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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
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2009年12月05日
今日も小雨がぱらついて、肌寒い一日でした。みんなには、「12月なのに雪が降らないだけましだよと、励ましました」。今日は、近くの縫製工場に行って、試作品を製作いたしましたが、思ったような仕上りにならずに、どのように改良したらよいのか、夜考えていました。
2009年12月04日
林与では、リネンに関するいろいろなことに取り組んでおりますが、その一つにウォッシャブルリネンというのがあります。綿麻や本麻というのは、アパレル向けでも手もみ加工などでは家庭洗濯を前提にしたシャツ地などを何年も前から手掛けており、ご好評いただいております。

リネンにおいても手もみ加工やナチュラルワッシャー加工においては、ほぼ家庭洗濯が可能な水準になっておりますというか、家庭洗濯を想定して布つくりしています。また、リネンでは人気のタンブラー加工を施した柔らかなタイプのものも、家庭洗濯できる水準にしています。

リネンというのは糸、織の規格、染、加工のどれかが悪いと、洗うたびに縮むという問題が起こりがちで、裁断前に水通しなども必要だったりするケースが多いのです。こんなに手間の掛かるリネンという素材がハンドメイドでなぜ人気なのかは不思議といえば不思議です。ハンドメイドで、手を掛けてやらないといけないところこそが、語るに値し布として付き合っていくのに値するという意味なのかもしれません。
2009年12月03日
今日は、肌着関連の縫製で、金属アレルギーの方にも使ってもらえるような樹脂ホックを探して動いていたのですが、なかなか、近くの資材屋さんには置いていないようで、縫製資材の商社さんに問い合わせして、サンプル用にお願いしているところです。

最近ではリネンのパジャマが人気ですが、リネンというのは、昔からヨーロッパで肌着に使われていた素材なので、ランジェリーという言葉ももともとリネンから来ています。最初のランジェリーがリネンで作られたという証なのでしょう。クラッシックな薄手のリネンというのは本当に高級に見えます。

通常の林与のリネンというのは、単にフランスやベルギーフラックス原料を使用しているだけでなくエコテックス規格100の認定を受けた中国の紡績工場の糸を使用しています。エコテックス規格100に関しては、http://www.oeko-tex.com/oekotex100_public/index.asp?cls=20をご覧ください。私自身は、素材品質の面で肌着などにも安心して使用できる糸を使用しているのではないかという気持ちでおります。

紡績工程、染色工程、製織工程、加工工程においても、さまざまな薬品が使われるため、実際には、生地の安全性の面では、フラックス原料の産地以上に、紡績、染色、製織、加工というのはかなり重要ではないかと思うのです。中国紡績糸や中国製生地が輸入され、アイリッシュリネンと謳われて大量に流通している時代なのです。

でも、これは中国の紡績会社の問題であるとは思えません、輸入の際には原産地証明が通常必要で中国紡績糸や中国製生地であると明らかに書かれているわけですから、日本国内の流通の過程で大量のアイリッシュリネンが生み出されいるのです。でも、裏返せば、中国紡績糸や中国生地でも、世界最高峰といわれたアイリッシュリネンとして信じられるほど中国糸の紡績水準というのが高くなってきたということなのではありますが…
2009年12月02日
今日は、夕方、カバンメーカーにカバンの生地をもって行きました。1週間タイとベトナムに旅行に行かれたそうで、いろいろと楽しい話を聞かせていただきました。ベトナムには縫製工場以外に織物工場もあって、すごく大きなシャトル織機が動いていたそうです。

県内にあるカバン屋さんで、どうせなら近江の特産品としてのこだわりの商品をつくりたいということで、林与の生地を使ったリネンのカバンを考えてくださっています。近江湖東産地で織られたリネン100%あるいは麻100%の生地であることを証明する近江麻織保存会の「近江織麻布」認定の表示ができないのかという相談もあり、商品のほうに近江麻織保存会の認定の証のラベルタグを付けて販売いただく形になりそうです。

県内の袱紗で有名なメーカーさんも近江へのこだわりということで、長浜のちりめんや高島のクレープ、そして近江湖東産麻布の使用を考えてくださっています。高級麻織物の産地として知られる近江湖東地域で織られる麻布というのが希少価値を増す中、産地においても100年以上麻にこだわり織り続けている他にない存在ではあり、今、どうやって、産地での麻を織るという伝統を残していこうかという問題に取り組んでいます。産地においても、中国をはじめとする輸入生地や多産地産の生地がほとんどとなる中で、伝統の近江湖東産麻布を謳える麻布にこだわる林与の姿勢に注目してくださるメーカーさんも増えてきています。

中国からはリネン生地などが十分の1くらいの値段で入ってくるので、それを買って売れば安く皆さんにリネン生地を提供できるとは思うのではありますが、また、「近江」と謳われていてもそのほとんどが中国や他産地で織られた生地だったりする時代になっていますが、麻の老舗の林与が売るからには本物の近江産であると信じて買われるとおもいますので、買われるかたの期待を裏切らないよう林与は産地で麻布を織ったものを手掛けることを大事にしています。
2009年12月01日
今日は、午前にお一人、午後からお一人来客があり、その合間を縫って仕事をしました。比較的、スムーズに流れてはいます。夜には、リネンデニムの開発の続きをやりました。

加工しておいたものが仕上がったので、仕上がりを見ると素敵です。JC2010AW展に出したものからかなり進化しました。105cm幅で1mが500gという規格で洗いを掛けてもとてもヘビーでしっかりとしています。麻織の林与だから織りにこだわりました。予想通り、しわも目立ちません。よい感じです。

縫製に入ろうとして細かく見ると横に段がところどころできていました。これは、本番を生産するときには大きな問題になるなあと思いながら、その原因を考えました。解決方法としては、機械の調整を行い大丈夫だろうと思ってい、調整後、今、織り進めています。

ものづくりというのは、自分でやらないとわからないことが多いので、極力自分で取り組むことにしています。これだけ、厚いと縫製のほうの家庭用のミシンではできないという問題もでてくるのではないかと思ってます。とりあえず、林与社内で、ジーンズのプロトタイプを縫製してみて、どんな感じに仕上がるのか見てみようと思っています。

昨日は、夜、頭が痛かったのですが、それも直って大満足な一日でした。
2009年11月30日
アイリッシュリネンプロジェクトのほうが、進んでいます。今、ネットで流れているアイリッシュリネンとうたわれているもののほとんどが中国などでの紡績だったりするのに比べ、本当のアイリッシュリネンを使っているということで、上海の展示会でも、ヨーロッパ人からも注目を浴びました。今は、染めないでそのままのアイボリーで織ろうと機を作っています。

ヨーロッパの人でも、もう、本物のアイリッシュリネン糸を織ったものを手に入れることはできない時代です。アイルランドで織られた織物という意味でアイリッシュリネンと呼ばれるケースがあったりすることもあったりするのですが、今では中国紡績糸やイタリア紡績の糸などが使われています。日本では量販系で安く、”アイリッシュリネン”と謳われていますが、いまやデッドストックの本物のアイリッシュリネンは入手がほぼ不可能になって、中国紡績糸やイタリア紡績糸が使われています。(北アイルランド紡績糸の情報をお持ちの方おられましたら情報お待ちしております。)

これは中国企業やイタリア企業が悪いというわけではありません。中国企業にしてもイタリアの企業にしてもアイルランドの紡績糸は手に入らないことを知っているので、そんなあからさまな偽装はしません。流通過程で、”アイリッシュリネン”に化けるようです。イタリア紡績の糸を”アイリッシュリネン”と呼ぶかたもあるようですが、実際のところではありません。

林与も使用しているフランスやベルギーのフラックスを使った中国紡績糸などは、量販系では、アイリッシュリネン、フランスリネンやベルギーリネン、ヨーロピアンリネンと呼ばれていますが、量販や資材系からするとプレミアクラスのリネンに相当するのかも知れませんが、服飾系では当たり前のことで、リネン業界のプロたちは、昔有ったような、超良質のリネン糸が手に入らなくなってリネンの質の低下を嘆いているところです。今の中国紡績も世界トップクラスでヨーロッパの紡績を凌ぐほどになり決して悪いわけではありませんが、原料の質に関してはフランス原料やベルギー原料であっても、昔ほどの良い原料は手に入りません。

本物のアイリッシュリネンというのは、量販クラスで言われるところの”いわゆるアイリッシュリネン”とは違って、原料の質から違うので本当に良いものです。展示会で見ていただいたリネンの目利きの方ほど、その違いを実感されていました。日本の昔の麻の良さと共通したものがあります。

けど、このことは、アイリッシュリネンだけにいえるのではなく、たとえば、西陣織や大島紬に関しても、韓国や中国から安いものがたくさん入ってきています。この前も、70歳を超えられる呉服商さんが引退されるということでご挨拶にきていただいたのですが、呉服に関する海外製品の産地偽装で呉服産地が壊滅的な状況に陥ったという話をされていました。どうも、産地で織れない量のものが安い価格で産地で出回っていることから、韓国からの商品のエンドを切って日本製のラベルを付けて売っているようだということです。近江上布に関してもネットでは安いものが出てきていますが???で、本当に近江湖東産なのかというレベルのものです。

なぜ、今、林与が産地での織りにこだわるのかというと、近江湖東の麻の産地でも今では麻を織られているところがほとんどないのです。高齢化も進んで織機があってもほとんど動いていません。麻織物の産地ながら輸入生地、キバタや他産地での織布になって、本当の産地の織物ではなくなってきているのです。織職人さんがいなくなり、織りの技術というものが消滅していく過程にあり、夏の麻織物の最高峰を誇った近江上布の流れを汲み、日本の高級麻織物の本場の近江産ですが、”近江”を語れども実際の近江湖東産地で織られたものというのは1割にも満たないと思います。アイリッシュリネンと同じ過去の産物としての道をたどりつつあるのではないかと危惧しています。そんな気持ちで、取り組んでいるのが、近江の湖東産地で、世界最高峰と謳われる本物のアイリッシュリネン糸の超細番手を織ろうというアイリッシュリネンハンカチプロジェクトなのです。
2009年11月29日
今日は、日曜日で休みだったので、じっくりリネンデニムの細かなところを煮詰めています。今回で3回目のトライになるほど、リネンデニムというのは奥が深いです。今までも麻関係のかた、ジーンズ関係のかたがリネンのデニムには取り組まれてきましたが今ひとつといった感じが否めません。

林与は、リネンの通年化企画の一環としましてジャパンクリエーションならびにインターテキスタイルイン上海でリネンデニムを提案いたしました。生地からジーンズの縫製まで林与の中でやって、ジーンズの形で展示したために非常に目新しさがあって好評でした。

履いた私自身は、見た目の高級感とコットンと違う履き心地に満足しています。縫製もリネンなので綿よりも硬く、何重にもなる部分は、業務用のミシンですらしんどい感じで手作業に近い縫製でした。

今回のトライは、やり始めてからすでに1週間以上経っています。織りに関する問題をどうクリアするのかが焦点で、並行してシャトル織機も活用して2段構えで進行しています。前回はうまくいったのに今回はうまく行かないというようなことが起こりうるのがリネンです。いろいろなカラーを展開できるように色のテストなども並行して進めています。
2009年11月28日
今日は、彦根市の井伊直弼と開国150年祭にちなんだ市民創生事業で、近江上布のルーツに関する講演会が彦根市のビバシティというところでありました。会場には、近江上布のファンの人がたくさん詰め掛けられ座る場所を見つけるのも難しい状況でした。

講演会の先生は、近江上布麻布史という本を書かれたもう90歳近い方で、お坊さんであり、いろいろな学校の先生をしながらいろいろな地域の歴史に関する書物を書かれた方です。紙に立方体を書いたときに、一つの角が90度か120度かという話をされながら話を進められていました。120度に見えるものでも90度だと書いても丸なんだという見方で、話を進められていたところには、現実的な柔軟な思想をもたれた方だなあと思いました。

文献を中心とした研究だったのですが、織物を作る側からすると蚊帳と近江上布は起源を同じにしているのかというと実際には、???だったりするところがあります。蚊帳機屋というのは蚊帳機屋で近江上布の機屋というのは近江上布の機屋ではないかと思ったりするのです。織物は織物でも使う糸、織る人もまったくちがったのではないかと思います。

今の時代においても昔の紡績メーカーさんや糸商さんとかはリネンといっても主に資材として太い糸扱われておられ、服地というのは呉服の流れを持つ機屋が作っているのです。歴史の一番最初が、エジプトのミイラの包帯の布からはじまっているので、麻織物全体のルーツまでたどられたと考えるべきなのでしょう。

林与でも近江上布絣を織っておられた親戚のおばあさんというのはもう一人しか残っておられません。そのおばあさんにしても話をきくと昔のことはほとんどよく覚えられていないというようなことですので、歴史というのは後から調べるのは難しいのだなあと実感します。
2009年11月27日
新しい加工の素材ができました。加工だけで10日ほど掛けており肉厚な感じに仕上がっていると思います。生成でナチュラルな麻の感じがよいですね。加工が織るよりも何倍も手間がかかってますので、つくり続けても一日に平均20mほどしかできません。

両方とも厚手ですが、若干薄いタイプと、密度の高いタイプの2種類ができました。見た目はカジュアルですが、ナチュラルなハイグレードとしまして価値の分かる方向けのシリーズです。リネンボトムなどを作られるのによいかと思います。

これをつくっているときにも、新たなリネンに関する私だけの発見がありました。自分で布づくりをするというのは発見の宝庫です。
2009年11月25日
今日は、JETROに問い合わせしまして、中国への商品輸出に関しましていろいろと話を聞きました。日本人が海外からものを購入するときに消費税と関税を払うのと同様に、輸入する企業は増地税と関税などを受け取りの時に支払う必要があるとのことで、相手企業さまにその辺りのことが十分理解していただけるかという点で交渉担当の中国の弊社の通訳とも相談しています。

ストールが1日でも早くほしいという熱意はもってくださっており、ものをつくるだけでなく、手続きの面も相手企業さまにも十分理解をしてもらった上で仕事を前に進めています。中国での銀行口座の開設に関しても現地法人を持つことが前提となってくるとのことで、中国企業と直接話をするときには決済面でスムーズに話が流れるよう現地での決済口座を開設し現地法人を持つことが大事だなあと実感しています。

考えてみると私自身でも海外から物を購入するときに海外送金となると手数料や諸経費などに関しても不透明部分が多く、中国のアパレルさんの担当者も日本に送金するとなるとそれ自体が大仕事で、まして初めての取引の相手に対して前振込みしないといけないプレッシャーも大きいとは思っています。今回の取引を乗り越えてもらいたいなあと思っています。

中国の展示会で、多くの現地企業さんが、「上海にお店がありませんか」ということを尋ねられていたのもそのあたりなのだと切に感じますが、その部分をどうやってクリアしていくかが大事だなあと感じています。日本から中国にFAXをお送りしましたら返事が来まして、FAXで契約書のほうが届いたという電話があったことを通訳のものに電話してきてくれたということで、中国向けはFAX回線も今ひとつ安定していないので、FAXを送った私自身がうまく送れたかどうか心配していたのですがひとまず安心しました。
2009年11月24日
今日は朝から、昨日お客さんに約束したスワッチを送る準備をしていました。そのお客さんのことは鮮明に記憶していたので覚えていたのですが、大きなサイズのスワッチが複数枚ほしいということで後回しになってしまっていたのでした。

生地のほうをカットして、各生地の説明などを英語で書いて、「林与」のロゴをあしらったパターンシートに貼り付けて、9マークを3セットつくり、2セットを上海、1セットをフランス向けに封筒に入れ終わり明日の朝発送できる状態になりました。さらに、上海の2セットのうちの1セットはニューヨークに向かうらしいです。

展示会後、スワッチ見本を送ったことで、展示会のときブースの壁に貼ったのと同じ、パターンシートにあしらわれている「林与」のロゴマークを世界のいろいろな国の人が眺めてくれるというのも楽しい気がします。たぶん、漢字を知らない国の人がみたら単なるロゴマークに見えるでしょうが、なぜか忘れられないマークになるのではないでしょうか。

中国市場開拓の件は、本格的に収益を上げていくには、やはり決済のほうで中国現地法人の設立が必要となってくるのかなあと思っています。今はストールや生地のテスト的な販売で利益はそれほど重要ではないのですが、増地税の問題などいろいろと自分やって壁にぶつかってみないと何が壁なのかすら分からないままではないかと思っています。あと、中国の服飾会社が積極的に弊社と取引したがってくれているのですが日本からの送料の件でどうしようという状態で、関税を払うなどの概念を当たり前に持っていてくれるかどうかも心配です。展示会においては、FOBよりCIF価格での取引をしたほうが無難だったかもしれません。

夜には、組合の理事会などがありまして彦根に向かいました。組合の新規事業のほうも開国150年祭と並行して順調に進んでいるようで、複数年にわたる計画で広がっていきそうです。
2009年11月23日
今日は、休みだったのですが、夜に企画ごとの糸量の計算などをエクセルを使ってしていました。

上海の展示会のスワッチサンプルをお送りするのが、希望のサンプルのサイズと枚数の加減で出来ていないかったお客様からスワッチ送付の依頼があって、明日手配を約束しメールなどしていました。
2009年11月22日
林与では、新しいリネンの加工に取り組んでいます。味のある厚地のリネンをつくろうと手間暇掛けた加工を試しています。まだ、1週間くらいは掛かりそうですが、出来上がると味があるものになると思っています。

この加工をベースにしたリネンの新しいシリーズを作り出します。素朴な素材に手間暇を掛けて味を出したシリーズで、リネンのナチュラルな良い味を出したいと取り組んでいます。
2009年11月20日
上海の展示会の成果で、ストールが中国企業向けに売れたので、英文契約書の作成に入っています。中国の企業でも日本の企業との取引を行いたいところは多いようで、非常に意欲的に、ストールの購入を進めてくれています。

今年、ヨーロッパ向けにストールを輸出したときには、信用取引に近い状態での流れだったのですが、今回は決済の難しいといわれる中国ということもあって、契約書を作成してからの生産という形を取ります。

現在の中国企業が信用面で不安が多いかというと、中国企業は大企業が多いので、逆に、日本企業に騙されるのを心配しているくらいです。中国の繊維関係の企業もたくさんヨーロッパ向けに輸出してヨーロッパ企業が支払いを滞らせることが多くなって、輸出する取引相手に対して警戒を始めているのです。

ヨーロッパに関して、産地、混率や品質面でかなり本当かどうかわからないというものが多くなっているのもヨーロッパの企業体質に表れているのではないかと思っています。材料として買ってものをつくるのが心配な時代になってきました。
2009年11月18日
今の時代、糸の会社や普通の織物会社には、在庫というのはほとんどありません。海外の紡績会社にですら糸の在庫というのは年間生産量からするとほとんどといってよいほどないのです。そういう風に在庫を減らしながら物を回すことで在庫リスクを軽減しているのです。それが優良な経営とされるのですが、私自身は別の考え方をしています。安定してよいものを作るためにはベースとなる糸は大事で、リネンやラミーのような作柄に影響される天然の素材は、良い糸を確保することは重要なのです。

林与には、糸商以上の糸の在庫を抱えています。単なる糸ではなく、糸種ごとに100色を超える色糸があり、それを元に見本作りなどを進行しています。今の時代、そのような在庫糸というものに対しての評価が低く、物をつくれない時代になってしまっています。一回限りの消耗品のような感覚でのものづくりで長く使ってもらえる良いものが作れるのかが疑問です。

生地に関しても同じです。麻生地に関しては、過去に作った数千種類の生地を眺めながらものづくりをしています。そのことが商社ベースの流れで動く他の機屋さんや紡績メーカーとは違うものづくりの基本となっています。今の時代にライフワークでじっくりとものを作れる人がいるかというと、ほとんどおられませんし、織物の現場において長い経験を持っておられる職人さんたちでさえも満足できる仕事ができるかというと難しい時代になってきており、良い要素を集めた上でじっくりとものをつくることが必要な時代となっています。

昔から、小ロット多品種、高くても良いものを作っていけば日本でやっていけるというのが、一つの日本的なビジネススタイルだったのですが、ここ数年は大手の安い中国製品の時代になっており、大手さんはすべてが安いものに特化される時代になって来ました。でも、本質を考えると安いものが高く思えてしまうから不思議です。
2009年11月17日
今日は、午前中、組合で帰国する研修生のお手伝いということで飛行機のチケットの手配など事務関係を手伝いました。

午後からは、研修生たちが日本語を勉強している最後の日だったので、閉講式が執り行われ、専務理事として海外に出かけておられます理事長の代わりとしまして立ち会いました。

組合のほうでも、今、井伊直弼と開国150年祭を行っており、その関連で地場産業としての縫製のPR活動を行っています。ひこにゃん関連グッズなども彦根の組合のほうではサポートしており、事務局のほうも活気付いております。
2009年11月15日
今、ギンガムチェックや、マドラスチェック、タータンチェック、グラデーションチェックの新柄の作成に入っています。手間の掛かる作業で柄づくり色構成というのは私自身が行います。再来年向けで来春の展示会などで新作として発表いたします。力を結集して、来春を華やかに演出できると考えております。興味おありのブランドさまは、ブランドオリジナルの企画なども進行しておりますので、ご連絡ください。

今日は、会社は休みですが、夕方から社員の一人が誕生日だったので、社員一同が集まってささやかに誕生パーティを行いました。
2009年11月14日
今日は、かばんメーカーの社長ご家族がお越しくださいました。社長夫婦と1歳4ヶ月のお穣さんです。もう、小さくてかわいいです。最初は新しい場所に慣れなくて、泣き顔になっていましたが30分くらいで調子がでてきたみたいで、楽しそうにニコニコとしてました。
しつけも厳しくされているようで、水だけでジュースなど砂糖の入ったものはまだ飲ませてないそうです。

近江の湖東産地は日本の麻織物の本場で、滋賀県は全国一の麻織物の出荷量を誇っていますが、今では、近江の湖東産地で織られる麻服地というのは、小さくても「林与」が主力となっています。近江で扱われる麻生地の、ほとんどが、中国をはじめとする外国産や他産地産に置き換えられ、本場近江産の本物を見つけることが難しくなってきています。

産地偽装などに対して敏感な時代において、本当に近江で織られる近江産の麻織物を使っていることを売りにしたいということで、林与もリネン生地を開発し提供させていただくことになりました。カバンメーカーと織物メーカーということで分野はちがっても、ブランドなどに関しては重なるところが多く、ものづくりに関してはつくりたいイメージが重なるメーカーさんです。

私自身のものづくりは、本物でありたいと考えています。安いものづくりをする方法はいくらでもあるのですが、それだと他の人でも出来てしまうし、布に価値を注ぎ込むからこそ価値のある布ができるのだと思っています。ものづくりにこだわった日本の麻を代表するようなものづくりをしていきたいと考え、日本の麻を代表するような定番の商品を守り続け、また、新商品の開発にも前向きに取り組んでおります。
2009年11月13日
今日は、小学校を訪問しました。ミシンの授業で5年生と6年生の授業に参加させていただきました。6年生がエプロン、5年生がナップサックを作ります。私自身、じっくり一人一人に教えて生徒自身に縫ってもらっていると、担任の先生が授業を進められるペースに追いついていけなくて、私の班の担当した班だけが遅れ気味でした。

私が30年ほど昔に小学生だったころ、自分のエプロンを作ったのを思い出しました。生地も自分で用意して、切って、あとデザインを工夫するのですが、オバキューを大きくフェルトであしらったエプロンを作りました。少しでもみんなと違うもの作ろうと工夫したものです。今の子供たちのつくるのは、すべて、教材としてパッケージになっていて、既製品に近い感じのものが出来上がります。

小学生がミシンを使うというのは実際には無理といえば無理な話です。ほんとうは手で縫うという作業を中心にしてあげたほうがよいのではないかと思います。初めての人の場合、ミシンで縫うことよりも実際には糸が切れたときなどミシンを調整したりするほうが大変で、小学生にはそのあたりは難しいかなあと思いました。工業用ミシンでもミシンの調整は専門の人がやる場合が多いです。

今回の課題に絡んで、家でお母さんにミシンの使い方を習っているという子供が多いのでその点は学校だけで出来ない部分を家でカバーするという基本姿勢があり安心をいたしました。自分たちができないことを大人がいとも簡単にやっているという姿をみて、子供と大人の違いを感じてくれたとは思います。しかしながら、日本では、昔のように職人を育てるのは難しいだろうなあと感じた一日でした。
2009年11月12日
今日は朝は彦根のほうで、帰ってきてから、染屋さんに染めと染色テストのほうの依頼にいきました。ハンカチのプロジェクトでのための先染のテストです。

その後出機さんを回りまして、昼からお客さんの予定だったのですが、縫製上の問題でどうしても生地の物性検査に出したいものがありまして、京都の検査機関に出向いてまいりました。そこへは、以前からときどき検査の依頼を出しに行ったことはあったのですが、今回は、大きな柄の生地だったので、どれだけの生地が必要なのかわからなかったので持ち込んで検査の詳細などをお聞きしてお願いいたしました。

今週の初めに、別件でアパレルさんから生地のリクエストをいただいていた件で、担当の方と電話のやり取りがうまく行かず、すれ違いでようやく夕方に電話をいただいて、お話できました。せっかく、ご依頼いただいたので、なんらか手伝えるようなことがあればとおもってはいるのですが、サンプル生地と同じようなものがご必要ことで、私の手持ちの材料では難しく弊社の仕上げの場合、綿にしても麻にしても原糸からして違うので、同じ表情には仕上がりにくい旨をお伝えし、今回は、私としましても残念な結果でした。

会社では、明日はの小学校での縫製教室のためのプレゼンテーションの小物を準備などしておりました、家にあった家庭用ミシンの調子も調整しまして準備は整いました。明日は、社員二人が助っ人で小学校に向かいます。

今は、1台厚地を織っているのを除いては、動いている織機のほとんどがストールばかりになっています。最近では、タータンチェックやマドラスチェックなどが人気ですので、婦人物のチェック柄の洋服を作ってみたいなあと社員と話しておりました。ストールとおそろいのチェック柄の服というのも良いのではないかと思っています。アパレル関係の動きが鈍いので、ここらあたりで本格的に春夏向けの素材開発に取り組んでおきたいと考えております。
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