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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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2018年5月
リネン日記:28
2018年05月08日
今日はプレミアムテキスタイルジャパンの出発準備。プレミアムテキスタイルジャパンの目玉として展示するために一つ新しい柄を数日かけて作業していて完璧に捺染できて出発までに織り上げられると思い動いていたが、その捺染したものを一番安全だと思った、ベンチで立ち入り禁止にした玄関の前のところで朝一番で乾かしていたのだが、しばらくしたらなんと足跡がついている。

配達の人が玄関に回ってその上を歩いてしまったことで起こった、一瞬でこの数日の作業が消えてしまう話。残された時間は少ないが少しでもやり直すことに、できる限りを尽くそう。

夜出発の予定を明日の朝新幹線で展示会に向かうことに変更。なんとか広い幅で一つの柄を20cmほど織ることができた。ほんとうはやりたかった2mから3m織り上げる予定の10分の1でインパクトは落ちるが、少しでも見て感じてもらえるだけでも成果となるだろう。あと新幹線になったので、手機を車で持ち込む予定も却下。展示イメージ予定からの大きな変更だがお客様が興味を示して見に来てくださるか心配。

すみません、多くの皆様にお待ちいただいているリネンガーゼもプレミアムテキスタイルジャパン前の出荷予定でしたが、展示会の展示のほうに力を使ってしまい。展示会帰ってからの織りになりまして週末のご出荷になります。大変申し訳ございません。
2018年05月07日
昨日、織った布を巻取る巻取ローラーのペーパーが、ボロボロになってしまってたので、補修しようと外してみるがボロボロのボロボロ。新しい、ロールペーパーが見つからないので、どうしようかと。リネンガーゼオフ白を織っている織機で、ご注文を数件いただいているので、あまり長い時間迷っていることはできないので、早速、機料屋さんに電話してみると、樹脂加工していないものが残っているのが一つあるということで安く分けてもらえることに。

一度に何十mとか注文くださる方が多くいてくださり、たぶん、そういう皆さんはストール作家さんなのだろうと思うのだ。このオフ白の特徴は、リネン糸をそのままに織り上げてあるので染まりもよくって好評をいただいています。他の作業もしながら、20m織るのに1日ほど掛かってしまっていますので、ローラーの交換も必要で、ご発送がプレミアムテキスタイルジャパン展出発前にできるかどうか。できるように頑張るしかない状況ですが、なるべく、織り段などのないよい状態の生地をお届けしたいこととの兼ね合いで、ご発送が展示会明けになってしまうかもしれません。

林与も、5月17日から19日のふくい南青山291のテキスタイルマルシェでは、型紙捺染のリネンストールをいくつか見ていただけるようにしたいなあと思っていたり。やることいっぱい過ぎてそれまでに間に合うのかなあ。おかげさまで、生産シーズンのピークは乗り切りましたが、来期のお話などすでに始まりまして、7月末くらいまでのお仕事が埋まり、9月頃から始まる生産期までなんとか閑散期?をしのげそうです。遅れている仕事もあって追いつかなければと。

■追伸■ 昨夜、巻き取りローラーをとりあえず交換完了。プレミアムテキスタイルジャパン出発までにご出荷できそうな流れ。綺麗に織れています。
2018年05月06日
織物の仕事の世界は、守られた世界というより、自分自身が食べて行くために一定水準の仕事をクリアしないといけない競争の世界のうちに入ると思う。仕事をしてその一回の仕事の代金はもらえても。仕事をして布を作ってもその布がうまくお客さんの元で洋服になり、お店で売れなければ、次の年に同じお客さんからの仕事の話は入ってこないだろう。店頭でさまざまな洋服があるなかで、最終の消費者のお客様に受け入れてもらえるかどうかというところ。結局、道のりの長さや他の人の手を経るは別として、自分の作ったものが評価されなければ仕事としては成り立って行かない。

工場の中で仕事していると見えないが、受け入れてもらえるようなものを作らなければならないというプレッシャーは常に感じていないと、受け入れてもらえるようなものも作れなくなる。自分自身が自分のものづくりの基準を上げておかないとお客様の基準に合わせてものをつくることは難しいだろう。普段、ものづくりの基準が低いとお客様の基準が高い場合にそのレベルに上げての生産は難しい。

結局、天然繊維の麻のものづくりで、基準を上げるというのは、作業をする人の作業の高度さ、慣れ、正確さということにつながる。一つの作業でも、張り詰めたものがなければ高度なレベルにまで行かない。慣れというのは必要な要素で結果としてスピードが上がる、作業に我流を持ち込む人は天敵であり歩調を合わせないことに優越感をもったりしていて仕事が見えていない。正確さというのはなければ仕事は簡単なのだが正しいものづくりをするつもりもなければ仕事は最初から受けないほうがよい。

作業を学習するにおいて、最初できない人が上手にできるようになることは少なく。最初からできる人はできるし、最初から出来ない人はいつまでも満足なレベルまで出来ないことがほとんど。素直にやればそれほど難しい作業じゃないからできるのだが、仕事をやらない力がその人の中で働いていると難しい。仕事というのはやるかやらないかだけのことだなあと思うことは多い。やれば仕事として成り立つだろうし、やらなかったら仕事として受けたら大変だし。仕事があって喜べる人は強いし幸せだなあと思う。

今日は工場の中で、広幅絣の横糸を羽根巻きテストしたが作業スピードが上がらないので改良を加える作業。広幅の型紙捺染の精度を上げるための改良も加えた。頭の中で組み立てた広幅絣の作業工程が現実のものとなるためには、100回やって99回成功するような道具の完成度と作業工程の確立が必要で、問題に思ったところは改良を加えて試してみるの繰り返し。

着尺幅の近江上布よりも精度の高い道具が必要となる。織幅130cmほどなので、織工程に負担が掛からないように、捺染の精度を上げることと、機材をできる限りコンパクトにしつつ、1着分の捺染回数を1回か2回で済ますことができればと改良を加えて行く。事務所の3Fに上がると、2年目の試作布。自分で自分が作った布がよい感じに思えるのはすごくうれしいもの。早く、ワンピースに仕上げたいし、この製造工程の改善は、3年目の本麻実現のためのステップでもある。本麻は縦糸に糊がつくのと、毛羽があるので、捺染の問題はできるかぎりクリアして、糊の問題と毛羽の問題に取り組めるよう進めて行きたい。
2018年05月05日
だれもが信じないだろうけども先染ブームが来るのだろうか。私の中の定義では、先染ブームというのは自然に起こりえることはなく、一般の方が目に触れやすいテレビメディアでのチェック柄の露出があるかないかに掛かっていると思う。昔ならチェッカーズ、アムロナミエ、AKBもチェックのスカートなので若干は背負っているか。テレビをほとんどみないので分からんが、そんなに人気のある歌手や俳優、グループがチェック柄を一般にPRしているのだろうか。

無地ライクが飽きられているといえば飽きられている。一つの要素は、東京や京都はバブル気味なところ。先染織物というのは基本後染とくらべると何倍もコストが掛かるので、バブル気味なことがファッションの幅を広げている影響があるのかもしれない。

林与という会社は、着物から甚平生地を経て、レピア織機を導入してアパレル生地生産になったときから、日本の麻の先染織物では一番ほどに強かった会社なので、先染ブームは本領を発揮できるのでベリーウェルカムなのだが、先染というのは基本見本がないとオリジナルは作り上げにくいので、その辺りが難しいところ。サンプルをすれば、本生産と2回でコストが基本2倍近くになる。カウンター見本をベースに、小ロットなら本生産一発勝負が一番よいのではなかろうかと思える。

機屋というのは、見本で仮に本生産と同じお金をいただいても、作業が全部同じなので、見本の生産でも小ロットの本生産でも掛かるコストはほとんど同じで、見本のときはさらに本生産を想定するために迷う部分を解決しないといけなく、機をつくったり作業も規格に落とし込むための試行錯誤がある。今は300mくらいからが経済ロットになりやすい感じではあるが、アパレルの着分などの生産は、3mの生産でも、原材料代、染代、加工代、そして内部の人件費を含むと、10万円を越してしまうことがよくある。外に払う費用5万円、中の費用5万円くらいというのが見本に掛かる費用であることが多い。

機屋で、ものづくりできる機屋というのはそういうコストが使えないとものづくりが続かないので潰れてしまいやすい。逆に見本をまったくつくらない賃機的な機屋さんのほうが1m織って100円、200円の世界でも生き残りやすいのである。このあたりが勘違いされやすくって、デザインすれば機屋が生き残れるというのは先染織物だと難しいところ。無地の布より先染の布が同じ量流れて何倍も高いのが通用すれば成り立つけど。通常は無地の布は多く安定的に流れ、先染めのものは見本倒れまであり仕事して弱って行くということも多い。

無地の生地にくらべると、展開として先染は魅力なのだが、先染織物に対する評価はコストに見合ったまでの評価をいただけていないということはあるだろう。また、チェック柄などは、印象が強いので、いろんなチェック柄を着こなせるようなセレブとか趣味がゴルフとかの世界の方々に通じる気がする。昔は、先染めに留まらず、ジャガードや昼夜、二重ビーム、刺し子、など技術をいろいろと見せることができたが、今は、小ロット生産の費用が外部も人件費の高騰で加速し、通常の無地の定番生地の5倍とかコストが掛かるようになってしまっている。先染ブームが来たとしても利益を期待するような流れでもなく、生産体系からすると先染織物の文化を残して行くという流れであろう。

デザインを見せるにはプリントという技法がそれなりには展開しやすい技法で、先染にまで行くよりプリントという辺りで落ち着くのが、今のデザインの落としどころではないだろうか。売れるベースをプリントの新しい柄で毎年展開して行くという形。林与はプリント工場ではないので、そのあたりあまり得意じゃないけど、上手に展開されているところはデザイン画をそのままプリントで生地の形にして、洋服やインテリア、小物向け素材を提案されたり活用されている。

テキスタイルにおいてもテキスタイルをデザインするという世界は20年前でもいろんなアパレルや問屋さんに残っていたけど、そのデザインされたテキスタイルを生産する現場というのは20前でもすでに見つけることは難しくなっていた。20年たった今、デザインされたテキスタイルを生産するということが、さらに難しくなってしまっていて、アジアの国だと小学生が学校から帰って大人の手伝いでつくっている先染め織物が、日本だと大人がたくさんよっても生産することが難しくなってしまっている。
2018年05月04日
5月9日から10日に東京国際フォーラムで開催されるプレミアムテキスタイルジャパンに向けて、今進行中の広幅絣のプロジェクトをどこまでご覧いただけるか。プレミアムテキスタイルジャパンは基本、プロ向けの展示会の場となっているので、一般の方々がご覧いただける機会は、5月17日から19日に開催のふくい南青山291(東京都 港区南青山5-4-41 グラッセリア青山)でのテキスタイルマルシェ。

プレミアムテキスタイルジャパンも、テキスタイルマルシェも、林与が終日立つ予定をしておりますので、必要な方はプレミアムテキスタイルジャパンはアポイント取っていただけますと、アポイントの方を優先的にお話などさせていただけます。また、プレミアムテキスタイルジャパンの招待状が必要な方は、5月6日夕方までに、ご連絡ください。数十部ですが余分ございます。林与の生地だけではなく、いろんな日本のテキスタイルご覧いただけるチャンスです。

テキスタイルマルシェは、ふくい南青山291の2Fで、17日は、15:00時から19:00まで、18日は、11:00時から19:00まで、19日は、11:00時から16:00まで開催。招待状などは必要ありません。今回は6社が出展、大江(丹後)、松尾捺染(大阪)、カツミ産業(大阪)、アイピーテキスタイル(奈良)、荒井(福井)、林与(滋賀)です。
2018年05月03日
入手した手機の筬を新調した。入手した手機を少し拡張するため、天地、厚み、幅を決めて、オーダーした。その筬を手機に埋め込むために、手機の溝を電動ドリルとノミで広げる。最初は、溝の幅45cmの幅の溝だったのを52cmの幅まで広げて、想定で生機仕上がり48cmの織物を織り上げ、加工後にキングサイズ42cmにまで対応の手機に改造。ソウコウが48cmタイプなので、通し幅50cmあたりが限界だろうと思って。

午後から外での作業、3時間ほどで、全幅52cmの筬もはめ込むことができるようになりうまく行った。よしよし。これから、手機用のシャトル探し、厚み2cmほど、幅3.5cmほど、長さ25cmくらいが良さそう。昔の小さな力織機のシャトルもうまく使えないか考えてみる。こっちの織機は天秤式、もう一台ロクロ式が手に入ったので、そちらは、テキスタイルマルシェ用に荒めの縦を張って、手織り体験に使えないかと。

私自身が強いのは、普段の仕事で織物の整経作業もしているので、手機用の縦糸を整経するのができる環境があること。あと1日もあれば、今回の天秤式の手機の整経も本麻の近江上布を織っていたときの規格で織る前まで用意することができるだろう。

工場の中では、織れた布を巻き取らない織機の問題。布の通し方の問題で巻きとらなかったという結論だったが、その際に、ラチェットをテスト的に交換したために、ラチェットの形状が台ごとに微妙に違い、うまく、巻き上げられずだった感じで、元に戻したら直って、すべて問題は解決。あと、ネットでも販売させていただいているオフ白のストール生地を織っている台が、縦糸が切れていないのに止まる問題。縦糸切れの感知が、縦糸が切れてドロッパーが落ちたのをドロッパーの下がスイングするバーに挟まれて、スイングするバーが綺麗にスイングできないと、運転ハンドルが叩かれ外れる仕組みという、力学的なので、微妙な調整がずれてきての問題か。30分ほどいろいろと調整を加えて調子よく戻って、リネンガーゼも横糸の交換作業する程度で、綺麗に織れている。


2018年05月02日
昨日の捺染台でブレークスルーがあったのがアルミ枠の入手。ちょうど理想的なアルミ枠を組み合わせベースが出来た。それまでは、木でつくろうとかスチールラックを買ったり、土台のイメージが実物に結びつかず。手ごろで丈夫な端材なども手に入らなかったが、入手できたアルミ枠が活用できそうな気がしてまず土台から作り上げると軽くてしっかりしていてよい感じ。これを鉄でやっていたら丈夫だけども、加工するのも持ち運びも移動も難しいものになっていただろう。

運というものはあるもので、3つアルミ枠を使ったが、40個以上アルミ枠があるので、2号、3号を作成することも可能。織機と同じように織り幅に応じてそれぞれ台を用意して、今掛かっている織機の縦でどの台でも絣が織れるようにできれば柔軟な対応が可能。トータル1万円ほどの費用と1日程度の作業でかなり軽量で扱いやすい捺染枠を作り上げることが可能になった。こういう拡張性が大事で、1台だけあってもなかなかいろんなことをするたびに調整では難しい。

もうひとつ頭をひねったのは、近江上布アーカイブの色柄だけでなく、捨てずに残してあったそれらの数千種類の型紙をどう活用するか。その昔の型紙をスキャンして横にうまくリピートすれば広い幅の型紙のデータが作れる。単に昔の生地があっただけでなく、残ってある型紙も型のデータとして再利用で、柄の再現の手軽さは上昇。

フラットベットのインクジェットプリンタがあったらの「タラレバ」しているよりも、自分の環境の中で出来る形を見つけていくのが一番よい。インクジェットよりも、シルクスクリーンよりも型紙捺染でやると、染料が一番糸の中まで浸み込み、また、揺らぎがあるので、力の篭った味のある金太郎飴じゃない布が出来上がると経験から感じている。
2018年05月01日
今日は横絣捺染台を改良、昨日の夕方から取り掛かっていたのだが、程よい部品が手に入らず形にならなかったのだが、今日は朝からコメリに行って、ボルトやナットを入手し、木材をサイズにカットして、くみ上げる。夜10時前にようやく完成。横絣の生産のための準備工程がかなり軽減される予定。

今まで、あーでもない、こーでもないと、いろいろと部品をかき集めて改良のために構想を練ってきたが、満足できるレベルで活用できるものが出来上がって感無量。テキスタイル業界の皆さんからは大きな期待をいただいている広幅絣プロジェクト、私自身の今後のライフワークの一つの柱となるだろうと考えてはいる。

装置は完成しても作るべき最終の目的は布。布の力を感じてもらえるような布を生み出したい。絵画のように人々に語り掛けることのできる布、與一じいさんの近江上布は見た人の心に語り掛ける。今、2年このプロジェクトで、ストールの試作、ワンピース生地の試作。染からはじめたが、工程が相当手間が掛かるので、構想はいろいろ練っても、実際の作業は一発勝負的な部分もあるが、それでもうまく出来上がって、自分自身が面白いなあと思える布が出来上がってきてほっとはしている。

ものがない時代には人がものを生み出していた。自分がなにか作りたければ自分で作るための道具からつくる。一番の基本の道具は、自分の手、体、頭。そこを磨かないことには、今日も他の会社の工場が10年ほど前に廃業の際に譲り受けた50年選手のボール盤を使って、自分の手と頭を使いながら形にしてゆくために穴を開ける。古いボール盤だけど頼りになり、新しいものが欲しいとは思わない。穴を開けたアルミや木材などをボルトとナットで組み合わせて、頭の中にある形に近づけて行く。形だけでなく使用に耐えうる強度も必要で、デザインは理想だけで生まれるのではなく現実的な問題をクリアして行かないと駄目でそこの部分がデザイン以上に難しいところ。頭で考えるだけでは本当にそれがうまく動くのかどうか分からないものである。作ってみて動かしてちゃんと動いて初めて問題がないと分かるのだ。