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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
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2011年07月22日
朝、一番ののぞみで東京から滋賀県に帰ってきました。会社に戻ると社員たちが、猫の子供が居る話をしていました。台風のときに、1匹猫が外においていある捨てる糸の箱のところに逃げ場を探してうろうろとしていたので困ったなあと思っていました。

半分空いた糸の箱の中に、生まれて1週間くらいでしょうか、手のひらに乗るくらいの子猫が5匹箱の中に運び込まれていたようです。毛は生えそろっていますが目もまだ完全に見えてはいないようです。この箱の中でうまれたのではなく、親猫が台風から難を避けるために箱の中にくわまえてもってきたようで、箱から出して別の小さな箱にいれておいておくと親がつれて帰るようで私が説明をうけたときには白い2匹だけになっていました。

かわいいかわいい子猫なのですが、親猫が一番大切にしているものなので親猫がしっかりと育ててくれることを望みます。夕方には、すべていなくなっていたのでさびしい気もしますが良かったです。記念に写真だけ撮っておきました。

林与の家でも、私の生まれる前には、一度、猫を飼っていたようです。普通の家がねずみを退治するために猫を飼っていたのと同じだと思います。私が子供のころからは犬をもらって飼っていました。今までずーっと雑種で、生まれたけど貰い手がないとおっしゃってるのをもらってくるケースです。今日の子猫たちも5匹もいると字の中で人間と共存して生きていけるのかは心配ではあります。
2011年07月21日
今日は朝一番ののぞみで東京に向かいました。大手のアパレルさまの展示会にご招待いただきましてのご訪問です。会場は朝一番ながらも人がたくさんで活況がありました。今回もテーマをお持ちで、そのテーマに沿ってのデザインが随所にみられました。

デザインテーマの原型となったのは日本ではほとんどしられていないある地域の昔の文化なのですが、それがそのままというのではなく、ブランドのデザイナーさんの手で、かわいらしくデフォルメされて、原型とは違って、日本のヤングファッションに受け入れられやすい感じです。余った布なども小物などにご活用されておられるということで、もったいない精神が普通に生きているような気がします。柄の取り方によっては同じものが作れないがそれが面白くていいとおっしゃっておられました。

今の時代というのは出来上がりの生地を使うことが増えていますので、一からの企画をしっかりと行われるのは難しいのですが、随所にテーマに即して新しい顔のものを作り出しておられますので力を感じます。

林与の素材も一番最後のセクションでいくつかのアイテムを作っていただいておりました。製品になって何に使われるのかなあと思っていたのですが、綺麗な色の先染の生地をパンツや帽子にしていただいておりました。布で見て色柄が綺麗な感じでしたので素敵に仕上がっていました。林与も作っているときに機の上で色の綺麗さやメリハリが出るように色の微調整を掛け、展示会場でも来場者の方がすごく綺麗といっておられるのを耳に挟んで、うれしかったです。
2011年07月20日
今日は、地元の旅行があり幹事があたっており、昼間、その買出しに近所の方とお菓子やスーパーなどに伺いました。近所の20人程度の家族旅行なのですが高齢化が進みすぎて子供さんは少ないのです。鉄道博物館と水族館に向かいます。

台風の影響で、国道が大渋滞をしており、会社に戻ったのは夕方で、明日は、東京に行きますので、留守にする会社の中のことを準備しておくことが多く、夜中まで掛かりました。台風の影響が心配で、今回は、車でなく新幹線での東京です。
2011年07月19日
今日は、午後に彦根ホテルで会合があって環境問題に関する学習会があわせて行われました。その後の懇親会の場で、何十年前の世界や日本のイメージは昔というのは公害問題が今よりもひどく人類が滅亡するような危険を秘めていて、今というのはより秩序だったサステイナビリティが保たれている社会だというようなお話を聞きました。

私自身の昔のイメージは、逆だったりして、今もその人類は進化しすぎて終わりに近づこうとしている気がします。昔のほうが家で取れたものを食べたり、質素な生活をもちろんしていたので地球には優しい生活形態だったと思うのです。変えすぎないことこそが一つの人類の長寿の方法ではないかと思います。何か環境問題が起こると新しい技術で対応しようとしますが、その技術こそがさらに問題を秘めているのです。

長年に渡って人類が使い続けている薬品や物質というものは非常に安全であろうかと思います。特に高いからという理由で、他の安いものに代用されて消えていくものというのは、昔のもののほうがより安全だろうと思います。

今も太陽光発電などが盛んに取り入れられようとしていますが、テルル化カドミウムを使った方式のほうが安価であると大量に量産されて何十年かあとに大丈夫なのでしょうか?今を乗り切るために、アスベストのように家を取り壊すこともできずに困る事態になりかねません。

リスクは今もすでにつぶやかれていますが、人体に対する被害問題が深刻化しない限りは新しい技術というのは人の生命とトレードオフの関係で生まれてくるのだといえます。40年前に危ないといわれていた原子力発電が、つい最近は、地球環境に優しくといううたい文句で世界を挙げて推奨されていたことを考えると、これも人類の持つ典型的かつ必然的かつ不可避な流れの一つと捉えるべきなのかも知れません。

今は本物のジュースなどが昔よりも安く手に入るなど、昔よりも幸せになっている部分は多いと思いますが、そういうのにありがたみがなくなって、品質などにもあまり区別がなくなってきているのかもしれません。
2011年07月17日
今日は連休の中日ということで、日ごろできていない書類関係を整理しました。産地の織物関係の染色工場さんも加工工場さんも連休というのはお休みですので連休前に届けていただいたものなどを次の段取に進めます。

連休といっても今のようにコンビニが365日24時間動く時代では、実際に連休に仕事をしている人も多く、逆にサービス業関連では仕事のタイミングです。サービス業の比重が増えていてサービス業関係の方こそ連休を作ることに動かれているので、実際には連休はサービス業の人たちが働らくために作られている要素も大きいかと思います。

先日、豊郷の旧校舎に訪れたときに、正面玄関の脇の3階の音楽室まで上る階段の手すりに、ウサギとカメがいるのです。スタート時点は、ウサギとカメがいます。途中、カメ、寝ているウサギ、カメ、寝ているウサギ、の順で、ゴールにはカメがいます。階段の手すりにブロンズのカメとウサギが居ては機能的ではないのですが、昔の人は日本人らしいセンスを大事にしていたのだなあと思います。
2011年07月16日
今朝はお祖母さん筋の親戚の方のご不幸がありまして、いろいろと家のものもお手伝いに走っておりました。今宵は、愛知川の河川敷で祇園納涼祭の花火大会があるということで、7時前に愛知川の川原に向かいました。

今年の花火大会は、お天気もよく、花火にはもってこいで、フィナーレは空一面が滝のように黄色く染まる荘厳なもので大盛況のうちに終わったのですが、この花火も130回目を迎えるということで、考えるところがありました。

花火を一番楽しみにしている人というのは、観客席におられる方ではなくてそれを支えておられる方たちだと思います。何ヶ月も前から計画をして時間を使うだけでなく、自らも協賛金などお金を出して花火を応援されて、当日も花火をゆっくりと見る時間もなく、駐車場の整理や人々の誘導に徹しておられるのです。花火の日に30代、40代のくらいの皆さんが家族と一緒に花火を見ることすらも何年も放棄されて支えておられるのです。

このように小さな愛知川の町で130年も花火大会が続いているのは、そういった影の地元の住民の方と商店街などの中小企業を中心とした経営者の方の愛知川の伝統である花火大会を残していこうとされる大きな力だと思います。良くありがちな無味乾燥な行事を超えた大きな力を感じます。

花火大会なども費用の問題などでどんどんと消えていく傾向がありますが、そういった問題ではないところで支えられている花火というのは残っていくものだと思うのです。花火を見ていても、花火の美しさよりも交通整理をされている方の美しさのほうが心には伝わり、花火に浮かれている幸せを感じるのです。本当にたくさんの観客で駐車場も足りないくらいに埋まって大成功だったこと一番喜ばれているのも、交通整理されている皆さんではないでしょうか。
2011年07月15日
今日は、午前中加工工場に生地の投入をして午後からは彦根市役所で会合がありました。市役所も冷房を抑えられており生暖かい部屋での会合で、それが特別悪いのかというとそうでもない気もいたします。夏に涼しいのが当たり前みたいなほうが、普通ではないので、暑さを感じるような環境こそエコの第一歩だと思うのです。

また、体にも良いはずです。エアコンで慣れてしまうと、完全に空調の聞いた工場内や病院施設の中のようで、外に出たときに浦島太郎現象に襲われるのです。その中では快適に過ごせても、一般的な環境の中では耐性が落ちすぎていて少しも我慢できない体質になってしまいます。

エアコンに慣れてしまうと、窓を閉めて自然の空気の流れというのを閉ざしてしまっているので、少し自然が涼しさの恩恵をくれたくらいでは満足ができない体になってしまうのです。これって、肉体面だけでなく精神面も弱くなるのではないかと思うのです。どこの国でも国の成長が止まり新興国に抜かれていくのは精神面が大きいと思います。

会社に戻って夕方前に出荷を済ませて、夜には彦根の縫製工場での勉強会に参加しました。そこの会社でも、節電を行われており今は冷房を使わないようにされているそうです。日本が高度成長していたときの精神のようなものが戻ってくるのではないかと思います。また、アパレルにおいても天然繊維と合成繊維の差なんかが狭まってきた昨今ですが、この夏は、その差なんかも実感できる夏になるのではないでしょうか。自然の環境に近い流れの中で、麻と綿の差なんかも味わっていただけそうです。
2011年07月14日
欧米輸出商談会の一人のバイヤーさんは、ハンガー200点あまりから14点をピックアップされました、すべてが本麻のものです。実は似たようなものが200点のハンガーの中にはまぎれているのですが、そういう微妙な違いを判別されて、自分のほしいと思う本麻のものだけを手の感触だけで選ばれるのがさすがだなあと感じるのです。

またイタリアのバイヤーさんはにおいを嗅いで素材を見分けられていました。実際に、素材ごとに匂いが違うのです。私も時々シルクなどはどうしてもセシリンの匂いがしますので綿のものと見分けるときに匂いを使います。合成繊維なんかのものと天然繊維では匂いが異なります。

素材を見分けるのは感覚的なものですので、リネンとラミーの違いや、麻と綿の違い、など、一般的に教科書に書いてあるような文章で書いてある感覚の違いが、どこまで自分が五感で判別できるかが大事だと思います。私自身も出来上がった生地の違いを判別するだけでなく、糸を見て糸の種類を判別することが多いのでそういう判別ができないと駄目だろうなあと思います。

今日は、インディゴ染めの糸が2色上がってきました。濃い目に色をつけてもらうようにお願いしたので、深いブルーのインディゴの生地ができるのではないかと思っています。また、秋のリネンということで少し厚手に織ってソフトに仕上げるタイプを作っているところです。
2011年07月13日
昨日の商談会では各ブランドの方がブランドイメージで商談に望んでくださった感じです。ブランドのテイストがまったく違ったので、6社のうち唯一林与のサンプルスワッチのセレクトなどはなかったのですが、ザブルックリンサーカスの代表兼クリエーティブディレクターのウィージ・セオドア氏はユーモアもたっぷりでした。

林与のブースで、一番最初に、生地ではなく、プレゼント用のリネンキッチンクロスが何なのか興味を持ってくださり、私が一枚広げながら古いシャトルで織ったハンカチですと説明をして一枚新しいのをプレゼントすると喜んで下さり、早速袋をやぶってポケットにしまいこんでくださいました。(「リネンでつくる小物」の全員プレゼントと同じタイプのキッチンクロスで、ハンカチーフにも使えるタイプです)コンプリメンタリーな部分ももちろん含んでいていてくださるのでしょうが、ニューヨークのアーティストの方というのは非常にフレンドリーです。帰りがけにも、テーブルの上においてあった上島先生のリネンの本に興味を持ってくださって2種類プレゼントしました。

日本語は読めないといっておられましたが、素材のプロ中のプロの方なので、写真がたっぷりなリネンの世界というのを楽しんでもらえると思います。林与とはブランドのテイストが違いますのでお仕事は無理なんじゃあないかと思いますが、楽しいお出会いでした。ほんと、終了間際のお出会いで時間にせかされてしまって、もうちょっとお話したかったけど残念でした。

ハンガーの生地だけだと残念なお出会いになっていたかもしれませんが、リネンキッチンクロスやリネン本のおかげで、まったく違うテイストのブランドさんともお話が広がるというのはありがたいことです。今回は、AW向けのセレクトのシーズンということで、林与自身もその点をお断りした上で生地を見ていただいたのですが、皆さん、その次のSSのシーズン向けにということで観てくださいました。海外からわざわざ日本の生地を選びに来てくださるというのは、素材そのものの好みよりも、日本的なものを海外の方が探そうと動いてくださっているのだなあと、今回の欧米ブランドの皆様の優しさから伝わってきました。

顎鬚がゴージャスなウィージ・セオドア氏が、リネンクロスやリネン本に興味を示してくださったのは意外でしたが、リネンだけでなく織物の世界というのは、国境を越える、人と人とのつながりを生むようなアットホームな世界なんだと思います。商売だけではない、人類や日本の歴史的な憧れや楽しみの世界が裏にはあったりするので、世界中のどこにでも織物はあって大事に守られているのだと思います。欧米の方との商談会は、優しさというか暖かさ満ちているのです。
2011年07月12日
今日は、朝からJETROさん主催の欧米テキスタイル輸出商談会の準備をして、昼から大阪のホテルの会場に向かいました。

Alexander Wang(アレキサンダー・ワン) 、 a.a. antonio azzuolo(アントニオ・アズーロ),The Brooklyn Circus(ザ・ブルックリン・サーカス)、Carta e Costura (カルタ・エ・コストゥーラ) 、Fontana Couture Milano(フォンターナ・クチュール・ミラノ) 、Ozwald Boateng(オズワルド・ボーテング) の来日くださった全社とお話しする機会をいただきました。

ヨーロッパの2社のスワッチに関しましては、税関などでのプロフォーマインボイスなど送付の手続きが煩雑になりがちですので、会場でカットして生地を先にお渡しして、後からメールで詳細をフォローさせていただく形を取りました。これが便利な方法です。

引き続きリネンの超高密度物というのは欧米において高級が許されるゾーンでは非常に高く評価をいただいているのを感じます。しかし、今回は、今までにない傾向も強く感じることができまして、ヨーロッパの生地のトレンド自体にもかなり変化が出てきているのではないかと思いまして、その部分に関してはリネンや麻が得意とする分野ですので楽しみにしています。ヨーロッパの3社が同じテイストの素材をセレクトされておりました。
2011年07月11日
先週、知り合いの方がステテコを作ってくださいました。本麻のステテコがなぜかしかしかするのです。違和感があって、どうしたものかと洗濯機で強めに水洗いしました。水洗いしたものをもう一度洗ってもまだチクチク感があります。今まで、本麻で甚平や作務衣を作ったことがありましたが、こんなことはなかったので考えました。

今日、午後から滋賀県の中央会の方がお見えくださいました。直前に工場で作業をしていたので、シャワーを浴びてから、上にシャツ下にステテコです。同じステテコでも、それがなぜか良い感じ、考えてみると、本麻のステテコをエアコンの効いた部屋においてあったので、麻の水分率が下がってしかしかし始めていたようです。麻のものというのは、本来エアコンとは相性が合わないものなのです。

実際に、麻というのはリネンにしろ本麻にしろ、テンターで高温処理されますので加工上がりは水分が飛んでしまっていて風合いが悪くシカシカするのが普通です。数週間寝かせるとしっとりとしていて良い感じなのです。乾燥してしまっていると肌当たりはよくありません。少し汗ばむような外の陽気の下で着るのが一番自然なのかもしれませんね。

昔は本麻のものが夏に飛ぶように売れた背景には、エアコンのない時代だったからかもしれません。汗ばむような夏に、その汗を吸収してしかもソフトな肌当たりになる本麻のものというのは夏にはもってこいの素材だったのでしょう。今のエアコンの時代には、汗ばむことは少ないので、今はソフトなリネンのほうが日本でも受け入れられやすくなったのかとも感じます。

工場の中では、先日筬の裏表を直しまして調子よく織れた台がまた調子悪く、織機に聞いてみると巻き取りローラーの緩みが原因でした。織機を観るときは医者さんのような気分です。生地というのはいろいろな問題が伴うもので、特に特殊な規格の生地を手がけるときには負荷が掛かって普段見えてこないことが問題になってくるものです。
2011年07月10日
織物そのものの歴史を考えてみると、近江での歴史は室町幕府時代ということがいわれていますが、実際には、それ以前の人々が服を着ていなかったのかといわれると服は着ていたのですからそれ以前も織物はあったと考えます。

これは世界のどこの文化にも織物文化があるのと似ていて交易される前からその地では消費されているのです。同じものなら別にわざわざ交易することもなく、特殊なものとなって初めて交易されるにいたるだけのことで、交易されても区別が付くというものです。

織物というのがすべて上布なのかというと上布ではない世界から始まっています。私自身は、庶民の間では、カラムシが着物用に使われ、大麻が座布団や布団などに使われたのではなかろうかと考えています。竹や葦などもそうですが編むのに近い作業から始まっているものも多いのではないかと思います。

昔のものが着心地が良かったのかというと、洋服用途に関して言えば、今の日本人からしても本麻よりもソフトなリネンを好む傾向がありますので、今の日本人が昔のものを着て着心地がよいというのはあまり感じないと思います。そんな中で、上布物には特に細い糸が使われたりして、特別のしなやかな世界を生み出して実感できる別世界があったのだといえます。

2011年07月09日
今日は暑い暑い一日で、近江湖東は、日中はずっと30度を超えていたのではないでしょうか、夕方6時で外は32度でした。今日は東京からお客様で、近江のことを織物だけでなく、近江の織物が全国に広まった近江商人の歴史的な足跡も訪れていただきました。実際に今作られる織物とは関係のない世界かもしれませんが、織物のもつ背景というのはどこの産地もストリーがあるもので、それが産地の重みなのかもしれないと思います。

中山道に立ち並ぶ古い家々を眺めるに重いものを背負っておられるなあと人々の日々の暮らしすらからも感じるものです。今宵は高宮の無賃橋では、花火大会が行われるということで、浴衣を着た人々が道を行き交っておられました。ローカルな行事で、たくさん人が楽しみにしている行事が続いているというのは今では珍しいことです。 

夜、会社に戻ってからは急ぎの分の整経ができていたので機作りを行いました。リネンの高密度タイプがなぜか縦切れで織れず原因を探っていたら、ありえないミス、織筬の左右を間違えて筬の表裏が逆になってしまっている。右も左も同じと思って適当に仕事をしている人には、仕事以前の右と左の違いから話をしないといけないのだ。

筬に右と左を書くことで対応するというのはどうだろう?それをすると最終ほんと判断すらもができない人の集まりになってしまいます。用意されたものを何の心配もなく組み立てるだけそういうのって量産型の海外が得意なのでそれとは違う目で見て判断するような工程を守ることこそが日本のものづくりではないかと思います。
2011年07月08日
8月6日、7日に米原市の滋賀県立文化産業交流会館で行われます長栄座の周辺イベントとしまして、「近江のあたらしい伝統産業展」ということでロビーのスペースをいただいて展示するような企画が計画されています。今日はその締切日で申し込みをさせていただきまして、あと1ヶ月のことでどのように自分のスペースを使おうか考えています。

メインは長栄座の古典芸能になるとおもいますので、そういうイベントの合間にロビーを行き来される方で興味を持ってくださりそうな方に、滋賀県に麻織物の世界があるのですよ、ということをPRできればそれでよいのかと思います。

大手の自動車メーカーさんなんかも林与のリネンの厚い素材には興味を示してくださり、大手さんに渡ると、コピーされてしまう確立は高くなってしまうのですが、コピー物とは違ってオリジナルはオリジナルの価値があるのではないかと思っています。

ストールなんかもそうです。リネンの細番手のやわらかいストールが人気になっています。リネン100%の細番手の柔らかいストールを本格的に作り始めたのは林与なのです。それまでは、リネンや麻のストールは硬いのが普通でした。リネンのストールは柔らかいというイメージを作り出したのも、林与がリネンの蝶細番手のストールをジャパンクリエーションで発表したのが切欠です。

インターテキスタイルなどでも世界にリネンの細番手の柔らかいストールをPRし、今では、リネンストールも世界中柔らかくなってきました。日本の小さな機屋の情報発信が世界のトレンドを変えることもあるのです。ブランドの世界もそうですが、オリジナルはオリジナル、そこにコピー物とは違う価値があるのではないかと思います。

リネンの細番手織物の魅力をビンテージアイリッシュリネン140番手を使い世界にPRしたのも世界中がリネンの細番手の世界に動き始めている大きな切欠になったのではないかと思います。海外の展示会などでも、リネンストールなどを展示していると、欧米のバイヤーさんがどうしても自分用に売ってほしいといっていただけるようなものを作り上げることができたことが一つの満足です。
2011年07月07日
今日は七夕、雨が降っています。暑い日が続いて、それを打ち消すかのように雨の日がつづく、暑い一日の夕方ににわか雨。プラスとマイナスの要素の中に夏らしさがあって、自然を感じます。

藍染作家の梅崎由起子さんから、個展のお知らせをいただきました、

 梅崎由起子 展  ―夏時間―
 会場: ギャラリー海  南都留郡富士河口湖町河口1746-2
 会期: 2011年7月8日~24日 11時~17時 火・水・木曜日定休

届いたDMがすごく素敵で夏らしさを感じます。梅崎さんの作品というのは、浴衣などを中心とした日本の夏を彩るような世界です。日本の昔の着物というのも、白ベースかあるいは紺ベースで、紺という色は濃い色ながらも黒とは違って夏に良く合う涼しげな色味なのです。話は変わりますが、富士山にも一度は登ってみた気がします。富士山に登るとかしんどい経験を積むような夢を持っているというのは素敵な気がいたします。今年の夏は絶対に無理なくらいやることが山積みです。

先日は業界紙を読んでいまして、綿糸の暴落の話、一方で羊毛の高騰の話、投機的な儲け話でものが作られる世界というのは長続きはいたしませんし、夢がありません。布が無機質なものだとあんまり意味がない気がします。布というのは使い捨てられやすい布と比べて大事にしてもらえるものです。

スーパークールビズも悪くはないと思うのですが、なんかみんなが一緒にやらないと駄目みたいなのは本質的ではない気がします。雨を降らす方法があります。火を炊けば、雨が降り天から恵みで涼しくなるのです。昔の農家の人の知恵です。にわか雨一つが、エアコンの力の数億倍の力なのです。

夕方、オレンジと赤の新色のリネンが染まりあがってきました。きれいな色で、リネンって糸からして華があるなあと思います。リネンの染糸をみて感動される方も多いものです。実際に、色糸が何十色もあると見ているだけで楽しいものです。そんな世界を独り占めできるのは林与の贅沢な世界です。
2011年07月06日
今日は午前中お客様でした。曇り空で、少し蒸し暑いものの過ごしやすい一日です。

ここ数ヶ月考えているリネンなアイデアを3つそれのテストをそれぞれ行いはじめています。林与の布を使った、エコなライフスタイルを考えるアイデアたちなのでそれらが形になりそうな感じです。普通と違うのはそれに合った織りの工夫がなされている生地を使うことです。

物事を進めようとするときにアイデアまでは簡単なのですがそれを実現しようとすると量産の問題をクリアしないといけない部分も含めて道のりは長いことが多いのです。世の中に出回っていないという理由からしても、それが出回るためにはクリアしないといけない問題もたくさんあるという裏返しだといえます。
2011年07月05日
ある工場さんに生地をもっていくと、受付のかたが技術的なことは私は分からないというようなお話で、事務処理に徹されて、社長や部長に聞いてほしいということなのです。他の方に聞くことはできるのですが、その若い方に技術的なことも理解してもらうということが大事ではないかと思うのですが、それをあきらめるところからのスタートというのが厳しいところです。

私自身はそれがその人の問題だとは思わず、人がころころと変わる今の時代の仕事の特徴だといえます。長く仕事をしてもらおうと思えば教え込んでいかないといけないのですが、それが成り立たないのが今の職場みたいなもので、教え込むほどの余裕がなくできる人を探すという形です。

一見、仕事ができるひとというのは仕事を知らずに仕事をしない人だったりします。そういう盲目な判断が、仕事をできる人を消していくのです。仕事のできないひとは他の人に仕事を頼むので仕事をしなくてすむのです。頼まれた人はもうちょっと力をつけて自分でやってほしいなあと思いながらもあきらめモードです。

プロの現場でも素人ほど強いのが今の時代、海外にものづくりで負けてしまうのもそんなマニュアル化されてしまった日本的な体質だと思うのです。
2011年07月04日
先日、京都五条の田中直染料店で、草木染め大全(箕輪直子著、成分堂新光社)を買いました。この本の中の染めサンプルをみて、シルクとウールを染めるのは簡単そうですが、コットンともなるとなかなか手ごわそうです。さらに、リネンやラミーとなると難しいであろうと簡単に想像できます。

明治以前の近江上布というのはほとんどが藍染のようです。麻をきれいに染める手法が限られていたのだと思います。明治になって、化学染料が手に入るようになって色華やかな近江上布が作られるようになりました。そのころの染色技術というのも今の色が美しく残っているので今以上に確立されたものがあったのではないかと思います。

先日、京都五条の田中直染料店で、草木染め大全(箕輪直子著、成分堂新光社)を買いました。この本の中の染めサンプルをみて、シルクとウールを染めるのは簡単そうですが、コットンともなるとなかなか手ごわそうなのが染め上がったサンプルの色から観ても分かります。さらに、リネンやラミーとなると難しいであろうと簡単に想像できます。

明治以前の近江上布というのはほとんどが藍染のようです。ヨーロッパのリネンもアンティーク物は染めてあるもののほとんどが藍染です。麻を濃くきれいに染める手法が限られていたのだと思います。明治になって、化学染料が手に入るようになって色華やかな近江上布が作られるようになりました。そのころの染色技術というのも今の色が美しく残っているので今と同じく確立されたものがあったのではないかと思います。

麻というものが、特に手績みであった時代には染めるのは藍以外には難しかったのではないかと思います。それゆえに、どうやって藍で濃く染めるかということにすべてを費やしたような時代が続いたのではないでしょうか。昔は農業にしても手作業がほとんどでしたので、自然の中でリスクの高い今の何倍も大変な仕事だったといえます。

今日は夕方彦根の組合で中国から来られた留学生の方と30分ほど雑談しておりました。今は留学生の中でも一番多いのが中国からの留学生になっているのではと思います。後に生きるような経験をつみたいと考えておられる方で、今の海外の留学生の方というのもだんだんと考え方が変わってきたのかと思います。

欧米からの語学留学生やALTの先生との交流などは昔の機会はたくさんありましたが、そういう方とは違う自国に帰ってから生きるようなものを日本で学んでおきたいというスタイルです。仕事であるとしても、お金と物の話ではなく、人の話であったりして、実際に仕事で大事なのは学校では学ぶこととは違う部分であるのかもしれません。
2011年07月03日
今日は、日曜日、日曜日というのは何をしようかというよりも、遅れ気味のことをするのに非常にありがたい時間です。回りが動いていないのがありがたいのです。

リネンをウエディングドレスに活用されたいといわれる方が2件ありまして並行動いています。ウエディングドレスというのは贅沢が許される世界ですので倉庫の生地も含めてよさそうなものをピックアップさせていただきました。

ヨーロッパではウエディングドレスもリネンで作られていたのです。そして、おばあさんや母親が来たウエディングドレスを仕立て直して使うというような、生地というのはファミリータイズを生み出すような役割もあったのです。

色は、やはりウェディングのコンセプトからして白系が多いようです。合成繊維やシルクだと純白のものがベースとなるのでしょうが、リネンなのでオフ白のものを探しました。純白のものもよいかも知れませんが、黄色く焼けてしまうので永くは持たないので、メモリアルとして残すためにも蛍光晒や本晒よりもオフ白がよいのかなあと思います。リネンらしいナチュラルっぽいテイストも少し含むことができます。

夕方、彦根のショッピングセンターの本屋さんに立ち寄りました。雑誌掲載の依頼などの件で雑誌の確認を行いに行ったのです。「リネンで作る小物」も田舎の書店なので置いてあるのかなあと思いながら探しましたが、手芸コーナーの一番前の目立つところにディスプレイくださっててびっくりしました。
2011年07月02日
今の季節、川沿いには、赤苧や青苧がよく見かけられます。もともと、このような草から繊維が取られ麻織物が織られていたのです。着物というのは、いろいろな草の繊維を織ったものを総称して麻と呼んでいたのが昔の織物です。昔、裃などは大麻だということですが、普段着る着物用では厳しいところがあったと思います。昔はこういう草を見て雑草とは思わなかったのでしょうが、今の時代には雑草にしかみえません。

百年以上も使われなくても自生していてくれるというのが、麻がエコである象徴の一つです。そういうのを見ると日本の自然もまだまだ残っているなあと思います。これは、別に麻だけでなく、柿の木にしても、今はたわわに実をつけてもそれを人が取って食べることがなくなっても、翌年にはしっかりとまだ実をつけてくれているのです。柿の木をみると柿の成るのを楽しみにしていた昔の価値観そのものがエコなんだと思います。毎年、自分で実をつける柿を食べるだけでも、お店で売っている果物を食べものに掛かる輸送に使われたり、冷暖房に使われたり、廃棄処分される分のCO2削減に何倍も寄与できるのです。CO2削減を考えるよりも普通に見える無駄を削減することのほうが地球環境にとっては何倍もの意味があるのにと思うことが多くあります。

今の時代、お坊さんが着る袈裟なども、リネンが使われています。これは、お釈迦様の生まれたインドでもリネンが使われていることと関係しているのではないでしょうか。本来、日本の麻なら苧麻(らミー)が使われないといけないのですが、インドでは、イギリスの植民地であったこともありリネンが使われるのです。日本のお坊さんがリネンをお召しになられるというのも不思議な気分ではあります。

今日は梅雨が明けたかのような蒸し暑さの少ないさわやかな一日で、お昼前に加工工場さんにお邪魔しまして表で30分ほど立ち話です。本麻の小幅の織物を加工工場に何百メートルか投入しました。本麻の小幅織物というのは案外あるようでないのが今の時代です。小ロットの極みとなりつくろうとするとコストが高くなり百貨店などでも販売できる上代には収まらないのです。その分、綿麻とは違う世界をお楽しみいただける贅沢です。
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