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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
デジタルディバイド
2020年07月07日
インターネットが普及し始めた1990年代に、言われていたことがデジタルディバイドという問題。インターネットから情報を得られるものと得られないものとの情報格差の問題なのである。

インターネットが普及するまでは、テレビが主たる情報源であった、その前はラジオ、そのまた前は新聞だったりする。時代の移り変わりとともに情報源が変化してゆく、テレビというのは見るだけで情報が入ってくるけども、インターネットは自分で情報をもとめて辿りつかないといけない要素もあるし、また、自分自身が情報を発信も可能である。

私の母親なんかも勉強しなさいとか習い事ばかりさせるタイプだったが、コンピュータとかは毛嫌いしていて触らせないようなことばかりで、デジタルディバイドの問題は家庭環境にあったりもする。今、10年20年遅れで、学校教育にコンピュータやスマフォを取り入れたりとかやってるけども、昔ながらの教科書で勉強していて今の情報化社会を引っ張ってゆけるのかというと難しい問題がある。

今までは業界のプロしか持っていなかった情報が、ネット社会では簡単に手に入れることができ、一般の人のほうが業としてやっている人間よりも選択の自由度が高く、知識的には豊富だったりすることも多い。その道のプロではないけど、それを極めた一般の知識の豊富な人が専門家だったりする。

プロはそれで食べているので案外説明したがらないもので、専門家は学んだ知識を他のものに説明するのが仕事だったりする。仕事していても技術的なことよりも人の心理的な要素のほうが地場産業の盛衰にも大きく影響をしているだろうと思う。誰か一人が貫いてやったことが儲かるということで回りもやりだして地場産業となって、儲からなくなって去っていくものもあれば、儲からなくてもやり続けているものもあって地場産業が続いているだけのことも多いだろう。

林与の家にしても普通の家にしても、江戸時代とか明治くらいまでは日本の農家なら、お嫁さんは機を持って嫁いでが普通で、どの農家の家も何十代も麻織物を織ってきた家がほとんどだろう。林与の場合、たまたま、明治のころに、ひいひいおじいさんが飲んべで、代々の土地を酒代の担保に入れてしまうほどのアカンタレだったから、ひいおじいさんの与次右衛門じいさんが、近江上布の織元として立ち上がって親類一同や集落の人々を支えたというだけのことで、与次右衛門じいさんが、その飲んべの親のいうこと聞いてたら林与の織物もなかっただろう。