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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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2010年03月14日
昨日の夜は、ひこねの縫製の組合で集まりがあって蟹をたくさんいただきました。水ガニって知っておられますか?脱皮した蟹だそうです。脚の身などを食べる限りは普通の蟹とあまり味が変わらないのですが、ミソなどを食べると脱皮した影響で、体の中に水が入ってしまっていて塩っけのある蟹です。全体的に普通よりは少し味が劣るというのは、市場の人も、食べている側もよく理解して食しているので大丈夫かと思います。

水ガニって聞いて、わたしは最初、真水に住んでいる蟹かと思っていたのですが、しょっぱかったので、詳しく聞いてやっと意味がわかりました。十杯で5000円と、一杯が500円くらいで、ボイルにしてもらったものでも600円程度と驚きの値段でした。蟹と聞いて高いイメージがありますが、通販や食べ放題のバイキングなどにある蟹の脚などはこういった蟹の形崩れしたものなのかなあと想像します。

昔、大学のころ先輩が、「日本海側の温泉に行って、蟹を食べ過ぎて大変だった」という話を聞きました。「どうなったんですか?」と真面目に聞いていたら、蟹を食べ過ぎて次の日、横にしか歩けなくなったと大真面目に答えてくれたのが、大学のころの思い出の一つで、蟹を食べるたびにその話を思い出します。

オーガニックリネンPROシリーズを特別プロモートしてみました。数量に限りがございますがお勧めですので、ぜひ一度お試しくださいませ。GOTS認証を得たオーガニックリネン糸100%使用していますが、風合いを重視するため、加工のほうは敢えてオーガニック度を
落とし通常のアパレル向けのソフト加工を施しています。オーガニックにこだわられる方は、オーガニックリネン糸に薬品を何も足さずに織り上げ、天然水の地下水+天日干で仕上げた、林与オーガニックリネンナチュラルシリーズがございます。

林与は、オーガニックリネン糸に関してはヨーロッパの紡績糸も使用してみたのですが番手が太いだけでなく、どうしてかなあと思うところがあって使うのをためらっていました。(林与自身いつも糸を触って、織り上がり、生地の仕上がりもみているので、その違いが分かるのです。)糸商さんが来られた時にその裏話を聞かせていただいて、私がそのブランドの通常のリネン糸を触っているときとそのブランドのオーガニックリネンの糸を触っている時の感じ方の違いを十分に説明できるだけの話だったので、もやもやしていたものが解けた気分です。
2010年03月13日
今日は、リネンのハンカチを合計4枚分ほど織りました。織れていますので織りとしては成功です。このハンカチのプロジェクトは、滋賀県のファンド事業の支援も受けて行っており、今はもう手にすることのできないアイリッシュリネンの糸を、ああでもない、こうでもないと言いながら柄組して、ハンカチらしく織りあげていきます。

数ヶ月前のジャパンクリエーションと上海での展示会の際には、ハンカチとして無地タイプのものをお披露目をいたしましたが、その時は、織の規格のテストでした。何本で織れば、どの程度の滑脱に納まって、目ズレなどの問題が起こらないのか、加工との相性はどうなのかというテストと、キバタの時の状態と加工後の状態で、縦と横がどのくらい収縮するのかというテストです。そのテストをしっかりと行わないと、ハンカチにしたときにハンカチの中に綺麗に収まるような柄を組むことができないのです。

縦横正方形にするために、縦本数、筬の選択、ギアの選択を行い、この前のテストのときとは違う機の本数に設定しなおしました。たぶん、同様の加工で、正方形のハンカチ用の生地が仕上がってくる予定です。このハンカチのプロジェクトの成果は、ハンカチそのものではなく、麻織物の超細番手の技術基盤を蘇らせることです。

幻の糸を使用しているということで染のほうも贅沢です。リネンにはベストとされるスレン染料を使用したり、スレンで出にくい綺麗な赤などの色は堅牢度の高い反応染料を使用して考えうるベストの選択で臨んでいます。今は、平の織物ですが、来年や再来年には、ドビーやジャガードを駆使するなど、林与が出来る限りのものを詰め込んでみたいと考えております。2年半後には、30柄X3配色で、90色柄くらいの究極のアイリッシュリネンハンカチコレクションが出来上がる予定で、気の遠くなる話ですが少しづつ前に進んでおり、時折、経過報告を行います。
2010年03月12日
今日は、夜、平三本ミシンを使って縫製の仕事の準備をいたしました。平三本というのは、三本針が並んでいるミシンです。裏面に飾り糸がギザギザ状に走ります。Tシャツなどの処理によくつかわれるミシンです。

今回はそのミシンを、アタッチメントをつけて2枚の布を5mmほど重ねて張り合わせる処理に使用しました。そういう工夫ひとつで、きれいに仕上がるだけでなく、早く作業が進められます。そういう風に道具を工夫するのも日本の得意とするノウハウの一つです。

日本のミシンメーカーが強いのも、耐久性だけでなく、多種多様なミシンのラインナップを持たれているからです。家庭用のミシンが数万円で買えて、一台で多種多様なことができるのに、工業用ミシンというのは50万円以上もして一つの作業しかできないので、多種多様なミシンが必要となってきます。そこが実際に産業としての品質を要求されるプロの世界で、産業としての品質の要だったりすると思います。

織物もそうなのですが、わざわざ、わずかな違いのために、糸の太さを変えるだけでなく、経糸の本数を糸の太さに応じて変えています。縦糸、縦120cm幅で、2500本という機があったら、それでリネン66番、43番、25番を織れば、厚さの違う布ができるじゃあないかと思われるかもしれませんし実際にできるのです。1台の織機で3種類の布が織れることになりますが、その布には、織って加工して仕上がった布を触って、布を使う目的に応じて「ちょっと厚いなあとか」感じたときに、縦の本数を減らさなければならないなあ、という、良いものを追い求めようという気持ちが詰まっていません。

横糸だけで、打ち込みを変えることで厚さを調節することも可能だったりするのですが、麻織り物のバランスとして、基本的には、縦糸と横糸の密度の関係が存在し、それがあまりに崩れると目ズレなどの物性の問題が出てきます。コンピュータのモニタ画面で織物の色柄を作られるように縦横同じ密度を想定した織物を設計されることが多いものです。資材系ですとそれが適切かもしれませんが、服という要素を考えると?だったりすることも多いので、作られる方の経験次第だと思います。数字上は規格は自由にできるのですが、どれだけ、出来上がった麻布を触って加工に応じた、良い風合い、物性のものを導き出すかだと思います。

春夏の布の厚さというのは、どうかというと、ヨーロッパと日本では違いますし、国が違えば異なるのです。日本では日本に適した生地の厚さというのがあり、それをどうやって導き出すのかというと、もうちょっと厚いほうが良いとか薄いほうがよいとか、お客さんとのキャッチボールで公約数みたいなものがあります。それを基準に同じ番手でも、高密度タイプをつくったり、薄い生地をつくったりな感じです。地中海沿岸諸国では、薄手のファンシーな布が多く、アイルランドなどではトラッドな高密度なものが多いのも気候などの影響ではないでしょうか。
2010年03月11日
先日の県関係の面接に伺った時にも、産地が抱える問題として後継者不足という問題があります。実際に、麻を織るというのは、無地など資材系のスタンダードなものは織れても、服地に使うような特別なクラスの糸のものを織るというのは、普通のところではやっておられないので、扱うこと自体が手ごわかったりするものです。

織機を丁寧に調整し、織れるようにしても規格が変わるとまた調整のやり直しで、織機の台ごとの癖もあったりで、この台ではうまく織れるけど、他の台では織れないというようなこともあったりするのです。

織機をうまく操れるか操れないかは、織機の構造をしっていることも大事なのですが、それ以上に、微妙な糸の調子や問題を見極めてあげることが大事なのです。ときに、織機に問題があるのか、糸に問題があるのか。糸に問題がある場合には、それを改善してあげないと織れないのです。その見極めが大事で、糸というものをよく知っていないと、ベストの調整になっている機械を、逆に調子悪く調整してしまうことになります。難しいものを手がけるということは、常にこの問題とにらめっこなのです。
2010年03月10日
今日は、午後から滋賀県のコラボ滋賀で委託事業関係の申請に関する面談がありました。面接会場の待合場で、十数年ぶりに昔支店長をされていた方に思いがけずお会いし、2年前に先代が亡くなったあとも元気にやっている旨をお話ししました。相手様も当時はまだ若かった私のことをよく覚えてくださっており、やはりすごい方だったんだなあと思います。

夜、オーガニックリネンカラーフリンジシリーズの撮影を完了しアップしました。非常に良い感じで仕上がっていますので、商品説明の中の拡大画像は超特大の画像を用意しましたのでご覧ください。リネンピンヘッドは、淡い微妙な色合いを考え上品な仕上がりです。

両方とも、百貨店ブランド向けのプロユースを想定したものですが、ハンドメイド向けのカジュアルな御用にももちろんご使用いただけます。今回は、非常に少量の限定生産です。

そのほか、定番的なリネン生成とリネンオフ白の薄地、中厚、厚地の3タイプをソフト加工でご用意いたしました。この3種類があれば、リネンブラウス、リネンワンピースからリネンコートやカバンまで広くカバーいただけると思います。特別プロモートもご用意いたしておりますので、ご覧くださいね。
2010年03月09日
せっかくいろいろな生地が上がってきたのに、今日もまだ新しい商品のほうをご覧いただけなくてすみません。写真撮影のほうは少しづつですが進んでおります。

自分で作ったのに馬鹿かもしれませんが、今回、新たにつくったオーガニックリネンPROシリーズの赤、黒、パープルなど色付耳バージョンシリーズなんかは良い感じなので、倉庫にしまっておこうかと思うくらいです。

同じ紡績ロットの糸を使っていても、加工で風合いや表情はまったく異なってきます。それが、リネンの奥の深いところで、加工で物性はかなり変わってきます。同じキバタのリネンを、10種類以上もの違う表情に変えることが可能なのです。その加工の知識を持つことも重要な要素です。

しかしながら、林与自身は、あまり、加工で表情を変えることは得意とはしておりません。リネンに薬品を使えば、いろいろ変えられるだけだからです。いつも使う加工というのは、実際には5種類くらいです。何十年もの実績があることで、それだけ、その加工というのが問題がないことがテストされていると思うからです。

ものを作っている林与からすれば、どれだけコストを掛けたものであるかが、実際には、その物の価値なのです。今、「自分が」つくろうとするとどれだけ掛かるかが、その商品の価値です。それは、単に材料費プラス加工賃という単純なものではなく、世界にPRできるようなグレードのリネン商品の開発に掛かる費用、試作の費用のほか、林与の歴史や麻織物の本場近江で布づくりを続けている重みも含まれてしまっているかもしれません。

逆に、いくらで売れるかがそのものの価値であると説教をいただくことも多いのです。売れる物の値段は決まっているから、あとはどうやってコストを落とし安く調達するかという手法です。それは、価格競争に勝ちものを自然に流すためには大事なことであるのは理解しており、海外や他産地で生産する手法です。量販向けのものを作るのには適した手法です。でも、海外に量産部分のシェアを奪われることにより、国内では、量が出ないクラスの高いものをつくる基盤すらも維持できなくなり、結果、産業自体の荒廃につながったのだと思います。

しかし、最後まで残っていようが、本場の本物を作っているというだけでは意味がないと思います。本物と理解いただけるだけのものを残していかないといけないと思うのです。だから、林与では、こだわったものづくりを心掛け、他とは一味違うものが基本です。アパレル向け服地として開発し改良を重ね、何十年も続く、林与の定番「本麻手もみの100番シリーズ」を作り続けていたり、業界の中でも扱うのが敬遠されがちな特別なリネンの世界を持ち続けているのです。

今、当たり前になってしまいましたが、近代以降、洋服のように売られるようになった本麻の甚平や作務衣なども林与から始まっています。近江上布などラミーのハンカチの日本のルーツも林与で、その時々でハイカラなことをクリエーションしてきました。次第に、安価な類似品なども増え、それが徐々に日本の麻文化として浸透してきたのです。
2010年03月08日
今日は、朝に加工屋さんから反物が上がってきました。特別な仕様を検討し加工を挙げてもらいまして非常に良い感じの仕上がりです。10種類くらいのマス見本が出来上がってきたでしょうか。色柄が華やかな先染のチェックばかりなので、カットしていて楽しくなってきます。色耳付きのオーガニックリネンPROシリーズの生成とオフも上がってきました。ベーシックな、無地は売り切れになってしまいお待たせいたしましたが、販売を再開いたします。

他に、オーガニックリネン糸を使用したものではありませんが、通常のシャトル織リネンのシリーズとしまして、ソフト仕上のリネンを、L25、L43、L66で生成とオフ白ご用意いたしました。ベーシックな定番素材ですが、他とは違う林与クオリティです。

出来上がったマス見本を眺めておりますと、総マスばかりで、どれも楽しい感じです。色柄というのは人それぞれに好き嫌いがあって当然だと思います。今回、林与は、20代、30代のレディース向け、かつ、お家で着るという想定で楽しい色柄のものをクリエートいたしました。カジュアル向けではありますが、林与の品質は保っております。

林与の素材は、百貨店ブランドへのご提案だけでなく、日本のテレビ司会者を代表される方のテレビ番組に出られるとき衣裳の生地や非常に知名度の高い女性ゴルフ選手が着用いただくシャツなどにも使っていただくようなこともあるのが林与の素材です。単に、日本の麻業界の老舗というだけでなく、100年以上、麻の業界において、普通とは違うものや最高のものを求めつづけたいと常に思い続けている証なのではないかと思います。

品質面では世界的にみても一級のものづくりをできるだけのチームワークを整えており、林与の素材は、一般的に見受けられる資材系的な普通なものが少ないのです。キバタなどは糸質を除いては普通に見えるかもしれませんが、たとえば、見えないところでは、生成やオフ白のキバタなどは糊や糸道油を付けずにシャトルで丁寧に織るなどナチュラルへのこだわり、環境への配慮、かつ、後のご家庭での水洗いのみでの仕上げを想定した配慮も多いです。

いろいろと、糸のこと、染のこと、加工のことをどうすればよいのか悩んでいるのが、私自身、林与の四代目で、それを相談し支えていただいているのが、日本の麻業界を支えておられる大御所さんや日本の麻織物本場近江湖東産地の麻業界の中でもモノづくりを知る本当のプロたちです。産地においても林与以外では、麻100%ものを織り続けることが難しくなりつつあり、いつのまにか、日本の麻織物の産地でも、実際に麻を織り続ける最後の麻機屋と言われるほどになってしまっています。今、産地では、麻を織ることなくして、本当に近江湖東産地が麻織物の本場と言えるのかという問題にも直面し、地元の麻業界からも、本場の麻織を守らねばならないよと、たくさんの応援もいただいております。
2010年03月07日
今日は午後から「となり組」という組織の会議がありました。来年度は、組長だそうです。並行して別の場所で自治会の役員選挙なども行われ、来年度の自治会の評議員があたりました。来年度は、自治会の会議なども忙しくなりそうです。

林与の初代は、仕事プラス村長もやっておりましたので、字の役くらいはスムーズにこなさないといけないとは思うのですが、今の時代、日本の縮図たる田舎には若い人が少ないので、若い人の負担というのは案外大きいものです。

この前、家の中の古いものを整理していたら、私の家に豊国村の行政の書類などが少し残っていました。農村ですので、農業関連の書類が多い感じがしました。達筆で書いてあるので私には難しくてほとんど読めません。

他に家にある古いものといえば、相当古いミシンです。町内で、ミシン屋さんが3台売ったうちの一台だということが分かっており、ミシンが特別だったころのミシンだそうです。整備してもらって今も動く状態であります。最新の工業ミシンよりもそんな古いミシンに愛着を感じる林与です。
2010年03月06日
林与は、いつもドコモさんのFOMAでインターネットをしております。東京に出張の際、FOMAの端末をぶつけてしまって、インターネットへの接続が長時間はできない状況になっております。火曜日には完全復旧を目指しますので、火曜日ころまで、メールの確認や日記の更新が遅れ気味になると思います。

みなさまには、ご迷惑おかけいたしますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
2010年03月05日
今、サンプルを進行しているのが、リネン100番手でのギンガムチェックとサイドラインストライプです。素材的には、リネンハンカチに使うクラスの細番手の糸を使用しており、リネンハンカチよりは、サイドラインストライプのほうは少し厚め、ギンガムチェックのほうは高密度に織り上げます。

サイドラインのほうは、2年前から取り組んでおります細番手プロジェクトの一環で、過去に数種類のテストを繰り返し、1年前にひとつの完成形としてつくりあげた無地の素材です。ジャパンクリエーションでスズキタカユキ氏とコラボさせていただきました。リネンのシンプルな平織りの素材で、プルオーバーブラウスにしていただきました。

その作品は、日本のテキスタイル作品として香港のインターストッフエッセンシャルアジアという国際テキスタイル展示会で展示したいとの計画をいただき、3月17日から香港で展示いただく予定です。林与はインターテキスタイル北京の展示会を控えておりますので、香港にはブースを出す形での出展はいたしません。(インターストッフエッセンシャルアジアのホームページhttp://www.messefrankfurt.com.hk/fair_homepage.aspx?fair_id=1&exhibition_id=1)

ギンガムチェックのほうは、リネンの100番手という細番手の世界というのはクチュールやプレタな世界になりがちですが、それを一般的な日常の生活アパレルとして提案できないかと、カジュアルなギンガム柄でのご提案です。リネンギンガムの良いものをお探しなら絶好の素材になるのではないかと思います。今回、両方ともですが仕上の予定では、ナチュラル感よりも高級感を重視したフラットなタイプを考えています。仕上げのほうは、今回は両タイプとも、ナチュラル感よりも高級感を重視した仕上を予定しております。
2010年03月04日
今日は、京都のお店のほうに出向きました。弊社とも昔からお付き合いがあり、たまたま、社長のほうも小売されているお店におられまして、お話しする機会がございまして、いろいろと商品開発の相談に乗っていただきました。

今は、中国での商品開発を中心に行われているようで、糸などを拝見させていただいていますと、中国の地名の付いた糸などがたくさん並んでいました。しっかりと糸の原産地を書かれているところが、大手さんですが正直な商売をされている証拠で、自分の手がけておられるものに自身をもっておられる証拠です。

麻糸の話をすると共通した認識があるので、話が弾みすぎてつい長居をさせてもらいました。糸の開発に関しては、ヨーロッパ企業もそうですが、どうしても中国をベースにせざる終えないのが世界の現状となってきています。ヨーロッパの紡績企業も実際にはほとんどを他国での生産に移行している状態で、ヨーロッパ産の織物も品質の高いものには中国紡績糸を使用しているケースがほとんどの時代ですので、糸の品質を見極める目が大切なのです。

午後からは、来客の予定でしたのでぎりぎりに会社に戻りました。夕方は、出荷などいたしました。本日、2月のリネンプレゼント当選者さまへの発送もメール便速達にて行いましたので、到着をおまちくださいね。
2010年03月03日
今日は、朝一番の品川6時発ののぞみ99号に乗り名古屋でひかりに乗り換え米原まで戻って着ました。非常にスムーズに帰ってくることが出来ました。のぞみに乗っていて新幹線が全力疾走している感じが伝わってきました。新幹線も、朝からがんばっているなあと。

でも、新幹線というのが本当に世界最高レベルのサービスを提供しているのかというと、そうではありません。中国などで汽車と呼ばれるクラスが普通に新幹線並みのサービスを提供していたり、アメリカでは鉄道は発達していないものの飛行機が長距離バスのように、まさにエアバスとして運行しています。

帰ってから、午後のミーティングの書類を用意して、昼過ぎに彦根の縫製工場のほうで縫製サンプルの打ち合わせをいたしました。帰ってから、そのサンプルを製作してOKがでましたので、実際に本生産に移りました。

夜には、縦糸のテンション調整の問題で織りにくいので、シャトル織機のほうをじっくりと調整しました。昔の織機というのは、今見てもしっかりと作ってあり、長く使うことが前提であるものです。昔の織機を使う人がいなくなって、処分される織機が多くなってきています。今作られる織機のほとんどが、生産性を重視したものが多く、リネンや麻を織るのには適していません。リネンの世界で、最高峰と呼ばれるクラスを安定して作り続けるためには、糸もさることながら、織機と織の技術をどう残していくかに掛かっていると思います。ほかにも染の技術や加工の技術もトータルとして完成度の高いものを作り上げるためには重要な要素です。
2010年03月02日
今日は、午後から生地ショップさんのレセプションに参加させてもらいました。お店の前にはたくさんの花が並び、お店ももちろん新しく出来上がったばかりできれいで、店員さんも楽しそうな方が集まられていて、たくさんの方がこられ華やかなお集まりでした。

お店で、すごく良いリネンを見つけました。プリント生地だったのですが、使ってある糸が違って、リネン100番手くらいでしょうか、私自身が、うん? と思ったのです。一見して、これは違うと思って、記念に、少しだけですが買わせていただきました。お店のスタッフの皆さんもその生地は素敵で自分も買いたいけど高いので手が出ないといってられました。

お店の新しいスタッフの方が私が一番初めのお客さんですよと、初仕事を意識して反物を開いて丁寧にカットしてくださり、初仕事なのに手際よく上手でした。今度作るリネンシャツに使ってみようと貝ボタンも見つけたので20個買いました。

レセプション中に、お店に並んである生地も一通り拝見させていただいて、ご提案させていただくための色柄のゾーンと、そこにすでに置かれてある生地を理解しておくことで被らないものづくりをするための参考になりました。

東京で、もう一軒お邪魔したい以前ご案内をいただいていたお店があったのですが、東京に着いた時間がちょっと遅くて今回も次回にしようとおもっていたら、表のたくさん並んだお花の中にそのお店の名前を見つけました。
2010年03月01日
リネンプレゼントの当選者が決定いたしました。リネンプレゼントをクリックしてご確認くださいませ。

今日は、今までに出来上がった見本のほうを加工に出したりしました。今日は小雨なので、布の扱いが大変です。加工に出したりするときにキバタが雨に濡れると駄目なのです。20種類以上は増す見本が出来たでしょうか。今も進行中ですので、ジャパンクリエーションまでに最終で50種類以上のマス見本を作り上げることになります。

カジュアル向けの色柄を取り揃え、基本的には、糸使い、染、加工も百貨店ブランド様向けと同等品質で麻の専門集団が取り組む、一級のリネン仕様です。リネンで色華やかな世界がご覧いただけます。

1週間程度で、仕上がってくる予定でございます。ご興味のあられるショップ様などは、お問い合わせくださいませ。基本的に受注生産になりますが、小ロットでしたら、4月の第2週頃の販売には間に合います。
2010年02月28日
今日は、月末の日曜日、会社が動いていない合間に、私は一人、50年以上昔の手績糸とにらめっこです。幅の広めの織物を織りたかったので、縦がリネン66番手の生成の掛かっているところで、糸のテストです。

まず、シャトルの管に糸を巻くところから始ります。通常なら、糸は、シュワイターと呼ばれる糸巻機で、シャトルの管に巻くことが出来るのですが、この糸は、新聞紙に包んであるような状態のもので、手ごわさが違います。イメージからすると、乾燥した草の繊維をつなぎ合わせたようなものなので、糸というよりも繊細な藁という感じです。

何時間も掛けて巻き上げて、一本一本手織りのように織ってみました。織れた!です。生糸を織ったような光沢があり、縦のベルギーフランスフラックス原料を使用してあるリネンですら、まったく、くすんで見えます。私自身、今まで、麻で、こんな織物は見たことがありません。これが「きぬあさ」と呼ばれるものなのかという感動の世界ですが、横糸一本ごとに繊維が一本使われているような織物なので、気が遠くなります。

年代を経ているせいで、糸自体はビンテージな小麦っぽい色に変色しているので、雰囲気があってよいと思うのですが、実際に、使うとなると晒したらきっときれいな織物に仕上がると思います。いろいろな試行錯誤取り組みの中で、日本の麻織物のお手本ともいえる、アパレル向けの林与の本麻手もみ100番シリーズを生み出し、今も、麻織物の本場近江湖東産地の本麻織物を代表する商品として守り続けています。
2010年02月27日
ある生地屋さんで、良いリネンを見ました。たぶん非売品だと思うのですが、ディスプレイしてあるいくつかのワンピースです。リネンの細い糸が使ってあって、オーナーさんにリネンを見る目があるのか、そのお店をサポートしておられる方に見る目があるのか、私が見ても良い感じのものでした。

後染っぽく若干染めが甘い気がしたので、生地がインポートものなのかもしれませんが、ハンカチにするくらいのリネンの細番手のものを高密度にアパレル向けに織ってあるというのは、日本では珍しいのです。

今、リネンの100番手が中国のいろいろな紡績工場から出てきています。私が知っているだけでも複数社あるので、これからも細番手化は進んでいくものと思われます。リネンの細番手というのは、たとえば66番手と100番手では、1.5倍しか変わりませんが、すべてにおいて技術力が必要となってきます。

今や、高品位なリネンのほとんどが中国で紡績されるようになっており、まだまだ、進化の余地があるように思います。中国で紡績されたリネンとかも、実際にはヨーロッパなどで使われており、横だけに使うというケースが多いようです。本格的に先染でいけるクラスの糸がどんどんと出てくることを期待しています。昔のリネンや麻の品質が良かった時代に戻るのではないかと楽しみです。
2010年02月26日
暖かいお天気で、買い物に行くと梅の花が咲いていました。今日は、織りあがったホームファブリック向けの生機を丁寧に仕上げます。ホームファブリックなので家庭用にナチュラルかつ柔らかにに仕上げるための一工夫を欠かしません。問題になりがちな問題も極力吸収しておくためにわずかの薬品と手間を掛け、なんとか3時間掛けて5mほど出来上がりです。

暖かい日に作ると作業自体が楽しいですね。今の時代、なかなか面白いなあと思う布を見つけるのは難しいです。いろいろな方のリネンの解説がありますが、林与は、リネンや麻に対して経験から独自の見解をしていることも多いです。麻というのは強い繊維ですので、味を出すためには、手を掛けてあげる必要があります。そのままだとペプチンも多く、硬くて…。

今日出来上がった布もサマーリネンブランケットとしてどんな感じでしょうかね。冷えがちなオフィスで活躍するような布というのもありがたい存在でしょう。生成でリネンぽくって十分なのかもしれませんが、林与はリネンの先染めでストライプとかチェックとか作ってみたい衝動に駆られてしまいます。

展示会でもテーブルに掛けている布なんかは、リネンのチェックのクロスだったりして華やかです。そのテーブルクロスも社内で生機を洗って縫製してやりましたんで、市販のものほどは四辺などまっすぐではありませんが、1枚掛けるだけで雰囲気は良いです。柄と配色は私自身が考えたものなので自己満足かもしれませんが、展示会などでもいろいろな方がそのテーブルクロスにも興味を示してくださってます。

月末には2名の方にリネンが当たるリネンプレゼントやりますので、みなさん、登録してくださいね。会員登録されていると当選されると登録済みのご住所にお送りします。メルマガのみのご登録の方が当選された場合は、メールをお送りしてご住所を確認の上お送りいたします。今のところ、メルマガのほうまで手が回っていませんのでメルマガを期待してくださってる皆さんにはメルマガゼロで申し訳ないですが…。
2010年02月25日
今日、通知が届きまして、2011SS展においても、ジャパンクリエーションのデザイナーコラボをさせていただくことになりました。今回コラボしていただくデザイナーは、The Dress & Co. HEDEAKI SAKAGUCHI(坂口 英明)氏です。2010年のSSの写真などを拝見させていただくと、パリを思わせるようなフェミニンな感じのデザインで薄い素材がよいのかなあと思っていたりします。

そういえば、サンディエゴにいたときに、クラスメートにフランス人の女の子がいました。ジュディフォスターの若い頃をかわいくした感じで、なにもかもがモデルっぽい感じの人だったのですが、フランス人としてはあれが普通のレベルだというヨーロッパの人たちのコメントをいただきました。イタリア人にはかっこいい男の人が多かったのですが、それも普通だということで、日本で人気のモデルさん顔というのは、その国の普通の顔なんだなあと思ったりもしました。昔人気だったジェームスディーンのポスターがめずらしくアメリカにあったのですが、そのくらいの顔が普通であるという感覚こそが、日本人が欧米に憧れるところではないかと思うのです。ジェームスディーンは今見ても自然体な感じなので、時代遅れを感じません。欧米の自然体かつ普遍的なカッコよさに目が向いているので、普通なカッコ良さをもとめる日本人のテイストというのは案外よいんじゃあないかと思うのです。

今日も、午後から、糸商さんが見えられお話をしていました。糸を見せてもらうのですが、実際に一つの糸を見るのは数秒のことです。それを2分3分触りながら、何に使うかを考えて、そのときの工程を頭の中でザーッと走らせて問題があるかどうか考えるのです。そのときに、織の経験、染の経験、加工の経験などから、過去の失敗などをチェック項目として糸商さんと情報を交わすことで、自分の用途にとって、この糸は大丈夫、大丈夫でないということを判断します。実際に、使ってみないと分からないこともあるのですが、その前にその糸を使える用途があるのかなど、頭の中でじっくりとシミュレーションすることが大事なのです。
2010年02月24日
近江で麻織が栄えた理由は、倉庫から取り出した50年以上昔の手績糸を扱ってみるとその理由がよく分かります。よく言われる麻を扱うのに湿気が必要だということです。なぜ、小分けにして新聞に包まれていたのかなど、考えるとき、今まで保管できていたことを考えると、それが非常に適切な方法であるということがよく分かります。それ以前においても、何十年も実績のある保存方法だったのだと思います。それなりに丈夫な箱に入っているものの面白いことに新聞の包みを一つ一つ結えてあるのが藁なんです。新聞紙や藁というのは、昭和25年頃にしても、メーカーの仕事としては???だったりするので、もっと昔の糸を保管のために丁寧に入れ替えた可能性もあったりですが、箱には番手がしっかりと書いていあり、それ以外には番手を示すものがありませんので、箱の通り買ったままなんではないかと思っています。

昔の糸が残っているためには同様の保管方法でそのまま保管されている必要があるのではないでしょうか。箱から出ているような新聞包みだけの状態ですとすぐに変質してしまうので…。この風格というのが昔話に出てくるような反物が宝物だったころの世界なんだと思います。手織を終えても、手放すことなく、手織り用の相当量の糸を残し続けようとした意味を考えると、糸に置いては昔の品質の近江上布が再現できる可能性があるのではないかと思っております。

あと、麻の織物が近江で栄えた理由には近江商人の活躍があります。林与の先代にしても八幡商業高校の出身で、一流の先様とのお付き合いが、ものづくりを支えていたということがいえると思います。私は、近江商人の教育は受けてはおりませんが、林与の代々以上に頑固でして、どうせやるなら本格的というのがいつものスタンスで、流行らないスタイルではあります。
2010年02月23日
今日は、午前中、京都のお店をまわりました。百貨店のほか、京都の情緒のある町屋を店舗にしたお店などを見て回ったのですが、お天気もよいこともあって、通りに人通りも多く活気を感じました。

京都の四条から御池周辺を歩いていると、昔、林与とお取引のあった呉服関係のお店の名前が次々と目に入って来て、昔、与一じいさんが近江上布を買っていただいていたお店はほとんどが今も京都で商いをされており、良いお取引先に恵まれていたのだなあと実感します。

午後から、糸商さんが会社のほうにご挨拶に来てくださいました。糸商さんとも長いお付き合いなので、昔の話などをしながら新しい糸のほうも見せていただきました。リネンというのは非常に人気の素材なので、いろいろなほかの素材との複合が行われており、何か面白いものができそうな気分になりました。今、メランジ調や、トップ調が人気ですので、そのような展開が考えられないかと思いました。

今、糸商さんが染めた糸を小売で販売される形が増えてきました。これは、麻の世界では考えられなかったことなのですが、それだけ、小ロット化が進み、染工場というのも限られてきており、独自に、マス見本、着見本、本番と染めるということが難しくなったということでしょうねえと結論付けました。

染めて用意してある色というのは基本的な赤、青、緑、黄、オレンジ、パープル、黒などの原色を濃淡程度の色合いが多いので、先染で日本的な微妙な色合いというのは出しにくいのが難点で、たとえ、染糸が色鉛筆のカラーのように売られていたとしても、先染織物を作るときには色からオリジナルに作るというのがどうしても必要ではあり続けます。
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