものを探しに来られました。林与は高級アパレル向けの素材が多いので、細番手を得意としており、生地の薄さ、軽さ、透明感が大事だったりするので、ずばりそのままかばんに使えるような素材が少ないので、新らたに布をおつくりすることをお約束しました。

特殊なものを覘いては、太い番手の布を織ることは難しくありません。林与の特殊な仕上げで、しわになりにくいポコポコ感のあるリネンを生み出すことも可能で、それにも興味を示していただいております。リネン100%のものとしては味があって面白いものです。

メーカーさんのものづくりにおいて素材コストを抑えることに走ると海外からの安いものに近づいてしまいます。語れるような素材に語れるような技術を掛け合わせて完成度の高いものを作ることで、世界的な市場で日本製の優位性をPRできるような商品開発が必要ではないかと考えます。