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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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2010年9月
リネン日記:28
2010年09月08日
今日は、ファンド事業の審査会があったのですが、配布資料を印刷しようとするとプリンタトラブルで、プリントアウトに時間が掛かり時間ぎりぎりの出発となりました。ハンカチよりもビンテージアイリッシュリネンを用いたアパレル素材に目を向けたほうがよいのではないかというご意見を審査員の皆さんからはご指摘いただきました。

ハンカチのイメージというのは手ごろなイメージがあるようなのですが、ハンカチ用のリネンというものは、手織りされたり、繊細な細番番手が使われたりで、今の時代においても、一枚の小さな布に、日本で数万円で取引される中国の有名な刺繍なども何ヶ月もの手間を込めるというのがハンカチの世界で、そういうものすら後継者がいないといわれています。

日本でも握りバサミをつくる職人さんがいなくなったり、握りバサミすらどこで買ってよいのか分からなくなってしまっています。小学校の家庭科の授業でも、今風の握りばさみが裁縫箱の中に入っています。昔というのはにぎりバサミ一つが1500円ほどするような時代で、ものを使うときにも丁寧に使うように大人たちから叱られたのを覚えています。

今の時代に一生大事にしてもらえるようなリネンハンカチを作ることができるのは幸せなことではないかと思います。アイリッシュリネンの特徴であるわずかにゴールドが掛かったオフ生成色をベースに、ビンテージ調の先染柄を配しました。北アイルランドで一番最後までアイリッシュリネン紡績を守り続けたといわれるハードマンズ社サイオンミル紡績でアイリッシュリネンの歴史を語れるというだけでなく、アイリッシュリネンの特徴である超細番手とそのアイリッシュリネンらしい色味としなやかさを兼ね備えているのが良い感じではないのかなあと林与が自己満足に浸る世界です。
2010年09月07日
明日は、リネンハンカチプロジェクトの審査会なのでその準備を行いました。リネンのハンカチもハンドロールドヘムで揃いまして、非常にありがたいところです。ハンカチを入れる適当な箱がないものかと、探しましたところ、手織りのハンカチを何枚か入れるタイプの中サイズの桐箱がありましたので、リネンハンカチながら、桐箱の中に雲流紙に包んでお見せする方法にしました。

この箱は、そもそも近江上布のハンカチを入れるために、40年以上昔に京都の業者さんに頼んだ桐箱です。小学生のときに京都に行くと先代がいつもこの近くにハンカチの箱を作ってくれた業者さんがあるという話をしたのを覚えています。もしかすると50年くらい昔の箱かもしれません。いまもしっかりと閉まるところが職人の技だと思います。その箱の一つには、近江上布絣の文様のハンカチが2枚、時代の流れを超えて入っていました。

私のおじいさんの時代に、近江上布の麻のハンカチを考案したのです。わざわざ、ハンカチにするために、ハンカチの四隅にハンカチ用の額縁を付けて中にかすり柄をあしらっています。ハンカチを開いてみるのももったいない気分になり、そのまま、触ることなく眺めて蓋を閉めました。

3枚とか4枚いれることのできる箱が数箱みつかりましたので、それを使うことにしました。桐箱にリネンハンカチ、なじまない感じです。この桐箱も当時で、数千円するものだったと聞いており、ハンカチを入れる桐箱に何千円ものお金を掛けるのはさすが日本の伝統工芸の世界だなあと実感いたします。
2010年09月06日
ここ数日、リネンの超高密度でワンピシャツに取り組んでいます。細番手リネンの良さをどれほど引き出すかという話なのですが、出来上がったもの非常に良い感じで、布を触って良さを実感です。ポロシャツのロングっぽい形のものを作ったのですが、かっこよいです。

非常に特殊なクラスの布ですので、この番手からすると私が考えるアパレル素材としては世界トップクラスのリネン生地で、今年の春に店頭で見かけたプリント柄の細番手のリネン生地を上回るクラスになったと考えています。

実はこの生地というのがヨーロッパのブランドさんからもピックアップが多かったもので、単に良質といわれるリネンの細番手の糸を使用しただけではありません。リネンを織るという本質的な部分をしっかりと捉え、どこまで贅沢をできるかという意味で取り組んだ素材ですので特別です。リネンに対する夢の世界があります。

その本質というのは、見る人が見れば分かってもらえるのではないかというのが林与の結論です。高すぎて普通は生地として流すことができなくても、そういう生地を作り続けることも麻布へのこだわりの一つだと思います。次は、この素材でリネンのホワイトシャツを作ろうと計画しています。

このシャツですが、夏物がメインというより、春秋冬もののシャツになるかと想定しております。年中リネンを着たいような方向けのアイテムではないかと、自分自身、製品を眺めながら実感しております。着るたびに愛着がわいていくような素材であってほしいと思います。
2010年09月05日
今日は、夏らしく、蒸し暑い天気の一日で、午後3時過ぎから雷を伴う豪雨が降りました。その後は涼しい風が吹き、まさに夏の一日らしい一日でした。家が停電してしまい、ブレーカーを上げてもどこか調子悪く、落ちてしまいます。どうやら洗濯機のあたりが調子悪いようです。雷で壊れてしまったのでしょうか。

今日は、昨日間に合わなかったので、リネンキッチンタオルHDの出荷を行いました。製品で販売されるということで、ダブルウォッシュにしての出荷バージョンです。ちょっとくたっとした感じになってるかなあと思います。オーガニックリネンHDのほうは、今日もテスト中です。今日は、会社は休みだったので一日、社員が作った綿麻のピンクのシャツを着て仕事して過ごしました。

雨が降る前には、出機さんにビームをもって行きました。ご夫婦でおられましたが、体が万全ということではないので、ビームを織機に乗せてから帰りました。このあと、色柄のカードを作って、明日ももう一本ビームを運ばないといけません。大きくビームを巻くとシャトル織機ですと織るのにすごく時間が掛かるので、小さく2つに分けて仕事をしていただきます。

今日は工場内で綿の黒い糸を捜し次の整経の準備と、秋冬物のサンプルの横の色の調整を織機を触りながら考えました。来週は一度東京に向かいたいなあと思っているのですが、やることが多くありすぎて時間が作れるかどうか微妙なところです。
2010年09月04日
今日は、アパレルさまから宿題をいただいている企画の糸の決定と柄出の割り振りを行いました。色の制約などがありまして、最初予定していた糸使いでは見本を自由につくることが難しくなりそうなので、糸から考え直しました。

今、ブランドさまのデザイナーさんというのは、私よりもお若い方が増えておられます。特に東京方面では、30歳くらいの方が担当くださっているケースがほとんどで、自分も麻織物の中では若手ながらも、デザインの世界というのは世代交代が進んでいるのだなあと実感いたします。

生地屋さんとお話していても、41歳の私よりも若い人ばかりです。非常に皆さんが丁寧に接してくださります。その一方で、仕入れなどは、昔ながらのお付き合いを残しておりますので、私より上の方がほとんどです。いつの間にやら、仕入先とお客様の両方から非常に丁寧に接していただけるような感じになってしまいました。

デザイナーさんとお話をするときに、こんなことが出来ますかといわれて瞬時に応えることができるためには、質問される相手の何倍もの経験をつんでおかないと難しいです。他で難しい問題の解決を求められているときもありますし、なにの題材をステップアップするために聞いてくださるケースもありますが、その場でそのお話を聞いて、それがどういう問題を孕むのか、自社の設備との兼ね合いで可能なのか不可能なのか、相手に聞かれて、1~2秒ほどの間に、応えさせていただくのがプロではないかと思うのです。どうしても、瞬時の判断がつきにくいときには、一度やってみて、どこまでできるか考えて見ましょう、という話になります。
2010年09月03日
昨日の夜は、組合のシンポジウム委員会ミーティングがあり、その後、一つ荷物を送らねばならず、佐川急便に荷物を持ち込みました。

今日は、なぜか、曜日の感覚がなくなってしまっておりました。今日は、午前から午後に掛けてミーティング、午後からは来客が2件あり、途中お電話なども何件かいただいて、バタバタと時間が過ぎていきました。ほんと一週間が早いです。

今日は、夕方糸が染まりあがってきまして、その際にも染めに関する問題に関しての改善策がないかどうかなど情報交換をいたしました。染まった糸に問題があるときに、それが糸の問題なのか染の問題なのかははっきりとしておかないとなりません。

夜は、洋服を作るための芯地を、弊店間際の手芸店に買いに行きました。超高密度のリネンワンピースが出来上がる予定です。ほか、リネンタオルに関してのお話もありまして、リネンキッチンタオルが海外のお客様からどのような評価をいただけるのかみられそうです。
2010年09月02日
新聞報道によると、この8月というのは、113年で一番暑い夏ということだそうです。観測地点の中には彦根も入っております。林与の歴史の中で一番暑い8月というのが、今年だとするとその要因は、普通なら夕立など雨が降るほどの暑さなのに、雨がほとんど降らないのです。滋賀の彦根地域も局地的には降っているそうですが、全体的には降っておりません。特に人が住んでいる地域では雨が降らないんです。

水というものがうまく循環しなくなっているのだと思います。近くに流れる愛知川の流れというものが止まってしまい、川とは呼ぶことのできない毎日です。生態系が崩れてしまってダムのある川とない川との差が出てしまっています。子供の頃は、まだ、愛知川にも夏休みには水が流れていて、”うろり”と呼ばれるじゃこよりも小さな魚が川の至るところにいたものです。それを堰を作って誘導して網に集めて、何時間かでバケツにたくさんの”うろり”を捉えることができました。水が流れていないのですから、夏の川も、涼しい場所というのではなく焼石だらけでコンクリートジャングル化してしまっています。

私が子供のころは、暑いときには、窓を閉め切ってエアコンを掛けるのではなく、窓を全開にしないと駄目だった時代です。実際には、人が過ごす居住空間を考えるときには、一番暑い夏ではないと思います。どの車にもエアコンがついていて、中よりも外のほうが涼しいということはない時代です。

エアコンをぜいたく品扱いしていた昔は、国を挙げて28度とかいうのが、エコの基準でしたが、もうそれも昔ほどは言われなくなってしまっています。今の時代にとっては、28度というのは仕事をできるような室温ではないといえます。25度くらいで年中過ごすのが当たり前の時代になっているので、それを支えるために、大きなオフィスでは、何十キロワット分もの室外機が一日中フル稼働しないといけない時代です。
2010年09月01日
最近は、小学校も8月いっぱいが休みということでもないようで、9月1日が新学期の始まりということでもないようです。私のイメージの中では、8月は夏、9月は秋というイメージが当たり前にあるのですが、毎日暑い日が続き、この残暑は、6月7月の冷夏を補うかのような自然のバランスでしょうか。

今日は、午前中、彦根に行きました。お仕事、仕事以外、いろいろな案件で目白押しなのですが、電話をいただいても後手、後手に回ってしまうような状態です。8月26日から31日までのセールにおいては、キッチンタオルHDのほう、たくさんの方に買っていただきまして、作るほうが間に合っておらず、しばらく、ソルドアウト状態が続きますが、また出来上がりましたらみなさまよろしくお願いいたします。

キッチンタオルに縫製した製品も、一度水洗いしてから、お使いいただけますようお願いいたします(一度、しっかりと洗っていただけますと画像のような状態になります)。