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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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2012年9月
リネン日記:28
2012年09月09日
同じ番手の糸を同じ織物規格で織っても、糸のメーカーによって、織れる長さは異なってきたりします。これは、機械の送りの調整によるところもあるのですが、堅い糸というのは織り縮みが激しく、また、フシの均一性のない糸というのも織り縮みは大きくなりがちです。また、シャトル織機で織ると、リネンの自然な仕上がりにしようとすると縦糸をたくさん送る傾向がありますので、これはまた別の意味で縦糸をよりたくさん使うことになります。

シャトル織機の縦糸の大きな開きを吸収してあげることが非常に大事であり、高密度のものを織る場合には、逆にテンションを上げてしっかりと開くようにして、また織りあがったときのキバタでの縮みも期待して作り上げます。織機以外にもその他のノウハウがいろいろとあって、織機の調整だけだと限界の時にはオプションパーツを使うこともあります。

今の時代、織機が単純化していっており、織りの技術というものが機械の機能依存になってしまって、職人さんが育たないものです。旧式のシャトル織機というのは、一回で壊れてしまうくらいにどこの部分も調整ができますので、素人の人には扱うのが難しいものです。旧式の織機がなくなっていくにつれて職人というものが必要なくなっていくのは、世界的な流れではあります。織物の展示会に行っても、私自身、織の職人さんに会えることが少ないものです。
2012年09月08日
今日は、朝から週末にも関わらずいろいろな糸が届きました。4トン車は字の中に入れないので、近くの運動場に取りに行ったり、農協に取りに行ったり、していました。秋冬向けにウールを交織するということで、ウール糸を手配しました。届いた糸の感じは良い感じですが、色がちょっとイメージと違うかなあと思いながらも、急いで取り寄せることができて、カウンター見本として仕上げて生地の感触を確かめることができるのでありがたいです。色はあとから調整を掛ける感じにします。

昨日、彦根の四番町スクエアのボックスギャラリーからお電話いただいて、ストールの生機が好評でたくさん売れてリクエストがあるとのことで、追加のストールをギャラリーまで持って行きました。本当にたくさん買ってもらっていてびっくりしました。口コミで買ってくださっているようでありがたい話です。次回はキッチンクロスHDタイプも持っていこうかと思います。

急ぎの仕事が詰まりすぎていて、うまく行かないことが一つでもあるとそこにすべての時間が費やされるので、数日を体力を消耗するだけのように、機械の調整に明け暮れることもあります。別の台で織っているものもしばらくすると織れなくなるのは、ぎりぎりな織物というのは普通なら無視できるような何か一つの小さな要素が変わると急に織れなくなるものです。

夜、工場で織っていると不思議なお客様、珍しいタイプの胴体の太い大きな蛾が回っていた扇風機の1Mほど前の床にいます。普通風が吹いていると飛ばされてしまうので飛ばされないように踏ん張らないといけないのですが、何時間もそこで踏ん張っているのです。たぶん、工場の中に入ってきて蛾も暑くて居心地のいい扇風機の前を見つけたようです。

夜蛍光灯の光に誘い込まれて工場の中に迷い込んだだけなので大事にしてあげたく、糸を包むビニール袋で包んで外に逃がしてあげました。外にいっても胴体が大きすぎて羽が小さすぎて飛んではいますが、コントロールできていないほど。自然に恵まれていないと生きていけないトキもそういう動物だったのかもしれません。

国を代表する動物というのはその国で独自に進化したとか、その国でしか生きていけないという要素があるので、環境が変わってしまうと滅んでしまうのは当たり前なのでしょう。あんな珍しい蛾は始めて位に見ました。もう今後見かけることもなかろうかと思いますが、イタチもドジョウもたくさん見かけました。蝉も遅かったですがしっかりと毎日鳴いています。今年はいろいろな自然現象が戻っているのを見かけます。たぶん、家の周辺の水路に水がしっかりと流れていたことが大きな要因ではないかと思います。
2012年09月07日
鈴鹿山脈がはっきりと見えます。空気が澄んできて秋に突入なのかなあと、秋は秋で冬に向かって季節感を楽しみたいものです。もうすでに、リネンの世界では来春夏物の企画はもちろん、さらには来秋冬物の企画が始まっています。

日本は四季の始まりが春であるようなところがあるのですが、海外では、秋から学期がスタートします。なんだか、夏も終わって落ち着いた感じのスタートですが、アカデミックな環境には秋からのスタートというものも良いものだと思います。

カリフォルニア州立大学のMBAにいたときに、最初に私に話しかけてきたひとが、自分が使い古した教科書を売りたい中国の留学生の人でした。中古の教科書も大学生協みたいなところでは買い取りもしているのですが、書き込みした教科書は買い取ってくれないので買い手を捜していたようです。

リサイクルに関しては、アメリカなんかは先進国である一方で、自然にリサイクルが進むような方向性を目指しているように思います。日本のような商業的な強制リサイクルとは違う形で、ものが自然に循環する本質的な部分でリサイクルがうまく回っているといえます。これは、福祉の世界も同じで、海外ではどのようにして自立できるようなるのかが大事ですが、日本の場合は世話をするビジネスが大きくなる一方で自立とは別の方向性で、本来自然に機能している部分を援助しないとならないと思います。
2012年09月06日
今日も朝から紙つくりに追われていました。仕事をしていて、経営者であるということは、物を作る部分よりも紙の作業のほうがかなり時間が掛かってしまうことが多いものです。
ものづくりの場合には、職人ほど考える必要のない部分は考えずに前に進めていくのですが、紙の上の作業は分かっていることでもしっかりと毎回落とし込んでいかねばなりません。

提出物をコンピュータを使って作成していると、プリントアウトして大量の紙を使い捨てるような状態になります。ひどいときには、一文字訂正するだけで行がずれてしまうと、完璧を求めるなら全部、印刷しなおしです。コンピュータが紙以外の媒体に大量のデータを保管できるということで、ペーパーレスな時代が来るといわれていましたが、実際には、コンピュータの時代は、ペーパーモアな時代です。

紙も資源であることには変わりなく、これをリサイクルするからといって、湯水のように使うことを止めるような方向性が大事かと思います。アメリカなんかではペーパーレス化を法律で定めて動いていますが、個人のモラルの中でペーパーレスに動けるような環境を作っていくべきだろうと思います。

アメリカでも昔は、タイプライターで文章を打ちながら一文字の訂正程度は、タイプライターのホワイトリボンでカバーする程度で、一回で完璧な文章を仕上げられたというのはすごいことだと思います。文章を仕上げる作業自体が職人的でなければタイプライターを扱えなかったのは古い織機を扱うのに共通しているところです。

小学校の頃、コピー機がまだ普及していない時代は、学級新聞などは輪転機を使っていました。ああいう作業を小学校のときからしているということは今の大人のする仕事以上にすごいことだと思うのです。完璧に文章やイメージを紙の上に落として、青刷紙に清書するのは緊張そのものでした。

器機が発達して、後で訂正が可能になり、余計に人間の能力が落ちてきて、誰でも基本的な作業が機械を使って出来るようになって、一方で、それを逆手に取るかのように機械の機能が無駄に複雑になって、今の携帯やデジカメではありませんが、機能を増やしすぎて毎回マニュアルをみないと使い方が覚えきれないというのも考え物ですし、また、写真が後加工次第というのもどうなのかなあと思うところです。
2012年09月05日
インターテキスタイル上海が迫ってきました。今回は京都のプリント工場でプリントしてもらった近江上布プリント柄を持ち込むほか、京都の染工場さんとコラボで動いている草木染のストールのシリーズも持ち込めるのではないかと思います。

そのほか、今回のインターテキスタイル上海ではジョイントイベントとして、中国の権威的なインターナショナルファブリックスコンピティションが行われ、林与も生地10点ほどを提出していたところ、あるお知らせをいただき、そのために生地を夜、京都からEMSで送りました。うまく届いてくださいね。

今日は、今織っているキッチンクロスのシャトル織機の調整を行いました。キッチンクロスを気に入ってくださる皆様が多く、織らねばと思うのですが、これが調整などの時間をいれると1時間に平均1メートルほどの世界で1日に10mほどしか織れません。50年ほど昔のシャトル織機をよい状態に持っていってぎりぎり織れるところまで打ち込んでいるので、調整がちょっとずれると急に織れなくなって傷だらけのキッチンクロスになってしまうのです。機械のどっかに原因はあるので、それを見つけるのが仕事です。

ぎりぎりのところから生まれるものというものはなかなか真似しにくいものです。それは技術的な部分であるかもしれませんし、時間的な部分であるかもしれませんし、費用的な部分であるかもしれません。キッチンクロスなんかも今は織れていますが、意欲的な部分が劣ってしまうと将来は織れなくなる可能性も高いのです。
2012年09月03日
今日は急いでいる海外向けの出荷のための準備を進めています。午後からは、お客様が2件ありました。次の春夏の案件なども今年はどこもが例年よりも1ヶ月から2ヶ月以上早く仕事を出してくださり、9月の仕事の予定が埋まってしまって10月以降の着手予定に入り始めています。

なぜか今日は朝から頭が重くて寝ればたぶん直るのでしょうが、目の前にあるたくさんのことを順番にこなしていくことが大事です。10月4日には大阪でのものづくり展示会、10月後半はインターテキスタイル上海、11月には長栄座、12月4、5、6とは東京でのハーベスト展の予定です。インターテキスタイル上海に集中するため、ジャパンクリエーションAWへの出展は今回はできません。

夜には、何件か問い合わせをいただいていた本麻手もみのカラーサンプルを作りました。本麻手もみのカラーサンプルをお待ちいただいていたお客様には、本日のご発送となります。目の前にあることを一つづつ進めていくことが大事だなあと思います。

2012年09月02日
流通というのは味気のないサービスだなあと感じることが多いものですが、もう、10年以上昔の話になりますが、夜8時過ぎに事務所の前に置いた荷物を取りに来てくれて、トラックが来たなあと思って、家の中から様子を伺っていると、トラックに荷物を運んだ後に再度事務所の下のところに戻ってきて、誰もいないくらい事務所に向かって深々と礼をしておられるのです。それを見てこの人は流石だなあと思いました。

その方というのは普段は気さくな感じで、堅苦しいような一面は見せない人で、仕事はしっかり出来ていたのですが、中身はやはり、人を超えた部分をしっかりと持っておられます。人に見えないところでしっかりと礼を尽くして取り組んでおられ、今の時代の佐川のドライバーさんとは看板は同じでも違う次元のサービスを提供しておられました。

どこがというのではなく、私が携わった20年ほどの間だけでも、世代交代が進んで、そんなんじゃあ駄目だと否定し続けたような普通の流れに世の中が淘汰されてしまった感じです。相手が変われば自分も変わらねばみたいに変わってきて、結局、欧米型資本主義にどんどんと近づいてきています。

ものづくりしながらもものに固執をしてはカネに固執するのと同じで、結局、人という要素を一番大事にしないとならないのかなあと思います。モノやカネは普遍的で、ヒトという要素の考え方が一般と違わなければ同じことや同じものしか出来ないのです。
2012年09月01日
9月になって、毎日30度を超えていても以前よりは涼しくなったような気がします。外で水を使う作業をしていて、スズメ蜂の大きいタイプが1匹つづ水を飲みに来ます。蜂がうろうろしているのは嫌な気分ですが、蜂がほしいのは水です。

タライに溜まった水を飲むためにタライの内側の側面に張り付いて頭を下にして口で水を吸い込んでいるようです。蜂も空を飛んでいて喉が渇いていて、水を飲みたいのでしょう。なぜ、人がうろうろとしているところに水を飲みに来るのかは、たぶん、蜂が水を飲むところがないからだろうと思います。

田んぼにも水は溜まっていますが、その水が安全でないことは知っているのでしょう。水の溜まったタライがいくつかあっても、蜂は必ず一つのタライから水を飲みます。安全だと思う水がそのタライの水なのでしょう。他のタライの水は水道でより新鮮で綺麗にみえる水ですが、そのタライの水は雨水が溜まって時間も経っていて少し濁った水なのです。

蜂の個体数が減ったものの絶滅してしまわないのは、そういう本能があるからでしょう。あるいは集団の中で一匹、鋭い感覚をもったものがいて仲間に安全だと知らせているのか。蜂にしても、何度かに一度でも殺虫剤の入った水を飲んでしまえば死んでしまうので、危ない水は一度も飲まないような鋭い感覚が必要なのかも知れません。