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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
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2011年09月20日
今日は朝から提出用の会社の資料つくりをしておりました。麻のこと、リネンのこと、湖東産地のこと、林与のこと、近江上布のことなど書き始めると文章だけがだらだらと長くなってしまいます。資料を読んで下さる方がどの程度、麻のことをご存知であるかないかで、中身の説明の度合いが変わってきます。

あっさりとした説明のものというのは、巷にあふれていますので、ちょっと普通にはない説明の文を自分なりに考えてパンフを仕上げます。1ページをA5サイズに収めようとしたら文字が小さくなりすぎて、1ページをA4サイズのバージョンにしました。

印刷しはじめると非常に時間が掛かってしまい。タイムオーバーで、非常に簡単なレイアウトのもので提出することにしました。画像ももっと入れたかったのですが、次のバージョンで肉盛りしていこうと思います。

今回作った資料は日本語版ですが、インターテキスタイル上海などでも会社案内がないのかとお尋ねいただくことが多かったので、英語バージョンも作ってみようかと思っています。手作りなのであんまりたくさんはつくれませんが、手作りには手作りの味があると思います。
2011年09月19日
会社をやっていると、ものづくり以外の部分が大きいものです。書類などは通常の商社さんのやっている以上にものづくりの際についてきます。ものづくり企業がだんだんと簡単なものしか作れなくなってきている背景には複雑なものをつくると書類に押しつぶされてしまうというところです。出荷業務や在庫管理なども作業だけでなく書類が付きまといます。

業務的な書類以外に、クリエーティブな提案をするときにも文章の作成などが必要です。これはマーケティングの部分でどうやって自分の作ったものをPRするかというところです。作っただけでそのものの良さが伝わらないのは残念なことですが、たとえばベストセラーのものにしても、その機能性を謳うだけでは駄目で独自性も謳わないとその他大勢のうちの一つの選択肢にしかなりえません。これはここでしか買えないというのが一つの魅力であるのだと思います。
2011年09月18日
ビンテージのリネンというのは独特の光沢感があります。これはどこから出てくるのか分からないのですが、今のリネンも何十年か経てばビンテージらしい風格がでてくるものなのかに興味があります。

3年前のジャパンクリエーションのデザイナーズコラボでスズキタカユキ氏に作っていただいたリネンのプルオーバーブラウスが3年の年経っています。リネン100番手のオフ白ソフト仕上げを紅茶で染めていただいて展示したまま保管しているのですが、ビンテージな光沢感が出始めてきているように思います。

繊細な素材なのですが、目ズレなど起こらないように、アパレル向けの規格設計は行ってあり、定番の規格の一つとして仕上げました。高速織機では織れないといわれてきたリネン100番手を超える糸を量産のレベルで問題なく織ることができたはじめのシリーズです。

今日は大型プリンタで、メール便用の封筒をデザインいたしました。リネンのパープルの花をあしらったデザインにしたのですが、シンプルながらも、ちょっとかわいくなりすぎて・・・。
2011年09月17日
リネンハニカム127cm幅を洗ってそのまま115cmほどのシーツにして寝ています。普通のシーツと違ってゴザっぽいナチュラルハードな感じが肌に刺激でクール感があります。肌に触れる面積も少ないのでべっとりしないのがよい感じです。ぐっすりと眠れて寝起きも疲れが少ない気がします。夏のお昼寝からの目覚めのような感じです。

リネンがよいのは吸水性だけでなく衛生性に富むことです。麻というのは綿に比べてカビが生えにくく、細菌等が繁殖せず、体にもよいという結果につながります。汗疹なんかも起こりにくいと思っております。靴下のゴムの入った締め付けるあたりが夏場痒くなることがありますが、あれのまったく反対の環境ではないでしょうか。

衛生的なので、バスタオルなんかにお使いになられるのもよいです。薄いタオルでも水を十分に吸い取りますので、夏場でも綿のタオルが拭いても拭いても肌の水分が取れないのに比べて、リネンのタオルは水分が残っているような感じても、かなり、拭き取れてしまっているのでそれが吸水力の差です。

人間が生きるうえで緊張というものが必要なのですが、それを解き放つのが眠りだと思います。体中の緊張が解けて体中に血液がめぐり、疲れが取れるのが眠りの効能ではないかと考えます。私の場合、リネンのシーツで寝ていると眠りに落ちるときに、肌に当たる感触が消えていき眠りに落ちていくのを感じられます。実はここに寝付き早くするトリックが含まれているのではないかと思っています。
2011年09月16日
新商品のアップがひと段落しまして、久しぶりに会員様向けのメールを配信させていただきました。あんまり頻繁にメールをお送りするとご迷惑だろうと思っておるのですが、今週には第二段も少しづつアップできそうです。一般のハンドメイドの方に販売するのは、6月、7月くらいがベストなのでしょうが、林与の生地をお使いいただいているプロの作家の方も多いので、秋、冬にも、新しいものを出していこうと思います。

リネンウールを販売してみたのですが、よい感じなのですがあまり動きが少ないようです。これって、もしかすると昔からの秋冬にはリネンは難しいといわれているジンクスが生きているのかも知れないなあと思います。ウールのものに関してはリネンと違って注意が必要ですので、林与もたくさん作ってストックすることはいたしません。

秋冬向けのオーガニック商品としてコットンリネン関連のものも織り始めています。林与ではリネンの通年化プロジェクトを行っておりまして、高級ゾーンではございますが、冬に使えそうなものもいくつかできてまいりました。リネンというのは質量が高く、厚く織ると重いので、なかなかリネン100%では秋冬物の開発が難しいのです。

わざわざリネン100%で、秋冬物を開発する意味があるのかどうかというところは疑問ではありますが、今の時代、体質の問題で天然繊維のものしか受け付けないという方も多いようで、とりわけ麻だと大丈夫という方がおられますので、リネンがそういう問題を解決するのではないかと思います。

11月の終わりに、天然繊維企業が集まった展示会を東京で計画しておりまして、その概要が煮詰まってまいりました。林与はリネンや麻という素材で展示を行います。ジャパンクリエーションにも出展は予定をしておりますが、もし、来春夏ものの企画などじっくりとお話ができない場合などは、11月末の展示会のほうが落ち着いておりそうですのでそちらにお越しいただくのがよろしいのかなあとも思っております。ナチュラル系の素材を探しておられる方にとってはよいのではないかと思います。
2011年09月15日
今日は午前中、京都からのお客様でした。ここ数日暑い日が続いており、昨年を思わせる残暑が続いています。滋賀というのはまだ緑が多く水が豊かなのですが、京都というのは同じ盆地でも風が吹かないので非常に暑いというのを学生時代に経験してわかっています。京都のほうが滋賀よりもまだ2度、3度と高いのです。

滋賀県でよりも京都の人のほうが近江上布の着物をたくさん着ておられたというのも、そういう京都の蒸し暑さが要因ではないかと思います。薄くて涼しいものほど喜ばれたのだと思うのです。人々が鴨川の辺で夕涼みする光景も、暑さがゆえに自然な姿ではないでしょうか。

今日は、先日上がって来たストール生地などを確認しておりました。今までよりも少し硬い気がして、加工上がりのせいなのかそれとも今回の仕上がりが今までとは違うのか、寝かせてみて様子を見る必要がある気がしています。

夜には、たくさんたまってしまっていた新作生地の撮影を行いました。色柄含めると百種類以上に上ると思うのですが、キャノンのデジカメで撮影です。シャトルで織った生地というのは撮影すると非常にかっこよく絵になります。色無地が多かったのですが、それでも、色華やかな世界が広がっています。
2011年09月14日
今日は、彦根の小学校でミシンの授業のゲストティーチャーということで、社員のものと一緒に手伝いに行きました。小学生の子供たちにとっては最初の授業ということで、ボビンに糸を巻くところからなのですが、今の授業のミシンというのはミシンにミシンの使い方の説明が書いてあるのでそれを読んで、順番に糸を通していけば進んでいきます。

小さな女の子2人男の子2人の4名の班を担当したのですが、女の子の一人がやる気を出してみんなをリードしているのがわかります。他の3人はなかなか自分がやったことのない作業を進めていくというのは難しいようで、その女の子が間に入って冗談交じりに一言二言楽しげに言うと作業が進んでいきます。

失敗しても問題はないのです。というよりも、失敗してみないと何が正しいのかわからないことも多いのです。言われたとおりに言われたことをやるよりも、自分で時間いっぱいいろいろやってみることのほうが大事で、言われたまま正しく1回でできた人というのは何分の1しか経験していないことも多いのです。失敗したときにリカバーできる子供ほど大人になったときに強いかとおもいます。針に糸を通すのも5分掛っても自分ができるということを体験させてあげるのが大事だろうとおもいます。

夜はひこねの組合にお客さまでした。中国から来日されいろいろな組合を回っておられるのですが、中国の方のほうが日本でのビジネスチャンスなども含めて積極的に動かれているのを感じます。

インターテキスタイル上海などでも、インドの方が10社程度は弊社のブースに起こしになられていますので、インドの方がリネンを探しておられるのがよく伝わってきます。将来はインドで展示会をできたらなあとおもっているところに、たまたま、インドでの市場調査の話が入ってきましたので申し込みをいたしました。思っているとチャンスは偶然めぐってきたりするものです。
2011年09月13日
今朝は糸が届きました。字の中は大きなトラックが入りにくいので近くの空き地での受け渡しです。軽トラックに乗って車を走らせるとこれは夏の日差しだなあと思う感があります。季節が1、2ヶ月遅れて動いているような錯覚です。今は、旧盆のころであると聞いています。お月さまをベースにした旧暦のほうでもうまく季節感がつかめるこのごろなのかも知れません。今日は天気がよければ満月でしょうかね。

昨夜は夜まで掛かってリネンハニカムの商品アップしました。長さを測ってみるとどれも2mから5m程度しかなく、まだ、テスト的に作っただけですが、秋冬向けのリネンストール、キッチンクロス、ハンドタオルなどとして活躍しそうです。生機の状態でも色がきれいで、洗い上げるともっと素敵な感じになります。サクラ色だけは、少し色糸に斑が出てしまっていますが、洗い上げるとわからない程度だと思います。その分、今回のサクラ色だけ特別に少しお安くさせていただいています。

ハニカムは、どれもシャトル織機で織っています。リネンのトップ染の糸を使ったタイプなんかもあって、ソリッドな染糸とは違う面白さが出ていると思います。洗い上げると生機幅36cmが32cmくらいになって、ハニカムらしい凹凸感が出てきます。リネンなので少し荒めに織ってあるのと、ハニカムの大きさを小さくしてありますので、普通のしっかりな大柄のハニカムと違って服飾関連での応用範囲が広がると思います。いくつかの色味は広いキバタ127cm幅のものも作ってあります。
2011年09月12日
昨晩は、リネンハニカム生機カラーバージョンの撮影を行いました。ちょっと前にかなり時間をかけて織ったのですが、今のところ各4Mほどしか作っていませんので、販売する段階ではないかとも思ってとっておいたのですが、このまま世の中に出ないのもと思い、ようやく撮影を済ませました。珍しいカラーがたくさんあると思います。

今日は、織機につけたインバーターという機械が最近調子が悪くなっています。原因が不明なのですが、よく考えるとインバーターを付け替えてから2年9ヶ月です。今の電子部品は中身が輸入部品がほとんどですのでコンデンサーの寿命が切れたのかと思います。

昔なら3年で使えなくなる電化製品というのもリコールものだと思いますが、今の時代は産業用部品ですらもが消耗品の組み合わせになってきています。昔、レピア織機に織機メーカーの大型のインバーターをつけたときは7年ほどですべてが寿命でしたが、インバーターもコンパクト化して寿命がさらに短くなってしまっています。

戦後間もないころに作られた松下のラジオが今も聞けても、今のラジオは半年ほど電気を流さないとコンデンサが放電してしまって使えなくなるという問題を持っています。パソコンなんかとくにそうで、しばらく使わないと立ち上がらなくなるものがほとんどで、そのときに初めて品質というものに気がついたりいたします。
2011年09月11日
今日も、日曜日ながら、リネンのチェック柄をつくりました。色あわせが頭で思い描くのと実際に織機で準備のできている縦の色の濃度など、無限の色があると作りやすいのですが、限られた何十色かの色の中で、雰囲気のある色柄に仕上げていくのは難しいなあと思います。

コンピュータで並行して色を出していくのですが、無限の色の中から選べるシュミレーションでは、自分の好みの色付けができても、現実、限られた色を組み合わせる中でものづくりをしていかないといけないのでは、一色の筋の色で何時間も悩むことも多いものです。

ひとつのシリーズで5配色考えていて、途中でよい色柄が違う感じでできてしまうと、バランスをとるために全部の配色を考え直すということも多いものです。昔は、こうやって色柄を出す生み出せるデザイナーさんはたくさんおられたと思うのですが、今は、先染で物を作ること自体が贅沢になりすぎて、デザイナーさん自身も先染の柄を手がけることは少なくなっていると思います。

本麻の100番手の総先染などは良いものであるのはわかっていても、今の世の中からは姿を消しています。たぶん、専門家の方などが言われる、差別化されたよいものづくりの形そのものだと思うのですが、それを一般の生地と同じラインで流そうとすると難しい時代であるのを感じます。
2011年09月10日
今日は、残暑で外の気温が34度までも上がっていました。9月に入ってからは、お店の洋服売り場も秋色になりましたが、この暑さが続くと秋冬物の売れ行きというのが悪くなります。

林与自身もリネンの秋冬物の開発ということで、実は、ここ数日もリネンを毎日着ています。この素材には非常に満足で、通常のリネンとはまったくことなる着心地があって、それを否定するのではなく応用していく方向でいます。

平行しまして、細番手の先染織物も先染らしい色柄での展開を考えています。出展予定をしていおりますジャパンクリエーションんなどでもご覧いただける形にしていきたいと考えております。今回のジャパンクリエーションは、秋冬展となっておりますので、リネンや麻が注目にはなりにくいとは思いませんが、老舗らしいリネンや麻の世界をPRしたいと思っています。

今は円高もあって、日本製というのは日本人にとっても高嶺の花になりつつありますが、製造コストの高い日本国内に生産基盤を残すことでものづくりのぶれることのない独自の方向性が守られるのではないかと思っています。ヨーロッパの人にとっても日本製というのは高嶺の花で、ヨーロッパの人々の手が届くところまで円高も落ち着かないとものを流していくことは難しいだろうなあと思います。
2011年09月09日
林与も普段は地場に根付いたものづくりをしているのですが、製品にする肯定までを地場で行おうとする動きも最近は多いようです。逆から言えば、地産地消という言葉であらわされる概念かもしれません。

林与の場合は、産地でのものづくりをベースに最終的には日本全国の方にお使いいただいていたので、近江上布にしても近江の方に使っていただいていたケースというのはまれだったと思います。滋賀県のお客さんが京都や大阪の呉服店に行って近江上布を買うというのもおかしな話だからです。

伝統とか文化というのは、地域社会のアイデンティティそのものなのかも知れません。地域社会が、それを押す必要など別にないのですが、それが商売としてではなくその地域の主体性を持たせる意味で地域の強みになるのです。たとえ無駄であっても、特色のあるものづくりをしていることが非常に大事ではないかと思うのもその部分で、世間の評価は低いものでも自分自身の中で評価の高いものは作り続けていかないと駄目でしょうし、他の人が作らないものなので、独自の世界がそこに生まれます。
2011年09月08日
布を作るときには、いろいろな制約があったりします。展示会などで目を引くものをつくろうとすれば、その制約をはずしてものをつくればよいのです。デザイナーさんたちはそういうものに目新しさを感じられるかと思います。

でも、そういうのは、学生さんが最初に布をデザインするのと似ています。使うという想定や基本がないので自由にものを作れるのです。コンテストなどが求めている布というのもそういうものがほとんどです。

実際に、お店に並べる商品をつくろうとすれば、別次元でのものづくりになります。織物の基本的な規格から外れないことが大事になってくるのです。林与には、基本的にしっかりとした規格があるので、実際にはその規格から大きく外れなければ、産地でものづくりをして過去に何十年もの販売実績のある布ですので、洋服にしたときに安心というのは一般の品質検査よりも安心してお勧めができる商品です。

人目を引くための布だけなら、どのように作るかは承知をしているのですが、実際にそういう布を探されている方が使われた後で困られることのないよいうにしっかりと規格を守るのが大事なところなのです。規格から外れるようなものを求められて、それに対応をできるブランドさんだと大丈夫なのですが、外れたものをつくるとそれに対応できるだけのブランドさんの企画の方のものづくりの力量が求められることになります。
2011年09月07日
今日も秋らしい空気が澄んだ一日で、田んぼの稲がゴールドの稲穂を垂れています。お米って本当に贅沢な食べ物だなあと思うのは、稲も草の部分はたっぷりでも、食べられるお米は先のほうに少しだけしかならないというところです。日本が、それを主食にしているのも不思議だなあと思います。しかも、田植、稲刈はもちろんですが、半年以上も、準備に手をかけて、水、肥料、雑草、などの管理もあり、面倒がってはできない仕事なのです。

そういうところがあったからこそ、工業製品においても日本人らしいものづくりができたのではないかと思います。農業も近代化すると、作っているものに価値を求めるというよりも、ビジネスとして成り立つかどうかの話になって、それを大事に守るべきものなのかどうかなどわからなくなってしまいます。

今日は、夜に先日、導入しました大判プリンタを試運転してみました。何が正しいのかもわからないままに何とか、大きなポスターサイズで写真が印刷できたのは、大きさが大きいというだけで感激ものです。この大判のプリンタも、色の表現性という意味では実物に近くするためにインクも8色使います。インクを8色交換するだけで5万円くらいになるのでランニングコストの面を考えると非常に贅沢な話です。このプリンタは布用ではありませんが、インクジェットでの生地への印刷というのが高コストなのがよくわかります。

また、これが壊れると修理の人に来てもらうのが高そうで壊さないように使わないといけないなあと思いつつも、手を加えて布に印刷したりしてみようかとも思っています。顔料インクなのでにじみにくくて、そのまま洗濯もできそうで、本番は難しくても色柄を試作するのにはよい気がしています。
2011年09月06日
今日は、東京からyourwearの佐藤さんが起こしくださいました。下着用に使う生地を探しにこられて、伸び縮みの少ない布帛でどこまでのものがつくれるのか、縫製工場さんとも相談をさせてもらって進行を始めています。

途中、縫製工場さんに行く途中で、琵琶湖を眺めに行きました。この前は、台風の中、修羅場のような琵琶湖でしたので、今日の琵琶湖はウィンドサーフィンなどする人もたくさんおられ、シーズンオフに入ったもののリゾート情緒がありました。

景色を眺めていると、滋賀県というのは本当に山に囲まれているのを感じます。西には琵琶湖の反対側の山が見えて、北にも山が見えて、東にも山が見えてで、四方をぐるっと山に囲まれているのが、今日の空気の透き通った秋晴れのおかげで確認できました。

夜には出荷で彦根に行きました。ばたばたしていまして、出荷のドライバー控えの紙を印刷するのを忘れてて、コンピュータ化されすぎていてひとつ手つづきを失敗すると修正が非常に困難だったりで、出荷ひとつもコンピュータに管理されている気分です。
2011年09月05日
今日は、午後からファンドの審査がありますので午前中は資料作成を行っておりました。8分ほどのプレゼンなのですが、語ろうとするとどうしても8分では背景などを深く語ることは難しいなあと思います。

新しい商品をつくり、具体的にそれで産業を発展させるというのがファンドの主旨なのですが、今の時代に、新しい商品を作ったからといってそれで食べていけることは難しいというのは当たり前のところになっています。新しい商品というのは消耗品に過ぎずブームとして1とか2年で飽きられてしまうものではないかと思います。

以前、ある方とお話したときに、国の補助金事業などでも、新しい商品のものづくりを支援しても、実際「売れるもの」というのは本当に少ないということで、おっしゃられているそのあたりの意味はよくわかるのです。それは、普段から当たり前に新しい商品をものづくりしているのですがそれってそれほど目新しいことではないのです。

普段から、面白いとか売れるだろうなあと思って、10個ものをつくっても、結局、売れるものというのは、そのうち1つとか二つなのです。しかも、大事なのは、売れるものでも売れ続けることはないというところで、結局、良し悪しの価値判断の基準が売れる売れないというところになると軒並みなものづくりに終わってしまいます。

林与もやりたいことがあって、たまたまファンドを活用させていただくという形が望ましいのかなあと思うので、3年も使うので、自分のやりたいことをしっかりとやりきるというのが一番大事だろうなあと思っています。ビンテージアイリッシュリネン140番手が織れただけでなく、この2年の取り組みで、従来、麻業界でも難しいといわれていた100番手、120番手を超える総先染のリネン織物を量産レベルと織こなせるようになったことはオンリーワン的な位置づけではないでしょうか。

単なるひとつの商品の開発に終わらず、リネン業界を変えるような技術の進歩を遂げたことは今回のプロジェクトの大きな成果だと思っています。
2011年09月02日
今日は朝から、ファンドの3年目の審査のためのパワーポイントを作りました。撮影した写真などをデジカメなどから探してなんとか10時頃に提出が完了です。写真をたくさん使ったプレゼン資料になっています。このプロジェクトも最初は織れるかどうかわからないところからスタートして無事に布もハンカチも出来上がり、林与の人生の中でも一つのメモリアル的なプロジェクトになりました。日本だけでなく、ヨーロッパでも文化として途絶えてしまった価値観の世界を、林与が求め続けられるのは何か大きなご縁に支えられていて不思議に思います。

ただ、珍しいものを作るだけだと皆さんにご評価いただく機会が少ないと思い、いろいろな展示会を通じて多くの方に見ていただく機会を求めました。同時に情報収集も行いました。200番手から300番手クラスの手織のものだと思われるリネンも拝見させていただき、それが、リネン1000番手を目指すような林与のライフワークとなるであろう「幻のリネン」プロジェクトの発足につながりました。北アイルランドの紡績産業の幕を閉じたといわれるハードマンズ社のサイオンミル。皆さんからもいろいろな情報をいただき、残念ではありますが北アイルランドでのリネン紡績というのは、とっくの昔に消えてしまったという結論にあります。

問屋さんやアパレルさんまではその情報が伝わっていないことが多かったりと、さらに、百貨店のバイヤーさんや消費者の方が正しい情報を得られることは、林与のホームページを通じて以外にはなかろうかと思います。私自身にとっても、最高峰というアイリッシュリネンの価値観だけが一人歩きしてしまっていて、実際のアイリッシュリネンの世界が何なのかというのを経験できる貴重なプロジェクトになりました。

アイリッシュリネンが消え去った背景には、織物業界に革新織機と呼ばれるレピア織機の登場が大きく影響していると思います。生産性の高いレピア織機で織れるものほど需要が高くなり、レピア織機で問題なく織れない糸というのは、より細くよい糸でも価値がないと判断されるような時代になったのです。これというのは手織りの時代には、細い細い糸があったのに、力織機の時代になってからは糸というものが量産のものになって扱う糸も太くなり均一性などが極端に落ちたのと似ています。

今日は、台風が近づいてきているということで雨と風がきついです。電柱などが根元から折れてしまっているような箇所もあったりで、丈夫に見えるものでも脆いのだなあと感じます。以前は風で電柱が折れることが少なかったように思うのですが、最近はいろいろなところで見かけるのも以前以上に価格的な問題で中身が脆く作らるようになってしまったのではないでしょうか。
2011年09月01日
今日から9月ということで秋モードです。夏の日差しの強さが懐かしく思うほどで、季節というものが移り変わっているのを感じます。今日は午前中に琵琶湖の反対側にプリンタを取りにいきました。生地幅までプリントが出来るということでデータ作りや試作を自分のところでして本番を捺染工場に依頼するような形ができないかと考えています。近江上布柄の復活を目指しています。

会社に戻った昼過ぎには、糸ビーカーが染まり上がってきて、予定通りに物事が進むと助かります。早速、ビーカー確認のための手配を行って、仕事を前に前にと進めていきます。まだ、来年の春は遠いように思いますが、そろそろ作り始めないと11月から2月というのはキャパオーバーで限られたキャパの取り合いになりものづくりが出来なくなるのです。

リネン120番手のカラーシャンブレーシリーズがきれいに上がってきましたので、試作品つくりのために長浜のDENさんに生地を持っていきました。シャンブレーというのは玉虫効果が出て、普通の後染めと比べると上品に見えるのですが、糸の斑が見えてしまうので悲惨な結果に終わることも多いのと細番手は織段が目立つので心配をしていたところです。次は贅沢に、リネン140番手のカラーシャンブレーシリーズをハンカチ用に考えています。
今、リネン140番手のピンストライプも織っていますが非常に良い感じの仕上がりで、これも、リネンハンカチのコレクション向けです。

家に戻ると北海道から送られてきたタラコが届いていました。「多良の子 まごころ500」というものなのですが、おいしくてご飯が進みました。これも、北海道虎杖浜の特産品ということで協同組合の認証が貼ってあり、地場産品として作られているもので、スーパーのタラコとは別格であるのを実感できます。
2011年08月31日
一番暑い時期が過ぎて、もうそろそろ秋かなあと思いながらも、夕方でも彦根にある温度計は29度を示していました。今年は予想以上には暑くはならなかったみたいですが、それでも節電をしたことで、十分と暑い夏になったのではないかと思います。8月の後半は夕立が多かったのも印象的でした。暑くなりすぎると自然の力で雨が降り、冷まされる。昔の夏らしい夏が戻ってきたような気分です。夏というのは、織物の仕事というのは本来一番暇な時期なのですが、いろいろな方との通年素材や来期に向けてのものづくりの話でゆっくりとは出来ない毎日が続きました。

春からずっと道に生える苧を眺めていると、自然って人間が手を加えなければ戻ってくるものだなあと思うのです。赤苧にしろ青苧にしろ、普通に自分で生えて、肥料もなくても、雨、風に耐えて夏の終わりまでしっかりと成長しているのです。車で20分ほどのところに安土山があり、織田信長の居城であった安土城跡というのがあるのですが、それほど有名なものであっても天守閣跡地というのは、「夏草や兵どもが夢の跡」です。また、林与はそんな自然なありのままの形が好きで、手を加えて観光地化するのは人の欲ではないかと思います。逆に、そのままに放っておいたことの偉大さというのを感じます。それはそれで、形じゃない精神的なものを大事にしてきた気がしてなりません。それはそのまま残しておいてほしい気がします。
2011年08月30日
今日は朝からお客様で新しいものづくりのための企画などを進行中で、四国の会社の方なのですが弊社までお越しくださいました。お話なんかしていても今の日本の織物業界というのは昔と比べると無理な部分でのものづくりが当たり前になってしまっていて、それが普通にできていると思われて高く評価されないのでだめなんだろうと思います。

お客様とも綿麻ではできても、麻100%では難しい問題の話をしていたのですが、そういう違いというのはなかなか理解してもらえないものです。そのために糸から織るのに手配をしていかないとならないようなケースも増えてはいます。

あと興味深いお話だったのがブランド化についてのところで、ブランド化していくためには、厳しい壁みたいな制約を設けることが、ブランドの価値を高めるのには大事だということらしいです。聞いただけでよいものだと思ってもらえるようなものでないと、ブランド化しても普通との違いを打ち出すのは難しいのだと思います。

今日、お越しいただいたお客様は家は田んぼをされているそうで、今、刈り取り前に近づいてきた稲穂を眺められながら、仕事とは違う部分での人生のスタイルのようなものもお聞きしまして、人の良さというのが伝わってまいります。守らないといけない世界みたいなものを持っておられるところがあり、そういうのが仕事にも出てきてよいものができるのではないかと思うのです。

夜7時ころに車で走っていても外の温度は30度、まだまだ残暑が続いていますね。でも、工場の外で鬼ヤンマが飛んでいるのを見ました。秋だなあと思ったのと、10年以上も見かけたことのない鬼ヤンマがまだ残っているのにびっくりもしました。季節のある国ほど服飾文化が栄える傾向にあると思います。着るものが大事というのは、人の体を外の冷たさ暑さから守ってくれるという本当に基本的なありがたみに対する価値観から生まれてくるのだということで、季節感を消すのではなく、そういう部分を評価していくことが自然ではないかと思うのです。
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