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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
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2011年11月12日
今日は、インドの最終日ということで2グループに分けて世界遺産などの観光をいたしました。私のグループのバスは、レッドフォートや、お墓、塔を見学いたしました。携帯で写真を撮ったのですが、世界遺産の建物の写真はすごく綺麗でいい感じです。いい思い出になりました。

世界遺産めぐりの途中で、修学旅行のインド人の高校生のグループと小学生と話をしました。小学生のグループの一人が、「明日日本に帰る!」と流暢すぎる日本語で話しかけてきます。なんか、「さよなら」「こんにちは」「ありがとう」はあっても、いきなり、「明日日本へ帰る」と話しかけられたのにコミカルなのを感じます。

コンノプレースというデリーが始まったといわれる場所の地下の商店街に行きました。おみやげ物屋さんがあるのですが、外国人は少なく、インドの人が買い物をする場所のようです。引き込みが強引過ぎて、こうでないとインドでは商売が難しいのかなあと思いました。
2011年11月11日
今日は展示会の最終日、ホテルの送迎のタクシーなどもお客様本位というのではなく、だいたいいつもお客さんが待たされるようなアバウトな状態で成り立っていて、インドだとそれはそれでよいのかなあとも思います。無理しない、無理させないあたりがインドらしさなのかもしれません。

常に感じたのが、ワークシェア的な概念です。自分がすることが決まっているので、その与えられた以外の仕事はしないのが当たり前ということです。一人ひとりの仕事が縦に流れていて、ほかの人はその人の仕事に口出しすることはしないのです。



2011年11月10日
今日は展示会場に行くとお昼まで展示会場にほとんどお客さんがありませんガラガラです。2日目のほうが多いと思っていたのに、その理由が判明しました。今日は、ターバンを巻いているシーク教の祭日だそうです。全体の2%といわれていますが国の祝日で学校も会社も休みだそうです。シーク教の人は、男性は頭にターバンを巻いています。インド人の象徴的な風貌をされているのですが、生まれてから死ぬまで髪の毛を切らずターバンで巻いているのです。インドの会場にお越しのアパレルのお客様というのは、ジャケットを羽織っておられずシャツのみでカジュアルで、アメリカっぽいカジュアルな文化が入り込んできているのを感じます。

今日はバックの壁に事務局が「PREMIUM TEXTILE」シールをつくってくれて、ジャパンブースがかなりよい感じになりました。午後から、調査事業の一環として、展示会場に隣接されたビルに居住するインドのアパレル輸出企業を6社ほど訪問いたしました。休日ということで、3分の1くらいのところしかやってませんでしたが、いろいろなお話を聞きかせていただきました。海外輸出向けに扱っておられる商品上代なども分かります。

夜には、ニューデリーのエンポリオモールの視察を行いました。海外のインターナショナル高級ブランドが入ったインド最高峰のショッピングゾーンです。海外ブランドのものというのはどこにでもあり珍しくないので、興味はインド国内ブランドを中心にお店を見て回りました。私自身はリネンに関する素材を中心にどのようなクラスのものが流れているのか見て回りました。デニムではカイハラさん、綿高密度では古橋さん、汎用的な綿織物では辰巳さん、合成繊維では東レさん、絹、レーヨン、意匠系は宮下さん、ウールは尾州から、長大さん、森さん、中伝さん、刺繍レース系では敦賀さん、プリントでは宇仁さん、と専門分野が多様に分かれていますので、何を見て回りなさいと指定などはありませんが、一緒に回っていても調査のために見て回る素材というものは分かれているのではないかと思います。展示会も、11社ですが日本企業の素材分野の強みをPRできるような多様性ではないでしょうか。商社系では、瀧定大阪さん、田村駒さんがブースを出されておりました。

今日は主催者から各企業に記念のトロフィーが届きました。各企業の名前も印刷されていて、こういうのはインドで展示会をした良い思い出になるのではないかと思います。私自身は、主催者がこういうことを考えるところにインドは余裕があるなあと思ったりします。レンタルの椅子も昨日は黒くって白いブースに不釣合いだったのが、今日は白い椅子に変わっておりました。裏で日本ブースを盛り上げようとインドの主催の方が動いてくださっている気がします。会場で、初日に写真を撮って回っていたプレスカメラマンが、1枚50ルピー(90円)で写真を売りに来ました。よい感じで撮れてたので買いました。私たちがやっていることは、外からみるとこんな感じに見えるのかと…。数日前のことなのに懐かしく思えるのが不思議です。

夜、エンポリオモールに行く途中で、バスの中からデリーの市場の風景を眺めました。観光用に作られているわけではないと思うのですが、活気があってすごく良い感じのインド情緒です。今回の旅行は観光目的ではないので、ホテルと市場調査的な部分がほとんどで出歩いていないのですが、庶民的な生活を味わうという意味では、そういう一般の人が買い物をする市場をうろうろとしてみたいものです。
2011年11月09日
今日は、朝10時から展示会が開催です。まだ2回目の展示会ということで国際ブースを設けてある2階へは来場者もまばらな状態です。それでも10件くらいの方とお話できたかとは思います。

今日の展示会が終わってから、今回の展示会を主催されていますインドのテキスタイル省の政務次官の方が会場に訪れられ多くの報道陣が取り巻きながら、2階に上がって見学にこられました。林与のブースも本日の片づけを終わっていたのですが、林与のがらんとしたブースの前で数分立ち止まって記者に対してのコメント的なものが行われ、そのあと束ねて吊るしてあった林与のハンガーも引っ張り出す感じで記者陣にみせてくださってました。日本を盛り上げようと優しいお方だなあと思います。

ファッション系の3つの大学の大学生たちがファッションショーを行うイベントも開催されました。最初の二つの大学のパレードは、少し、今時の日本の若者の作り出すパレードと似ていて学生さんだなあと思ったのですが、最後の学校のパレードはなかなか素材選びなどもしっかりとしている感じで女性の場合ドレスっぽいものが多かったのですが、イメージからすると高級感のあるインターナショナルブランド的な素養を感じました。

そのあと会場の外庭では、今回の展示会の参加者が交流する壮大な式典、晩餐会が行われました。セレモニーはまさにアカデミーアワード的な演出です。この展示会というのがビジネスの場というのではなく、政治外交の場であるのを思わせます。政務次官の方は女性でサリーを纏ながら一日を過ごされているあたりもさすがだなあと思います。インドの繊維産業を大事にしているような部分も感じられ、気品を感じます。
2011年11月08日
今日は、企業訪問の一日です。調査内容の報告に触れることなどは詳細は書くことはできないのですが、日記的に今日の一日書かせていただきます。日系の検品工場、縫製工場、現地の縫製工場と3つを午前と午後に分けて、早朝より回りました。流れ作業で、一人の人が一つの工程ということです。インドで仕事をすること、インドの方に仕事をしてもらうことのイメージやインドでの経営の考え方というのが伝わってきました。塀の外側と内側では別世界という気がするのがインドです。

ホテルに戻ってからは、明日からの展示会の準備で展示会場に向かいます。今回の日程はゆっくりかと思いきや、移動に非常に時間が掛かるのであわただしく、日程をこなしていきます。会場準備は、各社ともハンガーを30点ほど持ち込むだけですので、30分ほどで済みました。ストールも数種類だけは飾れそうでもってきてよかったです。展示会場もそれほど広くはありませんので、来場された方の多くの方が目の前を通られることになるのではないかと思います。

グルガオンという街は畑を開拓した開拓地区で、ニューデリーの街から車で1時間、デリーの空港から30分の距離のところです。日本企業などもグルガオンでビジネスをする企業が多いとのこと。しかし、ホテルの窓から眺めても外は開発途上で、道から50Mくらいは近代化のための工事現場というところが多く、そこでは犬だけでなく豚や牛が放し飼いになっていたりでおおらかなものです。電気もないレンガやトタン作りの家に住んでいる人たちがいます。犬も日本の犬とは違って敵がいないせいでしょうか。人に愛想を振りまくこともなく、昼間でも地面で横になって脚を投げ出し寝ています。誰も犬に餌をあげることもないのでしょうか、犬はやせ細っているのがほとんどです。環境が変われば人も同じで、それが国民性を生み出すのだと思います。

私がインドですごいなあと思うのは、サリーです。インドの女性は控えめな感じがするのですが、衣装は存在感がありすぎる鮮烈な色彩のサリーです。赤とかオレンジとか、ファッションショーが街中で繰り広げられているようなものです。今回の展示会のハンガーも、リネンの世界でありながら極力見栄えする色使いのものをインドに提案しやすいかと考えたくさん選びました。荷物が重くなるといけないと考え、今回は近江上布を持ち込みませんでしたが、次回チャンスがあれば、近江上布柄の提案なども、サリーっぽいイメージのインドアパレル向けには日本のテキスタイルメーカーが提案するとすれば日本の提案ぽくって面白いのかとも思います。

今日は非常に暑くって、ホテルもエアコンを使う部屋が多いせいでしょうか、夕方に何度も電気が落ちて停電になっています。冬でもインドはそれほど暑いということで、日中も、ジャケットを着ていると汗がでてきて半袖のシャツに着替えたいくらいです。夜には、同じく展示会に参加されております輸出組合さんとの交流会がホテルのレストラン横の別室であり、この数日で感じたインドに関する疑問点などを質問させていただいたりしました。明日からの3日間の展示会に向けて日本のチームとしまして一つのまとまり作りの場になりました。
2011年11月07日
今日はインドの企業訪問の予定が変更で、午前中から市場調査になりました。調査内容に関しては報告書での発表となり詳しくはお話できないのですが、私自身は調査ということで麻のものに関しまして市場を注意して見て回りました。

セレクトシティモールとハウスカースビレッジ、夜には、グルガオンのモールを見て回りました。繊維に関する市場調査以外にも、インドの人々の行動というものをいろいろなところで体験できます。インドで100ルピーという紙幣は180円程度なのですが、100ルピーを使おうとしてもお釣りが出てこないお店が多いのです。これって、外資系の一流のホテルでも同じで100ルピーを10ルピーにフロントですら両替してくれないのです。

昨日の両替をした銀行でも、100ルピー未満は取り込んでしまうようで、チップに渡す10ルピーなんかを手に入れることが非常に難しいのです。どこに10ルピーが消えているのかを見つけた気になったのが、昼間、ハウスカースビレッジの人だかりのできている家族経営の売店が両替商をしているのを見たのです。500枚くらいの10ルピー紙幣に両替されていました。

市民生活では10ルピーが基本に使う紙幣となり、海外旅行者は、100ルピーや1000ルピーを使うような生活のようです。夜の入ったウォールマートのようなスーパーで、物価を注意してみていても、中国の都市なみにしっかりとした値段がついています。飲料で20ルピーから25ルピー程度のものが多いのです。一般の人が入らないホテルでは、それらの飲み物が10倍にあがります。

あと感じたのがレストランやホテル、お店などお客さんを相手する商売のところでは、たくさんの接客担当者がいるということで、小さな駅のキヨスクのような売店でも3人くらいいます。小さな市場の生地屋さんにも、お客さんはどのお店もゼロなのに10人くらいの人が働いています。

夕食で、莫大な人口に対する仕事をワークシェアで生み出しているというお話を聞きました。しかし、こういうのって経営者は大変だろうなあと思うのですが、昔の日本の経営と似ているのかもしれません。身内筋をたどって丁稚奉公にいくような感じではないかと思います。

移動するためにチャーターしたバスのドライバーさんも、公用語が英語といわれる国でありながらも英語が通じない部分があって、それが普通なんだということで、壁が多いのがインドで逆にそこにチャンスがあるのだと思います。
2011年11月06日
成田空港には午前8時半に着いて、まずまず、遅れずのスタートです。ビザの関係で空港でパスポートをもらうことになっておりますが、旅行会社の方が段取りをされておりますので、安心といえば安心です。

実は、成田空港を使うのは30年ぶりです。行き方もあんまり調べずにでしたが、今の時代携帯電話というのは非常に役に立ちます。空港までは鹿の子ニットみたいな格好でいったのですが、ファッション業界の調査なので、空港のトイレでシャツと麻のジャケットに着替えました。

無事に出発できそうなのが何よりです。
2011年11月05日
今日は、朝からインド出発のために準備をしていました。冊子つくりやハンガー作成で、ハンガー用の生地を50cmにカットしてしまい、ハンガーから出てる部分が50cmでないといけないことに後から気がついてやり直したり。

今回の展示会は、自分の会社のブースとしての展示ではなく、日本チームとして、他社様が綿やウール、レーヨン、合繊のハンガー展示されるなか、麻のハンガーを林与がブースになります。専門的にものづくりをされている特色のあるメーカーがほとんどですので、量産のものとは違う日本のものづくりらしい味のある素材がたくさん並ぶものと思います。

インドでは、量産のものであっても手織りなどが今も行われていますので、インドのほうが手間隙がかかっているものも多いのかもしれません。そういう部分は、今回は見学させてもらおうかと考えています。工場見学、ショッピングモール見学なども組まれておりますので、自分の目で見ていろいろと考えてみたいと思います。

2011年11月04日
今朝は京都からお客様です。昔から林与の会社のことをご存知で、久々にジャパンクリエーションでブースで声を掛けてくださいましてお越しくださいました。私のほうが興味のある案件があって、早速動いてくださり、頭の中で計画していたことが動き始めそうです。

近江上布の絣柄をプリントで再現する件で、縛りを取ればかなり前に進みそうな気がしました。再現したとしても今の着物ライクな素材感のものがアパレル向けにどれだけ通用するのかは疑問ですので、素材を本麻というのを外しましてターゲットを広げたほうが、柄が好きだから買いたいという方も広がるのではないかと考えました。

以前、JETROさんの商談会で、ニューヨークのエミリー社の社長とお話したときにも着物は着ないので、やわらかい素材のものがよいとおっしゃっておられました。日本では、案外、昔の柄というのに注目は少ないですが、日本に来られる海外の方が、日本の着物の世界をみられると、通常のアパレル素材の何倍も興味を示されます。

これから、ヨーロッパに向けても動いていきたいときですので、ヨーロッパでの展示会に出展やあるいは個展を考えるときに、日本の伝統的な素材というものも海外のみなさんに見ていただいて、そこから広がる世界でのアパレル向けのものづくりというのが、たぶん、ヨーロッパの皆様には一番受け入れられやすいかと思います。
2011年11月03日
今日は、ひこね文化プラザにて物産展がありました。開会式でのテープカットなどもありまして、しばらくするとテント村は人人で、大にぎわいです。お昼もいただこうかと思ったのですがなん十分も待たないと買うことができず諦めました。

別の会場では地場産業の展示も行われており、伝統工芸品である彦根仏壇関係の展示が力が入っておられ、以前から興味をもっておりました漆の技術などお話をうかがうことができました。

出展されている側も商売というよりお祭りを盛り上げる気分で楽しんでおられますのでこういうイベントというのは無理なく長続きする形ではないかと思います。2階では、彦根仏壇の職人さんたちが工程の実演を行っておられました。

彦根の仏壇業者の方というのは、昔から製造だけでなく販売も手がけておられますので、このような実演的なPRも非常に上手だなあと思うのです。仏壇の方とお話しておりますと、すでに家に仏壇がある方というのはお客様にはほとんどなり得ないのに、毎朝仏壇の前で拝むことをお勧めになられます。

製造されておられる方が仏壇にお参りするような、先祖に感謝するような気持ちをもたれている方ばかりなのでお話をしていても心豊かな気分になりました。よく、時代が変わったと言われますが、日本人が変わってしまうと日本的な産業というものは成り立ち得ないものだなあと思います。
2011年11月02日
展示会から10日が経過してようやくスワッチの送付が完了いたしました。今回は海外からスワッチがまだかというご催促がたくさんあり、非常に前向きに考えてくださっているのを感じます。郵便局から帰ってからはインドへの出発の準備にかかり始めました。

今回のインド行きは、経済産業省のインド市場調査事業として行われます。インドというマーケットの将来性がどのようなものなのかを調査する事業で、展示会なども日程には含まれており、日本のテキスタイルメーカーの素材などを現地の方に見ていただく絶好のPRの場になると考えています。

ご一緒させていただく皆様というのも、名簿を拝見していると織機にも精通され自分で織物を作られているような織物のプロの方が多くて、織機を触られているようなみなさまが私と同様に海外での製造でなく販売に目を向けられているのは単なる一致ではないと思います。

展示する素材なんかも、売り安そうな低価格のものを見ていただくのではなく、日本らしいものづくりをしたものや日本的な色使いがされているものを見ていただこうかと思っています。
2011年11月01日
スワッチの送付が3分の2くらい完了しました。展示会の場というのは商談の場ではなく、単なる現実PRの場に過ぎないかと思います。といいますのも、今の時代というのはこられたお客様が個人の方でもなければ購入を即断決断できることはほとんどないのです。展示会のブースは屋台の出店のように見えますがものを見せる場所であっても売る場所ではないのです。

展示会などでも大事なのは価値観を共有できるような方とのお出会いです。スワッチを送る際にもお名刺を眺めながら会場で話したときのことを思い出すのです。スワッチを送り始めると、積極的なブランドさまやアパレルさまというのは前向きに動いてくださいますので、そういう自然な流れの生まれるところと自然なスタイルで仕事をしていくのが一番よいのではないかと思います。

今、考えているのがプルミエールビジョンへの出展で、個性の強いものづくりというのをPPしていくためには目指すべきではないのかと思っています。麻に特化して、布の見た目や質などでは全体として他とは違うようなテイストを持っていますので、欧米の方などでもリネンに興味のあられる方が林与のものづくりを特別に見てくださることは多いので、自分らしいものづくりの方向性は保って行こうとするときに、そのようなものづくりを最大限にPRできるような場所を求めるのも大事だろうと思っています。

最初はプルミエールビジョンでなくてもよいのかもと思います。パリででも1週間ほど場所を借りて個展的な林与の展示会を開いてみるのもよいのかもしれません。それなら、リネンだけでなく近江上布の世界をヨーロッパの皆様に見てもらえるようなチャンスになるかと思うのです。
2011年10月31日
今日は午前中に段取りをして染色工場に糸などを持っていきました。アパレル関連の仕事のほうも国内向けというのは非常に小ロットなものづくりが多くなり、カウンターや色見本、展示会サンプル、本生産、と3回の生産が伴うことを考えると、ストック在庫を流すのと比べると実際3倍以上のコストが掛かります。

質を落とさないためには、材料をある程度まとめて購入したり、染色をまとめてすることでバルク価格で流せるような対応をするのですが、製造する側の品質を守るための良心的な部分で、それは製造する側の在庫リスクという形で掛かってきます。在庫ゼロという夢物語などはしわ寄せに目を向けていないだけのことで、それは局所的で不完全なマネージメント哲学だろうなあと思います。

昨年国内の展示会に参加していた台湾のメーカーさんが今年は居られませんでした。お話をしたときにも、日本国内の繊維需要の低さには驚かれておりました。日本という国はなんても手に入り繊維製品が飽和状態にあるといえ、価格が安くても見向きもされないという一方で厳しさがあります。

また、決まったとしても海外メーカーを支えるだけの規模の注文になることが少なく、海外メーカーが販売先として日本メーカーを敬遠し始めているのが常に繊維業界ではささやかれています。日本人のバイヤーさんがよくやるのが、次は大きな注文をするので今はがまんしてというやり方でそれは海外ではまったく通用しない話で、そういうミスマッチを生み出す口先での手法はすぐに愛想をつかされてしまうということのようです。
2011年10月30日
海外向けのスワッチ送付の手配を引き続き行っています。問屋さんやアパレルさんがお客さんであっても販売や提案という作業が常に必要で、価格なども一律ではなく、支払い条件、品質基準、ボリューム、期待値や将来性によって変わってくるのが、小売とは異なるところです。
2011年10月29日
先日、海外から取り寄せた糸でリネン150番手のストールが織りあがりました。細さの面では現行ではリネン100%ものとしてはかなり細いところにきていると思います。北アイルランド紡績の140番手の糸と比べると、やや扱いにおいて違いが感じられるものの仕上がりはかなり近い感じで高級感が同様にあるかと思います。

2メートルほどの1枚のストールが40g程度と、爆発的なボリューム感があるのにその軽さというのは、リネンの細番手の風格を感じます。林与としましては、まだまだ、織るほうは余裕がある感じです。紡績技術が向上すれば、200番手に向けての世界も広がりそうです。手にされる方はこの150番手リネンの世界にきっと驚かれることと思います。

現行の糸で、高嶺の花のアイリッシュリネンの世界にどこまで迫れるものかというのは非常に楽しみなところで、今年はヨーロッパでフラックスの収穫高がかなり落ち込んだとは聞いておりますが、品質はかなりよいという情報も伝わってきています。

近く撮影など行ってサイトでの販売を開始いたしますが、手元にまだ数枚ですが出来上がりましたので先に試されたい方は、ご注文くださいませ。素材としましては現行のリネンではベストに近い選択ですので、この雰囲気というのは非常にゴージャスです。

私のほうは、今日も海外向けのスワッチ送付に追われています。中国や香港以外にも、アメリカ、イタリア、トルコ、オーストラリア、韓国、台湾、スウェーデンなどの皆様とお話をさせていただけました。基本、秋冬の展示会でなかなかリネンを提案することは難しいかとも思うのですが一年中リネンに興味を持っておられる方が多いことを再認識いたしました。
2011年10月28日
今日もよいお天気です。なんだか、過ごし易くって。これから冬に向かうのに、なんかぽかぽか小春日和です。今日は朝から繊研新聞の記者の方が取材にお見えで、ジャパンクリエーションやインターテキスタイル出展などの近況のご報告をさせていただきました。記者の方も以前、中国で偽タクシーにやられたそうで、海外では襲われたりするリスクというのは付き物だなあと改めて思います。

届いたリネン糸ですがコーンでみると非常にきれいですが、作業工程に掛けてみると糸に手を掛けて加工してあげることが必要かと思います。糸を丁寧に加工し直しまして織るようにいたしました。シャトル織りのリネンでストールに仕上げてみようと考えています。加工も展示会で非常に人気のあった林与ナチュラル仕上です。

11月30日と12月1日の両日は、PANGEA SOLARIUM(渋谷区恵比寿西1-24-1)で行われますナチュラル素材系の展示会に参加することが決まっております。林与はリネン分野での出展となります。この展示会は一般向けではなく業者さん向けの展示会となります。一年後の秋冬向けもそうですが、2012の春夏物のリネン関連の生地の企画を考えておられる方にとってはじっくりとお話できるのではないかと思います。

午後からは引き続き海外スワッチの準備です。4日も展示会でしたのでスワッチだけでも60社くらいにお送りすることになりますので1週間仕事でこの週末もなくなりそうです。展示会というのは商談の場というより新しいお客さんとの出会いの場でしかないと思います。3年くらいお会いして双方の熱意が形になって初めて動くというようなことも多いんじゃあないかと思うのです。

工場の中では、ラミーの100番手のものも織り始めています。ラミーのものというのは、最近は糸質の問題も絡んでリネン以上に織るのに神経を使います。海外で150番手を超えるようなクラスのすごく細いラミー織物が量産される時代となりラミー紡績も中国に追い越されてしまった感があります。日本の糸商さんの間で流れる糸というのが廉価なものが多くなり、一方で中国国内のほうが材料に関してはハイスペックなものが多くなってきました。そういう細い番手を使いこなせるところは少なく、インフレというより、スタグフレーション的な局面に入っているような気もします。
2011年10月27日
今日は、組合の研修旅行で彦根商工会議所の皆様とご一緒に琵琶湖の反対側の高島地域にお邪魔しました。綿帆布鞄、高島の道の駅、アドベリー、近江扇子と地場産業づくしで見学をさせていただき、日ごろ地場産業にかかわるものの、他産地の地場産業のお話をお聞きすることで共通に抱えている問題や他産地の取り組みから学ばせていただくことはたくさんありました。春のプレミアムテキスタイルジャパンでもお隣のブースは、高島の4社が合同での出展をされておりまして日本のテキスタイル業界を盛り上げていこうというお仲間意識を感じました。

綿帆布鞄は、高島地域地場産業振興センターで販売を手がけておられ、ひとつ1万円程度のお値段でオーダーメイドの形で販売されています。色などがネットではどうしてもうまく表現できないということで、現地で現物を確認してご購入をいただくのが一番だとかいうお話です。JR西さんとのコラボもされていて、観光資源としての部分でも帆布生地が活躍しています。

センターにお邪魔して林与が気になったのは、販売所の横に手織機やシャトル織りの織機があって、綿を育てて手紡で糸を作って織物をつくられているとか、綿と種を分離するだけでも大仕事だというお話で、それを現実のものとして織物まで仕上げておられるので、理想を現実にするような取り組みには感心しました。お話を聞いていても熱意や職人魂に感服するプライスレスな世界で、人間の根気や技術が出来上がるものを大きく左右し、出来上がったものから作り手がまさに見える気がします。

お昼は、161号線沿いの高島の道の駅で、鮎料理をいただきました。道の駅は、高島地域で作られたものが、おみやげ物としてすべて並んでいるかのような徹底で、多くの皆様が地場産品に触れることができる場所です。手軽なおみやげ物としての意味合いが強く、手の込んだものよりは安いものがよく売れるというような傾向は強いかなあと思います。人を集める力というのは強いなあと思います。

アドベリーは、ニュージーランドのボイズンベリーの苗をオンリーワンな形で日本で栽培されており、6次産業(1次産業+2次産業+3次産業)の創造という表現で、安曇川地域の特産品として定着し、多くの方の認識も得て守り育てられている今までなかったものが地場を支えるような新事業の成功事例です。

近江扇子のすいた扇子さんは、私の中学時代の友人の親戚の方がやっておられるお店で、近江扇子の歴史を背負って手作業の部分をしっかりと見せていただきました。体が自然に動いてものが生まれるとおっしゃっておられるのは、私自身も織物の作業をしていて感じるところで、手の感覚でものが生まれてくるというのが数値的な品質管理とかと違って、自分の感覚を信じてベストを尽くすしかないものづくりの形です。

作業を見ていても、手間暇掛けずに機械化すれば安く大量に作れてよいのにと思うのですがそれというのは誰もが考えることで、楽をしようという話になれば、自分が旅行に行くのとテレビで旅行番組をみるのとの違いくらいはあると思います。忙しい日々の中で、このような研修旅行に参加させちただいて、自分の中に生かしていくものがなければなあと思います。高島産地の皆様も高島のものづくりの特性を生かしながら愚直に物事に取り組まれ育んでおられ、行政もそれをバックアップされているのを感じます。

ものづくりの部分では、材料という部分に携わられる方というのが一番厳しいところになるようです。綿の手紡にしても、綿を栽培するのは1年かかり、それを手で紡績するとなると使える量も知れています。アドベリーにしましても、手で摘む作業が伴いますのでそれをカバーできるだけの人材をどう確保するのか、近江扇子にしましても竹はたくさんあっても竹に手を掛けてあげないとよい竹が育たないということです。

突き詰めていけば自分の会社の中の人だけでなく結局は自分のほしい材料を生み出す人々の生活を支えていかなければものをつくることはできないということです。それは日ごろから実感するところで、企業努力だけでなく、協力てきな部分がないと川上の産業のほうから崩れてしまっていくものです。これは、ものづくりだけでなく、法律や経済政策が大きく影響し、日本の伝統産業が消えていくのも企業努力だけではどうしようもないところにきているといえ、法律や政策で守られた業種だけが自由競争の中の比較優位で残れる形ではないかと思うのです。
2011年10月26日
インターテキスタイル上海でも、ブランドのデザイナーさん自身や企画の方がお見えになられるのですが、とりあえず自分自身にひとつほしいとストールなどの私費での購入を検討してくださることが多いのです。ブランドのデザイナーの方が身に付けられるものとして、林与のストールをご検討いただけるというのもありがたいものです。

地域的には、欧米の中でもニューヨークの方というのは非常に大らかで、名刺交換をする前にアメリカからでニューヨークの方ではないのかなあと感じることができるのです。華やかな雰囲気を演出されていて、アーティスティックな雰囲気のままビジネスがうまく回っているような印象を受けます。

今回は、オーストラリアのブランドの方も3人とお話しすることができました。季節が反対なので春夏物をお探しでリネンに対して積極的だなあと感じます。イタリア、フランスのブランドの方は少しで、商社の方が何人かお見えになられました。

リネン糸の情報収集もしっかりとでき、新しい糸も試作用の分が届いたのです。リネンの細番手の試作の方向性が進化することになります。メール会員の方には、近々、新作の情報などお流しすることができるかと考えております。お楽しみにしてください。
2011年10月25日
ジャパンクリエーションでご依頼いただいたスワッチなどを用意完了しまして、次は、インターテキスタイルのスワッチの準備です。すでに3件、スワッチに関してのメールを海外からいただいています。

今回、中国のナチュラル系のブランドさんは、テイストが非常に似通っているいることに気がつきます。上海では、56点のハンガーを並べましたが、そのうち10点ほどにピックアップは集中するのです。一般的なトレンドアナラシス的なお話を聞くよりも、自分の作っているものの中で何がどう評価されるかというのが自分のものづくりの方向性を決めていく上で大事だったりいたします。また、自分自身が自分の作ったものを提案する場所をいただくことでそれが世界的なトレンドをも形成していくものだと考えます。

ピックアップされたものに関しましても、この数年で新しく作った試作品に人気が集中しているように思い、市場にないものを皆さんが求めらているのを感じます。まだまだ、面白さというのはどこまでも生み出していける余地が残っているものと思います。

今日、海外にお送りした中国5件、トルコ1件のスワッチには、グリーティングカードのような林与の写真入のお礼の手紙を添えました。夜中に、京都中央郵便局から送り出しましたが、トルコが住所が英語じゃなかったので、ちょっと失敗したかなあと思っています。無事に届くことを祈ります。
2011年10月23日
今日は本当によい天気で仕事をしないといけないのがもったいないなあと思うほどです。やらなければならないことは山積みになってしまっています。ジャパンクリエーションのスワッチのご送付を行っておりました。ジャパンクリエーションの場では、スワッチリクエストというのは上海に出発の件もありましてご対応を控えめにさせていただき、近江湖東麻織物のPRを主体に冊子をお配りする形にさせていただきました。

多くの方に、近江湖東産地の麻織物のことを知っていただけたかと思います。展示会というのは、商談の場というイメージがあるかもしれませんが、生地の世界の場合には、その場で具体的な商談が進むことというのは、ほとんどないのではないかと思います。展示会も、新しいお出会いの場、ご挨拶の場、情報交換の場としての機能が主なものだと考えます。

展示会においては、たくさんの会社が並んでいるので、林与の場合は、秋冬にこだわらず麻やリネンを提案させていただいたほうが、国を代表するような展示会の場でも、スペシャリティならびにバラエティの部分に貢献できるのではないかと思っています。

秋冬に、リネンを提案するというのはなかなか勇気のいるものだったりします。インターテキスタイル上海でも、国際ブースでは、リネンの提案というのはほとんど見られません。3年間続けて提案し続けたことが、毎年、見に来てくださるお客様が増えたことにつながったと感じています。
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