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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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2021年12月16日
やっぱり今年ももうすぐ雪が降るのかなあという感じの寒さ。雪が降るということは悪いことばかりでもなく、雪や寒さ対策のために必要なものがでてくるので、ある意味、イベントがあるのと同じ効果が起こっているようなところもある。どんどんと温暖化は進んでいるの感じがするのが雪が降らなくなったことから感じるが、昔のように雪が降るということは温暖化が進行していないということで地球にとっては良いことなのだ、と捉えることもできる。

近江湖東地域も、30年ほど前までは冬は雪に包まれたのが普通。寒いだけでなく、子供のころは剣道をしていたので、雪の降る中剣道の練習に通って、夜の体育館で練習していた。剣道少年たちは今もそんな感じだろうから、いくら大人が寒いといっても温かく着こんで寒いと言っているのだから、子供たちには敵わないなあと思う。小学1年生とかが、寒空の中、毎朝学校まで歩いていくのも、車でしか移動しない私からすると、子どもは大変だなあ、と思う。学校の授業にしても覚えないといけないことが多いし、大人になると覚えることも必要なくなって紙に書けば良くそれを必要な時に確認すればよいだけになる。人というのはどんどんと楽を求めることでだんだんとできなくなってゆくんだろうと思う。

今日は、夕方に染工場の方が糸を持ってきてくださって、時期も時期だけにかなり仕事が増えて来たそうで良い話ではある。アパレル業界もこの2年沈み切ってはいたけどももどりそうな兆候だろうか。戻るとしても、違う形で、ベーシックなところから戻るんだろうなあと思う。コロナ前も、高級アパレルは海外の爆買いみたいな需要だったが、まだ外国人観光客が日本に入ってこれるような状況でもないし、東京都の地価にしても東京オリンピックも終わった。高級アパレル向けの素材への需要が戻るのはまだ先の話だろう。

本来だと2年も完全にお手上げだと企業というものは人を抱えているのでつぶれてしまうのだけど、コロナ禍においては雇用調整給付金というものがあることで繊維業界を含むの多くの雇用が守られて来た。雇用調整給付金はまだ続いているようではあるけども、それがなくなった時には1年を通じての仕事がコロナ以前に戻っていないと、多くの雇用が支えられなくなり労働集約型の繊維産業というのは本当の不況を経験することになる。コロナ前にすでに大手のアパレルもリストラを行ってきた、店舗の閉鎖なども伴っているので、一つのブランドの規模というのは半分になったところも珍しくはない。

展示会などもウェブ形式が増えてきて最近届いた展示会の案内もウェブ形式の展示会。日本でのコロナは落ち着いているけども、世界ベースではヨーロッパ、アメリカ、アフリカは、危険な状況である。武漢のコロナのときにすでに分かっていたコロナの危険性のようなものが、半年とか1年とか立ってから、マスクは必要だとか、コロナは空気感染だとか、対策が行われる。日本でも2年前の2月にヨーロッパの展示会から戻って来た方からのコロナ感染が初期の日本人のコロナ感染の一つだった。国際的な交流の場が大きな拡散の場になってしまった。
2021年12月12日
夜に家に帰る途中で、スマフォでチェックが必要が案件があって、道路わきに車を止めてスマフォを見ているとパトカーが通って年末警戒のチェックを受ける。ちゃんとそういう車をチェックしているあたりが仕事されているのだなあと好感である。2週間ほど前に低圧電力の怪しい業者が来たときに警察に来てもらったときに対応いただいた方で覚えてもいてくださって、私もお顔を覚えていた。

仕事を仕事として形だけやっているのではなくてちゃんと業務として見逃すこともなくチェックするということは大事なことだろうと思う。逆にそういう警察の方がおられると安心ができ、自分も消防などで自警団的なことをやってきたので、本職の人たちがそういうことがしっかりと確認作業などできないと変な業者なんかがはびこったりして駄目だろうと思うのである。

田舎でも関係もなくかかわりたくもないのだけども、セールスとか、営利目的で一方的にかかわろうとしてくる怪しい業者も多い。以前も電気契約で、口で言うのは1割安いとかでも、契約内容を確認すると逆に高いとか、そういうことをやりながら大々的にセールスやって、消費者を騙して利ザヤを稼いでいる業者のほうが多かったりもして、騙してなんぼの世界がそこにある。まあ、携帯電話の契約なんかも安くなるとばかりで、勧誘時には、小さな読めないような字で違約金のことを書いていたり、契約を担当している人間も契約内容がはっきりと分からないような複雑な契約だったりと、まともな総務省が認可していたとしてもまともな業者は少ないものである。契約自体の中でいろんなことがぶつかっていたりして、そういう点があったりするのを指摘しても、これはこちらが適用されますとか文面で判断できず、文面に落とし込んでいる意味すらもない。あとあと集団で消費者が問題提起しないとあやふやなのを利用して利益をあげるみたいなのがはびこりすぎて、そういう怪しい業者には関わらないほうがよいのであってシャットアウトできるように警察とかには指導をしてもらいたいなあと思う。父親なんかも高齢になったときには、あやしいセールスとかに対しての免疫がなく、私だったら絶対に関わらないようなセールスマンとおだてられて楽しそうに話をして契約しそうになってたりと、法律などにも詳しくない高齢者にセールスマンとかが近寄らないことが一番大事なことだったりする。

先日もスタッフと話をしていて、今の若い人というのはマルチビジネスとか新興宗教の勧誘とかそういうのに案外耐性があったりするけども、高齢の人というのはお得な話に弱かったりして、人の言葉を信じて自分で考えずに、あとで何とかなると思って契約してしまったりも多い。自分で出来ない人がそういう業者と関係してしまって首を突っ込んじゃうと周りがそういう業者に正しく対応させて解決しないといけないことも多い。今は政府も同じような手口で、欲で釣ってものごとをやらせて後で約束破りしてみたいなのが多く、悪徳商法も政府も同じレベル。小さな欲にそそのかされ大きな欲の罠にはまらないように関わらないほうがましなことは多い。
2021年12月12日
繊維の日のイベントであって3分ほどのプレゼンの後半で、自分のSDGSに対する考えみたいなものを述べた。サステイナブルとかいいながらも、昔ながらの日本の繊維業界というのは世界的に見ても本物志向で高いレベルの繊維製品が着物の世界で作られて来た。その価値がちゃんと評価されて多くの人々が繊維業界に携わっていた。特に、天然繊維100%のシルク、麻、綿の世界では、日本中にいろんな産地があって高品位な特色のあるものを作って来た。

それってSDGSの理想形そのものじゃないのかと思ったりする。でも、今の日本の繊維の現状では伝統的な流れをくむ繊維産業ほど食べていくのが難しいという状況があったりして、SDGSを叫びながらもSDGSの方向性というのは既存の理想的なものには目を向けずに、また新しいモノ探ししているだけのような気もする。

代々に渡って何十年も続いている繊維企業が多いのも日本で、まさにサステイナブルな状況があったりもしたのだけども、流行りのように飛びつきのSDGSではたぶん長続きもしないだろう。100%の天然繊維に再生ポリエステルを混ぜて、オーガニックなんて消費者騙しそのもので、オーガニックの概念どころか、繊維業界の価値感すらも台無しにしてしまう。複合的なものをやってこられた人たちが多いのも事実だけども、天然繊維とかにこだわっているところからすれば、そういうのはあってもよいけども、概念をごちゃまぜにするこだわりのなさは繊維のプロの世界でもない、売れれば良いみたいな気質のないものを感じたりする。既存の繊維業界にいるものからすれば、ほんとプラスチックな感覚のSDGSなんだわなあと思う。

ペットボトルをなくすために昔のコーラの瓶の世界にもどるみたいな覚悟のほうが、理想的ではないのかと思ったりもする。そこまで面倒な世界には戻りたくないというが、繊維に混ぜて服を作ってしまうと、それは捨てることも難しいややっこしい繊維製品になる。販売業者が衣服を捨てる場合も、天然繊維は一般廃棄物だけども、ナイロンやポリエステルは一般廃棄物ではなく産業廃棄物だったりする。ナイロンやポリエステルは処理が難しくなるややこしい側面をもっているので、そんなのは敢えて天然繊維に混ぜないほうがよいのである。SDGSで新たにつくった再生ポリエステルを混ぜた生地や服が、処理がややこしい生地や服なのである。あかんやんという話。混率によっては一般廃棄物扱いだったりもするけども根本的な処理がややこしくなる本質を持っている地球環境との兼ね合いの部分は避けられない。私自身は無理して混ぜてSDGSは、出来上がった繊維や服を考えると、SDGS意識で混ぜてしまうより、天然繊維100%のほうが地球環境に明らかに良いと思う。

本来SDGSの世界からすれば理想的であるはずの日本の繊維業界のモノづくりが日本国内で難しいという根本的な問題が、地道に長く続いているような日本の繊維産業が、SDGSの目から見向きもされないとかおかしな話だなあと思う。SDGSが世界的に脚光を浴びる中で、本当に理想的な繊維のものづくりには目は向かないのかなあと思う。地道にやっているものごとが儲からないから駄目だとか、新しいものに置き換えたいとかそういう願望ばかりに飛びついていて、地道に長く続いているものごとには目が向かずにサステイナブルはないだろうなあと。合成繊維にしても意図的に天然繊維を混ぜるよりも合成繊維100%が案外後の処分なども簡単でよいんじゃないですか?

オーガニックリネンでなくても、普通のリネンでも長く使えるようなものづくりがエコな精神でエコの実践だと思う。買い替えを促すようなのはエコの精神に反することも多いし、利権が絡んでいたりして気持ちの悪いエコとかサステイナブル。衣服というのは寒さから身を守るとか、誰もが高級なものを買えるわけでもないし、安い手の届く範囲の服が合成繊維であってもその人を寒さとかから守るならその人にとっては大切で必要なもの。たとえば、日本ではコロナの初期からみんながマスクをつけた。マスクが手に入らなければ親が手作りした。厚生労働省や学者たちはマスク有害論まで流しソーシャルディスタンス論で、当初マスクすら国民に用意する気もなかった。用意したと思ったら国民を欺いて税金を中抜くのが本業。自分が自分で価値観を持って対応してゆくことが本当に大事。サステイナブルの精神にもつながる。
2021年12月11日
エシカルなことを食い物にしてしまう繊維業界、そういうのが繊維業界の一番アカンところ。今もエシカルを謳いながら自分が損を覚悟なくやってる連中が多い繊維業界、エシカルなことやるときに損はつきもので、普段の商売でその損を埋めるのが普通だろうと思う。私もオーガニックリネンをやったときには、糸2トンちょっとで田舎だと新築の家が買えるくらいの金額を払ってやった、オーガニックなんてほんとうに見えない世界で、普通の糸を化かすことなんて世界認証でも簡単なことだけど、結局は誰から買うかが大事で本物なのかというのが結論。世界的な認証があっても世界的な認証機関がBTコットンかどうかが判別できないで、判別できないから偽物ではないというような表明では認証機関そのものが消費者騙しの担いでしまっている可能性も高かったりする。オーガニックの種の入手に関してはもはや努力目標程度なので、BTコットンの可能性も高くなってしまっているが実情だろう。インドでの偽装問題なども発覚して生産が制限されているということもあるが、そういう現地での大規模な偽装問題の情報は日本国内にはあまり入ってこない。

オーガニックリネンは高くて難しいといわれるけども、それでもやっているところに意味があると思っている。そこは無理してでも続けて他でなんとか成り立たせる。たとえば、オーガニックをやろうという人でも10万、100万円を現金で覚悟して払える人が日本にどれほどいるのかの問題で、何種類かあわせると常に数トンくらいの糸を持つことで支えている。数トンのオーガニックリネンを使用するというのは世界規模でもなん十パーセントのオーガニックリネンの糸を使うことになる。大手SPAの儲け主義のオーガニックは逃げるばかりで本当にオーガニックなのかとなったときに一番怪しい逃げ型をしてしまうそれが本当に残念過ぎる大手SPAのオーガニックとかエシカルで、何億どころか何十億の利益。普通のビジネス的な金儲けで犠牲もしていなくエシカルでもない金儲け。損だけ儲かるなら利益吐き出してやってるひとたちに回してあげたらよいのに、消費者を食い物にしてやってる人たちを食い物にしてでは一番駄目な普通のビジネス感覚でエシカルを食い物。実際にやってる人たちというのはできることというのは限られているのだし現実的だけどそういうのに便乗して儲けようとする人たちが多すぎて、自分たちが実際にやっている人たちと同じ世界を共有できるかどうかが大事だろう。共有する気もさらさらないなら階級社会的な考え方で、それそのものがエシカルな世界では褒められたものではない。

オーガニックが認証機関が作り上げた偽物だったら認証機関に買いとらせるくらいが、オーガニックとかエシカルの概念だと思うけど、繊維業界では昔から謳いほど怪しいものはなかったりする。だからそういう認証じゃなくて、どこのお店とかどこの誰から買うが繊維業界では一番大事な要素だった。京都の最高級の高い呉服問屋さんが国産の手織りの麻生地を発注したときに1000mとかでないと生産できないといわれたとか、それはもろ海外産の手織りで、京都の最高級の呉服問屋さんですらも偽物の国産かあるいは機械織のものが手織りに化けていると疑われる。京都の最高級の呉服問屋さんのお客さんは化かされたものを国産の手織物として高く買ってしまう悲劇。他産地産を地場産品にブランドつけて化かして売るのが何十年のベテランたちの手口になってしまって、仕事が面倒くさいとかやめておいたほうが良いレベル。

海外産の100円200円のものを1000円の化かして売るのが地場産品では、100円ショップの正直な海外産のほうが商売としてはまだましな気がする、百貨店で売られている生地売り場の生地でも業界では有名な中国生地を輸入して国内で売る業者さんの生地がすべて国産という謳いで売られていたりする。中国生機だったりして百貨店でもそのレベル。百貨店店頭の生地価格が1m1000円程度なのだからからくりがないとすべて国産じゃあ無理な世界。それが今の日本の繊維業界ではなぜか謳いが独り歩きしたりする。普通に働いて普通に食べてゆく難しいのが今の日本の繊維業界で、消費者を騙すような要素を入れないと食べていけなのが難しいところ。大きくやっているところでもやっていくのが難しい要素があるからだろうと思うが、モラルハザードみたいなものはやはり必要だろうと思う。産地でも織物自体がつくるのが難しくなってきていてだから麻の本場の産地の産地産として林与も残っていられるんだろうとはおもうけど、新規の相談なんかでまったく無理な話とかになってくると、他でつくられている麻業者さんを紹介したりもすることも多い。

林与の布を使っていると信じているアパレルさんが前年に使った生地が、私が知ってるだけでもここ20年くらいはその柄は作った覚えもなし、なぜか林与がほとんど使わない80番手使いの話で、林与に100番手物のサンプルは残っているので、問屋の担当が林与のサンプルを使って他で作って産地のガチ物として商売していたんだろうけど、問屋などが怪しいと本当にだれが作っているかもわからない布を消費差が謳い信じて買ってたりすることは多い。モラルのない問屋さんが林与が貸したサンプルを見せて、他で作って林与の生地だとやってしまってたんだろうなあと思う。

前にも書いたことがあるけども、林与の生地の特徴はなんですかと聞かれて、産地で麻織物を自分で織り続けていることかなあというあたりを話すと、ポカーンとされる。期待される答えというのは、どこどこの糸を使っていますとかだろう。そういうのってそれほど大したことじゃないのだがと思うレベル。アイリッシュリネンはありませんかで、正しい知識で今入手できるものはもうありませんとちゃんと答えられる業者さんってどれほどあるだろうか。北アイルランドでの紡績の謳いを利用して高価なイメージを独り歩きさせ消費者を騙すような行為は消費者騙しそのもので、正しい知識というものをリネン生地を販売する業者も持つべきだろうと思うが、イメージだけが独り歩きして現実をしらない業者さんも多い。

情報というのは正しいところから得ないと間違った情報が独り歩きすることになる。林与と関係している麻関係の糸商さんというのは日本の麻業界をつくりあげてきた方たちなので、糸を売り買いするだけでなく糸に関する知識もあって正しい情報を私には提供してくれ、麻糸の情報に関してはどこも同じような業界的な共通認識があって、売りたいばかりの無茶な謳いはしない。ラベル的な部分よりも実なところが大事だと思う。箱を入れ替えれば、説明で嘘をつけば偽装なんてなんぼでもできるから自分自身が信頼できる糸の知識をもった人から糸を買うのが一番大事だと思っている。

他の誰かに便乗して仕事している人というのは価値基準がない感じがして、自分自身は工場ももって糸なんかも抱えて織機も動かして在庫も持って、構えて実態をもつことで構えないタイプの人たちとは違う仕事に対する価値観など持っていたいなあと思う。日本の繊維業界自体が偽装をしていかないと生きて行けないような奴隷制度的な中にいるような気がしてならない。現場の限界的な現実をしらないで国が国民を奴隷のごとくにSDGSとかで無理なことを強いるとまた裏では偽装が起こるだけのこと。そういう無理を国民に強いるような奴隷社会を思わせるような役人的な階級社会構造をなくさないと。汚染土をお金を掛けて情報非公開に全国にばらまくという国なんて日本以外にはありえないだろうと思うが、行政都合のエシカルとかエコを国民に強いるが、エシカルとかエコの意識のまったくのなさは日本の行政自身の特徴で、それは駄目な階級社会や奴隷制度の感覚で一番駄目な方向のひとつ。
2021年12月10日
ラベルをつくるのにラベル用紙を新品での販売価格が1万円くらいだった白黒の安いレーザープリンターに投入しても紙詰まりの連発、中古で3万円で買った新品価格がそれなりに高額の業務用のカラー複合機に投入するとなんの問題もなく綺麗に印刷されて終わる。仕事で時間も限られているときに、その差というのは大きいなあと思う。

白黒のレーザープリンターの良いところは小型であるところで、それはそれで気軽に使えるので気に入っている。白黒のレーザープリンターが紙詰まり起こしたラベル用紙は、くしゃくしゃなところあったりするけども、それをカラー複合機に投入して印刷するとなぜかラベル用紙がまっすぐにきれいになって出てくる。

クリエイターにとって自分の思い通りの表現を可能にするために堅牢な道具というのは大事だろうと思う。堅牢な道具というのは案外できることが限られているので安いインクジェットプリンターでできるフチなし印刷ができなかったりする。それを可能にするためには、フチなし印刷用のインクジェットプリンターを持っている必要もある。

外注してつくるよりも、ものづくりをしているものなら自分でPOPやラベルなんかもつくるほうが良いんじゃないかと思う。アーティストとかクリエイターとかは、手作りという基本があってよいんじゃないか、手づくりが恥ずかしくなったら、まあ、いわゆる業者的なものづくりになってしまう。林与は今でも自分の名刺は自分でプリントアウトしたのを使っている。

自分が名刺をプリントアウトするときにも、用紙はどんなものがよいとか、どんなプリンターがよいとか、いろいろとチョイスを考えたりするもので、そういうところに時間を使ったりもすることも、本当のプロには及ばないかもしれないが自分が作ったという点を考えると、そういうところがデザインを形にしてゆく出発点だろうと考えている。プリンターだけでもよく使うのだけでも4種類くらいは使い分けていて4種類あることが役立っている。

会議資料程度だと染料のインクジェットプリンターでも問題ないけども、長時間使われる想定や品質表示などのラベルなんかをつくるときは、染料のインクジェットプリンターでつくるのはあまりよくない結果となることが多い、色あせしたり水に弱かったり。顔料系のインクジェットプリンターか、レーザープリンターでつくる。プロ用の道具はもってはいないけども、裁断機や穴あけパンチでそれなりに形に仕上げるのもものづくりの一部だろうと思う。

本業の麻布つくりでも、自分の選択の上で材料の糸、染、加工など選んで、最後の布の仕上がりなども自分で林与の布としての良し悪し判断しているのですが、本業のものづくりのスタイルがプリンターの使い方にも出てしまっているなあと思います。今、布つくりの方でも染色や加工で、また更なる面白いことができないかなあと思っていたりします。
2021年12月09日
先日、繊維の機械関連のある方と話をしていて今年のほうが繊維業界は状況が悪いという話をしておられた。GDPも3.7%ダウンという数値をネットでみた。この状況だと普通はいろいろな試行錯誤があって成り立つ道を見つけていかないといけないのだけども、何もしないという選択を国は国民に与えているあたり、雇用調整給付金を配るのはよいけども、仕事で試行錯誤する一番のチャンスではないのかと思うが働かせないというのを当たり前に選んでしまうあたりが、国の役人的な苦労して働いていない人の考え方だろうと思う。給付してもっとがんばって働きましょうくらいでないと本来はプラスには働かないだろう。

話のなかで、アパレルはやはり厳しすぎるような状況で服地向けの需要というのはコロナ前の何分の1に落ち込んでいる。特に百貨店ブランド向けの高級ゾーンの回復は難しいのではないだろうか。コロナ禍で問屋さん関係は廃業による整理が続いるが、しかたないところもあるだろう。一般の消費者よりもものを買えない問屋さんが多すぎるから。自分がリスク持ちたくない人の企画というのは怖いし、やらないほうがまし。リスク持ちたくない問屋さんが多くなりすぎた。大手の生地問屋にしても本当に買うか買わないか分からないレベルで作らせて引き取りがないと機屋が資金援助しないといけないレベル。

問屋さんが10万円20万円の覚悟もなければ生地を企画するなんて無理な話で、アパレルが問屋にタダで宿題を与えてやらせるみたいなのをやめないと駄目だろうと思う。アパレルと問屋でも盛り上がってもそれを実際に形にするところが、それを援助するがごとくに持ち出して動くでは、まったく成り立たない話で、一番困るのはやり方をしていしてくるのは良いけども、そういう自分たちに都合の良いやり方で、あとで問題が起こると助けてほしいのパターン。最初にいろいろとテストしておかないとそんな素人が机上で企画してもうまく行くほうが難しい。失敗したものを売れるように途中から戻すには最初からやるよりも苦労する話。自分が企画まで指図して上がったものに駄目出ししてくるようなアパレルや問屋さんは駄目すぎるのだが、そういうレベルが今の繊維業界では多くなりすぎた。

私が問屋やアパレルやってたら普通に自分が生地を企画して新規の企画を1回でまともにものができあがるほうが奇跡に近かったりするから、それをどう料理するかも問屋やアパレルの実力だろうと思う。たとえば、林与の企画した生地を触ると問題が起こることも多い、問屋の社長に、スリップしてもよいから打ち込みを減らして樹脂も打たずに柔らかくしてほしいとかで、本当にスリップしてもよいんですよねでやったら、やっぱりスリップして縫い目滑脱、そういう背景を知らないあたらしい問屋の社員に、スリップして困ってる検査もとってないのかどうしてくれるみたいに言われたり。当たり前に検査取っても検査通りませんよ。スリップしてもよいからの仕様に問屋さんが無理としたのだから。素人的な売れればよいというのものづくりに振り回される。別にそういう問題も問屋さんが吸収出来ればよいのだけども、問題が起こると忠告もした側が悪いみたいな話をアパレルさんとやってしまっているのだろう。素人レベルでは生地の企画は難しい。

自分が生地規格などを指定したら上がった生地が全没であろうが受け入れることが大事でそれが生地企画の難しさ。自分が企画してまだ機屋や加工工場が救ってくれると思ってるくらいなら生地企画はそんなに甘くない。出来上がったものを救うのは本当に最初からつくるよりも難しい話が多い。あとでなんとかなるでやってしまっていると、あとでどうしようもない問題になることが多い。
2021年12月08日
今日はスタッフの女の子が工場の朝の寒さにダウン気味、私のやっていた事務所でのキッチンクロスの縫製作業を交代する。まだ雪も降ってなくて10度あたりだけども寒いところでの生活経験が今まで少ないので、気温に対する体温の調整などがなかなか難しいのだろう。これからさらに寒くなると厳しいだろう。私自身はキッチンクロスのケアラベルをつくったりの作業があるのでそれを行うが絵表示を組み合わせたり結構な時間が掛かる。

最近は、私も温かい恰好にモードチェンジで、裏気ボアのフリース2枚重ね着と裏気ボアのスウェットパンツの上に裏気ボアのカーゴパンツ。寒さは感じないくらいに完璧。暖房に慣れていないというのもあって体温調整もしやすいのだろうと思う。私が現場の夜を担当することも多いので私自身は寒さには慣れているといえる。寒さに慣れていると、寒さを気にせずにすぐに動けるけども寒さを気にしていると動くのも辛いだろう。

麻織物というのは雪に包まれたような冬の寒い時が織りやすいのである。滋賀県の豊国村というのは100年くらい前までは冬場は雪に閉ざされてしまってみたいな地域で、新潟などの豪雪地帯と被りそういう地域が麻織物を織りやすい地域なのである。夏場に蒸し暑いということも利点かもしれないが、夏場は案外おりにくいのである。昔は夏場は田んぼで冬とか夜中の仕事が麻織物。

子供のころに雪の中で自分の背丈ほどもある大きなつららが工場の屋根のフチに何本もぶら下がっていた。そんな中で1日中遊んでいたことや、小さなころから暑い中寒い中剣道をやっていたことで、温暖化した今の状況くらいはなんともない耐性があるんだろうけども普通は耐えられないわなあ。と一般的には思うが、仕事の負荷に耐えられるのもそういう耐性をもっているからで、織物というのは寒い地域ほど世界的に見ても高度な織物文化が育まれてきた。過ごしやすい南国ほど織物はあまり発達しなかったというあたりも興味深い。エアコンの普及で、自然の寒さを経験することも少なくなり、織物は発達しない方向に動いてゆくのだろう。
2021年12月07日
ものづくりに試行錯誤はつきものだけども、人生や仕事も壁に当たったときには試行錯誤は必要だろうと思う。壁にぶつかってあきらめるのかどうかというあたり、成すがままにほっておくと時間が経つだけでそのままのことがほとんど。よい結果を望むなら、自分の力で動いて成り立つようにもっていかないといけない。繊維のアパレルの業界をみてもこういうコロナ禍で今までやってきたことでもが難しくなっていても、そのままでいるのか今必要とされているものを作るのかでは、今必要とされているものを自分なりに手掛けてみることも大事だろうと思う。駄目だからといって何もしないという状況は経験値も上がらないので良くないだろうと思う。

新しい物事をやってみるときには、いろんな壁にぶつかるのでそれを乗り越える試行錯誤の経験をもつということは知識だけでなく実際に作業をするので、たとえばAという人がやるのとBのという人がやるのでは同じ物事をやっても違う結論になることも多いし、同じ結果のものができても、Aの人はまだまだこんなこともできると前向きで、Bの人はやっぱり無理やんと結論付けたりするもので、結局は前向きな人にはゴールがなく、後ろ向きな人にはスタートがないということなんだろうと思う。
2021年12月05日
昨日パン屋さんの店頭で、100円均一税別だったのが税込み118円になって、今は128円になった。値段とボリューム的には128円でも安いくらいで、2個食べれば満足感があるので決して高いわけではないけども。人気のパン屋さんでも、10円値上げしてゆかないと成り立たない情勢はモノづくりしている側からすると成り立つか成り立たないかの厳しい状況が続いているのだろうと思う。儲けようとかそういうのではなくて続けて行ければよいと思う程度で一生懸命の値段だろうと思う。

京都の加工工場さんが、1m10円の加工代の値上げがどこも受け入れるのが難しいといっておられ廃業を決意された話を2年前に廃業された加工工場の方が言っておられた。そして加工業をやめて抗菌関係のグッズを展開される形に織物加工業よりもそちらのほうが商売としては簡単だったようで、新事業なのに一気に拡げられる形。

コロナで苦戦の飲食業界も同じく、コロナ対策で、経営時間が短くなったりまた、座席数を減らす形なのでどうしてもコスト高になりがちで、コロナ以前とでは1割とか2割弱値上がりしただろうか。ラーメン1杯は500円くらいからが長年のイメージだったが1000円くらいが普通になって来た。リネンの太い番手も5年前の2倍くらいの値段で、アパレル不況、繊維不況の中でコスト高は厳しい現実である。

今日は朝に農業用水の泥上げ作業。作業内容はそれほどは負荷もない程度。できる人が作業して高齢の無理をできない方でも見に来てみんなが参加するあたりに意味があったりする。できない人は無理してもらわなくてもよく、できる人が自分の判断で動いて進めてゆく。普段農業で作業しておられる方の作業と判断というのは参考になる。農業というのは自分の田んぼだけでなく、水利など含めるとどうしても共同意識がないと成り立たず、誰かが他のことも考えてボランティア的に動いておられる側面があって集落内での農業全体が成り立っている。
2021年12月04日
林与では、織物にどっぷり浸かりたい織物製造販売全般に動けるスタッフを随時募集しています。1日中立ち仕事でうごいたり、重いものもたまに運びますので、体力と気力が必要で、淡々と作業することが得意な方でないと難しいと思います。1週間の職場体験から経験してもらって適性など判断したうえでの採用となります。働いてみようと思われる方は、お問い合わせから、お問い合わせください。
2021年12月03日
本格的に寒くなってきて今年もやっぱり年末までには雪が降るのかなあと。大阪から帰って来て仕事に戻って、今週が明ければ、あと3週間ほどで外の世界は年末の休暇に入る。年末は1週間ほど自分が自由に仕事で動けて年始も1週間ほど自由に動ける。そして外の世界が明けると1月末納期がすぐにやってくる。1月末納期の仕事の話を先週から詰めていて、これから1月末までの生産が今シーズンの仕事の一番の山か、多色使いのシャトル織もこなさないといけない。

今までは平織の1色2色使いがほとんどだったので、シャトル織機1年目のスタッフの女の子がドビーと4色杼替えを経験する。ストールなんかを織っている時には、4色杼替えは当たり前だったけども、横糸が切れたりしたときにドビーカードを戻す作業が入ってくると今までとは異次元の複雑さになるだろう。ギアを戻す、横糸の処理、ドビーカードを戻す、その3つの作業を正しくこなさないと、織っていて正しいところに戻れなくなり迷子になってしまうのである。そういうのを乗り越えられる人というのは案外少ないもので、投げ出したくなる状況に一日何十回も遭遇するだろう。

こういうところで大事なのはそれぞれの作業の基本で基本がしっかりとしているとそれほど迷うこともない。一つ一つの作業を確実にこなせるかが大事な要素で、高度な織物というのは基本作業の積み重ねみたいなもので、織機よりも使う人の作業の正確さみたいなものが一番のよりどころとなる。理論的には分かっていても、頭と体が連動しないといけないし、あやふやな要素をどこまで消せるかが大事な要素。

織機の問題じゃなく人が織機を正しく理解して使えているかどうかというあたり、完全に一回正しい手順を体得できるところまでいかないと、あやふやなままの作業だと、ほんと迷子になってしまう。こういうのをこれからの人には乗り越えてもらいたいなあと思う。子供たちだと興味とゲーム感覚で乗り越えられることなのだけど、大人になってしまうとなかなかこういうのを乗り越えるのは難しいのが多いというのを、今まで職人さんとか経験者の方と接してきてじれったく思うところで、海外だと織物の仕事として普通にこなしていることでも今の日本ではまったく超えられない壁みたいな世界にトリップすることが多い。
2021年12月03日
昨日、大阪の帰りにスタッフの子と一緒に、京都市の北側周りで途中三千院を観光してから滋賀県に戻った。三千院はたぶん5回くらいは訪れたことのある場所で、京都の寺院の中でも市内からは離れているので自然の中の寺院というあたりが好きなところ。

スタッフの女の子が社長もおみくじを引きましょうとなって、おみくじをおごってもらって、別々に1枚づつおみくじを引いたのだが、同じような職場で働いて仕事しているものが、おみくじの内容が9割方同じだったのでびっくりした。私のほうが若干良いようで、あまりよい運にはいないようだけども、がんばれば報われるでしょうみたいな内容で、私の人生のスタイルともあっていて悪いなりに良い内容。

大阪に行く前に月末の出荷があったのだけども、運送会社の人が協力をしてくれて諦めてたのに月末納品に間に合ったとか。普通じゃあありえないような対応に救われたり恵まれているのに、おみくじは凶なのか。凶でいっぱい厳しいことが書いてあったのに、なぜか、あきないはすべてよし。というのが書いてあった。そこだけが違和感あるくらいにおみくじの他の部分と整合していない。

2021年12月02日
今日、昨日の商談会で購入した生分解ラメを少し試してみようと経糸に織ってみる。どうすれば織れるのかからの模索。素のスリットラメ糸なので、ツルツルのツルツルで、腰もなく糸を結ぶことすらも難しいような感じ。束ねて行けば織れるような太さまで持って行けるのだろうけど、強度との絡みでぎりぎりまで細くスリットされたラメというあたりの魅力を生かしたい気持ちもあって、とりあえずそのままでテスト的に数本織ってみようと思ったが、今日のところはなかなか難しく断念。

昔、織るのが難しいと言われた帝人さんのモルフォという糸を織ったことがある思い出がよみがえってきた。今だったらそのモルフォも織るのに解決方法を見出しているけども、当時はそのまま織ってささくれるのとの戦いみたいなあたり。みんなが織るのが難しいという糸というのは織るのがほんとうに難しいことが多いものである。合成繊維のフィラメント糸というのはなかなかの曲者で静電気などもたまりやすく、整経も難しいことが多い。そのために整経も工夫が必要。

今回の糸にしても、シャトルの場合、細いので糸が管に巻けるのかとか、巻けても滑って崩れてこないのかとか、光感フィーラーがちゃんと機能するのかとか、フォークが糸の有無を検知できるのかとか、レピアの場合には多分、レピアが糸をうまくもっていかないだろうからというあたり。麻とは別の世界だけども、そういうのをクリアしていくことを考えるだけなら案外楽しいものであるけども、実際にそれを乗り越えようとすると賽の河原の石積みの世界が待っている。

もうひとつ心配が織れたとして、織れた織物の布の強度の問題、密度を混めたとしてもスリット糸というのは強度が足りないことが多く、手で簡単に裂けるような強度だと、アパレル向けには難しい問題があり、合糸するなどの解決方法も必要となってくる。簡易的に織ってみて、そこからテストをしてみるのが一番良いのかもしれない。
2021年12月01日
昨日のビジネスマッチングのイベントの一番最後のお客さんが滋賀県の県の工業技術センターの繊維関係の後任の方でご挨拶に来てくださった。何十年も担当されてこられた方の次の世代の方。私が繊維の仕事に入った時でも、1970年代ころと比べると小さくなってしまっていた感のある日本の繊維業界がさらに25年ほどたった今から日本の繊維業界のサポート役を担われるのは大変なことだろうと思う。

自分で織物が織れますかみたいなご質問させていただいて、まだ織れませんみたいな状況だと、いろいろと依頼案件を受けるときにも専門分野外みたいなことも多く、総合的な解決方法に結び付かないとかあったりするだろうから、早いうちに織物はつくれるようになったほうがこれから先のことを考えると良いだろうなあと思ったりする。そこで、林与に1週間来たらたぶん織物を自分で作れるようになりますよみたいなこれからの方に期待してご提案をさせていただいた。そういうのをチャンスだと思って飛び込める人というのは経験がどんどんと増えてゆくだろう。立場は逆なんだろうけども次の世代の方を応援したいなあとは常々思っている。

林与に来て織物の経験をしていただくときに、呑み込みの早いひとと呑み込みの遅い人がいるけども、そういうのはそれまでの人生観が大きく影響をしていてい、これは自分の人生じゃないみたいな思いがあるとなかなか作業一つが難しいだろうなあと思う。そういうの割り切って1日でも作業するからにはそれが私の仕事みたいな感覚でやれる人がやはり何をやっても修得も速く、結局、すべてがうまく行くことにつながる。
2021年11月30日
今日は、朝7時に出発で大阪の本町の綿業会館での大阪府とせんば適塾主催のビジネスマッチングイベント。過去に10何回か毎回出席させて頂いていて、今は、大阪で仕事の商談で出てゆく機会もコロナ関係なくコロナ以前からほとんどなくなっているので、大阪で以前から取引のある方や顔見知りの方などに会えるチャンスの一つである。

テキスタイルマルシェで親しくしていただいている皆さんとも実際にお会いできたのは1年以上ぶりだろうか、お話した順番に、丹後の大江さん、東大阪の松尾捺染さん、泉大津の細川さん、テキスタイルマルシェを企画されている尾原さん、東大阪のヨシダさん。近況報告などをさせていただくも、どこも今はコロナで通常のアパレル関係の仕事がなかなか難しい流れでどこも同じ状況だなあ、でも、前向きに強く動いておられるのがやっぱりどんなことを今しているのか話していても面白いし、自分の会社以外の繊維の情報をたくさん知る機会になってそれだけでも大阪まで出て来た甲斐がある。

それ以外にも主催の皆さんからもいろいろと情報をいただいたりして、新しいことに挑戦したり、なぜ滋賀県の会社が大阪府の援助をいただけるのかは大阪府の関西の繊維業界をもりあげようとする意気込みなんだろうけども、立場は違っても、どんどん自分たちの手で現実的ないろんなことをやってみましょうみたいな人たちが集まる場というのはじれったい感がなく林与の方向性ともあっている。手法が自分でやるみたいなところが特に好きで自分でつくって自分で売っていくみたいなスタイルを支援くださっているようなところがありがたい。

出会いのチャンスというのは、自分のいろいろと疑問に思っていることを尋ねることもできる場であったりして、京都のカケンさんには、いろいろとアゾ染料の検査に関しての質問などをしてみた。一時期と違って今はアゾ染料不使用宣言に関してはだいぶ落ち着いてきているということらしいが、自分で染めたり加工したりするときにアゾ基の問題がないのかという問題は意識をしておかないといけないあたり。

染というのはなるべく堅牢に持っていくほうがよいのであって、リネンを生成のまま染めたりすることは染料が皮膚に付いたりする可能性があるから気を付けないといけないのである。とくにアパレル用のリネンは晒してある糸を染めるか、生成りの糸を晒してから染めるということが大事である。生成りのリネンをそのまま反応染料で染めたりするとやはり堅牢度が悪く色が落ちてゆく。最初から色落ちを意図した染料なら長年の実証もあって良いのだけども、晒すということが糸を弱くしたり、コストアップにつながるから生成りを晒さないというような概念を持ち込んでしまうと、色が落ちて生成っぽく変化してゆくようなことにつながる。その染色方法が直接染料とか反応染料とかだったらあんまりよくない結果である。特に肌に触れる洋服の安全性の面で。肌との接触がすくないカーテンとかなら大丈夫だろう。たとえば、生成りをそのまま染めているだろうリトアニアの糸から紡績しているメーカーのカーテンなんかはスカッとじゃなく草木染したようにすべての色がぼんやりと甘い色に染まって製品化されている、草木染じゃなく生成りを染めているからだろう。
2021年11月29日
今日は、朝から倉庫での11月に織った月末納期分の出荷の作業。検反機で最終の検反をしながら長さを計ってラベルを付けてビニール梱包して3反から4反を紙包みする。ひと包が30kgを超えてくるので持つのも一人では難しいくらい。トータルで500kgくらいの出荷作業になるかと思うが、体力を消耗する。奈良、岡山、岐阜の3か所への出荷。

出荷というのは荷造りだけでなく、納品書の記入や送り状の記入なども行わないといけないのだけども、それが案外時間の掛かる作業。奈良と岡山の荷物は夜の9時の便に乗せようと持ち込みしたけども少し遅れて別の便で送ってもらった。もう一つの岐阜行はあきらめモードだったけども夜中2時過ぎに持ち込んで通常のルートではない便に乗せてもらって届けてもらうことに。

この作業が済んで、朝から大阪でのビジネスマッチングイベントに安心して出発できる。この11月末納期のものとは別途に織れないものがあったので、それをなんとか織ろうとして1週間ほど時間使って、11月末納期物が時間ギリギリになり、ここ数日あまり寝ていなかったので、ようやく解放されて肩の荷が下りた感じ。

今日は出荷のためにもうちょっと長めに織るはずだったけど、月末までに済ませておかないといけない消費税納付に関する案件や、12月に整経と織り始める仕事の煮詰まっていない案件の最終調整、金融機関との融資案件の切り替えの話などで、確認事項なども入れると3時間とか使ってしまって、予定していた出荷作業がずれ込んで、焦りの一日だった。
2021年11月25日
仕事をしていて答えを知って仕事をしているのと答えを知らないで仕事をしているのとでは判断が変わってくる。問題が発生したときなどに、判断が変わってくるのも、答えを知っているか知っていないかというあたりだろうと思う。私自身、今まで現場で問題が発生したときにも、他の人が作業をしていた場合に、その問題が発生したときの状況を知らないことが多く、それでもこうやってこうやってこうやったからこうなったんでしょう、という憶測をすることが多い。

そういう憶測をすることは本来は作業している人の問題を指摘することにつながり怖い話なのであるが、避けては通れないところ。仕事の中で、そういう指摘をする人というのは働いている人同士ではほぼありえないことというのが、昔からの現場だったりする。経験者の人にそういう指摘を若いころからしてきたが、問題の解決が大事なのに経験の長い人ほどプライドが勝ってしまって問題の原因が自分の作業にあるときにはその作業を改めようとはしないもので、結果、仕事の本質がいつまでも分からないままでいることが多い。

私がなぜ経験の長い現場の人よりも答えを知っていることが多いかというと経験者のもつ先入観がないからということがあって機械の問題をみるのではなくて作業している人の作業の問題を考えることができるから。普通はがんばって仕事をしている人に駄目出しをすることは仲間同士ではなかなかできないもので指摘した途端に人間関係が崩れるというようなことも多い。

昔、出機さんの方が私に糸の重さの紙に書いた計算式を教えてくれたことがあったのだけども、その方というのは普段その計算式をほとんど活用されていないのと、私がその出機さんに糸を用意する時にはすべてグラム単位で計算をしてロスをみて糸を渡していることを知っておられないから、そういう式があることを私に教えようとされる。最初に仕事を始めた時からまず糸の重さと長さの関係を知ることから始めているので、現場で働いておられる多くの人が一度もやったことのない、糸量の計算を一日に何十回と計算機を叩いてやってきた。経験の長さではなく、答えを知っているのかいないのかが大事だったりする。もちろん、経験者の人のほうが答えを知っておられることもあるけどもそういうのを私は自分の頭のなかで理解して吸収してしまうからすぐに追いついたり、ちょっと違うんじゃないかと感じたりできる。

糸の量の計算というのは、織り巾とか織る織機によっても糸ロスが変わってくる。また、糸の番手によって、同じ式が通用するとは限らず、理論値と現実値が存在してくる。織物の規格によって微調整が必要だったりする。織密度や縦のテンションが異なれば織縮みみたいなものに差が出てくるし、加工方法によって加工での縮み率が変わってくる。糸自体も染ロス、整経ロス、織ロス、の計算。私が必要糸量を計算する時にはそういうところの想像も含めての計算の世界なので、単なる横糸が何キロ必要かという計算ではなかったりする。グラム単位で計算をするけども、実際は1k単位くらいに落とし込んで糸を用意するので、それほど細かい計算が意味のあることでもないのだけども、細かいところまで計算できるということはそれぞれの工程とその工程での糸量のロスなどを分かって仕事していることになる。それが結局、残った少量になった糸をどう使おうかとかするときにも生きてきて、少量の糸で織物のサンプルや作りたいものをつくったりすることができる力につながる。
2021年11月25日
今日は、織機の立ち上げ。立ち上げというのは機の規格変更などが伴うと非常に時間を使ってしまもので、二人して普通だと2日分くらいの立ち上げ作業。他の織機を動かしながらの作業なので余計に精神的な負担は大きい。よく、チーズワインダーで残糸を固めたりするときに、その作業はハンバーガーショップみたいなものだなあと思うことがある。追われながら次から次に糸のなくなった木管をあたらしい糸の残っている木管に交換して固めてゆく。単純な作業なのだけども、それを次々とこなしていけるかどうかで生産性は何倍も違ってくる。

機替えも1台今日行った。テスト用の小幅のL25の生成が終わったので、キッチンクロスに変更。テストはしておることが出来たのだけども、納期などを考えると難しい仕事なのかもしれない。このL25のテストは、林与のダブルラインのキッチンクロス用のテストと、もう一軒別のアパレルさんの企画の仕事のテストも兼ねているので、無理やりいろんなことが詰まっている中で入れ込んだけども、素受け月後とかには意味のある作業になったと思う。織ることが出来なければまた別の糸を探して作業となるのに、今織ることができて問題の改善方法なども見つかって加工方法のテストも兼ねた。加工方法に関しても一つの生機が3通りの別の布に見えるような結果となり、そういう結果には本当に満足。

林与も、ビンテージリネンの加工に関しての考察を重ねてはいるのだけども、その一つの仕上がりがビンテージのリネンのジャケット生地と似ている感じで、なかなかそういうリネンに出会うことが出来ないのでどうやって加工したのだろうという疑問をもっていた。別の加工方法は、柔らかくてシワになりにくいリネン。もう一つの加工方法はナチュラル仕上げっぽい感じ。興味深いことに、風合いだけでなくリネンの生成の色味もそれぞれとなる。

加工のことも久しぶりに短時間で思っていたことを深くやってみれて、長年疑問におもっていたことに答えみたいなものがみえたのはよい、しかも、使っている薬剤はすべてエコなもので人体に及ぶ影響などはよほどのことがないかぎり心配しなくてもよい。風合いというのは、不純物を取り除き、繊維をいかにピュアな状態に持っていくのかが大事な要素なんだろうと思ったりする。

こういう加工の応用で、ヨーロッパの100年前のビンテージライクな風合いのリネン織物の世界とか再現できる可能性はある。設備がないからできないとか、あまり硬く考えすぎないほうが良いのかも思うところもあって、自分のできる範囲でエコな薬剤を使いながらベーシックにやるのがそれが昔の繊維の世界のものづくりだろう。
2021年11月23日
ちょっと風邪気味か、喉が腫れぼったくて風邪のはじめっぽい。これはたぶんむりしなければすぐに直る範囲、葛根湯でも飲んでみよう。今日は、鍋が届いたのでIHで使えるかどうかのテスト。今のIHは家庭用なので3Lほどの水でもかなり沸騰まで時間がかかった30分くらいだろうか。これではちょっと厳しいので、明日には、より強いタイプのIHが届く予定で、たぶんそれだと3分くらいで水が沸騰するのではないかと予測。鍋も料理に使うのではなくて仕事に使う予定で、外で出来ないことを内部で工夫して行う予定。

今日は、軽自動車の車検だと思ってたら、軽バンの車検で、軽バンのほうは荷物が乗ったままで車検に出す準備がまだできていない。前に車検してから2年間ほとんど乗っていないが、母親が乗るということで、まだ廃車するのは早いようである。乗用車をハイエースに変えたので、荷物を運ぶことが出来るようになったので、軽バンも最後の車検になる可能性もあるけども誰か新しい社員が入ってくれたら残しておいて使えるようにするのもよいだろう。

11月30日は繊維の日のイベントで、本町の綿業会館でビジネスマッチングイベント。まだまだコロナ禍なので、あまり積極的な動きはできないけども、何か皆さんにお配りできるものを持って行って家に帰ってから使ってもらおうと考えている。この前織った、生成の小さなL25HDタイプのキッチンクロスがなかなかよさげな感じ。色のテストのために織ったのだけども悪くない。

韓国輸出用にカラーサンプルをEMSで韓国に先週の月曜日に送ったのだけども1週間たってもお客さんのところに届いていない。もはや、EMSもサービスが機能しにくくなってしまっているようである。一つは飛行機があまり飛んでいないことがあるだろう。中国からのEパケットなども届かないケースが増えている。日本中国間も便が減便されていて荷物の量が多すぎるのだろう。コロナ前には普通にできたことが、コロナでいろんなことが難しくなったようである。
2021年11月22日
今日は穏やかな日曜日、経糸を繋ぐ作業で工場で過ごす。何時間も経糸を繋ぐだけに人生の時間を使う。そういうのが出来ないと織物の仕事は難しいと思う。作業自体は単純作業だけども、1本も繋ぎ間違えせずに繋ぐためにドロッパーと整経の畔の上下が正しく繋がれるように注意はしている。頭の中では別のことを考えながら作業、IHコンロを手に入れたのでそのIHコンロを活用して加工のことや染のことなどを考えてみる。

手染めと手織りとは相性が良いだろうと思う。手染めだといろいろな色を生み出しやすいし面白い染も可能。また、合糸して撚りを掛けたりと、余った白い糸や余った染糸をうまく活用できる可能性が高い。

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