for English speakers: Welcome to HayashiyoWelcome to Hayashiyo
リネンや麻を織る日々をつづっています。
ホームリネン日記
リネン日記
リネン日記:3716
«前のページ 1 ... | 176 | 177 | 178 | 179 | 180 | 181 | 182 | 183 | 184 | 185 | 186 次のページ»
2009年11月25日
今日は、JETROに問い合わせしまして、中国への商品輸出に関しましていろいろと話を聞きました。日本人が海外からものを購入するときに消費税と関税を払うのと同様に、輸入する企業は増地税と関税などを受け取りの時に支払う必要があるとのことで、相手企業さまにその辺りのことが十分理解していただけるかという点で交渉担当の中国の弊社の通訳とも相談しています。

ストールが1日でも早くほしいという熱意はもってくださっており、ものをつくるだけでなく、手続きの面も相手企業さまにも十分理解をしてもらった上で仕事を前に進めています。中国での銀行口座の開設に関しても現地法人を持つことが前提となってくるとのことで、中国企業と直接話をするときには決済面でスムーズに話が流れるよう現地での決済口座を開設し現地法人を持つことが大事だなあと実感しています。

考えてみると私自身でも海外から物を購入するときに海外送金となると手数料や諸経費などに関しても不透明部分が多く、中国のアパレルさんの担当者も日本に送金するとなるとそれ自体が大仕事で、まして初めての取引の相手に対して前振込みしないといけないプレッシャーも大きいとは思っています。今回の取引を乗り越えてもらいたいなあと思っています。

中国の展示会で、多くの現地企業さんが、「上海にお店がありませんか」ということを尋ねられていたのもそのあたりなのだと切に感じますが、その部分をどうやってクリアしていくかが大事だなあと感じています。日本から中国にFAXをお送りしましたら返事が来まして、FAXで契約書のほうが届いたという電話があったことを通訳のものに電話してきてくれたということで、中国向けはFAX回線も今ひとつ安定していないので、FAXを送った私自身がうまく送れたかどうか心配していたのですがひとまず安心しました。
2009年11月24日
今日は朝から、昨日お客さんに約束したスワッチを送る準備をしていました。そのお客さんのことは鮮明に記憶していたので覚えていたのですが、大きなサイズのスワッチが複数枚ほしいということで後回しになってしまっていたのでした。

生地のほうをカットして、各生地の説明などを英語で書いて、「林与」のロゴをあしらったパターンシートに貼り付けて、9マークを3セットつくり、2セットを上海、1セットをフランス向けに封筒に入れ終わり明日の朝発送できる状態になりました。さらに、上海の2セットのうちの1セットはニューヨークに向かうらしいです。

展示会後、スワッチ見本を送ったことで、展示会のときブースの壁に貼ったのと同じ、パターンシートにあしらわれている「林与」のロゴマークを世界のいろいろな国の人が眺めてくれるというのも楽しい気がします。たぶん、漢字を知らない国の人がみたら単なるロゴマークに見えるでしょうが、なぜか忘れられないマークになるのではないでしょうか。

中国市場開拓の件は、本格的に収益を上げていくには、やはり決済のほうで中国現地法人の設立が必要となってくるのかなあと思っています。今はストールや生地のテスト的な販売で利益はそれほど重要ではないのですが、増地税の問題などいろいろと自分やって壁にぶつかってみないと何が壁なのかすら分からないままではないかと思っています。あと、中国の服飾会社が積極的に弊社と取引したがってくれているのですが日本からの送料の件でどうしようという状態で、関税を払うなどの概念を当たり前に持っていてくれるかどうかも心配です。展示会においては、FOBよりCIF価格での取引をしたほうが無難だったかもしれません。

夜には、組合の理事会などがありまして彦根に向かいました。組合の新規事業のほうも開国150年祭と並行して順調に進んでいるようで、複数年にわたる計画で広がっていきそうです。
2009年11月23日
今日は、休みだったのですが、夜に企画ごとの糸量の計算などをエクセルを使ってしていました。

上海の展示会のスワッチサンプルをお送りするのが、希望のサンプルのサイズと枚数の加減で出来ていないかったお客様からスワッチ送付の依頼があって、明日手配を約束しメールなどしていました。
2009年11月22日
林与では、新しいリネンの加工に取り組んでいます。味のある厚地のリネンをつくろうと手間暇掛けた加工を試しています。まだ、1週間くらいは掛かりそうですが、出来上がると味があるものになると思っています。

この加工をベースにしたリネンの新しいシリーズを作り出します。素朴な素材に手間暇を掛けて味を出したシリーズで、リネンのナチュラルな良い味を出したいと取り組んでいます。
2009年11月20日
上海の展示会の成果で、ストールが中国企業向けに売れたので、英文契約書の作成に入っています。中国の企業でも日本の企業との取引を行いたいところは多いようで、非常に意欲的に、ストールの購入を進めてくれています。

今年、ヨーロッパ向けにストールを輸出したときには、信用取引に近い状態での流れだったのですが、今回は決済の難しいといわれる中国ということもあって、契約書を作成してからの生産という形を取ります。

現在の中国企業が信用面で不安が多いかというと、中国企業は大企業が多いので、逆に、日本企業に騙されるのを心配しているくらいです。中国の繊維関係の企業もたくさんヨーロッパ向けに輸出してヨーロッパ企業が支払いを滞らせることが多くなって、輸出する取引相手に対して警戒を始めているのです。

ヨーロッパに関して、産地、混率や品質面でかなり本当かどうかわからないというものが多くなっているのもヨーロッパの企業体質に表れているのではないかと思っています。材料として買ってものをつくるのが心配な時代になってきました。
2009年11月18日
今の時代、糸の会社や普通の織物会社には、在庫というのはほとんどありません。海外の紡績会社にですら糸の在庫というのは年間生産量からするとほとんどといってよいほどないのです。そういう風に在庫を減らしながら物を回すことで在庫リスクを軽減しているのです。それが優良な経営とされるのですが、私自身は別の考え方をしています。安定してよいものを作るためにはベースとなる糸は大事で、リネンやラミーのような作柄に影響される天然の素材は、良い糸を確保することは重要なのです。

林与には、糸商以上の糸の在庫を抱えています。単なる糸ではなく、糸種ごとに100色を超える色糸があり、それを元に見本作りなどを進行しています。今の時代、そのような在庫糸というものに対しての評価が低く、物をつくれない時代になってしまっています。一回限りの消耗品のような感覚でのものづくりで長く使ってもらえる良いものが作れるのかが疑問です。

生地に関しても同じです。麻生地に関しては、過去に作った数千種類の生地を眺めながらものづくりをしています。そのことが商社ベースの流れで動く他の機屋さんや紡績メーカーとは違うものづくりの基本となっています。今の時代にライフワークでじっくりとものを作れる人がいるかというと、ほとんどおられませんし、織物の現場において長い経験を持っておられる職人さんたちでさえも満足できる仕事ができるかというと難しい時代になってきており、良い要素を集めた上でじっくりとものをつくることが必要な時代となっています。

昔から、小ロット多品種、高くても良いものを作っていけば日本でやっていけるというのが、一つの日本的なビジネススタイルだったのですが、ここ数年は大手の安い中国製品の時代になっており、大手さんはすべてが安いものに特化される時代になって来ました。でも、本質を考えると安いものが高く思えてしまうから不思議です。
2009年11月17日
今日は、午前中、組合で帰国する研修生のお手伝いということで飛行機のチケットの手配など事務関係を手伝いました。

午後からは、研修生たちが日本語を勉強している最後の日だったので、閉講式が執り行われ、専務理事として海外に出かけておられます理事長の代わりとしまして立ち会いました。

組合のほうでも、今、井伊直弼と開国150年祭を行っており、その関連で地場産業としての縫製のPR活動を行っています。ひこにゃん関連グッズなども彦根の組合のほうではサポートしており、事務局のほうも活気付いております。
2009年11月15日
今、ギンガムチェックや、マドラスチェック、タータンチェック、グラデーションチェックの新柄の作成に入っています。手間の掛かる作業で柄づくり色構成というのは私自身が行います。再来年向けで来春の展示会などで新作として発表いたします。力を結集して、来春を華やかに演出できると考えております。興味おありのブランドさまは、ブランドオリジナルの企画なども進行しておりますので、ご連絡ください。

今日は、会社は休みですが、夕方から社員の一人が誕生日だったので、社員一同が集まってささやかに誕生パーティを行いました。
2009年11月14日
今日は、かばんメーカーの社長ご家族がお越しくださいました。社長夫婦と1歳4ヶ月のお穣さんです。もう、小さくてかわいいです。最初は新しい場所に慣れなくて、泣き顔になっていましたが30分くらいで調子がでてきたみたいで、楽しそうにニコニコとしてました。
しつけも厳しくされているようで、水だけでジュースなど砂糖の入ったものはまだ飲ませてないそうです。

近江の湖東産地は日本の麻織物の本場で、滋賀県は全国一の麻織物の出荷量を誇っていますが、今では、近江の湖東産地で織られる麻服地というのは、小さくても「林与」が主力となっています。近江で扱われる麻生地の、ほとんどが、中国をはじめとする外国産や他産地産に置き換えられ、本場近江産の本物を見つけることが難しくなってきています。

産地偽装などに対して敏感な時代において、本当に近江で織られる近江産の麻織物を使っていることを売りにしたいということで、林与もリネン生地を開発し提供させていただくことになりました。カバンメーカーと織物メーカーということで分野はちがっても、ブランドなどに関しては重なるところが多く、ものづくりに関してはつくりたいイメージが重なるメーカーさんです。

私自身のものづくりは、本物でありたいと考えています。安いものづくりをする方法はいくらでもあるのですが、それだと他の人でも出来てしまうし、布に価値を注ぎ込むからこそ価値のある布ができるのだと思っています。ものづくりにこだわった日本の麻を代表するようなものづくりをしていきたいと考え、日本の麻を代表するような定番の商品を守り続け、また、新商品の開発にも前向きに取り組んでおります。
2009年11月13日
今日は、小学校を訪問しました。ミシンの授業で5年生と6年生の授業に参加させていただきました。6年生がエプロン、5年生がナップサックを作ります。私自身、じっくり一人一人に教えて生徒自身に縫ってもらっていると、担任の先生が授業を進められるペースに追いついていけなくて、私の班の担当した班だけが遅れ気味でした。

私が30年ほど昔に小学生だったころ、自分のエプロンを作ったのを思い出しました。生地も自分で用意して、切って、あとデザインを工夫するのですが、オバキューを大きくフェルトであしらったエプロンを作りました。少しでもみんなと違うもの作ろうと工夫したものです。今の子供たちのつくるのは、すべて、教材としてパッケージになっていて、既製品に近い感じのものが出来上がります。

小学生がミシンを使うというのは実際には無理といえば無理な話です。ほんとうは手で縫うという作業を中心にしてあげたほうがよいのではないかと思います。初めての人の場合、ミシンで縫うことよりも実際には糸が切れたときなどミシンを調整したりするほうが大変で、小学生にはそのあたりは難しいかなあと思いました。工業用ミシンでもミシンの調整は専門の人がやる場合が多いです。

今回の課題に絡んで、家でお母さんにミシンの使い方を習っているという子供が多いのでその点は学校だけで出来ない部分を家でカバーするという基本姿勢があり安心をいたしました。自分たちができないことを大人がいとも簡単にやっているという姿をみて、子供と大人の違いを感じてくれたとは思います。しかしながら、日本では、昔のように職人を育てるのは難しいだろうなあと感じた一日でした。
2009年11月12日
今日は朝は彦根のほうで、帰ってきてから、染屋さんに染めと染色テストのほうの依頼にいきました。ハンカチのプロジェクトでのための先染のテストです。

その後出機さんを回りまして、昼からお客さんの予定だったのですが、縫製上の問題でどうしても生地の物性検査に出したいものがありまして、京都の検査機関に出向いてまいりました。そこへは、以前からときどき検査の依頼を出しに行ったことはあったのですが、今回は、大きな柄の生地だったので、どれだけの生地が必要なのかわからなかったので持ち込んで検査の詳細などをお聞きしてお願いいたしました。

今週の初めに、別件でアパレルさんから生地のリクエストをいただいていた件で、担当の方と電話のやり取りがうまく行かず、すれ違いでようやく夕方に電話をいただいて、お話できました。せっかく、ご依頼いただいたので、なんらか手伝えるようなことがあればとおもってはいるのですが、サンプル生地と同じようなものがご必要ことで、私の手持ちの材料では難しく弊社の仕上げの場合、綿にしても麻にしても原糸からして違うので、同じ表情には仕上がりにくい旨をお伝えし、今回は、私としましても残念な結果でした。

会社では、明日はの小学校での縫製教室のためのプレゼンテーションの小物を準備などしておりました、家にあった家庭用ミシンの調子も調整しまして準備は整いました。明日は、社員二人が助っ人で小学校に向かいます。

今は、1台厚地を織っているのを除いては、動いている織機のほとんどがストールばかりになっています。最近では、タータンチェックやマドラスチェックなどが人気ですので、婦人物のチェック柄の洋服を作ってみたいなあと社員と話しておりました。ストールとおそろいのチェック柄の服というのも良いのではないかと思っています。アパレル関係の動きが鈍いので、ここらあたりで本格的に春夏向けの素材開発に取り組んでおきたいと考えております。
2009年11月11日
今日は、お客さんがお越しになる予定だったので慌ててリネンの生成の厚地生地のほうを織り上げました。この生地は、織り上げたあと簡単な処理をして使います。非常にナチュラルなままの生地で、リネンをそのまま楽しんでいただけるのではないかと、リネンのイメージをそのまま提案するための素材です。

使ったのはリネンの生成25番手で、シャトル織機で丁寧に織り上げました。糸の色味も良い感じで、洗い上げたものもチェックしましたが、ナチュラルな感じが良いのではないかと思っています。

夜には、一度仕上がったリネンを再加工する研究をしておりました。硬さをやわらかくする方法は知っているのですが、それをすることにより毛羽が出たりするのをどう抑えるかというのを考えていました。結局、いつもの方法でやわらかく仕上げてみましたが、明日、再度確認してみようと思っています。

縫製部隊のほうも、今日は、小物作りに励んでおりました。早速、出来上がった生地をカバンに向くかどうかのテストなどしておりました。コートやパンツにも使える厚手の生地なのでネットのほうでも販売していきたいと考えております。耳が赤いタイプと青いタイプを織り上げようと職人さんががんばってくれています。
2009年11月10日
今朝は、彦根の小学校に社員二人と出向きまして、校長先生と教頭先生と縫製教室の打ち合わせをいたしました。彦根の伝統産業としましては、仏壇、バルブ、縫製があります。世界的な下着のブランドの一つであるワコールの縫製などもこの地が発祥です。

打ち合わせの最後に、教室で家庭用ミシンを見せていただきました。工業用ミシンとは糸の通し方も違うので、私も家で家庭用ミシンを練習しようと考えています。授業の最初に、5分ほど時間をいただけ、彦根の縫製の歴史や実演をすることができるそうで、何をさせていただこうか考えています。

会社に戻ると、大阪からのお客様でお昼過ぎまでおられました。そのあとすぐ、名古屋からのお客様がこられまして、夜の7時ころまで居られ、あっという間の一日でした。いろいろな情報交換などをさせていただいて、自社の方向性などもかなり明確にして、出来るもの出来ないものをはっきりと分けるようにしています。

今日は、雨が降っていたので、社員たちを車で家まで送っていきました。その後は、メールの返答や書類作成などに時間を費やしております。
2009年11月09日
今日は、カジュアルリネンストールの色のほうが、本来はこげ茶のところが、茶になってて色を変更するために倉庫に行って在庫の糸の確認を行っておりました。在庫の糸ほうは大丈夫だったのですが、すでに整経してしまっており、結局、茶のほうも進行することにしました。

夕方には、出荷を一つ済ませて、在庫調べや提出予定の書類作成などをやっておりましたが、近くの縫製工場の社長さんが、夕方に彦根市のイベントで、観光客の皆さんに配る袋の試作品用の生地サンプルを探しに来られ、いろいろと作業していると夜8時を過ぎてしまっていました。近江湖東産地麻織物の現物の品揃えに関しては自信がありますので、それを頼りにいろいろな方が麻の素材探しに来てくださいます。在庫の布にしても、生地屋さんにいけばあるようなありきたりの素材でないところがミソです。

倉庫にはいろいろな生地があって、本当に昔のものはよいものが多いなあと思いました。今作るとなっても同じものは作れないなあと思っています。滋賀県の能登川というところに、トスコ滋賀という加工工場がありましたがそこも廃業され、そこで加工した超ソフト加工の朱子織のリネンなども倉庫の中で4色展開で合計20反近くありました。実際に今はもうつくれないクラスのもので、ソフトでよい感じです。

他にも珍しい生地としては、ずーっと昔に織ってある小幅の生平がたくさんあって、今は作ることの出来ないものとして、今後、少しづつでもホームページのほうでも数量限定で販売などしていきたいと思っております。見ているだけでも歴史を感じることのできる一品です。
2009年11月06日
今、シャトル織機で、やわらかなリネンギンガムストールを作っています。千鳥っぽい感じのものから大柄のものまで、4タイプで4色展開、横で3タイプなので、全部で48タイプのストールが出来上がると思っています。カジュアルな感じのものを目指してつくったので、ジーンズなんかに良く合います。来春のシーズンに向けて、ホームページでの販売を計画していますので、気になる方はチェックしてくださいね。

もうすぐ、小学校を訪問して縫製を教える事業があり、楽しみにしています。今はミシンというものが遠い存在になり、組合のほうでは、縫製に親しんでいただこうという企画の一環で、小学校のミシンの授業のお手伝いをすることになりました。ミシンを触ったことのない子供が増える中で一人の先生では全員の生徒の面倒を見ることができないということで、希望される学校には各社から先生のお手伝いをするために出向かせていただこうというボランティア事業です。
2009年11月05日
昨日、整経を巻いたビームを出機さんにもって行きました。林与の専属の出機さんで、本麻やリネン100%ものを中心に織ってもらっています。シャトル織機が20台近くあって、規模的には量産にも対応可能ですが、70歳を超えるご高齢ということもあって、一日に数台動かしてトータルで30mほどしか織れません。

夜だったので、工場の中に芝犬がいたのですが、最初気がつきませんでした。以前は、私を見ると常にほえていた芝犬だったのですが、大人になったと見えておとなしくなっています。10分ほど犬と遊んでいると、おばあさんが工場のほうに来てくれました。

「まあ、もう私も長くはない」というような話なので、「まあ、そんなこといわんと気張ってや」という話で、林与の仕事の中でも一番まとまった仕事をしてもらうようにはしています。林与の中でもできない仕事ではないのですが、織物の産地として職人さんたちに長く仕事をしてもらうことが大事だと考え、そういう部分は、生産性のことやや仕事のこととは考えずにできる範囲で仕事の依頼をしています。

おじいさんももう72歳で年よりは大分若く見えるのですが、なかなか、昔のように目が見えないようで、糸を通すのはおばあさんの仕事になっています。シャトル織機は織るスピードから計算しても、一日に15mほどしか織れませんので、無理せずに織ってもらおうとすると一日一台で10mほどので計算しています。
2009年11月03日
リネン関連ではまだ少ないのですが、テキスタイルの業界では先染めが人気の傾向があります。先染は2年ほど前の秋冬あたりからブームの兆しだといわれていましたが、無地ライクに見えるギンガムなどが中心でした。最近、マドラスチェックやタータンチェックなどの文様が本格的な人気になってきています。

もう20年以上前になりますが、チェッカーズが一世を風靡した頃は、どこを向いてもチェック柄という時代もありました。タータンやマドラスの柄を配したものというのは、つぶしが利くと言われます。といいますのも、後染や単純なギンガムなどと比べると作るのが大変だということがあるからです。デザインが大変であって、そのデザインに応じた小ロットの染が必要になってくるのです。

チェック柄というのはデザイン性が重視されますので、先染の無地などに比べると、染めの品質としてはそれほど高度なものは要求されませんが、先染でブラックウォッチなんか作っても、本当に色の濃いものを作るのは難しかったりして、売り場に普通にあるのは白っぽい感じがしたりするものが多いです。これは、糸が一様に染まっていなかったり、また、中までしっかりと染まっていないという問題があります。

チーズ染とかせ染では、かせ染のほうが一様に奇麗に染まるのですが、リネンやラミーの場合、かせ染ででも色むらの問題は起こります。ましてや、チーズ染色では、内外差は付き物だといわれ、織でそれを吸収することが要求されています。チーズ染で無地を作ると斑々感を消し去ることは難しいです。

この問題とは別の問題で、ノットレスといわれるスプライサーヤーンといわれる紡績時の結び目が少ない糸があるのですが、これも、糸の染めに関しては大きな問題を含んでいます。ローブのつなぎ目を貼り付けるために調子が悪いと、そこが2倍くらいになるだけでなく、その部分が染まりにくいという問題が生じてきます。生地になると糸が太くて色が薄い部分が出来るのです。

ほかの色斑の問題としましては、ワラの問題です。ラミーに良く観られるのですが、黄色いワラがところどころに入っています。これは白だと黄色いワラがそのまま織物に出てしまって、大きな問題となります。薄い色だとそのワラが逆に濃く染まってみえるという状態になり、これも大きな問題です。リネンの問題で多いのは中が奇麗に染まっていないという問題です。リネンの糸をほどくと白い部分が出てきます。最近は、とくに濃色でこの問題が多く起こるようになっています。通常は、織り上がると無視できるレベルのものですが、染めの本質的な問題につながっており常に注意はしています。
2009年11月02日
中国の展示会に行ったときに思ったのが、中国キバタが日本で加工されて、中国で販売されるという流れが起こり始めているということです。この背景には、中国の染色技術や加工技術が物性面で十分な基準に達していないということが上げられるかと思います。中国国内で流通する中国生地も、日本の技術を必要としている時代になりました。

中国のキバタというものは問題を含んでいることが多いのは事実のようで、一回染めて失敗するので一度色を抜きなおして染め直したらうまく行くというような話を聞きます。中国国内向けの糸のグレードは、日本向けの糸のグレードよりも低いことが当たり前なので、このような問題が起こりやすいのだと思います。

上海の展示会でも、中国のリネンの紡績メーカーが10社ほど弊社のブースに来てくれました。価格は安いものの明らかに中国糸であるといえる白っぽくそばかすの多いリネン糸を製造する紡績メーカーから、ヨーロッパ原料を使用したトップクラスの紡績メーカーまであります。トップメーカーのものでも中国向けと日本向けは使い分けているのでその辺りが品質のポイントかと思います。

以前、ヨーロピアンブランド糸を使用したときに、中国糸以上の問題が発生するような事態が起こり、本国紡績もの以外は注意して使わないといけないレベルまで来たということを実感しました。最近では、競争の成果もあって、中国紡績のトップクラスのブランドのほうが品質だけでなくフォローも良くなってきています。最高を誇っていたアイリッシュリネンが10数年前くらいから品質の低下がみられ、紡績産業自体が消えてしまったのも同じような流れで、このことは、同様に日本の製造業にもいえるのではないかと思います。
2009年11月01日
今日は、午後からかばんメーカーの社長さんが林与に起しになられました。かばんというのは革のものが良いというイメージがあるのですが、最近は、布かばんが人気だそうで、エコバックなんかも引き合いが多いそうです。

リネンの布というのも、大量に使われる場合、大手さんの生地をお使いになられるほうがお安くつくのですが、国産の本格的な語れるものを使いたいということで近江の織を使用したものを探しに来られました。林与は高級アパレル向けの素材が多いので、細番手を得意としており、生地の薄さ、軽さ、透明感が大事だったりするので、ずばりそのままかばんに使えるような素材が少ないので、新らたに布をおつくりすることをお約束しました。

特殊なものを覘いては、太い番手の布を織ることは難しくありません。林与の特殊な仕上げで、しわになりにくいポコポコ感のあるリネンを生み出すことも可能で、それにも興味を示していただいております。リネン100%のものとしては味があって面白いものです。

メーカーさんのものづくりにおいて素材コストを抑えることに走ると海外からの安いものに近づいてしまいます。語れるような素材に語れるような技術を掛け合わせて完成度の高いものを作ることで、世界的な市場で日本製の優位性をPRできるような商品開発が必要ではないかと考えます。
2009年10月31日
夕方には、リネンの100番単糸を使用した、リネンストールが加工から上がってきました。ふんわりとしていていい感じです。ブランドさま向けのリネン生地も上がってきて、検長などいたしまして、出荷いたしました。加工工場さんも林与を大事にしてくださっており、納期などに関して迅速な対応を下さっております。

夜には、中国市場の担当から電話がありまして、上海の展示会で私の名刺をもらったほかの方からの別件のサンプル送付の依頼があったということで、スワッチを今日の夕方発送しました。リネン紡績が盛んに行われている中国においても、リネンは高級なものとしての認識があり、人気は出てきているようです。

今、インターテキスタイルイン北京への出展も計画をしています。春先はアパレルさま向けの見本つくりなどもあるので忙しいのと、ジャパンクリエーションのほうも予定していますので、本当に出展できるかどうかは微妙なところなのですが出展して、いろいろと日本の麻やリネンというものの奥の深さをPRしてみたいと考えております。

仕事が終わってから、今日は社員の一人の誕生日だったので、ささやかながらみんなでレストランで誕生パーティをしました。
«前のページ 1 ... | 176 | 177 | 178 | 179 | 180 | 181 | 182 | 183 | 184 | 185 | 186 次のページ»