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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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2010年04月16日
ジャパンクリエーションでは、一般来場者向けのプロモーションゾーンと、バイヤー向けのビジネステキスタイルゾーンというゾーン分けが行われてきました。林与は、前々回、前回とビジネステキスタイルゾーンのほうに出展してきたわけですが、今回は、そのゾーン分けがなくなるそうで、3日間を通して、より多くの皆さんとお会いできる機会が増えることになります。

林与がビジネステキスタイルゾーンに出展してきた理由は、プロ向けの素材提案であるということで、単にリネンや麻というだけではなく、糸、染色、織、加工において、麻専門家たちが作りあげたトータルとして麻の世界を提案したいと考えていたからです。

今回のゾーン分け撤廃の理由として出展者の減少をあげられておりますが、その理由というのは単純ですので、早期に対応をされれば出展者は増加するものと思います。中小企業総合展のように、出展者負担を極力抑えることが大事ではないかと思いますし、本質的な素材展としてものづくりを支援するような直接的な支援なども必要かと思います。ヨーロッパや中国のテキスタイルが強いのは、日本の自動車や電機、機械並みに手厚い国の保護があります。

日本の国内ではすべてが高コスト体質で、それにも関らず、国際的な価格競争力を求められるケースが多いのですが、それこそが、日本の品質が落ちてしまって差別化が図れなくなった第一因だと言えます。安いものは海外で、高いものは国内で生産とよく言われますが、ボリュームゾーンのものが国内で流れなくなってしまっては、産業基盤を支えている力がなくなるという単純な話です。

ジャパンクリエーションというタイトルながらも、海外出展企業を誘致しようという動きがあるようですが、そうなってしまうと、ジャパンクリエーションの一番大事な特色がなくなることになるとは思います。
2010年04月15日
リネン糸に限らず紡績糸というのは、基本的に、Zに撚ってあります。時計の反対回りで糸によりを掛けながら糸を作るのです。この撚りは地撚りとも呼ばれます。通常ですと、リネンの60番手クラスですと地撚りは1M当たり番手X10倍程度ではないでしょうか。60番手クラスなら1Mに600回です。

糸に追撚を掛けることがあります。さらにZ方向に何百回かの撚りを掛けるのです。何のために掛けるのかというと、基本的には、リネンの場合、撚りを掛けると落ち感と呼ばれるものが出るのです。ラミーの場合には、シャリ感が出ます。

最近のリネン糸などにおきましては、追撚を掛けて落ち感がでることはほとんどなく、シャリ感が出てしまいます。最近の糸は撚りが掛かりにくいです。糸の収縮の問題もよく起こりえます。加工した反物をみると糸の特性というのが顕著に表れてきます。このあたりが、長年、リネンや麻を眺め続けてきて、非常に悩むところだったりし、長く使うものは洋服になってからも様々な経験をするので、使える銘柄、使えない銘柄を選び、あるいは、用途を限定して使用することもあったりします。昔はできたものが今はできないことも多いのです。

紡績工場にしても、強度などのテストを行うのでしょうが、出来上がった糸の状態でのテストで、実際の使用を想定したテストではありません。分断された知識で、織物が取り扱われる今、糸がどのような織物になってどんな問題が出てくるのかということを知っているメーカーも少ないのは事実です。通常、リネンの織物というと平の生成やオフ白のキバタを生産することが9割がただと想像しています。

紡績工場にとっても、フィードバックが生命線となってくるわけでしょうが、フィードバックが届いていないケースがあり、作っている糸の問題が届かない状況というのは紡績工場自身も多くのトラブルを抱えつづけます。

フラックスにしても毎年作柄が異なり、良い年もあれば悪い年もあり、ドューレッティング工程もヨーロッパの天候に左右されます。そんな状況で、生成などの色をコントロールし同じレベルの糸を作り続けることは難しいことです。大手の紡績工場ほど、フランスから原料が来たりベルギーから原料が来たりです。農作物ですから、一定の品質を保つこと自体が難しいので、ヨーロッパの大手のフラックスメーカーというのは、品質を安定させるためのブレンド米的な手法を用いているのではないかと思ったりもしています。原産地に関する表記などもベルギーあるいはフランス産原料という原産地証明を基準にしたややあいまいな表記にとどめることが本当の語ることとなるのです。

ヨーロッパで作られるフラックスファイバーがすべてヨーロッパのフラックスを使用しているとは限らないのもあまり知られていないことです。ヨーロッパの大手フラックスメーカーでも、中国やエジプト産の原料などを使うことは適切に説明しています。ホームファブリック系の用途には価格の面でもそれが当たり前のことなのです。それを説明を聞いてがっかりされるかもしれませんが、それはその企業が説明責任を果たしているという証なので、いろいろな原料を使用していても用途に応じてしっかりと管理できているということなのです。

フラックスメーカーなどが言っているところでは、ヨーロッパでも良質の原料は、ベルギー、フランス、オランダなど限られた地域でしか取れないということです。昔から資材系のリネンを栽培しているロシア、リトアニア、中国、エジプトなので、フラックス生産の全体からすると、フランス、ベルギー、オランダ産というのはそれほど大きな割合ではありません。日本人というのは、高級な麻の文化をもっていたので、リネンに関しても世界の他の国以上に良いものを昔から求め続けてきたと言えます。
2010年04月14日
今日は、大阪の得意先で海外のバイヤーさんを交えての来季の企画の話がありました。今は、円高の影響も有ってヨーロッパものが安く感じられ、日本物もが高く感じられる時だと言っておられました。着ておられたリネンシャツはヨーロッパのメーカーのもので、1枚から卸するとのことで、ヨーロッパメーカーもストック販売を行い、EU以外への輸出対応もクイックにレスポンスしているようです。

午後には、滋賀県に戻ってきて、加工屋さんに加工上りの反物の確認に伺いました。リネン100番手が良い感じで上がっています。他にもオーガニックリネンソフト加工ができあがりましたので、早速、その用途を思い浮かべました。今まで、作りたいなあと思っていたオーガニックリネン糸100%使用の抱き枕カバーを林与オリジナルで開発致しました。

ナチュラルな感じが良いんではと思います。合繊の抱き枕カバーと比べると、ざらつき感はあるものの、合繊特有の悪のある匂いや肌触りなどがないので、宜しいんではないかと思います。ジャパンクリエーションでお披露目いたしますが、こちらのサイトでも受注を受付致しますので、興味のある方は、お問い合わせくださいませ。

抱き枕カバーのサイズは160cmX50cm、中身は別売になりますが、ネットで簡単に手に入れる事が可能です。カラーは、オフ白と生成で、価格は、9800円/1枚で、当面は受注生産で納期は1週間程度です。多くの方に体験していただきたいので、お一人さま、一つ限りでお願いします。
2010年04月13日
今日は、午前中からお客様が来られ来季ものの話があって、夕方には彦根の事務局のほうで、閉講式の立会、ならびに、ネームラベルプリンタのデータの移し替え作業を行いました。それほど難しい作業ではありませんでしたので、もっと早くやっとけばよかったと思っています。

今日は、リネンの厚い生地の加工を仕上げていました。ボトム用途やカバンなど今までとは違う感覚で使えるのではないかと楽しみにしています。自分自身で用途自身も開拓するというのも今の時代のものづくりとなっています。

また、他に綿の170双クラスの糸が届きました。規格が合いそうな機があったのでそこで織ろうと準備しています。高級なコットンリネンで良いんではないかと考えています。横にはとりあえずリネンの120番手クラスを織ってみます。ちょうど、綿の色も淡いイエロー系の良い色なのでそのまま使ってみようと思います。なぜか、綿の癖に不思議に光沢感があり、シルクや蜘蛛の糸を思わせるような感覚です。

縦横綿使いで高密度にするとシルクと同じで、皺になりにくい生地が出来上がります。厚さ的には、200双を使うよりも170双くらいが良い感じに思いますが、もの足りなければ、より細番手を考えてみようと思います。裏地というのは合成繊維のものが主流ですが、ここまで繊細だとシルキーな感じでリネンもののアウターやコートの裏地に良いんではないかと思っています。
2010年04月12日
今日は雨で、昨日満開だった桜が散り落ちてしまい桜も見納め、季節の流れるのは早いものだというのが実感できます。今日のタイトルの良い眺めというのは、景色のことではありません。加工屋さんに、行ったときの現場で職人さんたちが作業しておられる風景というのが良い眺めだなあと思ったのです。

そのような良い眺めの裏には、無駄が多く潜んでいるかもしれません。改善チームが来れば、5人の職人がやる仕事を一人でやれるように機械化、効率化、省力化します。ものの価値観が崩れる瞬間です。

中国に行くと5元のラーメンでも注文すると、小麦粉の塊みたいな状態から、麺を伸ばして1本が2本、2本が4本、4本が8本で、当たり前にラーメンの麺が出来上がっていくのです。他の国じゃあなかなかできないことを、中国のいたるところにある、家族経営のさびれたラーメンやさんが、一人一人のお客のためにやっている、そこに中国4千年のラーメンの美学があると思います。

ラーメンにしても材料がおなじならだれが作ってもおいしく食べられるものができるとは限りません、パフォーマンスだけではないのです。できあがった麺の太さ一つがおいしさを決める要因になるのは、長野のそば道場で、みんなと同じ材料なはずなのに最後の切り方ひとつで極太麺を作って私のだけが特別おいしくなく、楽しい雰囲気だったみんなが私のを試食したら無言になってしまったという経験をもつ林与だからいえることです。一瞬でDNAに経験として刻まれるケースです。みんなと一緒だったら失敗しなかったのに悔やむ一方で、マニュアルや指導に従ったり、規格に従った、みんなと同じものばかり安全に作っていては何十年やっていても、そばづくりの本質は見えないと悟ったのです。そば屋さんでもないのに馬鹿です。
2010年04月11日
昨日は、久々にお酒を飲んだので今朝は頭が痛い状態でした。お昼前にようやく二日酔いな感じから復活して、午後から染屋さんのほうに糸を届けました。海外向けのスワッチの発送の準備を行っておりました。フランスのブランドが3社あり、その傾向が中国企業のセレクトとは違っているのに気がつきました。中国企業はリネン100%のプレーンな平ベースものをセレクトすることはほとんどないのですが、フランスのブランドさんというのは、定番的なベースの素材に林与オリジナルの色付けをしたものをセレクトされています。本質的な素材プラス色柄というものに価値をもたれるのがヨーロッパのブランドさんなんだと思います。一方、中国企業は、中国でできない特殊な加工のものへのセレクトが多いようです。

デザイナーコラボのほうも製作が着々と進行しているようで、生地のほうが足りないとのことで、追加分の生地をお送りいたしました。ボディーの作品に使っていただく生地は、オーガニックリネン糸を100%使用し、薬剤を使用せずにそのままシャトル織機で織りあげ、天然の地下水のみで洗い上げ、天日干しで仕上げた、林与オーガニックリネンナチュラル仕上げです。付属でリネンの生成ガーゼを組み合わせてもらいます。エコな素材を組み合わせて、何が出来上がるかみなさんには想像つきますか?

今日は、車で移動しているときに、たくさんお祭りを見かけました。いろいろなお祭りの思い出がよみがえってきますが、一人いつもお祭りのときにハチャメチャだったムードメーカーの一年下の後輩のことを思い出し、元気にしているのだろうかと思ってたりしたのですが、夕方5時ころクロネコに荷物を届けようとしたら、途中、お祭りから帰る集団とすれ違いになり、酔ってでしょうか通学路から70cmほど下の田んぼに自転車ごと落ちてしまってボロボロな感じで仲間に助けられているのその彼を見かけ、今もまだ伝説を作り続けお祭り男の意気込みを感じました。
2010年04月10日
今日は、桜が雨で散ってしまわないうちにと、社員たちと一緒にお花見に彦根城を訪れました。彦根城の桜は満開で、お天気も良く、申し分ないお花見でした。時間が本当にあるなら、お城のお堀のそばのベンチに座って、春らしさを満喫しながら、じっくりと時間を過ごしたいものだなあと思いますが、ここの桜、あそこの桜を見ようと短時間でお城の中を元気に散策した感じです。

夕方から、自治会の評議委員会ならびに組長会議がありまして、その後、会議に出席した一同で食事をとりながらの懇親会がありました。同じ字の中に住んでいながらも、普段、なかなかお会いすることなく、顔だけしか存じ上げてない方も多かったのですが、グルーっと回りまして、自治会の皆さんとお話をいたしました。

年配のみなさんが献身的に自分たちの故郷らしさみたいなものを守っていこうとされている姿勢が伝わってくる会合でした。しかしながらも、年配の皆さんのお顔などを拝見しておりますと、少し前とくらべるとお体の具合が思わしくないのかなあと思う感じの方も多かったりして、昔から存じ上げている方々が本当にご高齢になられてしまっているのを感じます。

明日は、地元の神社で神輿渡行を伴う春の大例祭が行われます。5年ほど前までは、神輿渡行で神輿を担いでおりました。神輿を担いだあと体中が火照るような倦怠感というのは、花見とは違う春のもつ、一つのイメージです。
2010年04月09日
生地の裏と表に関してよくお尋ねをいただくことがあります。平織りの生地の場合、林与の生地の場合、織り表を表とし、そのまま、加工に投入されて織り表が表として加工から上がってくる想定になっています。反物では通常内側が表です。

表裏だけでなく、実際には無地のものでも上下があったりします。柄ものでは実際には、上下も糸目の山の形谷の形で見分けることが可能です。基本的に汚れなどの検反をする面が表面となっているので、裏表が重要ですが、林与の通常の加工の場合、裏も表も同様の加工がなされますので、無地の平織などの場合には、綺麗な面を表としてお使いいただければ大丈夫です。

綾織りの場合には、綾目が右上がりというのが基本的な考え方ですので、綾目が右上がりになるようにお使いいただけますと作る側が想定しております。裏表と一致いたします。ハンドメイドされる場合にハンドメイドされる方がデザイナーですので、気に入った面を使っていただいて、大丈夫なように林与の布は作ってあります。

柄が入ってくると、柄の要素が強く出てきますので、柄によって、表裏だけでなく、上下左右が決まってきます。実際には、上下もかならず、一つのパーツでは統一していただいたほうがよいのです。だから、Zの形で、上から一気に裁断というのはそのあたりが考慮されていない裁断方法です。右から左へ走る糸目はまっすぐに見えても弓になりがちですので、それを全体で統一させるような工夫も大事ではないかと思います。天然素材を使用した、ナチュラル感のある生地というのは一様に見えても癖があり、その癖というのが最後の作品に出てくるものです。
2010年04月08日
日本でものを作るときに、企業努力を超えた壁というのが常にあります。それは、企業にとっては他国と比べると競争条件が何倍も不利であるということです。将棋に例えると飛車角落としの比ではないところで、常に、ものをつくるという海外との競争です。

そんな中でも競争するときに形成が有利っぽいところが地場産地なのです。その地場産地自体が、価格競争というものづくりの土俵に呑みこまれてしまっては、その作りあげた形成が崩され始めてしまっています。

今の時代、日本が電気自動車を開発していますが、中国内では、50ccバイクではなく、充電式のバイクが15000円ほどで売られていて、日本のやっている開発というのが、実際には、無意味なのではないかと思えます。その法律関係を動かすことまでがものづくりしないといけないものの責任であったりしますので、日本はもはやものづくりをするところではないというのは現実のところです。

日本の優秀な学生たちが働く場所というのが中国になる可能性は高いです。一つの工場に一貫した製造拠点があり、自分自身で開発しようとすればその力があるのです。今回の展示会で知り合った業者さんが扱っている、綿の200/2や170/2の糸などは、通常日本ではあまり流通しない糸です。ヨーロッパ向けにはボリュームで動いているということですが、日本企業がそういう特殊な糸を扱うチャンスが少ないという点は憂慮してよいかと思います。そういう糸が湯水のように流れる国と入手が困難な国とでは、インフラ的に、作れるものや技術の差が出てきてしまうのです。国外に行ったほうものづくりしやすいということでは、ものづくりの国としての日本の立場は危ういです。

シルクの糸などでも、本当に細い紡績糸が中国から出てきています。生糸を作るよりも大変な世界かとおもったりして、糸を触っていてもその感触というのは通常のクラスとは違いがあるのを感じます。中国で開発される一番上のクラスの糸というのは、リネン、綿、シルクにしてもイタリア向けが多いようです。イタリアという国では、ブランドもたくさんあり、それだけの需要があるので、高級品へのニーズも高く開発も容易ではないかと思うのです。

イタリアという国では、国家がファッション産業に莫大な投資をし続けており、新しいものを生み出すに値する高級品の世界的な需要も生み出しています。メイドインジャパンの素材がヨーロッパで注目されているのは、イタリアやフランスにファッション文化があり、それらの国の政策のおかげかも知れません。
2010年04月07日
彦根地域では、もう桜が満開になりました。もうこの週末が見納めになるかもしれません。雨が降ると散って落ちてしまうので、週末まで雨が降らないように祈るばかりです。さて、今日は、お昼のうちに、組合の事務局に行き、理事会の資料などの準備をいたしました。

夜には理事会が執り行われ、今年度の彦根の組合の事業のことや予算のことなどに関して話し合いなどがありました。助成事業の案件に関しても事業成功に向けて話が進みそうです。単に計画したからやるというようなものではなく、参加される企業さんの将来のためになるような活動に結び付けばよいなあと私自身は思っております。

産官学のコラボなどに関しても、産、官、学のものづくりへのスタンスというのは、非常に大きいと考えます。民間の側から行政に対してのPR活動などを行い、政策や支援に生かしてもらわなければ、ものづくりに対するマイナス方向の政策が良作と勘違いでどんどんと作られていたりします。

学生のみなさんなどにもぜひものづくりの現場というものを学生のうちに体験などしていただいて、その専門での勉強に生かしていただければ学校での授業もより意味深いものになるのではないかと思います。
2010年04月06日
昨日3分咲になったと思ったら、今まで桜が咲くのをいつかいつかと待っていたのをわすれてしまうくらい、今日は7分咲きです。まだまだ、肌寒いというのに、地面の下のほうでは、春が進行しているのかと思います。先日の鯉のぼりを上げる際にも、つくしんぼがたくさん川の土手に生えていました。

以前だと、たくさんの蝶々が舞う春でしたけど、蝶々をほとんど見かけないのを目の当たりにし、実際に、サイレントスプリングがこの30年ほどで進行してしまっていることを感じます。新聞では、蛍の養殖みたいなものをあるところで見かけましたが、とことん失うまでやってしまって後から惜しむかのように、人間が見るためだけに再生させたものに価値があるのかと感じます。そんな養殖蛍でも飽きられてしまえば終わりで、本来の価値の復興にはならないと思います。

実際に恐ろしいのは、観光目的としてゲンジボタルがいない地域にまでゲンジボタルが繁殖してしまうような愚かさをはらんでいたりするのです。そのこと自体が人間の勝手による自然破壊にすぎません。食物連鎖の一部だけを直したとしても本質的な前後関係が改善されなければならないのですが、本質的なものを破壊している前後はアンタッチャブルであることが多いのも事実です。

今日は、夕方、大学のほうにお邪魔しまして、産官学のコラボの組合が中心となって進める事業のお願いにあがりました。ご承諾並びにご協力の約束をいただきまして、実行委員会のほうも順調に立ち上がり、事業のほうも一番大事な意欲的なバックボーンをもって進める気がします。
2010年04月05日
今日は、桜が咲き始めで一気に3分咲きです。不思議ですね。人間なら、早く成長する人もあれば、あとで成長する人もあるのに、同じ場所にある桜の木というのは、まったく同時に咲き始めます。決して温かくもないこんな日につぼみから一気にに3分咲になるなんて、ツルンでいるとしか思えません。木と木も会話をしているはずです。

燕の子供にしても、飛び立つのは同じ日です。子供のころ、私の家の上空が、日本中の燕の移動のルートになったことがあります。大きな音がするので不思議におもい外にでると、空一面を埋め尽くす燕が大きな音を立てながら10分以上も一つの方向に飛んでいったのを覚えています。一生に一度しか見たことのない不思議な壮大な光景でした。

今日は夕方遅く、長浜からお客様が来られ、いろいろとお話をいたしました。お店を作られた当初から弊社の本麻手もみなど弊社の素材を使い続けてくださっておられるのですが、今回も布を見に来てくださいます。林与と同じで近江特産の麻織物という素材へのこだわりも持っておられます。

林与が、このリネン日記をスタートしたことで、文字しかない見た感じ殺風景なブログですが、いろいろな皆様とお出会いで来たりお話しする機会が生まれたことなどもお話ししましたら、非常に興味をもっていただきました。私と同じように日々の洋服作りのことをつづってもらえるなら、林与は販売したあとも一つ一つの布を覚えていますので、林与の布がどんな風な洋服になるのか知ることができ楽しいだろうなと思います。買われるお客様にとっても特別のお洋服であるという意味合いが増すと思うのです。

ジャパンクリエーションが近づき、今回、デザイナーコラボしていただくDress&Co. HEDEAKI SAKAGUCHI 坂口英明氏とのコラボレーションでも、オーガニックやエコなリネンを使った素敵なコラボ企画が進んでいます。林与も当日が楽しみです。
2010年04月04日
今日は、こどもの日の1か月前の日曜日ということで、字の青少年育成委員ということもあり、字のみなさんと一緒に鯉のぼりを字の3か所に上げました。全部で40匹くらいの鯉のぼりが上がったと思います。1匹が10M近くもある鯉のぼりもいて、圧巻です。

リネンで鯉のぼりを作ったらおもしろいと思っていましたが、綿の鯉のぼりが雨にぬれると重くなって、まっすぐに垂れ下がってしまうということで、市販の薄いナイロンの鯉のぼりが風にはためくのには良いということです。

今、ジャガードでリネン100%を織り進めています。無地ライクな創作的な織物が生まれるのがジャガードの世界です。切れやすいリネンをジャガードで織るのは、織り段ができやすいので要注意で、通常の織機よりも速度を落としておりますので生産性もより低いです。

ジャガードの柄は、特別なものは林与のオリジナルな柄として作ってもらいます。その柄を作ること自体が時間を要する大事な作業の一つなのです。一か所の糸の上がり下がりの癖の出方を気にして紋紙を作り直すこともあり、プリント以上にコンピュータ上と実際の織物の違いの差というものは大きいものです。

アイルランドでも伝統的なダマスクを織っているところは少なくなっていますが、林与もジャガードで細番手のリネン織物を織っているのでその意味がよくわかります。ジャガードのリネン関係に興味を示してくださるケースが多いですが、希少で高価なのにはそれだけ生産が難しいという理由があります。
2010年04月03日
中国北京は寒かったのですが、日本に帰ってきても滋賀県は肌寒い感じで、春っぽくないです。底冷えしています。彦根城の桜も遅そうですね。さて、3月のリネンプレゼントの当選者は、東京都板橋区の方と横浜市鶴見区の方に決まりました。おめでとうございます。メール便にて数日中に発送いたしますので到着まで今しばらくお待ちくださいませ。

中国に行くJALの中のディスカバリーチャンネルを見ました。地球の出来上がり方を記録したビデオを見ていたのですが、恐竜の衰退など、形あるものはいつか滅びるみたいなのが、日本の織物文化と似ているなあと、滅ぶのも一つの進化なのかなあとおもったりしました。消えゆくものを惜しむことこそが愚かで、消えた後には新しいものが栄えるのだという道理なんだと感じます。人類にしてもほんとうに短いもので、進化しないものの方が長い時代を乗り越えることができるということなのかもしれません。

人間は今の地球環境問題を考えるときに、新しい技術を開発して対応しようとしていますが進化すれば環境をさらに危うくするだけだと思います。新しい技術の裏には、絶滅するものが必ず存在するからです。従来のものを淘汰してしまうような行為を行って後から復興しようとしてもなかなか難しいものです。

中国でも通訳の方を含め、その通訳の友人である30歳くらいの3人の若い世代の方たちと一緒に夕食などとらせていただいたのですが、その企業の次の世代を担うトップの方たちでしたが、非常に清く慎ましく行動をされていて、優良企業の幹部の方がそのような姿勢であるというのは、日本が追い抜かれるのは必至かもしれません。

一方、展示会などでは、麻糸、麻布、麻製品関連で、強引なセールスの方もたくさんこられ、自分が与える印象というのを理解されずに、便乗的かつ利己的なセールスの方も多かったのですが、不思議なのは、悪いイメージがあると追い抜かされない気がして安心するのですが、ひたむきな良いイメージがあるとすでに追い越されてしまっている気がして本当に危惧してしまうことです。中国の方がひたむきな姿勢でものをつくり中国繊維関連のビジネスを支えているとなると、今の日本の繊維業界の飽きたような体質からすると日本が追い越されてしまうのは当然だと思えます。日本の場合は経験があるのでそれを食いつぶす形で商売を続けてだんだんと衰退している気がします。専門的な能力や意欲、メンタリティの面でも追い越されてしまっているのではないかと思います。

その企業がトラブっておられる一枚のリネンの布がありました。その原因が何か分からないと悩んでおられると通訳の方に聞いて、原因がわかるかたずれられたので、その布の問題に関しては私が常に頭を抱えているリネンの問題と共通していたので、その問題とリネンの糸や織物に関する本質を説明したつもりですが、技術の方ではなかったのでピンとは来られたのか来られなかったのか。日本でもこの問題を理解し解決しようという動きは少ないので、それが糸、染、織を注意しなければならない一つになっています。
2010年04月02日
帰国するJAL886便が午後1時50分の出発だったので、朝のうちに北京市内を観光しようということで、朝の7時ころからホテルの近くで朝ご飯を取り、ショウビンと呼ばれるパンと小龍包と豆腐を朝ご飯に食べました。3人でお腹いっぱい食べて8元で、ホテルの中にも無料の朝食がついているのですが、それよりもおいしかったです。三人で地下鉄に乗って連れて行ってもらって名前はよく覚えていないのですが「天国のお寺」に行ってきました。お寺はすごく広くて600年ほどにもともと建てられたようです。奈良にいるような気分になりました。

すごく大きなお寺で、お寺の建物よりも、中がお年寄りのための文化公園見たいになっていて、太極拳、ダンス、回廊で将棋、トランプをやってる人、羽の蹴鞠みたいなのをやってる人、通路に書道をやってるひと、やってる人も達人のような人ばかりですが、観光客もそれをみて楽しめるので一石二鳥です。

お寺のあと、天安門を見たかったので、タクシーに乗ろうとしたのですが、タクシーが捉まらず、バスに乗りました。なんか、バスだと天安門まではすごく遠いということで、途中下車して地下鉄に再度乗って、正面の毛沢東の肖像画を拝んでタイムアップで、急いで、ホテルに戻って、チェックアウトもルームチェックが間に合わず通訳の人にホテルの生産など後の処理を頼んで、一人でタクシーに乗って空港に向かいました。

飛行機の搭乗開始時間、ぎりぎり間に合って、よる9時に家に到着です。今回は、ホテルの予約などのトラブルで、会場からかなり離れたホテルになったので、毎日、一人でタクシーに乗って会場まで行って帰るなど、「はじめてのお使い」モードが多かったのですが、なんとか、はじめての北京での展示会も乗り越えて帰ってくることができました。今日一日は、本当にくたくたになりました。

今回の展示会では、日本の大手生地商社さんの並びに入れてもらって、お隣のブースさんやスタッフの皆さんにも親切にしていただいて、日本のゾーンで出展させてもらってよかったなあと思っています。今回の展示会は十分大きいですがそれなりに情報収集がしやすい規模の展示会だったので、展示会全体の雰囲気を楽しむこともできました。

北京の展示会中はメールなども連絡があまりうまくとれなくてスミマセンでした。明日から少しづつ対応も再開してまいります。みなさま、林与が日本に帰ってきましたので、また、よろしくお願いいたします。
2010年04月01日
今日は、最終日でお客さんの入りも少なめで、弊社ブースにお立ち寄りくださったのは、50から60名程度でした。入り口のほうは厳重な警備が続いており連日最初の本当の意味でのお客さんがHALL4に来られるのは10時半ころで、ブースの片付けが午後2時くらいからはじまったので、実際にじっくりと座ってもらってお話しできたのは10名程度でした。

私自身も、今日は時間があったので、ヨーロッパの企業の出しているリネンがないかと、散策に出ていたのですが、リネン100%と思えるものは、ベーシックなチェックのもの数点しか見つけられませんでした。最終日ということもあって、出展されているイタリア人の方などが弊社ブースに展示が終わったあとの帰国前の見物に10組程度は来られましたが、同業者同志ということで足早に展示をチェックされるだけで名刺を交換するということはありませんでした。

香港の女性の方がこられ、リネンをヨーロッパ輸出向けに探しておられるという話で、トレンドコーナーで、林与の生地をみてダイレクトに私のブースに来られたということです。私自身、今日もトレンドコーナーに行き全体の傾向を見ていたのですが、皺になるようなナチュラル感のあるものがほとんど少ないのを感じました。普通のリネンものだとダルな感じで埋もれてしまって安っぽくみえてしまうからかと思います。林与も全体のトレンド傾向を意識はしているので、リネンであっても林与っぽいブランド向けの高級に見えるものを中心に選んで提出したのでたくさん選んでもらえたのだと思っています。林与でいうところの昔のテイストのもので、ナチュラルテイストのものはほとんどないと言っても過言ではありません。これは、林与のリネン100がセレクトされているというのは、糸のセレクトの件もありますが、日本の染の品質の高さや日本のリネンの加工の特別さの表れだとおもったりするのです。

出展企業のほとんどが中国市場をターゲットにしているということで、ポリエステルやトリアセ、綿麻混紡糸などの価格を落とした素材提案が多いからかもしれません。光沢感はあるものの量販系のテイストの素材がたくさん並んでいました。実際にリネンの提案で、ヨーロッパの企業が中国市場に対して提案を行っても、中国企業が出展しているリネンとの比較では、中国のバイヤーからすると100%ものというのは、微妙な差というのは同じに見えにくいからだと思います。

北京のかたというのは、エージェントとして動いておられる方が多いので、いろいろなものは見慣れてはおられるようですが、実際の織物の現場を知って扱われて方というのは少ないようです。上海では脚を止めて見てくれる人が少なかったシャトル織機が動く様子の動画を5分くらいじっと眺めている方というのが、3日間通して本当に多かったです。もしかすると、そういうのに興味を持たれるのは北京というアカデミックな土地柄もあるせいかも知れません。

会場内での撮影は禁止されているのですが、林与の看板を撮影されている方が昨日も数名おられ、今日も数名おられました。北京では、ハンドメイドなものがほとんどなくなっていて、そういうハンドメイドチックなものが生地関連の人たちにとっても面白くみえた証拠ではないでしょうか。リネンストールなども商品として置いているところというのは、ものめずらしかったのでしょうか。弊社ブースに訪れられたほとんどのお客さんが触ってくださって、ほんとうにたくさんの方がハンガーバーに掛けてあるものを取って首に巻いて感触を楽しんでおられました。

展示会が終わって、上海方面に帰国される通訳の方ともう一人リネン関連の方とホテル周辺で食事をいたしました。オリンピックの行われた「鳥の巣」の近くで、鶏の焼き鳥が店頭で一本1元で売られていて、3人でチンタオビールを飲みながら3人で、魚料理、野菜料理をメインに食べて100元程度の食事でしたが、魚料理も野菜料理もどの料理もおいしかったです。ささやかながら、3日間のお疲れ様ということで打ち上げでした。明日は帰国です。
2010年03月31日
オリンピックも終わった北京という場所は、ものを作る場所ではなく、独立のエージェントっぽいタイプの方がたくさん動いておられます。そういうのを活用しているのが外国企業で、今日もお客さんに交じって1時間に2人くらいは中国の織物の会社の人だったり、糸の会社の人が来られます。展示会に出ておられる中国市場をターゲットにしておられる外国企業のほとんどが、商社化していて、中国で生産をしているところがほとんどです。

日本の大手さんのものは中国の一般的な価格帯での販売をされていますので、一般の中国人の方にも中国のものと同じ価格で変わったものが買えるということで大人気です。日本のものは中国企業でも普通に手が出るという感覚が浸透しているので、日本のものが高いというイメージは北京ではないようです。ちょっとショックです。今回の日本企業の出展企業の中で、メイドインジャパンの素材を扱っているところというのは、林与を含め2社ということでした。メイドインジャパンの素材というのは、日本国内でも少なくなってきていますが、世界ではほとんどPRされてはいないので、それを国際的な展示会に並べることは大事ではないかと考えています。

展示会全体を主催されていますドイツ本社の方も弊社ブースに来てくださいました。展示会のトレンド素材のコーナーをみていると、リネン100%みたいなのは、林与のだけではないかと思います。ヨーロッパ企業も麻の提案というのはもちろんあるとは思いますが、中国市場では値段的に話が進みにくいので提案しないのかもしれません。こういう大きな国際展示会においてもハイクラスなものが見られないというのは残念なことです。

林与のブースですが、ブースの前のカウンターには、シャトル織機の動いている様子の動画と、リネンデニム、リネンハンカチ、リネンストール、リネンシャツを並べ、手にとって見てもらえます。今日は、リネンハンカチは3人ほどが興味を示してくれました。140番手のアイリッシュリネンストールは、作っている林与自身でも本当に特別な世界です。

お隣のブースの大手生地商社さんの中国の展示会を取り仕切っておられるお二人の方もお話しする機会があり染の話を伺ったりしました。サンプルを好きなだけ持って帰れるようにスワッチサンプル帳をカタログのように自由にお取りください状態なのは、太っ腹だなあと思いました。中国の方相手でも、すべてストックされてもたれているから話が進みやすいということだそうです。

夜は、中国のみなさんと食事を地下鉄に乗って王府井という場所にいって取りました。百貨店が立ち並ぶショッピング街です。昔の風の屋台村のようなセクションも残っており、そこで食事をとりました。マトンの長い焼き鳥みたいなものが、1本40円くらいですがおいしかったです。帰り道を迷って、5人でぶらぶらと夜の北京を歩きました。安全で雰囲気が日本の京都と似ているなあと思います。

不思議なことに、地下鉄に乗っていても、中国人から声を掛けられ道をたずねられたり、今日一日だけでもなんども中国人と間違えられてしまっています。これは、私が中国人に見えるというより、中国の人の来ている服や髪形などが日本化してきて、私自身、中国の人を見ていても日本人っぽい外観の人が多いなあと思うのです。日本で販売されているブランドのものも含めて洋服のほとんどが中国製になりつつあるので、日本人と中国人の着るもののレベルが同じになってきているのを感じます。
2010年03月30日
今日は展示会初日で9時にオープンなのですが、入り口での3重くらいの荷物検査などのチェックが行われ入国検査以上に徹底したビジターの管理で、実際に4号館ともなると最初のお客さんが来るのは10時半過ぎとかでした。それまでは、出展企業のセールスマンが林与にもリネンやコットン関連のセールスに来られました。

5号館入り口付近には、厳重な警備の来春夏のメインの国際トレンドゾーンというのがあって主にヨーロッパの素材を中心としたたぶん300から400点ほどの生地が展示されていました。林与がフランスの展示会のエージェントに送った20点ほど生地のうち10数点以上がセレクトいただき展示されていて、ここにもある、これもあるという感じで、世界の権威あるトレンドメーカーの方にたくさんピックアップしてもらってて驚いています。ありがたいことですね。

林与の生地に興味を示してくださったお客さんで、実際にお話が進みそうなのは、麻のものを求めてヨーロッパから輸入されてるような業者さんになるかと思います。でも、中国の北京で麻のみを扱われている方が、リネンよりも、日本の本麻手もみに興味を示されたのは驚きでした。中国に本当に目の肥えた方がおられたのが驚きです。上海では、本麻に興味を示される方というのはおられませんでした。

日本のセクションには、日本でも有名な大手の生地商社さんのブースが数社ありました。中国で製造を主にされ中国製キバタや中国製生地を主体に扱っておられるため、値段が手ごろということで中国服飾メーカーに大人気で、日本ブースのセクションは現地中国のメーカー関係者の注目を浴び非常に熱い感じでした。

北京で一日北京の方と接しただけで、上海とは違う雰囲気を感じました。本当にステレオタイプな国民性が残っているかと思います。上海がかなり国際化を目指して、日本の東京以上に旅行者に対しても快適な空間を作り出しているので逆に日本人としては焦りを感じていたのですが、首都北京のまだまだ昔の中国っぽいイメージも体験することができました。中国の方に同行してもらっていてもタクシーに乗るのが上海以上に難しかったりするので、中国も地域によって違うものだなあと思いました。
2010年03月29日
今日は、朝早くに家を出発しまして、サンプルをたくさん抱えながら関空を出発しました。北京は初めてだったのですが、滞りなく出口で通訳さんと会うことができ、まずは、荷物としてのサンプルがたくさんあったので、展示会場の準備に行きました。

中国国際博覧中心(CIEC, CHINA INTERNATIONAL EXHIBITION CENTER)は、想像よりもこじんまりとしているなあというのが最初の印象でした。お客さんの立場から考えると会場を一日あれば回りきれてしまうのではないかというのが印象です。

準備のほうは2時間ほどで済みました。コーナーブースを与えていただいたこともあり、一こまながら広々とした感じです。また、日本ブースではいろいろな配慮があり、桜のピンクで統一され、日本企業の出展であるということを印象づけ、日本製のものを探しているお客様には来てもらいやすいのではないかと感じました。

ホール5に脚を運んで、イタリアブースの大掛かりなブース作成には、力の入れようを感じました。私自身は、リネン生地に関しての情報がほしかったのですが、中国以外の国の出展ではほとんどリネンアイテムというのが見当たりませんでした。

合間に、ヤーンエキスポも同時開催されていますので、その会場のほうにも脚を運んで準備状況を確認しました。展示会の警備が厳しすぎて、他のホールの入り口でも3人4人の警備員が立っている間を通って、ホール内に入らないといけないのはすごく不思議な気分です。中国企業ですが、リネンの糸の会社もたくさん出ていました。

会場の飾りつけが終わると、手持ちで持ち込んだ荷物のほとんどがなくなり、身軽になって裏出口すぐの場所で食べ、ホテルに向かいました。チェックインしようとしたら予約ができていない(通訳の人は携帯でメールも確認しているので、たぶん、ホテルがダブルブッキングかな?)ということで、北京オリンピックの行われた「鳥の巣」近くのホテルを案内されました。わざわざ展示会場に近いホテルを探したのに、展示会場にすごく遠いホテルから毎日通うはめになりました。
2010年03月28日
林与が3月29日からインターテキスタイル北京に出展いたします。そのお祭り気分を味わっていただこうと3月29日から3月2日の間セールを計画しています。楽天さんへのお店のオープンも3月29日には控えておりますので、こちらのほうを1日優先してセールをスタートいたします。(次のセールはジャパンクリエーションと合わせた時期を計画しています。)発送等が3月3日以降になり、ご不便をおかけいたします。

夕方、ジャガードのレピア織機の別の部分を再調整いたしました。糸を切る機構の強さの調整と高さの調整です。織物を作るときにはいろいろな問題が起こりますが、機械というのは正直ですから、調整の悪いところを正しい位置に戻してあげると問題がクリアされることが多いのです。

ある問題を直そうとするときに、別の場所で調整して何とか織れていても、他の織物を織ると、また別の問題がその織機では発生いたします。織機の不具合というのは、基本的に部品が消耗したとかが原因であるというよりも、消耗した部品を交換した時の取り付け方が悪かったり、なにかを調整したときに本来調整すべきでないところを調整した問題が、後々出てくることが多いのです。調整が出来るということは非常な利点なのですが、その調整ができることが、部品をはずして再度取り付けるときのアダになることが多いのです。

織物という産業は、織機を守った一つの世代が終わると衰退してしまうことが多いのです。紡績に関しても同じことです。今の中国の紡績を支えているのが、実は海外の技術者たちで、その人たちがいなくなれば高い品質はすぐに守れなくなります。ヨーロッパや日本の技術者たちはもう自分たちでものを作らなくなってしまっているので、今の世代がいなくなればまた中国の紡績技術も、将来、衰退する可能性は高いです。一人二人の技術者が工場全体を監修していることが多いからです。中国企業というのは、ノウハウだけを得てあとは自立するということを行いがちなのですが、それが品質を維持できない問題であったりもします。
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