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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
水の音
2012年07月28日
今日も、外の温度が夕方5時ころで35度を記録していました。一日一日暑くなる毎日のようです。厚手の綺麗な表情の布にウォッシュを掛けてユーズド感を出したものをいかがなものなのか検討していました。藍染にした本麻は草木染にありがちな物性の安定をさせるための段階です。

私自身が、本麻のシャツを着て涼しい体験をしていますが、会社の中の人にも麻のシャツをきて体験をしてもらいましたところ、完全に体感温度は違うのを感じたようで、麻シャツの機能性はより多くの人に分かってもらいたいところです。とくに汗がにじむような蒸し暑い状況において着心地の違いを実感してもらいやすいと思います。しっかりと厚みがあっても清涼感を感じることができるのは本麻の強みです。

今、私が着ている麻のシャツ生地というのは昭和40年ころに36幅で織ったものです。先染の白黒のチェック柄なのですが、着物の和の感じがして今の服にない存在感があります。この反物が自分用の服になった背景も、こういう昔の良いものの価値観をいうのを分かる人が少なくなってもったいないので自分用にシャツを仕立てました。昔の生地と言うのは味があってよいものです。

15年ほど前までに作っていたものというのは、出来る限りの贅沢を布に埋め込むことを考えるのが仕事だったように思います。その後の流れというのは売れない時代に小ロットで生産するときにどう安く早くものを作るのかということが主流になりました。昔のものと比べると日本から良いものが消えたといわれるのは繊維業界だけの話ではないところです。

昼とか、工場の周りで普段聞きなれないコトコトという感じの音がするので、なになのだろうかと?水が水路を勢いよく流れる音で、水が田んぼに引き込まれます。昨日まで干しあがりかけていた田んぼに水が勢いよく流れ込んで行くだけでなく、家の周りに水の流れがあることで涼を感じることが出来ます。昨日まで水溜りにいたドジョウやめだかなんかも流されて今は新しい居場所を見つけたことでしょう。水溜りが乾ききったときにドジョウやめだかがどうなるのかと心配もしていましたが、人のちょっとした行動が何百という今は希少なドジョウのような自然の生物の命を握ってしまっているのは昔とはまったく違う状況だといえます。日本も砂漠化というものが進んで生物というものが生きて行けない状況に陥りつつあるのは、夏なのにイエ蚊などもめっきりすくなくなって過ごしやすくなったのと裏表の関係の事象です。