for English speakers: Welcome to HayashiyoWelcome to Hayashiyo
リネンや麻を織る日々をつづっています。
ホームリネン日記
リネン日記
リネン日記:3564
«前のページ 1 ... | 165 | 166 | 167 | 168 | 169 | 170 | 171 | 172 | 173 | 174 | 175 | ... 179 次のページ»
2010年02月08日
近くに、非常に気合が売りのラーメン屋さんが国道沿いにあります。いつも朝11時くらいに朝礼を外でやり、大きな声で、「おはようございます」「いらっしゃいませ」とか掛け声をかけながらやっています。たまに社員と食べに行くとお釣りを渡してくれるときにも、若いお兄さんが、私の手を包み込むように握りながらお金を渡してくれるのです。なんか、熱いお店だなあ、と思いながらも、社員教育には感心しました。

同じ経験を宅配便の受付で経験したことがあります。荷物を出したあと、お金を払ってお釣りをもらうとき、いつも私の手をしっかりと握りながらお金を渡してくれるのです。こちらは女性の方でしたが、誰が教育したのでしょうかわかりませんが、もしかすると、その前に情熱のラーメン屋さんで働いた経験をもっておられる方なのかと今ふと思います。

不思議なことに、そういう人というのは仕事の一つ一つに丁寧さがあり、しっかりと仕事ができます。手を握るにしても、普通ではないということを認識しての緊張感を持ちながら仕事として行っているに過ぎないとは思うのですが、仕事を緊張してやれる人が今の時代少ないので、非常に大事なことなのかなあと感じます。

同じようなことを、出入りの運送屋さんも行っていたのを見ます。夜に荷物を取りに来たときにでも、荷物を載せた後、集荷の伝票を事務所前に置いてから、3歩ほど車のほうに戻ってからわざわざ事務所のほうに振り向いて、誰もいない事務所向かって、深々と一礼をしておられるのです。たまたま、見かけたのですが、誰も見ていないところで礼を尽くされている姿勢には感心するものがあります。荷物を遅くに運送屋の集配センターに持っていっても、歌を歌うかのように「エーイ、エーイ」と掛け声をみんなで掛けながら作業をしておられるのも、他人がみれば体育会系の乗りで異様な雰囲気ではありますが、それができる姿勢を保っておられるから、仕事に対する自覚というものが生まれてくるのではないかと思います。
2010年02月07日
今日は、2月12日がデッドラインのインターテキスタイル北京向けのトレンド素材のフランスへの発送をようやく完了しました。夕方、バタバタと動いて、郵便局に5時半くらいについたのですが、時間外窓口も日曜日は4時までということで、どうしたらよいものかと考え、結局、京都中央郵便局の24時間窓口に持ち込みました。

北京の展示会も、現地の紡績会社や素材メーカーさんが、リネン関連の素材をたくさん並びます。わざわざ日本から行くのですから、差別化できるような商品を、提案していきたいなあと考えています。展示会でも、麻関連のものというのは資材系の流れを汲むメーカーが多いのでダルな色味や表情のものが多く、そのあたりを日本の本場近江の麻織物として光沢感のある涼しげなリネンやラミーで、違いを見せたいなあと思っています。

先染を中心に20種類ほどの布をセレクトしました。落ち着いた控えめのものよりも、大胆な感じの注目されやすそうなものをセレクトしています。前回の上海の時には、秋冬物ということで、あまり素材が出せなかったのですが、今回は春夏ものということで、世界のバイヤーさんたちの目にとまって、林与のブースへの呼び水になってくれればよいなあと思います。

ちなみに、パリまでのEMSでの送料は、800gで2600円です。ビジネスサンプルとしての、サンプル素材を送るためには、インボイスなども必要ですが、郵便局でもらえる簡単なレベルのものです。書類だけならインボイスは不要です。
2010年02月06日
出機さんが2月の終わりころから旅行に行かれるとのことで、それまでに織ってもらうわないといけない仕事があり、急いでもらっています。染めのほうもなんとか、その予定にあわせてもらってぎりぎりあがってきました。

企画も染も加工も織も縫製もすべてですが、急いでやると結局、丁寧な仕事が出来ないので、同じ工程をやっているというもののどうしても急いだときは、急いだなりのものしかできません。時間に追われて布を作っていても時間を掛けていないので愛着が沸かないせいでしょうか、気分的に量産のもの扱いと同じになってしまうのです。

流れ作業で、決まった工程を流すと生産性は上がるのですが、出来上がったものは組み合わせでできるようなものなので、トータルとしてバランスというのが良くないことが多いです。一人の人間がシャツを作ったときに、全体的なバランスがあるのに、流れ作業で作ったものは良い手と悪い手が混在してしまうので、悪いところが目立ってしまうのです。

同様に、布を作るときも林与の布としてのバランスみたいなものを常に注意しています。染、織、加工のどこかが弱いと私が見て駄目に見えてしまうからです。通常、市販されている布というのは同じリネンでもどちらかというと資材向けのリネンに近く、糸、染、加工などアパレル向けのリネンとは別物くらいに違います。染にしても綿やウールの産地の染で染まらないことはないですが、加工にしても最近は似たような加工を他産地でやるようになってきていますが、基本がウールだったり綿だったりすると染にしても加工にしても涼しい感じがしないのです。逆に、リネンの秋冬のものをやろうとするとき、他産地のほうが良いかなあと思うときがあります。他産地の加工のほうが秋冬っぽく上がるのです。

近江産の麻布が麻布の中でも特別に言われるのは、単に近江湖東産地で織るというだけでなく、近江湖東産地で織るからには本場物としての贅沢が詰め込まれているからで、それを詰め込まなければ、わざわざ近江で作っていても意味がないように思います。百貨店には高い洋服がずらっと並んでいますが、その中でも特別なものに見えないと駄目なのです。
2010年02月05日
今日は、社員と一緒にインターテキスタイル北京に出展する素材の準備をしておりました。4テーマあり、基調カラーなどが指定されているので、結局のところ時間がないので、今あるものの中からの提出になります。チェック柄物を中心に20種類くらい出せるかと考えています。

大きな規模の展示会の素材提出というのは、非常に時間が限られていて、相当前から準備しておかないと提出には間に合いません。今の時期、加工工場も染色工場も込んでいるときなので、新しいものを作るには実際に一番難しいときです。

展示会をサイドとしては、今あるものがすぐに出てくるというのが当たり前なのかもしれませんが、今ある素材に色を付けるだけなら、テーマカラーに染めてハイできました、と2週間もあれば出来てしまうのですが、本格的なものづくりとなると、どうしても、糸をそろえるだけで1ヶ月は掛かってしまい、新作をつくるには2ヶ月くらいの間さまざまな作業工程を経ることになります。

林与は、見本も中で作るのを基本にしているのですが、最近は、見本は見本屋さんに頼んで本生産は別のところでやるような流れが多くなってきています。この形だと、本職の方が何もわからずに本生産を担当されるようなかたちなので、技術の継承というのは難しいだろうなあと思います。

世界的に、織物の技術を継承してものづくりをするというスタイルよりも、いかに安く作れるところでものづくりをするかという流れで、日本での生産が中国に流れ、中国でも高いということでベトナムやアフリカに流れるような傾向があります。アイルランドや日本の高級な織物というのは、過去の頂点に達した技術基盤があるがゆえにそれが有利に働くよりは、それをイミテイトしいた安いものに淘汰されてしまう運命にあるのだと思います。

今日も、倉庫で昔のものを眺めていると、今じゃあ作るだけでも大変だなあと思うものがたくさんありました。染の色から深さが違うところにリネンの美しさみたいなものを感じます。今の時代のリネンというのは、色が浅いことが多く、それをどこまで深く染めるかということも、林与にとっては課題です。

深く色を染めると加工工程での色落ちなどの心配が出てきて、ひとつ品質を追求するともう一方でも特別な処理が必要になる、また、検査なども増えるなど、普通に流れないガチガチのものづくりになってしまうのですが、そうやってでもしないと特別なものは作れません。

先日、アパレルの方が見えられて米沢のシルクの染について話しておられました。昔のものというのは、10年以上かけて染めたそうです。何度も染めることで、今でも色あせしないようなものを生み出したので、日本人が織物に掛ける情熱というのは、近江上布のような麻の世界以外でも当たり前にすごいものだったんだなあと思います。
2010年02月04日
今日、また、京都のビブレという若者層の集うファッションのスポットが閉店するというニュースを読みました。これを考えると、お互いに競争しながらも百貨店や繁華街というのもある意味そこであれば売ることが簡単だという産地としての存在だったんだなあと思います。自らが情報を発信して、そこに人を呼び集めることで、地域全体を活性化するという働きがあります。

北アイルランドの織物業界も厳しい状況が続いており、今、アイルランドで残る機屋さんにしても、アイリッシュリネン糸を使うことができなくなり、中国をはじめとする糸を使っている状況で、糸に関しては10年ほど前から特別なものではなくなってきました。特別なものとするためには、織のほうでの伝統が必要ということで、アイリッシュリネンファブリックというのは中国糸をはじめとする糸などを使いながらも伝統的なリネン機屋を守るかたちで、織や加工のほうで立ち上がっておられます。

北アイルランドは、リネン糸の産地としては消えてしまったものの、織物の産地としての生き残りを掛けておられるわけですが、中国やほかの産地で作られるものに淘汰される運命にあるのではないかと思います。日本は偽装問題に関して一番厳しい国なのですがリネンに関しては偽装が蔓延している状況なので、ヨーロッパというのは偽装や品質に関してさらに甘いところがありますので、アジア産ファブリックがヨーロッパの業者の手を経てアイリッシュリネンファブリックとして日本に入ってくるようなことのないようしっかりとした統制をしていただきたいものです。

でも、そのあたりがヨーロッパ企業にとって一番難しいところだと思います。北アイルランドの紡績が無くなった今も、箱にはアイリッシュリネンの文字とマークが付いていて、日本ではアイリッシュリネン糸のであるかのように見せかけて売られているのが現状ですから… 実際には、糸を作っている中国企業にしても自分たちの作っている糸がアイリッシュリネンに化けているのですからびっくりだと思います。

アイリッシュリネン糸やアイリッシュリネンファブリックの現状の説明に関しては、アイリッシュリネンと謳いながらも実際にどこの国で紡績したかも語れず、端折って誤魔化しっぽくなっているのはその辺りです。産地偽装に世界で一番厳しいはずの日本なので、産地というものが強力なセールスポイントとなっているのだと思います。

ここ数年アイリッシュリネン糸を使用と謳ったものが大量に日本で販売されている件は、リネン業界も偽装問題の拡大に驚いています。リネンをネットで販売できる時代にはなったものの、リネンに関する間違った現状の説明を消費者に与えるのはよくないですし、特別のものだと信じて買われた方が気の毒です。
2010年02月03日
今日は、2月3日節分です。節分の思いでは、京都に高校生時代下宿していたときに西のほうを向いて食べた恵方巻きです。下宿のおばあさんが毎年作ってくれました。京都の人というのは大事なものを持っておられるんだなあと節分で豆を撒くしか知らなかった若かった頃の思い出です。

最近は、レトロなものが流行っているのをご存知でしょうか?ステテコや褌で、リネンを肌着に使っていただくケースが多くなってきており、お買い上げいただきましたお客様からも、今回、特別にプロモートしておりますオーガニックリネンで、もっこ褌をつくりましたとご連絡いただきました。リネンで、ペチコートやキャミを作ったりもいたしておりますが、繊細な細番手のリネンで作ると肌触りは格別です。

安く作ろうとすれば海外やほかの産地で作ればよいのだから、日本の麻の本場の産地で作る以上はいろいろな方とのつながりを大事にして品質を考えたものづくりを基本にしていかなければならないと思っております。それは誰かに買っていただくものであっても、自分で手がけるのだから手を抜きたくないというのがあって、ついつい、普通だったら出来ません言えばよいのに諦めることをせずに無理してやってしまうことが多いからものづくりが今も続いているのだと思います。

今日は、昼過ぎに柄組をしました単純なチェック柄でしたので10柄各5配色くらいできました。夕方、たねやさんでお菓子を買って、お友達ご夫婦のところにお礼に行きました。東京のほうでは、ギフトショーが始まったようです。私の展示会もだんだんと近づいてリネンの準備が必要になってきています。北京の展示会も、ジャパンクリエーションのSSも楽しみです。

近江の湖東地方は、私の頭の中では毎年3回雪が降るというのが決まりです。クリスマス、年明け、そして、節分、今日も、太陽が照って暖かいのに、夕方、車で走っていると雪が降りました。もう、これは春の訪れを告げる雪ですね。
2010年02月02日
今日は、彦根で社員研修を行いました。その待ち時間を利用して、2月に行われます、ひこね繊維ものがたりの準備的な打ち合わせを行いました。研修が終わってから、事務局で配布用のポスターを受け取ったので、帰りに愛荘町の役場と商工会さんのほうで、掲示していただけるようお願いにあがり、快く引き受けていただけ、彦根だけでなく近隣市町村の皆さんにも来ていただけるのではないかと思っております。

講師で来ていただくのは、昭和30年代頃の彦根のファンデーション産業の買い手であった村田氏と作り手側の馬場氏、そして、トークアンドトークの講師として、ファブリカ村主催の北川陽子さんで、彦根繊維の磯島理事長とざっくばらんなお話を予定しております。
2010年02月01日
今日、新聞社の方とお話をしていたら京都の四条河原町阪急が閉店となるというニュースを聞きました。高校、大学時代京都に住んでいたので待ち合わせによく使った馴染みが深い場所です。人を集める待ち合わせの場所ですら、売り上げが落ち込んでいるとのことです。

昔、京都の駅前には歩いて5分ほどのところに近鉄百貨店というのがありましたが、京都駅ビル自体に伊勢丹さんがオープンされてからは、近鉄百貨店さんへのお客さんの流れが止まってしまったようで、近鉄百貨店さんも閉じられてしまいました。

百貨店というと普遍的なものかと思いきや、今の時代、スクラップアンドビルトの形で、あっさりと閉店されてしまうような感があります。林与のリネンにしても、最終は、百貨店ブランドの商品として洋服として販売されておりますので、百貨店のバイヤーさんのリネンの品質や産地へのこだわりに対する要求というものが高ければ高いほどありがたく、良い物を求めて百貨店に来られるニーズにこたえられる形になるのではないかと思います。

百貨店さんやブランドさんにとっては、今の時代にありがちな産地偽装問題は致命的な要素ですので、生地の産地やリネンの原産地に関しての適切なアドバイスもできるのが林与の強みです。ブランドさんにしても産地にしても、セールス文句が一人歩きして、間違った方向でセールスしてしまうと訂正も難しいですし、全国的に新聞記事になってしまうようなリコール問題につながるので、しっかりとした産地の説明や表記が必要かと思います。

売り文句を信じて、特別のリネンをわざわざ購入されたと思っているほとんどの消費者が、リネンの誤った産地表記を信じておられるのをみると商品の良し悪しは別にして気の毒に思います。手にされたリネンや製品が実際にどういう経路で作られたものなのか、よいイメージだけを一人歩きさせようとして、今の時代のリネン業界の正しい情報が消費者に伝わっていないのです。

実際のところ、売っておられる方は、そこまでのリネンのことを知っておられない可能性が高いです。ブランドの方もリネンのお話をすると、アイリッシュリネン、フレンチリネン、ベルギーリネンをやってますとか、いわれるケースが多いのですが、私が、それは中国で紡績された糸で珍しいことではありませんよ、リネン業界では当たり前の話をすると、私の話を聞くまでは完全に北アイルランド、フランス、ベルギーで紡績され糸で作られている特別の生地を製品にしていると信じておられたようで驚かれることが多いです。

生地の産地にしても、本場近江湖東産地で織られる麻生地というのは本当に少なくなっており、驚かれることが多いのです。本格的なものを守り続けるということはそれほど難しくなってきているということで、実際に産地でものづくりをしている人間からすると、危ない橋を渡っておられるなあというのが印象です。
2010年01月29日
今日は、午後から商工会のほうで原産地証明の発行に関する手続きの説明をしていただきました。原産地証明というのが貿易の際に関税を免除の手続きのため必要となる場合のほかにも、海外の売り場で商品を販売する際に、日本産である証明証として使われます。

原産地証明書は、商工会議所のほか、定款に謳っている商工会が発行できるということで、今回は湖東商工会のほうにお世話になりました。

夕方から、彦根商工会議所で組合の臨時総会があり来年度の役員の選挙等行われました。その後、場所を変えて、来賓のみなさまをお招きしましての新年会が行われました。大きな10mほどある大きなテーブル二つに分かれて向かいの方との会話も少し不便でしたので、立食パーティ形式で立ち話するような形で、今後の彦根の発展や地場産業の活性化に関して熱い議論が行われました。

多くのみなさんが、その後、2次会、3次会に向かわれました。私も最後、彦根銀座の定食屋さんでお茶漬けをいただいて代行で夜中帰りました。
2010年01月28日
今日は、ファックスでインターテキスタイル北京のブースの配置表が届きました。ホール4A01で、国際企業の集うホール4の1番目のブースを割り当ててもらえて「林与」大丈夫か?と思っています。日本や海外からのお客様にも場所の説明が簡単で良いです。今回も日本生地の展示はスペシャル仕様らしく、品質の面で、世界で一番注目の度合いが高まっているのがメイドインジャパン生地なのです。

出展されるのが、一流どころの商社さんばかりなのですが、小さな「林与」ができるのはリネンの特別なクラスのものを世界中のバイヤーに提案することです。リネンをお探しのお客様には、リネンに関しては他にはないというインパクトをもったブースにしたいとおもっています。生地のほか、メイドインジャパンのリネンハンカチをはじめ、リネンデニム、リネンシャツ、ワンピースなども製品の形で見ていただこうと考えています。

だんだんと準備のほうが整ってくると、楽しみですね。春なんで、本麻甚平でも着ていこうかなあと思いますが、北京は寒いらしいです。通訳の方に、お祭り気分を盛り上げるためにも、リネンの花柄の浴衣を着てもらうのも良いかなあと思ったりです。

アパレル向けに展開しているリネン100番手の先染などを展示していると、他はだされていないということで、いろいろな情報が世界中のバイヤーさんや糸メーカーさんから集まってきます。そちらのほうも今後の商品開発に生かしていけるのではないかと期待しています。
2010年01月27日
5月にインテックス大阪で、あらゆる業種の集まる総合展というのが行われます。そこに、繊維分野としてひこねの組合で出展しようかという動きがあり、書類の作成などを夕方にバタバタとしまして、なんとか数社分まとめて書類の提出が完了しました。

いろいろな新商品が集う展示会ですので、自分のものを売るよりも、なにか面白いものをみつけるヒントになればなあと思っています。技術者の集まる世界かなあとおもったりもしていますので、リネンの世界とは畑違いかも知れませんが、展示会も見学に行くよりは、出展側の立場で参加するほうが意味があるんじゃあないかと思います。

明日は、アパレルのお客様が2011年SSものの企画に見えられます。一年で一番寒いときですが、新しいスタートが始まった感じです。
2010年01月26日
今日は、朝、講演会の打ち合わせのため、ファブリカ村にお邪魔しました。ファブリカ村の北川さんに見せていただいたCDの中の写真はプロが取ったみたいにきれいな風景がたくさんありました。

そんな風景をもとに、組合でそれを織物に変えていくような活動をされていたことや、今度、ギフトショーに参加されることなどお話を聞きました。最終製品を扱われたいということで、縫製のできるところを探しておられるということで、講演会のストーリー的にもちょうど良い感じです。

いつもはハツラツなひこねの理事長のほうも、北川さんのようなエネルギッシュな女性の前では、押されぎみな感じで、講演会の1対1のトークアンドトークでは、5分5分くらいのところまでもっていってもらえるよう、両方を応援したい気分です。

お昼からは、別件の説明会などがあり大津に行きました。
2010年01月25日
今日は、捺染工場にお邪魔しました。手捺染ではなく、オートスクリーンと呼ばれる設備があり、それをフルに動かしておられます。リネンにプリントをお願いしようと伺い、いろいろと技術的なことをお尋ねいたしました。

今回の目的は、顔料プリントで小花や草木の柄をデザインしてそれを色数2~3色程度に絞って、プリントしたいなあという企画です。自分自身がコンピュータでデザインしたものがそのままリネンの上にプリントできるようなお話なので楽しみにしています。

お話を聞いていて非常にお忙しく仕事されているのが伝わってきます。ボリュームのあるものは何千メータと定番で流しておられるそうで、布が非常に速いスピードでシャーシャーという感じで捺染されていました。

リネンの上にプリントする場合、あまり、べったりとプリントすると顔料の場合は樹脂の加減で硬さが残ってしまうということで、あっさりとした花柄などを中心に考えております。たとえば、林与の色華やかな近江上布の絣文様などをきれいにリネンにプリントできたら面白いだろうなあと思っています。
2010年01月24日
今日は、久しぶりに、ゆっくりと一日体を休めることができました。

10年ほど昔に作った先染柄のシミュレーションプログラムを使おうとしたのですが、何ヶ月ぶりかに起動したコンピュータも年季が入りすぎて、何度やっても立ち上がりません。頭の中で、とりあえず、柄の構想を練りました。

夜には、スペアにもっていた同じタイプのパソコンにハードディスクを移し変えてなんとか動き、自分の頭の中でイメージしたものを、コンピュータの画面で確認しました。

上海の展示会で、スペインの技術者が先染柄をシミュレーションするソフトを売りに来ました。私は、実際に動くところをみたかったのですが、その人は持ち歩いていたノートパソコンに電源をいれることもなく、紙の説明書で、こんなことができますよ。と説明しただけなので、ソフト動くところを実際に見たいと言いましたが、見せてくれませんでした。

また、その人に会うときにはデモンストレーションを見せてもらえるのかなあと楽しみです。私のシミュレーションソフトもウェブ対応にすれば皆さんに先染を楽しんでもらえるのではないかと思います。

以前、公開していたときには、結構人気でした。
2010年01月23日
今日は、夕方に出荷しないといけないものがありました。年末くらいからの話だったのですが納期が厳しく、万が一も許されないので、上手に織れる台と織れない台があるので、納期も詰まっていたのですが、一番調子よく織れる台で織りました。出荷もなんとか間に合いました。

そろそろ2011年の春夏ものの企画が始まります。アパレルさんからの企画のためのアポなど入り始めました。東京のアパレルさんのAW展のご案内もいただき東京に出かける予定ができました。2月頭には岐阜で糸展示会があり、それも覗いてみようかと思っています。

外に出て、人脈を広げ忙しく知識を吸収しているとものを分かったように勘違いしてしまうのですが、実際に、自分で糸を手に入れたり、自分で触ってみることでやっと良し悪しが分かりますし、そうすることで、その材料に対しての価値にしても、それを作ったり扱っている人以上に自分なりの価値判断ができると思います。ものづくりをどこまで深く監修するかが大事な部分です。ひとつの企画が云々ではなく、すべての企画がつながっているのです。

専門であるはずの織りはもちろん。紡績会社屋、糸商以上に糸にこだわり、染色工場以上に染にうるさく、加工にうるさくあるべきで、満足できるようなレベルのものづくりをしなければメイドインジャパンである意味が少ないと思います。海外製品と競争するために価格を落とすものづくりをすれば、消費者からはすれば輸入物と紙一重の世界でしかありません。

紡績メーカーにしても一般的に生産しているグレードがあり、染工場にしても一般的に生産しているグレードがあり、加工工場にしても一般的に生産しているグレードがあります。縫製にしても同じくです。その一般的に生産しているグレードというのは品質やこだわりそのものであり、グレードが安いものに流れると、安いものとの違いというのが見えてこないということになります。

目に見えないところで、薬品にしろ染料にしろ、薬品メーカーが高い薬品は売れないからそれを廃盤にすると一般的な安いものだけが生き延びて、品質や風合いが落ちるということも起こってきます。安い海外製品との価格競争は、日本製品の全体的な品質を落とすひとつの理由だと思います。

人的な面でも職人と呼べる人が現場でいなくなった、あるいは、人はいても職人気質でなくなってしまっているのが、日本製の将来を危惧するところです。職人を育てるべき経営者としての立場からしても、手を抜くことを考えるのではなく、ものづくりにこだわれるような人を見つけていく必要があるかと思います。
2010年01月22日
JC2011SSの説明会が、湖東繊維協同組合であり、出席させていただきました。10数年ぶりに湖東繊維協同組合のほうはお邪魔したのですが、かなり中の雰囲気が変わっており、麻香というブランドで商品展開されており、学生っぽい若い皆さんがおられて、新しい取り組みをされているのが伝わってきました。

JCを主催しておられる皆さんが、今回の説明会を持たれる背景には、ものをつくる側である出展者の意見が大事だというご認識で、説明会ならびに産地の意見を聞く会として今回のような場を考えてくださり、産地をサポートしながら全国に説明して回っておられる活動の一環です。

JCに関連のない企業さんでも、トレンド情報などや流行カラーなどの情報も得ることができるので良い企画だと思います。ベーシックな売れ筋のカラーというのは、日本の場合ほとんど動かないのですが、毎年変わる2つくらいのカラーがテーマカラーとして実際に重要なカラーとして必要になってきます。

今回も、4つの大きなテーマを提案があり、それらのテーマに合わせるようにして自社のオリジナリティを加えながら新しい商品を開発していくことで、全体的なイメージの統一を図っていくような形をとっておられます。JCに先立ちこのような説明会があるのは、出展する作品をピンポイントで絞れるので非常にありがたいです。カウンター見本とカラーチップで商品提案ができ、色の修正もやりやすい後染めと違って、先染は色の組み合わせが命ですからその色のトーンや色相を絞り込んでカラーバリエーションを広げることで見本作りができるのでありがたいです。

湖東繊維協同組合の理事長とも10年以上ぶりかにお話させていただいたたり、小学校のときの同級生の女性の方が自分の寝装関連の会社に戻られて、30年ぶりにお会いしてお話するなど、組合のほうは抜けさせていただいていながらも、みなさんの励ましをいただきながら「林与」があります。久しぶりにお話していると皆さんの昔のイメージが頭の中に残っているので年をとられたのがわかり、自分自身も年を同じく取ったものだなあと感じてしまいました。
2010年01月21日
先日、ひこねでも歴史のある女性下着の縫製工場にお邪魔した際に、ネットショップのほうが順調に伸びておられるという事で、担当の女性の方にショッピングページのほうを見せていただきました。たくさんの品揃えだったのですが、その会社で力を入れて開発されているのがメンズブラという商品です。

メンズブラというのは、想像がつくかと思うのですが、男性の用のブラジャーです。形は女性のものとほとんど同じなのですが、なぜ、売れるのかというところを聞かせてもらいました。女装を趣味としている男の人が買うんですか?とたずねると、結構、会社でも上のほうの方が買われるそうで、その理由が、メンズブラをつけることで癒されるということらしいです。

癒されているから、部下のものに対しても厳しく当たらないということで、上司として部下の信頼が上がるそうです。本当かなあ?と思いながらも、私は無理無理と遠慮させていただきました。開発、販売されている方のそんなセールストークのうまさに売り上げが伸びているのではないかと思う次第です。

メンズブラの種類だけでも50種類以上あったのではないかと思います。林与も面白グッズとしてのアイデアはもったとしても、実際に開発して売るまでもっていくようなことはできないだろうとおもいます。それを実行され結果を出されているのですからすごいなあと思います。
2010年01月20日
今日は、リネンの薄手の蚊帳地のサンプルを織りました。今の時代の糸では高級感がでないのが残念なところです。リネンよりも、ラミーを使ったほうが高級感が出て良いかもしれません。シャトル織機で織るところが良い感じです。

職人さんのほうは、今日は、リネンデニム用の機作りをしていました。出機さんでテスト的に織りましたが、残念ながら難しすぎるということで断念されましたので、林与のシャトル織機で再度織り直しです。職人さんたちの高齢化で後がないというのは、切実な問題です。

思うのですが、ものづくりというのは、単純に、足し算で作れないところがミソです。足し算で作ったものは、進化することがないのです。地場産業というものを考えるときに、人材育成から始まる、20年、30年というスパンでの大局的な経営こそが必要なのだと思います。それを考えられる余裕があるのかという問題ですが、目先にとらわれるとやっていること自体の意味そのものがなくなるのではないでしょうか。

今日の蚊帳の件も、その産地の機屋さんが全部辞められてしまったということで、うちに話が回ってきたような次第です。一番簡単な仕事ですが、それすらも、日本で出来なってしまってきたのを感じます。

滋賀県には400年の歴史を持つ企業さんがあられますが、そこも蚊帳の織物から始まっておられます。昔、アメリカに輸出していたといわれる和を思わせる襖地などを見せていただいたことがありますが、そのすべてをやめられて、今は、自動車産業と密接なつながりを持つ形で業種を変えられ繁栄を続けられています。
2010年01月19日
倉庫から手績糸を持って帰ってきました。東洋繊維の「きぬあさ」という銘柄の箱に入っており、箱に番手も書いてありそのままな感じです。確認すると昭和24年とか昭和25年という新聞に包まれていました。ゆっくりと解いていくと、全部つながっています。つなぎ目も確認できます。

林与が手織をしていたころの在庫の糸なのですが、まだ、月日がたっているだけで、新品の状態に思えます。からむしの生成の色の糸で、年月が経ってビンテージな感じです。どのようにこの60年前の手績糸を使いこなせるかが「林与」の将来の課題です。多分、使わないうちに100年物になってしまうのではないでしょうか。

今、着物の産地である宮古上布、八重山上布、小谷縮などの世界で手績糸が作られているようですが、近年のピークも過ぎたようで、日本全体で、年間に100kg~150kg程度まで落ちてしまっているようです。手績糸の伝統工芸品は、年間数十着ほどの世界になってしまっているのではないかと思われます。

各産地で、保存活動が行われているものの、細い番手のものは、一着分の糸を作るだけで1年かかるとなると、1kgが数十万円で取引されていたとしても、一人の人間が一生に40kgの世界ですから、次の世代を育てるというのは、なかなか難しい世界だろうなあと思います。
2010年01月18日
今日は、午前中、県内の大学におじゃましまして服飾関係の先生のお話をお聞きしました。ひこねの組合も産学協同のコラボ事業などを展開していけたらと、小学校での縫製教室や、高校とのコラボ、大学とのコラボなど積極的に地域資源である縫製のPRに力を入れています。

お話をお聞きしていて感じたのが、華やかなファッションアートの世界ではなく、着心地や機能性を求めるような分野でのコラボみたいなものができるのではないかと思いました。私自身は、地道に思える機能をPRするにしても、それをPRするような場を設けていくことが大事だと思っており、組合のイベントなどの際に学生さんが作品を展示してもらえるような場を提供できればと思います。

午後からは、夜の理事会に備えて資料の作成があり、会社に戻ってからサンプルの手配ならびに出荷など行って、夜には理事会に参加しました。理事会の会場は、有名女性下着メーカーの縫製をやっておられる会社で、壁には、ヨーロッパの昔の下着のイメージ写真が飾ってあり、今はなくなってしまった高級なリネンの下着の世界を日本が採用していた時代もあったんだなあと思いました。リネンがランジェリーな世界を作り出していた時代です。
«前のページ 1 ... | 165 | 166 | 167 | 168 | 169 | 170 | 171 | 172 | 173 | 174 | 175 | ... 179 次のページ»