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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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2022年04月28日
ここ数日は、キッチンクロスの出荷案件でヘルプの二人の方や姉家族にも手伝ってもらってドタンバタン。最後のひと柄が4色使いなので織にくかったことと耳糸を切るのが大変だったことなどなかなか内容も濃く手ごわい仕事。昨年の6月くらいから企画が始まって8月くらいにビーカーが始まり年内でビーカーが確定、糸が年明けから染まり始めて実際の織は2月からの3か月。

経糸で3割ほどのロスを見ているけどもそれでもやっぱりギリギリくらいのロス量になった。300mの仕事なら400m織れる分の糸を用意、すなわちさらに2割増くらいの糸量を用意なので、結局織れて納める実際の糸の量の1.5倍の糸を染めて用意することになる。どれかが1色でも足りないと用意した他の糸が無駄になってしまう。

繊維のものづくくりの仕事というのはこんなことができたらすごいとかあるかもしれないけども、普通の仕事でもなかなか大変な辺り。糸をまいてくれるおじいさんも今年で引退されるということでさらにできないことが増えてくるだろう。一番当たり前に思えるような一つの作業ですらもが頼んだ時にいつでも安定的にやってもらえなくなると最後の納期みたいなものですらも見えなくなることが多くなる。

課題の一つとして内製化みたいなものがあって、林与自身、いろいろとできることは自分の中で抱えて解決するということで消えゆく部分を消さずに織物の仕事を続けているようなあたりがあって、サンプルつくりなんかも昔みたいにはできなくなった感がある。解決能力を持っていないといくつもの壁が常に待ち構えているようなことが普通で、そういう壁を乗り越えてゆけないと難しいだろうなあと思えるあたり。何時から何時までが仕事ですかみたいな感覚だと関わらないほうがマシな世界だったりする。
2022年04月24日
今日は大阪からパターンナーの友人の方が見えられて、手織りを新事業としてされているのでそのお話を聞いたりした。いろいろと手広く手織り関係も行われていて、糸をつむいだり染色したりといろいろとご自身で展開されるために学んで準備されている。小規模に物事をやるときには自分自身でなるべくいろんなことをすることが大事だなあと思ったりする。サンプルつくりも業者に頼んでやったりすると個人のお客さんがお店で商品を買う以上にサンプルコストは掛かってくる。自分自身で好きな色を染めてみたいなことができるとイメージ通りの最終的なものづくりがしやすくなる。

アパレルの仕事のほうは、やはりコロナで落ち込んでしまっているというような私と同じような認識があって、そういう時間があるときにこそうまく補助金などを活用して新しいことを伸ばしておくとそれが後々、本業の仕事にも生きてくるんじゃあないだろうかと思う。

私も、2008年ころのデフレで高級アパレル向け素材の値段が崩れてしまったときに、先染織物を得意としていたのに、染めてないいろんな番手のリネン糸をシャトル織機で織ってみるプロジェクトを行ったりした。そういうのが今は生きていて、リネン3番手とか5番手から150番手までを織れたりするんで、織物のカバー範囲はアパレルだけでなく、小物や雑貨系なども得意分野となった。シャトル織機でおるだけでなく、シャトルの管に糸を巻くなどもそれなりに一苦労したりするので、数メートル織るのもたやすいことではないけども、いろんな種類の織物が生まれるような体制を持てていることがすごく大事だったりする。

設備があるからというよりも自分がそういうものを活かすために動く必要があるので最後は自分自身がやっていくということが出来るかできないかというあたりが大事なんだろうと思う。織るだけでなく、小ロットでのサンプルや小ロットの生産なんかができないと実用できな幅の広いモノづくりにはつながらないので、そのあたりもどうやって解決してゆくのかとかが大事だったりする。
2022年04月22日
ミニマムな生活を心掛けることは大事だろうと思う。なるべく買い替えずに長く使うとか、中古のモノを購入して使うとか。私場合は仕事の織機にしても引退された方のシャトル織機を使ってたりして、そのシャトル織機の電力なんかも1台あたりレピア織機の5分の1くらいとか。レピア耳を使うのがエコだとされている今の時代に、捨て耳のでないシャトル織機というのはその上を行く超のつくエコスタイルの一つだと思っている。

織れるスピードが遅いのでマイナスに思うかもしれないけども、それはそれで大量生産が難しいことにつながって無制限に作れるようなものでもない。人の働く限界のほうが浅い。糸が切れやすい麻織物をシャトルで織るというのはなかなか難しいことだったりする。生成なんかは色むらの問題があったりして余計に難しい。そういうのをクリアしてシャトル織のリネン織物が生まれる。よいんじゃないかい。

職人さんレベルでもシャトル織機の生産性の低さと糸の問題などで食べていくのが難しいところがあるので、つくるのには緊張感と覚悟と布を手直ししたりする根気が必要で、そういうのを乗り越えるとシャトル織のリネンが生まれる。自分だけの独りよがりかもしれないけども、耳までリネンとなるとさらに難度は高くなるから、そういうところがまたおかし。

織物というのは、織るだけでなく、糸、染、糊付、加工など他の要素が重要で、私の考えるのは基本より人々に愛されて来た加工方法。新しい加工もたくさんあったりするけども、麻織物の産地で、染や糊付、加工など麻に精通し生み出されて何十年も続いている加工方法は実績もあり安心できるのではないだろうか。今、定番のソフト仕上げシリーズは在庫少なくなってしまっていますがまた落ち着いたら作ります。

私の使っているノートパソコンも今のタイプは私が29歳の時に発売されたレッツノートのSX1シリーズ。今私は53歳なので、その後に発売されたSX4まで20年近く前のノートパソコンということになるが、メモリを増やしてハードディスクをSSDに交換して、今も現役で、壊れては中古を手に入れて使っているが、今の最新のノートパソコンとビジネスユーズや動画を見る程度では変わりない。作りがしっかりしていてキータッチや安定性なども含めて、しっかりよくできているのが当時のノートパソコンで、実際に20年近く使えているシリーズである。多分、私はずーっと使い続けるだろうと思う。若いころに一番最初若いころに20万円出して買った思い出があって、その時に買った記憶が残っている。そのときからノートパソコンがあまり進化していないように思うのは私だけだろうか、スマホはどんどんと進化してノートパソコンを取り込んだけども、ストロークのしっかりしたキータッチでキーを叩いて文章を打ちたい私のような人もいるんじゃないかなあ、これぞキーボード。20年前のパソコンが現役で動いているというのもパソコンよりも人間のほうのn能力の限界が浅いということだろうか。

ネット時代になって、テレビも新聞も雑誌も本も、国際電話も郵便も必要なくなって、メディアもインタラクティブ化した。家の中に世界があるみたいな今日。ちょこっとパソコン叩いて考えに躓くようなことがあればそれを頭で考えながら仕事しながら紐解いたり。

ウクライナなんて、どうかんがえてもロシアが悪いようにしか思えないが、ロシアの年配の多くの人はロシアが正しいと考えている。ロシアの若い兵士たちの多くも戦いたくもないだろうにそれでも戦場に送り込まれる。ロシア国内ではかつてのソビエト連邦的な栄光への憧れが、ソビエト連邦時代を知っている人たちの中にはあるのではないかと思う。今の時代に、武力侵攻で平穏な生活を破壊されたり、若い兵士たちが戦いたくもないのに戦場に送り込まれ、相手を攻撃して殺さないとならず、また死んでゆく。むちゃくちゃなことが世界で起こっているが解決方法もないのがすごく不思議。
2022年04月21日
24年ぶりくらいの円安相場、今は日本も食品、雑貨、繊維製品に関しては輸入大国なので、物価上昇が伴う。昔は100円ショップなんてなかったので、今の方がモノ的にはあふれているような感じだろう。アジア諸国で作られる商品の品質が上がって、その国の人々の生活水準が日本と同じになってくると、当たり前に輸入している商品の価格も高くなってくる。

さらには、ウクライナ侵攻や上海のロックダウンなど、原油高、運輸関係なども巻き込んで国際経済的な要素も不安定に、でも、まあ少し我慢すれば日本の状況というのはそれほど悪いことでもないだろう。コロナも落ち着いているし普通の生活がある。阪神淡路大震災や東日本大震災のときは、本当に日本もすごい状況になって苦しんだ、また、コロナの最初のロックダウンでは経済が低迷し乗り越えるのが難しかったけども今はだいぶ落ち着いてきている。

ホテルや飲食関係は今なお厳しい状況が続いておられるのは感じる所で、昔のような状況にしばらくは回復しないのではなかろうかと思う。元気に拡大傾向だったフランチャイズの飲食店なども完全に縮小モードに入ってしまっている。なんの問題もないホテルやお店が閉じてゆくというのも本当に残念な話なのだけども適応しようとしても適応できないことも多いだろう。
2022年04月18日
4年ぶりくらいだろうか、東京からブランドデザイナーの方がお越し。3日ほど前に関西に来て今日は神戸から午後に滋賀県、倉庫で2時間ほど生地を探されて、私はその間、出荷作業。帰りは、能登川駅近くの近江ちゃんぽん。最初に来られた時のデザイナーさんたちの話なども出て懐かしいなあ。みなさん元気にされているだろうか。

先日、久しぶりに百貨店でのイベントの話がメールで届いた。まだ具体的には決まっていないので詳細は後日となるが、私も連日立つことは無理なので代役の方もお願いして出店させて頂きたい方向で動いている。

夕方、運送会社に電話すると私からの電話だと分かって担当の方が対応してくれて、京都への出荷時刻などを教えてくれる。夜中でもよいといわれ、夜中の出荷。もう一軒の出荷も愛知県だけど一緒に出荷する。
2022年04月17日
今日は京都から家具に使えるような厚手の布を探しに来られた、林与は基本的にアパレル向けなのであまり厚い生地というのは多くない。カバン用の布とかデニムの生地とかそういうものをいくつかお見せする。今、太番手の糸なんかも円安もあってかなり値段が高騰してしまって、数年前の2倍くらいになってしまっているものも多い。10年ほど昔につくったものは、今作ると10年前の1.5倍とか2倍の値段になってしまうこともありうる。

7歳の娘さんも同伴で来ていただいたが、大人しくいてくださって、私のしゃべっているのに目を向けて聞いておられるのに、将来有望じゃないのかとおもえたり、素質のある子は小さい時からその素質がみえるもの。7歳でミシンも使っているということでミシンが苦手な大人の人も多いので良いスタートだなあとは思うが、そういうのは親御さんの影響も大きいとは思う。



2022年04月16日
上海のロックダウンが長引いて、食べ物すらも手に入らないような危機状態にあるという。2週間以上にわたるロックダウンで、東京の2倍規模の人たちが自宅マンションからも出ることができにくい状況のようで、経済活動なんてものはほとんどといってよいほど機能していない。

昔は気軽に行けた中国がもう気軽に行けなくなって国際都市上海も本当に変わってしまった。次に中国に行くことのできるのはいつのことになるのだろうか、本当に落ち着いた時にはまた行ってみたい。

中国も覚悟がすごいというか、中国最大の国際都市を2週間もさらには1か月とか閉鎖するんだろうけど、貿易などは完全に止まってしまうだろうし、たとえば、繊維関連のシーズン物などの企画は難しいしリスクが大きすぎるだろう。日本の繊維関連の方は中国での企画をストップされているところも多く、国内での企画に変更されたりの感じである。

上海も爆発的な感染なので抑え込まないといけないのだが、食料だけはいきわたり人々の命がまもられることはすごく大事なことだろうと思う。食料のいきわたらない人には連帯感みたいなものがあるようで、チップ制度のデリバリーサービスでチップを受け取らない配達員もいたりするそうで、また、余った食料を家の前に置いて余ったので周囲の人に自由に提供するような人もいるとか。上海の方には苦境を乗り越えてもらいたい。

蘇州のほうまでロックダウンの可能性がではじめているようで、地下鉄や汽車、新幹線など含めて交通なども非常時体制になってしまっているだろう。人が自由に行き来でき、多くの人々が集まる都市ほど、コロナ禍では逆に脆く難しい場所に。上海を含む観光都市はホテルなんかも経営は成り立たなくなっているだろうし、店舗経営なども成り立たない状況ではあるだろう。
2022年04月13日
昨日ようやく、一つの試作案件の加工出しが終わった、織れない状態のまま試作が終わっても本生産が成り立たないとダメだろうと思って、最後の最後まで、織れる形も模索した、加工工場に行くと私自身ドタバタでボロボロな感じだったろうけども、しっかりと説明を聞いていただけ加工のほうは宜しくお願いします、と晴れ晴れとした気分。すごく時間の掛かった案件なのでなんとかうまく加工も行ってほしいと願っていたら、依頼主の方から電話が入って加工の相談の話、私の分かる限りではあるが説明はさせて頂いた。試作で初めてのことなので、縦も半分は残して、万が一失敗したときにも、織りなおせる旨も伝える。

今日は、午後から仕事とは関係のない案件で会議があって、朝早く起きて風呂に入ってから資料つくり、この1年ちょっとのメモと記憶をたどって自分の考えをまとめる。最初は口頭で説明しようかと思ったけども、経移が長いこともあって、他の方が会われたこともない登場人物も出てくるので、一回の説明では初めて聞かれる方にとっては意味不明なことも多いだろうから読み返してもらえるように、資料を作って皆さんにも配って読みあげる形に、エクセルファイルで作ったので、プリントアウトしてみると1行が長すぎてプリントがうまくできていなかったりと印刷のやり直しとかで、肝心な文面の再確認も十分にはできないままぎりぎりに会議の場に。案件に関して初めて全員が揃う場で今までの経緯を伝えられた。

家に帰って仕事に戻る。出荷の案件があったのでそれの準備、最近は納品書伝票なども置いて忘れることも多くなった、納品書伝票を探すだけに30分も1時間も使うことがある。行動範囲が広いので、自分の動いた範囲を思い出して倉庫に行ったり、自分の家の部屋や工場や事務所の中の2階とか3階とか、車の中とか、私の動線から外れたところに誰かがおいてしまったり片付けたりすると永遠に見つからないパターン。
2022年04月06日
織れるようにした織機を他の人に渡すと織れなくなってしまうことが多く、結局は織れるようになった織機でも問題なく織れるためにはそれなりにピリピリと緊張していろんなところをコントロールしているから織れているだけなんだと思えたりする。整経なんかは顕著で、整経自体の作業の意味を理解するのは簡単なんだけども、糸をなるべく一本も抜けた場所がないように最後まで荒巻きして、巻き取りの時にも一本の糸もなるべく切れないように巻き取るとなると、なかなかそれは難しい。巻き取りの幅を測るだけでも、私の測り方と他の人の測り方は1cmほど異なったりするので、1mm2mmは許されても、5mm違うと巻き取りが大変になってくるし、巻き取りで失敗すると今度は織るのが大変になってくる。

整経の巻き取りも耳の部分など緩くなってしまうと織るときに糸が前に引っ張られるので、緩いと糸が食い込んでしまって織れなくなる。理屈が飲み込めなくても言われたことを言われたとおりにやってみることは大事で、やっているうちにその意味がわかってくるのが普通だったりする。言われたことと違うことをやってしまうと大きな悲劇が起こることが多い、大きく巻いた経糸が結局織れなくなってしまって、糸ももったいないのでなんとか苦労して織ろうとするけども、1m織るのにも何時間も掛かったり、織ったものもキズが多くなる、そうなるとまったく仕事としては成り立たない。

私も今までに何千本かは整経をやっているとは思うけども、失敗することもあって、そういうときのリカバー力みたいなものって大事だったりして、そういう懸命に自分の失敗を受け入れてなんとか織れるようにするとか、整経途中や巻き取り途中で失敗があっても、少しでもダメージを減らせるように頭を使って考えるとか、10回、20回に1回くらいは失敗することもあるので、設定間違いなどでも早めに気が付けばキズは浅いしやり直せる、そのために作業中に何度もいろんな確認を無駄に行ったりしてることが多い。そういう無駄な確認作業をできる人って少なくてそういう無駄な確認作業が常にできたりしていると、すべての作業において失敗が少なくなる。

失敗したときに自分でリカバーできる人が結局は残ってゆくんだろうなあと思う。昔、経糸が1回シャトルを挟むだけで500本とか切れたりしたのを淡々と私に付き合って5時間6時間かかって直す作業を手伝えるような人というのは他の何をやってもこなしてくれる。また挟んでも、また淡々と5時間6時間の作業。そういうのを経験して当たり前だと普通に織物を織るくらいは何のこともない話。

先日、手伝に来てくれた女性も初めてで何百本か縦繋ぎをうまくこなしてくれた。最初だと手にも体にも力が入って、姿勢も前かがみなので10本繋ぐのでも苦痛だろうけども、何百本も最初から当たり前につなげる人というのは我慢強い珍しい人である。次の日に肩が凝って死にそうになってられなかったらよいけど。なかなか習得の難しい人も多いので、そういうのはそれまでの手を使う作業経験の差だったりもして、自分の手ながら自分の思い通りにはなかなか動かないというあたりも。最初から呑み込みの早い人というのは結局作業量も多いので、慣れてスピードも速く、それが作業経験を積むことにつながって一つのことだけでなく、他の作業をしても同じで広がりにつながることが多い。林与に来て一番の難関は糸をはさみで切れるかどうか。切れにくいハサミも多くあるけども、私が使うとどのハサミでも同じように糸は切れるが初めての人にとってはそれが不思議に思え、こんなに切れないハサミを使っているのかとびっくりかもしれないが、何千回何万回と糸を切ると切りにくくなるのも当たり前でそのくらいが安全で便利なハサミだったりもする。
2022年04月05日
私は職人さんとは違って織機には慣れていなかったりするので織機の問題が見えることが多い。昔、シャトル織機を他の工場から移設したときに織機10台の内9台がまったく織れなかった、1台まともに動いたのでその織機の動かない原因をたまたま見つけることができた。9台にはまったく織れない原因があった。

また別の場所からシャトル織機2台を入れて、職人さんに1か月以上くらい専属で調整してもらうも動かないので、もう時間がないので夜私が見ることにすると30分ほどで原因が見つかる。あとで、織機を譲ってくれた工場のおばあさんに聞くと、その織機は中古で入れてから一度も動かなかったということで、その工場でも動かすことができなかったようである。ということは、その工場の前の工場でもまだ新しいのに動かなかったから手放したということだろう。まったく織れない原因があった。

また、他の場所にあった織機も1年以上動かないので見てほしいということで、いくら調整を加えてもおかしいのでありえない話だけども、想像でここに部品が付いていなかったかみたいな尋ねるとついていたそうで見つけてきてもらって付けると動いた。まったく織れない原因があった。

どれも共通するあたりが、織機はあっても織れない現場という大きな問題。工場まるごと動かない話なので普通会社だとつぶれてしまう。慣れで仕事をする職人というのは、新しい織機は本当に苦手だし、自分の力が及ばないときにはこの織機は織れない織機だと決めつけてしまう。私の場合には、これは絶対に織れる織機だが何かがおかしいと思い込んで調整を掛ける。

調整しても無理な時には、なぜ無理なのかを考えて、ここにこういう部品があれば動くのにたどり着く。そこで、想定外のことまで考える。ここにこういう機能をする部品があれば、うまく動いて織れるのにというあたりにたどり着くかたどり着かないかは大事なことで、織機としては問題のない織機を織っていても糸が引っかかったりするときには、糸が引っかからないように細工をしたりすることがある。そういう細工をしないと引っかかって糸が吊れたりのまま織物が織れたりするので、いろいろと細工することは大事なのだけども、織機として問題のない織機にプラスアルファを加えて改善するというのは多くの人が苦手で、逆に織機についている部品を邪魔だと経験から外してしまうタイプの職人さんも何人も見て来た。そしてそれが仕事の仇になることが多かったりする。外した部品を捨ててしまう人も多い、そうなると後戻りできなくなる。

私は織機には慣れていないから案外、新しい織機の問題でも解決出来たりするということだろうと思う。慣れている部分としたら、織機の正しく動いている音を聞き分けることができるというあたり。壊れる前の織機が苦しそうに動いている音とか壊れる前に分かるので、壊してしまってから直すよりも壊れる前に調整して直すほうが織っている布にもキズができないから良いのである。
2022年04月04日
林与のリネンを使ったウェディング衣装をまとった写真を送っていただいた。アパレル向けなので透け感や厚みなどが合うのかなあと心配していたところも自分の中にはあったのだけども、ほんと綺麗な仕上がりでまとめていただいていた。私の知り合いの方の紹介で林与にたどり着いてくださって、その時に、たまたま、L43の白い生地が在庫に残っていたので良かった。

林与のシャトル織機もそれなりにパーツやシャトルなどもあとあと動かせるように手配をしているので、あと20年くらいは動かせそうだけども、リネンを織るだけでなく、織物工場という環境を維持していく上で織機を動かせる環境というのは、戦後のひと世代前の方々が引退のあとも、織機だけがあっても無理でたまたま私が当たり前に調整とかするのでなんとかなっているところがある。

織機があるだけでは駄目で、動かす技術があるだけでも駄目で、織ったものを買ってもらえないと駄目、すなわち仕事が回っていないと、生地をつくるだけでなく売れないと駄目というところ。今はサステイナブルな流れで、ファッション業界もサステイナブルな考え方が受け入れられ始め、ブランドさんが上から目線のものづくりはなくなりつつある。

たとえば300mの注文で、300mぴったり作れるのかというと、330mくらいは綺麗に生産する予定で、材料は400m弱分くらいを投入するとか、350mくらいが織れて、加工から上がって来て問題の多い部分や加工ロスなどで短くなって、300mちょっとの納品となるのが理想。ジャストインタイムシステムは、表に出せない無駄を想定してつくることで成り立つ。

たとえば、サンプルと量産とではどちらが時間が掛かるのかというと、サンプルを作るときの方が量産よりも時間を掛けることが多い。最終規格を決めるために、いろいろと何パターンか織ったりすることが多く、加工も一発で決まるとは限らないので加工がうまくいかなかったときのために余分にもう一回加工に出せるように生機を加工に出さずに残しておくとか、いろいろと試行錯誤に伴うロスはいっぱいあって、機屋というのが織物を織るだけでなく、布という部分は結局、商品となったときに、それが洋服であろうが小物や資材であろうが、商品のイメージを決める主要な部分となるので、デザイナーさんたちがお客様なので布のクリエイターとしての染や加工、また縫製とかも含めて、物性や、最終商品までの理解がないと、企画の話に対応できないことも多かったりする。

機屋が、そういう部分でお腹いっぱいになって仕事した気分になっても仕方ないのでそれは仕事外の部分として、地道な織物の作業の部分に落とし込んでゆく。何種類ものサンプルを試したときには何種類ものデータができてそれを管理しながら本生産の一つに決める。データだけでなく、途中作った布などが残ってそれらはゴミなのかというとゴミではなくて自分にとっては大事な資料となる。頭でこうしたらどうなるああなるでなく、実際にやってみてこういう結果になるという実体が手元に残るのである。それをやった人にだけしか見えない結果、実際のやってみた経験が自分の中に残るのであって、それが案外、新しい企画の話をするときにも空論で終わらないから失敗のリスクを減らすのにも役立ち、その差は大きい。

私が自分でやってみて自分で結果を知るのが大事だと思うのはそのあたり、織機なんかでも構造を理解しているかどうかよりも実際に織機を手を使って調整できるかできないかの問題で、頭で分かっていてこうすればよいああすればよいというのは簡単でも、実際にその作業を現実問題としてやってみることができるかできないか、やって駄目だったら1日掛かってやってみたことを今度は1日掛かってもとに戻して、別の解決方法を探さないと行けなかったりである。無駄に2日捨てられるかどうか、捨てられる人が強くって、捨てられない人というのはいつまでもそこで止まっている。2日とかいたけど、それが2週間かもしれないし、2か月かもしれない、半年1年、ときには、数年、そのくらい長い試行錯誤はあったりして、その間その織機は動かないで止まっていたりする。
2022年03月31日
一つの織物を織れる織れないは人の力みたいなところがあって、仕事で問題が多くてもそれが1回で終わればそれなりに次に進めるのだけども、もう一回やり直すことになったり、織れなくて目途が立たなくなったりすると、もうそれだけでにっちもさっちもいかなくなる。

この15年ほどで15人以上の新しい社員の人に織物を教えてきたけども、言われたことを正しくできる人とできない人との差は大きく、わざわざ言っているのはそこが大事で多分大事さに気が付かずに正しくやらないだろうなあと思うから何度も何度もわざわざいうけどやらない人は言った通りにはやらない。できる人というのは、最初の時からやることについてきて余裕があったりする、それは他の仕事で今までの経験で培った力だろうと言える。最初からできる人というのは吸収力があるので、どんな新しいことでも素直に真似して最初から役立ってくれ、その先の応用力まで持っていてくれる。

私も織物が織れないときには、絶対に織れると信じ込んで織機に調整を掛けたり、また、絶対にどこか間違っていると織っている生地を常に確認しているから問題は少ない。アメリカから帰って来て家の織物の仕事に就いたときに、一番初めにやったことが、他の人が5時に仕事が終わってから、織っている織物の経糸などの入れ違いなどを直すこと。多い日には10か所くらい筬の2本入りが、1本3本になっているとかを直したりしていた。

最初に仕事をした時点から、何十年の経験者の人の問題を理解して直してばかりだったので、今も織物を続けていられるのだろうと思う。出機さんに行ってもすべての織っている織物を縦糸の入れ違いなどがないかを確認して直すのが私の仕事の一つだった。本来は、仕事なんだから正しくしてゆくのが大事なのだけども、田舎商売というのは先代にしてもそうだけども、ややこしいことが多い。仕事そのものよりも人間関係のほうが勝ってしまうので、それは仕事としては末期症状。仕事の結果が駄目なのを認められないと駄目なのだけど、経験の長い人ほどそれが素直に受け入れられなかったりする。

人というのは考え方が入れ替わればよいのだけどもそれはなかなか難しく、成り立つ考え方、成り立つのがなかなか難しい考え方、まったく成り立たない考え方に沸けるとすると、なにも考えないで目の前のことを達成しようとしている人ほど成り立っている。必要だから他の人に聞かなくてもよいように自分がすべて理解して仕事をしようとしているかどうかの当たりなんだろうと思う。

織物って正しく織れないと仕事しても働いた何倍もの損が生まれてしまって、それを片付けるのが本当に大変な話。ある機屋さんが、若い子が社長織らないでください、社長が織ると問題ばかりです、みたいなのは本当に幸せなケースで。世代交代もうまく行っているケース。経験の浅い人に仕事を頼むと正しくできても、経験者に仕事を頼むと頼んだのと違った結果になっていたりも多い話で、経験者というのは我流が入りがちで我流が入るようになってしまうと柔軟性がなくなって、たとえば強烈なのが自分はこの作業だけしかしないみたいなタイプは繊維の業界からは消えたほうが日本の繊維業界のためにとってよいのかもしれない。

よく、問屋さんなんかが、仕上がった反物を自分が荷受けもできないで、直送でファックスを2か所3か所に送るような指示だけしてきたり、機屋の仕事がすべて止まって指図待ちとか、問屋機能が崩壊で、問屋や商社的な金融機能までも機屋が担っているとかが多かったりする。日本の繊維業界、商社や問屋さんがつぶれて機屋が被る話とか、商社機能や問屋機能がなかなか難しくなってしまって、そういうのが機能していない商社や問屋不要論につながる。

アパレルさんが間に、指定の商社や問屋さんを入れていただくのは迷惑だったりするのもそこ。商社や問屋さんの信用を確認しないといけないのが地道に働いている作り手側の機屋だったりして、自分の資金余力でリスクを覚悟という商社や問屋企業までも受け持たないといけない。日本のモノづくりのこだわりで謳っているブランドさんがある大手の生地商社さんとやるときにもその大手生地商社さんは2年3年発注してつくらせた生地を引き取らない。零細の機屋が大手生地商社の企画や金融機能を代わりに果たしているというのが現実のところで、アパレル通の人でもそういうのをまったくしらないから、アホな林与が偉そうに見たいなところで、大手が儲けているのを日本の繊維業界の理想に思っていたりするが浅すぎて、私が日本の繊維業界の第一人者の方々に織物の最初の日の基本の機結びから教えるのもその辺り。
2022年03月30日
鉄スクラップなどの金属の値段が上がっている。これは悪いことではないと思えたりもする。日本国内もものが飽和してしまって、使って飽きたものや古くなったものはゴミ同然に思われて、リサイクル法の施行で費用を払って処分するようなマイナスの資産となったけども、落ち着いて考えると資源の塊なのである。そして今円安で、輸送コストの上昇とコンテナ不足などから、輸入する原材料の高騰が著しい。

資源不足には何が影響しているのかというと、製造する時のエネルギーを使わないということで金属類を溶かしてリサイクルするということを世界的に行う動きや、中国、インド、ベトナムなどの日本の都市部を上回るような現代化というか、中国なんかは未来都市化で、金属需要が高まっているところにあるだろう。建物に金属が使われ、装飾に乗り物にすべてに金属が必要なのである。
2022年03月27日
今日は、京都から青土さんが来られて一つの企画案件のほかに中国の手績みの糸の話など。この2年ほどは中国に行っておられないというお話。いけないことはないのだけども、行くと隔離期間がある可能性も高く、その隔離がはっきりと見えないと出発前に往復の飛行機もホテルも取ることすらも難しいだろう。

中国の手機の様子を見せてもらったけども、シャトル織機の半分くらいのスピードで織っている熟練の女性の方は何センチも安定した動きでおられているのだけども、現地での昔ながらの生産としてはそれで良いのかもしれないけども、日本的な品質レベルに高めるようなやりとりをされておられるのが青土さんだということ。

あと、おいしい中国の郷土料理と織物のこだわりとの関係なども、現地でもうけ感覚とは違う探究心的なものをもった人が一人おられることでその世界が成り立っているようなお話。私も中国の展示会いったときに、一般の商売ベースの方のほかに、とことんなモノづくりを求めたいと思っておられるような方が企業経営者としてまたアーティストやクリエーターとしておられたりするのを感じた。

私も普段は料理をつくらないけども、すき焼きとか料理をつくるときにはお店の商売レベルとは違う、昔ながらの地元の人が愛したようなすき焼きの世界が林与の中にあったりして、それは普通のお店では食べることのできないレベル。林与の家でも昔は鳥すきなんかをつくるときには、もう廃業された鳥信さんの出汁をつかって地鶏でも別途に取り寄せて豪華にして好きなだけ食べてもらうのが流儀だったりした。

本当に家で漬けた鮒ずしの味を知っているが、風邪をひくと、鮒ずしを茶づけのようにしてこれを食べたら風邪が治るといわれても、頭もぼーっとしていても、その鮒ずしを我慢して食べるくらいなら風邪なんてへっちゃらなレベル。今の匂いのしない鮒ずしというのはお手軽鮒ずしで、本当の鮒ずしというのは普通の人からすると絶対に食べるのは無理というか、そういう本物の鮒ずしがおみやげ物で売られたりすると新幹線が止まるような話も普通だと思う。常識を超えたところがある。もうあの臭さの鮒ずしに出会えることはないだろう。当時の家で漬ける鮒ずしというのも相当高価なもので、鮒ずしの業者が春過ぎに林与に回って来て漬けてくれて、途中で魚を洗ってコメを入れ替えして毎年正月前に出来上がっていたのを覚えていて、お客さんに家で漬けた鮒ずしを振舞うのが最高のもてなし。集落でも数軒しかできなかった贅沢だったと思う。40年以上前でも、それなりに大きなヘラブナだけど自分でコメも出して、魚代と仕込み料で、1kgだか1匹だか1万円とかもかかるというのも当時も聞いてすごい贅沢な食べ物なんだなあと漬けるのや途中の洗うのを手伝ったりしていた。一度に一樽に8匹くらいはつけてもらっていただろう。

しかし、子供のころの私からすると床のしたから臭い魚が出てきてそれを食べないといけないのが、漬物とは違って気持ち悪い怖さがあった。すき焼きと並んで鮒ずしは近江の特産で、林与の麻織物もそういう近江の特産の世界の一つというだけのこと。今でもあの最高に臭い鮒ずしをつけてくれる鮒ずし屋が残っているのだろうか、親戚の家で漬けた鮒ずしはおいしかったがあの鮒ずしの臭さはなかった。ああいう古来のなれずし的な臭さをおいしいと思えるのが本当の食通なのだろうなあと思う。君の名は、の口神酒に近い世界。
2022年03月25日
昨日太い糸を織っている織機で、シャトルの管の糸が崩れてシャトルが反対側までうまく抜けきらずちょうど、織機の杼台のすぐ下あたりに落ちた状態で、挟まって木製のシャトルが壊れた。これは1か月ぶりくらいだろうか、やっぱり、1か月に1個くらいはシャトルが壊れる。今、左右合わせると新しいの100丁くらいは持っているだろうけど、よく使う左側だけだと60丁くらい。今回壊れたシャトルは右、あまり使わない右側のシャトルでまだ良かった。

シャトルも細い糸を織っている時にはあまり壊れないけども、太い糸を織っているときというのはどうしても壊れやすい。先月はかなり4色杼替えものをたくさん織ったことも影響していて2個壊れた。色が変わるタイミングで杼箱の上下運動とシャトルの左右の動きが、シャトルが杼箱のなかに長く滞在してシャトルの位置が移動してしまうと、ステッキがシャトルのおしりをたたくときに隙間があったりすると、初速が付かずに、反対方向まで飛ばなかったりする。

逆に色が頻繁に変わる柄のほうが、どのシャトルも常に杼箱のなかの一定の位置にあって安定してステッキに叩かれるので問題は起こりにくい。それを解決するために一休さんして解決したのが先月。この仕事って本当に問題が起こることが多いので、問題が起こらないように対策したりいろんな準備をするから、外の人と物事に関して話をしても外の世界というのはそれほど複雑ではないように思えたりもする。

知らない分からないできないで終わることが多く、ありきたりの答えで終わる、そういうことが多い。耳までリネンの耳の切れて織れない問題に関しても、問題なく織れる解決方法の一つではないかというのにたどり着いてようやくか。調子よく織れているのに途中から耳が切れ始めたりする、その原因にようやくたどり着けたような気がする。10年早く気が付いていればよかったのにとは思う。これで自分の将来の時間をかなり節約が出来そうである。

2022年03月20日
今日は織物体験2日目で、機替えと、経糸を繋ぐ作業。縦繋ぎの修得から、左手で糸の束を持って、右手人指し指がくるっと回って糸が緩みなく繋がれて行く。職人にしかできないと思うような縦繋ぎなのだけども、普通の人でも練習すればだれでもできるようになる。前かがみになるので、腰が痛くなったり、体が疲れるし、指も変に力が入って攣りそうとか、指先がうまく糸を取ることができないもあるので、1本の糸を繋ぐことすらもが苦痛から始まって、なんとか連続して正しくつなげ始めたらシメタもの。私が縦繋ぎしているのを見ているだけではマジックのようだけど、教えて覚えてやってみてできると自信にもつながる。

作業に我流が入っては駄目で、教えられたとおりにやってみる努力をすることが大事で、そういう正しい努力が出来るようになる練習にもなる。正しい努力を積み重ねることで、千里の道も1歩からみたいなのを乗り越えて、ゴールである、すべての糸を繋ぐことを終えられる。何時間も辛い姿勢でがんばっても経糸が何千本かつなげたというだけの作業だけど、織物を織るよりも時間も根気も体力も必要。

繋ぎ終わったあたりで食事休憩。そのあと麻組合に寄って、職員の方による腰機での手績み糸の手織りの実演なども見せてもらう。お二人は大麻に興味がある方たちなので日本の大麻の産地などに関する話も職員の方に熱心に尋ねておられた。麻組合の販売されているものの中には、5cmとか10cmで織られた小幅の織物がたくさんあって、お二人が商品として作りたいアイテムに使うのには十分な巾。

後には、結び目を前まで送って織出しの作業があるのだけども、送る途中で糸が抜けたり、切れたりしたのを一本一本直して行く作業が待っている。そういう作業を坦々と前に進めていって、動かそうとしても経糸のゆるみや経糸切れでまともに動かないのを、根気強く一本一本正しくしてゆくことで、何事もなかったかのように織機が突然動き出す春の雪解け。苦労を乗り越えて、みんなが笑顔になる瞬間である。その春の雪解けを経験して頂いて、2日間の織物体験は終了。長いお昼休憩を取ったこともあって予定より1時間くらいは遅れたけど、繋ぎ終わった糸を織出すまでを完了することで、部分的な経験だけでなく、答えまでを必ず出すというあたりを見ていただけたかなあと思う。

次回は整経作業の基本を経験してもらおうと思う。雑談的な話のなかでこんなことがやりたいと思っておられるあたりのものごとをお持ちで、一般的な企画の方なども同じようにやりたいものごとをもっておられてもそれが前に進むことというのは、いろんな事情があると思う。技術的な問題の前に資金的な問題もあったり、資金がない時にはどうやって解決してゆくのか、自分で手で織ればよいのではみたいな提案もさせて頂いたり、プロに仕事を頼むと逆にできることが限られていたり制約もあったりしたりで、自分自身が自分の持っている環境やものづくりする環境を自分のできる範囲で持つことで、その中で自分の夢の実現を考えてゆくというのが現実的で、林与自身も普段の地道な仕事をこなしながら、余力が出来た時にはその余力を使ってやりたかったことをやってみるという姿勢
2022年03月19日
今日は土曜日だけど、大阪から織物の現場体験にお二人、繊維全般に関する知識と織物全般に関する知識と実際の織物の現場の体験してもらうことが目的。

初日の午前中は、糸の番手についての話。綿の番手、麻の番手、ウールやシルクの番手の違い。案外、何番手の糸を使った織物と言っても、その番手の意味を太さのイメージとして持っておられる方は多いかもしれないが、実際にはそれぞれの番手がどうやって決められているのかということを説明。糸の番手の厳密な説明は、絶対に1回や2回きいたところで覚えられるようなことでもないので、最初に1回教えてもらって、あとは、自分で必要に応じてネットで調べてその都度、糸量の計算などに活用すればよいと思う。番手の説明の後は、糸を機結びを練習してきてもらったので、それを確認してコツ的な部分を体得してもらう。

そのあと現場に入ってシャトル織機を動かすところを見てもらう。そして、シャトル織機を自分で動かすのを経験してもらう。30分ほどの練習で、シャトル織機に慣れてもらって、経糸が切れたり、横糸がなくなって止まった織機を、動かす練習。これがうまくできると織機を実際に動かせるので職人気分を味わえる。あとシャトルの管に残った糸を片付ける作業なども経験してもらって、工場の中を織機を停めずに忙しく動き回って手が空いたら糸の片付けみたいな、普段の現場の人と同じような感覚を知ってもらう。

私自身は他の進めないといけない糸を割ったり整経などの作業があるので、その作業をしながら、分からないところや問題が発生したときにヘルプするような形。初めての経験のお二人だったが積極的でかなり呑み込みが速く、頭では作業が理解できて実際に織機を動かすことで織物は織れて行く。初めて織機を触っていきなり織物を織るというようなことは異次元の感覚かもしれないけども、物事をするときに毎回高い壁を平気に乗り越えてゆくような姿勢で取り組んで実際に成果を生み出していくやり方こそが、ものづくりの世界で食べていくには必要な肝の部分ではないかと思う。

現実的な作業を高度なレベルでこなして行く、織物を作っているのだけども、ジャグリングのパフォーマンスあるいは花の蜜を求めて花から花へ飛び回る蝶のように次から次へと織機を動かす。人生観的な違いや仕事観的な違いが、モノの価値を考えるときに違いとなったり、考え方の違いで行動の違いも生まれてくる。行き詰まったときに解決してゆく切り口のようなものを何通りも検討して試して行けるような柔軟性と行動力が大事だろうと思う。まあ、底辺に思われるような工場の現場作業の内容にしても案外レベルが高かったり、一方で職人しかできないと思っているようなことがそれほど難しいことでなかったり、そういうのを知るための体験の機会。
2022年03月16日
林与のドリームネットメールアドレスが現在、メールプロバイダーが2月末でサービスを終了したことにより、本日から送受信が難しい状況になっております。問い合わせたところ、3日程度で別サーバーでのサービスにて復旧するということです、その間、ご用件のある方は、info@hayashiyo.comまでメールお願い致します。
2022年03月15日
※早速、応募者が何人かご応募くださり、調整に入っております。(下記の件の応募は、恐縮ではございますが、キャンセル待ちでよろしければご応募ください。)

ウクライナのためのプロジェクトのために林与がウクライナ国旗のイメージの3つ生地(主に、ストール生地、キチンクロス生地、エプロン&アパレル生地)を作ります。売り上げはすべてウクライナ駐日大使館に寄付いたします。ボランティアということが前提で宿泊場所と食事は提供しますので、交通費自己負担、無償で生地つくりに参加いただける方募集中です(学生の方も春休み限定で参加可能、ただし学業に支障が出る場合は不可)。3月26日から4月10日の間、原則5日以上参加程いただける方。また、利益無償で販売頂ける方やお店も募集をしております。販売期間は予定では4月半ばからウクライナ情勢が落ち着くまでの間です。すみませんが、応募多数の場合には、選考させていただく場合がございます。
問い合わせは、info@hayashiyo.comまで、お願い致します。


2022年03月11日
ロシアに対して経済制裁という手段が取られている。非人道な独裁国家に対して武力を使わない形での抗議である。空港を使わせなかったり港を使わせなかったり、国の上空をロシアの飛行機が飛ぶことを禁止したり、民間企業も武力で他国を攻め入って支配し、ロシア国民に対しても外の情報を遮断するような反民主主義的な独裁ロシア。損得の話ではなく、他国の人の命を武力で奪う、また、ロシアの反対者を国家に反する罪で投獄したり、ロシア兵の逃亡を犯罪者としてみなすような独裁政治。

今回のウクライナ侵略だけでなく、その後のロシアの各国に対する対応で、プーチンロシアという国がどれだけ非道な国なのかというのが露呈した。武力で他国を威すような国でしかない。関係を絶つのがベストである。他国を攻め入り他国の人々を殺しながら、ロシア国内では通常の生活が海外企業の経済活動で満たされるなら反省する余地すらも生まれないだろうし、海外企業はロシアの経済発展の続けてロシア国家に資金援助する形になる。

私自身政治的な裏の世界は本当に嫌いな人間で、裏で汚いことをやってばかりの嫌いな人間たちとは付き合わないのがベストだと思っている。日本国内でもいろんな政治家が正体を現し始めて、ロシアの呪縛から抜け出せない政治家が多いが、おいおい、今ウクライナで起こっているロシアによる殺戮を肯定してしまうのかという話。しかも、それを止めようとする国際社会に対して、ロシア派後悔するぞと核兵器の使用をほのめかし脅しをかけて来た。それでもロシアを支持する日本の政治家もいる。

脅しに屈して隷従させようとするような姿勢に対しては、絶対に負けてはならないと思う。全世界が一致してそういう他国を武力で滅亡させるぞみたいな独裁国家を孤立させる必要がある。国際社会は武力を使わなくても自分たちの権利と意志で独裁国家を孤立させることが非常に大事で、独裁国家の人々にも、自分たちのリーダーが、他国を脅し、国内においても富と権力を独り占めしているような独裁者であることを分からせることが必要。

そういうのになびく国際的な大企業というのは独裁者と同じ様な考え方に陥っていて、非人道な殺戮行為すらも自分たちの経済的な独裁のためには黙認だったりするもので、そこまでして金儲けしたいのかな話になってくる。日本政府も、ロシアとは早めに手を着るべきだる。日本の商社の多くがロシアの行為を黙認してロシアとともに歩もうとしているけども、国益と言いながら、人を殺してまでも黙認して金儲けしたいのかなあたりでふらふらしているのが日本政府や日本の大手企業。人間として地道にはたらくとか考えないで、武力や殺戮で奪い取ろうとしている力と手を結ぶようなことをしていては恥そのものである。そういうのに当たり前に気が付かないで力関係に溺れてしまうと、弱いものから生きてゆくのに大事なものを奪い取って金儲けに溺れるだけの非人道な企業でしかない。いくら富と力を手にしても満足することのない独裁者と同じ様な感覚。脅しに屈することなく、脅すような連中からとは手を切らないと同じ穴の狢。
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