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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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2013年12月
リネン日記:23
2013年12月05日
今回のハーベスト展では、パノコさんが考えられたゴールデンラック企画。それは、各社が販売などを想定しないクラスの特別のものを展示する場所。他社さんは、カシミヤ100%、フェイクファー、人工芝みたいなシルクの織物などなど、自分のこだわりを詰め込んだ数点を展示。他社さんが凝った感じのもので攻められるなか、林与は、薄い平織りのシンプルな3点をチョイス。他社の織物と比べると、なんじゃこの力の抜き方はと思われるかもしれませんが、私が見て自分自身が麻布をつくるときに手本とすべきものづくりの3種類を倉庫から選び展示しました。

1点目は、林与がサブロクの織機で織った50年ほど昔のリネン150番手生成。ここに産地のリネンの歴史が詰まっているような気がします。着物の時代からアパレルの時代に移って、最初の頃に作ったリネンなはずなのに、私が見てもそのリネンは今でも目標にすべきくらいの仕上がり。2点目は、コットンリネン、とても上質なコットンの単糸を縦に使い、横には140番手。3点目は、綿麻(コットンラミー)シャンブレー。こういうものが市場から姿を消して存在すらも誰も知らないかと思うので、こういう機会に展示して見てもらおうと思いました。

弊社のものは別としましても、お金を掛ければやはり面白いものが出来るのだというのを感じました。フェイクファーがオーガニックコットンで出来ていたりしたのには驚きました。しっかりとしたカシミヤ100%の素材なんかも糸値だけでもすごいはず。どれも個人の消費者なら欲しそうなものじゃないのかと思うところです。純粋に良い物をつくりたいと思って材料にお金を掛けたり手間隙掛けたりなので成金というわけでもなく。

林与の数万円のリネン生地は売れてしまって、ほとんど在庫がありません。次に作ろうと思っても作るのに気合が必要すぎて、注文をいただいても出来上がるのは1年後とかになろうかと思うのです。
2013年12月04日
今日からハーベスト展、朝一番の新幹線で東京に向かいます。展示会終了後、明日の夜には滋賀県に戻ります。ハーベスト展にご来場できるのは、業者の方のみになりますが、厚地のリネン生地に興味のある方には先着6名さまかばんの生機布150cmプレゼントです。
2013年12月03日
ハーベスト展が明日に迫って、作ろうと思っていた新しいアイデアの作品も準備はしたものの織るにまで及ばず。伊勢丹さんのキッチンクロスも色を出してもらって見ると楽しそうなカラーリング、早速にも作ってみたいが、たぶん、私が織らないと他のものではやや難しいレベル。

今日はバッグ生地に関してお電話もらって、幅が狭いと加工ができないということで、本生産は二つ幅で織るということに、生産効率も取り効率も上がるので、こういうのは三方良しに見えるが、思わぬ落とし穴があったりするので気をつけないとならない。こういうときに、自分の損得を考えては駄目で、仕事においては双方が最大限の協力は必要。欲を出す人がいるとみんな喜べないもので、自分の得のために全体が損するようなことだけは避けたい。仕事では全体主義的な考え方ができることが大事。

無糊では手ごわいL25生成をなんとか織れるように調整をかけたけど、再び幅が広くなって同じように織れるのかどうか。糊をつけるのかつけないのかも迷うところ、糊をつければ問題はなくなるだろうが、生機渡しになり、加工において糊抜きを想定されているかどうかも心配するところ。

なぜ、経糸には、糊をつける必要があるのかというと、糸の上下運動で、糸同士が擦れ合うと毛羽立ち、糸のスムーズな上下運動が難しくなり、最後にはくっついたような状態で、糸が緩んできて最後に切れる。毛羽立ちを押えるために糊をつける。横糸なんかは比較的毛羽があっても大丈夫で、毛羽が多いとブレーキになるので、横糸にはオイリングしたり糸道油を使うこともある。染料系は比較的大丈夫だが、顔料系は、粘土のような粘りがあって抵抗になりやすいのでオイリングが必要なことが多い。