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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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2010年3月
リネン日記:30
2010年03月10日
今日は、午後から滋賀県のコラボ滋賀で委託事業関係の申請に関する面談がありました。面接会場の待合場で、十数年ぶりに昔支店長をされていた方に思いがけずお会いし、2年前に先代が亡くなったあとも元気にやっている旨をお話ししました。相手様も当時はまだ若かった私のことをよく覚えてくださっており、やはりすごい方だったんだなあと思います。

夜、オーガニックリネンカラーフリンジシリーズの撮影を完了しアップしました。非常に良い感じで仕上がっていますので、商品説明の中の拡大画像は超特大の画像を用意しましたのでご覧ください。リネンピンヘッドは、淡い微妙な色合いを考え上品な仕上がりです。

両方とも、百貨店ブランド向けのプロユースを想定したものですが、ハンドメイド向けのカジュアルな御用にももちろんご使用いただけます。今回は、非常に少量の限定生産です。

そのほか、定番的なリネン生成とリネンオフ白の薄地、中厚、厚地の3タイプをソフト加工でご用意いたしました。この3種類があれば、リネンブラウス、リネンワンピースからリネンコートやカバンまで広くカバーいただけると思います。特別プロモートもご用意いたしておりますので、ご覧くださいね。
2010年03月09日
せっかくいろいろな生地が上がってきたのに、今日もまだ新しい商品のほうをご覧いただけなくてすみません。写真撮影のほうは少しづつですが進んでおります。

自分で作ったのに馬鹿かもしれませんが、今回、新たにつくったオーガニックリネンPROシリーズの赤、黒、パープルなど色付耳バージョンシリーズなんかは良い感じなので、倉庫にしまっておこうかと思うくらいです。

同じ紡績ロットの糸を使っていても、加工で風合いや表情はまったく異なってきます。それが、リネンの奥の深いところで、加工で物性はかなり変わってきます。同じキバタのリネンを、10種類以上もの違う表情に変えることが可能なのです。その加工の知識を持つことも重要な要素です。

しかしながら、林与自身は、あまり、加工で表情を変えることは得意とはしておりません。リネンに薬品を使えば、いろいろ変えられるだけだからです。いつも使う加工というのは、実際には5種類くらいです。何十年もの実績があることで、それだけ、その加工というのが問題がないことがテストされていると思うからです。

ものを作っている林与からすれば、どれだけコストを掛けたものであるかが、実際には、その物の価値なのです。今、「自分が」つくろうとするとどれだけ掛かるかが、その商品の価値です。それは、単に材料費プラス加工賃という単純なものではなく、世界にPRできるようなグレードのリネン商品の開発に掛かる費用、試作の費用のほか、林与の歴史や麻織物の本場近江で布づくりを続けている重みも含まれてしまっているかもしれません。

逆に、いくらで売れるかがそのものの価値であると説教をいただくことも多いのです。売れる物の値段は決まっているから、あとはどうやってコストを落とし安く調達するかという手法です。それは、価格競争に勝ちものを自然に流すためには大事なことであるのは理解しており、海外や他産地で生産する手法です。量販向けのものを作るのには適した手法です。でも、海外に量産部分のシェアを奪われることにより、国内では、量が出ないクラスの高いものをつくる基盤すらも維持できなくなり、結果、産業自体の荒廃につながったのだと思います。

しかし、最後まで残っていようが、本場の本物を作っているというだけでは意味がないと思います。本物と理解いただけるだけのものを残していかないといけないと思うのです。だから、林与では、こだわったものづくりを心掛け、他とは一味違うものが基本です。アパレル向け服地として開発し改良を重ね、何十年も続く、林与の定番「本麻手もみの100番シリーズ」を作り続けていたり、業界の中でも扱うのが敬遠されがちな特別なリネンの世界を持ち続けているのです。

今、当たり前になってしまいましたが、近代以降、洋服のように売られるようになった本麻の甚平や作務衣なども林与から始まっています。近江上布などラミーのハンカチの日本のルーツも林与で、その時々でハイカラなことをクリエーションしてきました。次第に、安価な類似品なども増え、それが徐々に日本の麻文化として浸透してきたのです。
2010年03月08日
今日は、朝に加工屋さんから反物が上がってきました。特別な仕様を検討し加工を挙げてもらいまして非常に良い感じの仕上がりです。10種類くらいのマス見本が出来上がってきたでしょうか。色柄が華やかな先染のチェックばかりなので、カットしていて楽しくなってきます。色耳付きのオーガニックリネンPROシリーズの生成とオフも上がってきました。ベーシックな、無地は売り切れになってしまいお待たせいたしましたが、販売を再開いたします。

他に、オーガニックリネン糸を使用したものではありませんが、通常のシャトル織リネンのシリーズとしまして、ソフト仕上のリネンを、L25、L43、L66で生成とオフ白ご用意いたしました。ベーシックな定番素材ですが、他とは違う林与クオリティです。

出来上がったマス見本を眺めておりますと、総マスばかりで、どれも楽しい感じです。色柄というのは人それぞれに好き嫌いがあって当然だと思います。今回、林与は、20代、30代のレディース向け、かつ、お家で着るという想定で楽しい色柄のものをクリエートいたしました。カジュアル向けではありますが、林与の品質は保っております。

林与の素材は、百貨店ブランドへのご提案だけでなく、日本のテレビ司会者を代表される方のテレビ番組に出られるとき衣裳の生地や非常に知名度の高い女性ゴルフ選手が着用いただくシャツなどにも使っていただくようなこともあるのが林与の素材です。単に、日本の麻業界の老舗というだけでなく、100年以上、麻の業界において、普通とは違うものや最高のものを求めつづけたいと常に思い続けている証なのではないかと思います。

品質面では世界的にみても一級のものづくりをできるだけのチームワークを整えており、林与の素材は、一般的に見受けられる資材系的な普通なものが少ないのです。キバタなどは糸質を除いては普通に見えるかもしれませんが、たとえば、見えないところでは、生成やオフ白のキバタなどは糊や糸道油を付けずにシャトルで丁寧に織るなどナチュラルへのこだわり、環境への配慮、かつ、後のご家庭での水洗いのみでの仕上げを想定した配慮も多いです。

いろいろと、糸のこと、染のこと、加工のことをどうすればよいのか悩んでいるのが、私自身、林与の四代目で、それを相談し支えていただいているのが、日本の麻業界を支えておられる大御所さんや日本の麻織物本場近江湖東産地の麻業界の中でもモノづくりを知る本当のプロたちです。産地においても林与以外では、麻100%ものを織り続けることが難しくなりつつあり、いつのまにか、日本の麻織物の産地でも、実際に麻を織り続ける最後の麻機屋と言われるほどになってしまっています。今、産地では、麻を織ることなくして、本当に近江湖東産地が麻織物の本場と言えるのかという問題にも直面し、地元の麻業界からも、本場の麻織を守らねばならないよと、たくさんの応援もいただいております。
2010年03月07日
今日は午後から「となり組」という組織の会議がありました。来年度は、組長だそうです。並行して別の場所で自治会の役員選挙なども行われ、来年度の自治会の評議員があたりました。来年度は、自治会の会議なども忙しくなりそうです。

林与の初代は、仕事プラス村長もやっておりましたので、字の役くらいはスムーズにこなさないといけないとは思うのですが、今の時代、日本の縮図たる田舎には若い人が少ないので、若い人の負担というのは案外大きいものです。

この前、家の中の古いものを整理していたら、私の家に豊国村の行政の書類などが少し残っていました。農村ですので、農業関連の書類が多い感じがしました。達筆で書いてあるので私には難しくてほとんど読めません。

他に家にある古いものといえば、相当古いミシンです。町内で、ミシン屋さんが3台売ったうちの一台だということが分かっており、ミシンが特別だったころのミシンだそうです。整備してもらって今も動く状態であります。最新の工業ミシンよりもそんな古いミシンに愛着を感じる林与です。
2010年03月06日
林与は、いつもドコモさんのFOMAでインターネットをしております。東京に出張の際、FOMAの端末をぶつけてしまって、インターネットへの接続が長時間はできない状況になっております。火曜日には完全復旧を目指しますので、火曜日ころまで、メールの確認や日記の更新が遅れ気味になると思います。

みなさまには、ご迷惑おかけいたしますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
2010年03月05日
今、サンプルを進行しているのが、リネン100番手でのギンガムチェックとサイドラインストライプです。素材的には、リネンハンカチに使うクラスの細番手の糸を使用しており、リネンハンカチよりは、サイドラインストライプのほうは少し厚め、ギンガムチェックのほうは高密度に織り上げます。

サイドラインのほうは、2年前から取り組んでおります細番手プロジェクトの一環で、過去に数種類のテストを繰り返し、1年前にひとつの完成形としてつくりあげた無地の素材です。ジャパンクリエーションでスズキタカユキ氏とコラボさせていただきました。リネンのシンプルな平織りの素材で、プルオーバーブラウスにしていただきました。

その作品は、日本のテキスタイル作品として香港のインターストッフエッセンシャルアジアという国際テキスタイル展示会で展示したいとの計画をいただき、3月17日から香港で展示いただく予定です。林与はインターテキスタイル北京の展示会を控えておりますので、香港にはブースを出す形での出展はいたしません。(インターストッフエッセンシャルアジアのホームページhttp://www.messefrankfurt.com.hk/fair_homepage.aspx?fair_id=1&exhibition_id=1)

ギンガムチェックのほうは、リネンの100番手という細番手の世界というのはクチュールやプレタな世界になりがちですが、それを一般的な日常の生活アパレルとして提案できないかと、カジュアルなギンガム柄でのご提案です。リネンギンガムの良いものをお探しなら絶好の素材になるのではないかと思います。今回、両方ともですが仕上の予定では、ナチュラル感よりも高級感を重視したフラットなタイプを考えています。仕上げのほうは、今回は両タイプとも、ナチュラル感よりも高級感を重視した仕上を予定しております。
2010年03月04日
今日は、京都のお店のほうに出向きました。弊社とも昔からお付き合いがあり、たまたま、社長のほうも小売されているお店におられまして、お話しする機会がございまして、いろいろと商品開発の相談に乗っていただきました。

今は、中国での商品開発を中心に行われているようで、糸などを拝見させていただいていますと、中国の地名の付いた糸などがたくさん並んでいました。しっかりと糸の原産地を書かれているところが、大手さんですが正直な商売をされている証拠で、自分の手がけておられるものに自身をもっておられる証拠です。

麻糸の話をすると共通した認識があるので、話が弾みすぎてつい長居をさせてもらいました。糸の開発に関しては、ヨーロッパ企業もそうですが、どうしても中国をベースにせざる終えないのが世界の現状となってきています。ヨーロッパの紡績企業も実際にはほとんどを他国での生産に移行している状態で、ヨーロッパ産の織物も品質の高いものには中国紡績糸を使用しているケースがほとんどの時代ですので、糸の品質を見極める目が大切なのです。

午後からは、来客の予定でしたのでぎりぎりに会社に戻りました。夕方は、出荷などいたしました。本日、2月のリネンプレゼント当選者さまへの発送もメール便速達にて行いましたので、到着をおまちくださいね。
2010年03月03日
今日は、朝一番の品川6時発ののぞみ99号に乗り名古屋でひかりに乗り換え米原まで戻って着ました。非常にスムーズに帰ってくることが出来ました。のぞみに乗っていて新幹線が全力疾走している感じが伝わってきました。新幹線も、朝からがんばっているなあと。

でも、新幹線というのが本当に世界最高レベルのサービスを提供しているのかというと、そうではありません。中国などで汽車と呼ばれるクラスが普通に新幹線並みのサービスを提供していたり、アメリカでは鉄道は発達していないものの飛行機が長距離バスのように、まさにエアバスとして運行しています。

帰ってから、午後のミーティングの書類を用意して、昼過ぎに彦根の縫製工場のほうで縫製サンプルの打ち合わせをいたしました。帰ってから、そのサンプルを製作してOKがでましたので、実際に本生産に移りました。

夜には、縦糸のテンション調整の問題で織りにくいので、シャトル織機のほうをじっくりと調整しました。昔の織機というのは、今見てもしっかりと作ってあり、長く使うことが前提であるものです。昔の織機を使う人がいなくなって、処分される織機が多くなってきています。今作られる織機のほとんどが、生産性を重視したものが多く、リネンや麻を織るのには適していません。リネンの世界で、最高峰と呼ばれるクラスを安定して作り続けるためには、糸もさることながら、織機と織の技術をどう残していくかに掛かっていると思います。ほかにも染の技術や加工の技術もトータルとして完成度の高いものを作り上げるためには重要な要素です。
2010年03月02日
今日は、午後から生地ショップさんのレセプションに参加させてもらいました。お店の前にはたくさんの花が並び、お店ももちろん新しく出来上がったばかりできれいで、店員さんも楽しそうな方が集まられていて、たくさんの方がこられ華やかなお集まりでした。

お店で、すごく良いリネンを見つけました。プリント生地だったのですが、使ってある糸が違って、リネン100番手くらいでしょうか、私自身が、うん? と思ったのです。一見して、これは違うと思って、記念に、少しだけですが買わせていただきました。お店のスタッフの皆さんもその生地は素敵で自分も買いたいけど高いので手が出ないといってられました。

お店の新しいスタッフの方が私が一番初めのお客さんですよと、初仕事を意識して反物を開いて丁寧にカットしてくださり、初仕事なのに手際よく上手でした。今度作るリネンシャツに使ってみようと貝ボタンも見つけたので20個買いました。

レセプション中に、お店に並んである生地も一通り拝見させていただいて、ご提案させていただくための色柄のゾーンと、そこにすでに置かれてある生地を理解しておくことで被らないものづくりをするための参考になりました。

東京で、もう一軒お邪魔したい以前ご案内をいただいていたお店があったのですが、東京に着いた時間がちょっと遅くて今回も次回にしようとおもっていたら、表のたくさん並んだお花の中にそのお店の名前を見つけました。
2010年03月01日
リネンプレゼントの当選者が決定いたしました。リネンプレゼントをクリックしてご確認くださいませ。

今日は、今までに出来上がった見本のほうを加工に出したりしました。今日は小雨なので、布の扱いが大変です。加工に出したりするときにキバタが雨に濡れると駄目なのです。20種類以上は増す見本が出来たでしょうか。今も進行中ですので、ジャパンクリエーションまでに最終で50種類以上のマス見本を作り上げることになります。

カジュアル向けの色柄を取り揃え、基本的には、糸使い、染、加工も百貨店ブランド様向けと同等品質で麻の専門集団が取り組む、一級のリネン仕様です。リネンで色華やかな世界がご覧いただけます。

1週間程度で、仕上がってくる予定でございます。ご興味のあられるショップ様などは、お問い合わせくださいませ。基本的に受注生産になりますが、小ロットでしたら、4月の第2週頃の販売には間に合います。