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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
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2010年06月21日
今日は、午前中、生地のカラーを調整できないかという依頼で染工場に行きまして、染工場の代表の方お二人に相談に乗っていただきました。たまたま、そこに加工工場のほうからも染に関しての担当の方がお見えで役者は揃った感じで、やってみましょうという感じで動き始めています。

午後から、刺繍工場に伺いました。刺繍工場に伺ったのは初めてなのですが、単に仕事を依頼するのではなく、いろいろと刺繍に関しての知識を教えていただき、こちらの依頼に対してベストで応えてくださるような代表の方の対応には、非常に感激いたしました。別案件でのハンカチに関する刺繍だったのですが、私自身のハンカチのプロジェクトにも大きく貢献する出会いです。

そのあと、選挙の開票場でお使いになられるという生地に関してお客様がお越しになられました。選挙が迫っているのだなあと思います。資材系の生地ということで、皺になりにくい、ポリエステルなどが良いのではないかと麻生地屋ではありながらも、市販生地っぽいものをお奨めして、縫製資材関係のみなさまのお力を借りてみようかと考えております。

うーん、会社の中では、リネン100番の厚地の織物の初トライアルです。織れないと言う大きな壁にぶつかります。でも、そこが良いのです。簡単なら誰でもできるので特殊な商品に関しましては乗り越えなければならない壁というものは高ければ高いほど良かったりいたします。
2010年06月19日
今日は、申し込みの処理などをいたしました。土曜日なので外の世界は止まりがちですが、大手のアパレルさんというのは今日も動いておられ、確認事項などありましてお電話をかけると繋がるだけで救われた気分です。

午前中にバタバタと申し込み書類を作って、午後からは別件の書類作製に取り掛かっておりました。同時にものづくりのほうも進んでおり、私自身が一番出来上がるのを楽しみにしています。綿糸のサンプル代金を海外送金した旨を知らせるファックスを香港に送るとかもやってみましたが、FAXがうまく送れたのかどうかというのはわかりませんので、香港ならたぶん言葉が通じると思い電話を入れてみますが、香港は土曜日は休みみたいです。
2010年06月18日
今日は、午後から自治会の企業懇談会があって行政、企業が集まられました。町長さんとは麻織物をしていることなどをお話しすると周辺市町村と合同で企画されています地場産業振興に関する助成金があることなどをお話くださいました。今までの箱物ではなく、民間が提案したものを採択しようとする民間提案型のタイプが今は主流になってきているようです。ものをつくるという一番大事な部分に力を注げるような形でなければと思います。

リネンの細番手の新企画の織りに取り掛かり始めています。数キロだけ作っていただいた非常に貴重なサンプル糸ですので、テストと言えども失敗が許されないのが厳しいところです。そのために、テストのためのテストを昨日今日と掛けて行いました。この一連のプロジェクトでは、すでに2ヶ月ほどに渡って5回の試織を行っております。どれもが満足できない結果に終わっているのですが、それを経験できたことこそが、成果以上の意味だったりするのです。ものづくりってそんなものですが、結果だけをみて、そこの部分を評価できる人が少ないのも事実です。

ある糸のトライアルにおいても織れることは織れたのですが、別のすごく大きな問題をその糸は抱えていることに気が付きました。それは、自分自身が最終的なところまで試してみたから分かったことで、糸の根本的な問題に気が付いたということです。
2010年06月16日
今日は反物が上がってまいりましたので、夕方以降は、出荷のほうに追われていました。お昼には、縫製の関係で近くの縫製工場のミシンを借りに行きました。思ったような縫製ができなくて、別の方法を考えないといけないと思います。

今日は、おじさんが来て下さいました。林与の第四工場といっても、小さな小幅の工場を見てくださっているおじさんです。今の時代と言うのはシャトル織機と言うのは本当に動かすのが難しい時代です。技術的なことだけでなく、音の問題もあります。

お客様が工場見学にお越しになられますが、シャトル織機が動いているのを見られるとその音の大きさに驚かれるかと思います。昔の織機が元気に動く様子というのは、ほんとうに希少な限りです。そういうところに惹かれて、いろいろな方が、特別の思いをもってくださっております。

今日は、合繊関係の大手さんからも、お願いいたしましたリネン糸の件で丁寧にご連絡いただきまして、明日から見本つくりに着手できるのではないかと思います。林与自身も未知のリネンプロジェクトなので、どんな結果がでるかは分かりませんが、自分自身の決意以上に他のご協力をいただいている責任を感じると同時に、日本にそういう世界が残っているのだなあと日本のものづくりの良さを感じます。
2010年06月15日
今日は、糊付のために加工出しをいたしました。麻100%の糸ですが、毛羽があるので、それを抑えるための糊付けです。糊加工でもいろいろな種類の糊があり、それぞれに特性があることをお話の中で今までの知識以上のことを知りました。そこに、自分のもっている知識と掛け合わせて、より、リネンとしてナチュラルな風合いを求めることが可能になるのではないかと考えます。

本麻にしても、昔の本麻というのは、本当にきれいなものです。シルクのような光沢感が売りで、今のマットな感じのラミーとは比較になりません。昔の本麻というのは、加工工場でもつるつる滑って扱いが大変だったそうです。本来、そういう世界が日本の麻の世界であって、今の時代にそんな本麻をみることは不可能に近いです。

そんな本麻を見かけられてこれがほしいと言われる方はその道のプロで、麻関連の和装業界の中でも、そんな何十年も昔の良いものを扱った記憶をお持ちの方というのはごくわずかだと思います。

日本の織物が使用した糸の材料が良かっただけでなく、紡績技術、染色の技術、織物の技術、加工の技術と、すべてが揃っていた時代がありました。今、麻生地をつくろうとしても、すべてを調和するのは本当に難しいのです。

このことは、各企業努力というレベルの問題ではありません。基本となる部分を海外に持っていかれてしまっては駄目なのです。高級なものだけが日本に残ると言うのは幻想で、高級なものと言うのは通常の生産基盤があって、その余力を使って作る側も無駄を覚悟で生産するものなのです。安いものは海外で高いものは国内でと考えられる方には、なかなか理解が難しいと思います。結局は、産業を支えるためには、人の生活を支える力がなければならないのですから…。モノだけ見ていては駄目です。
2010年06月14日
今日は、リネン日記が始まってから一年目の誕生日です。最初は、数週で書くネタが尽きるのを心配しておりましたが、布を作るときにはすごく準備が必要でいろいろな作業と考えないといけないことやり直しなどが伴いますので、書ききれていません。というより、リネン日記のお陰でたくさんの皆さんと出会え、書くことはさらに増えています。

今日は偶然にも誕生プレゼントかなあと思う画像付きメールが届きました。先日、リネンストール用キバタの仕上がりの心配ことを書いたので、リネンストールをおつくりになられたかたから、その手順や感想と画像をお送りいただいたのでした。画像を見てびっくりで、皆さんが私よりも上手に仕上げてくださるか心配していたこと自体がうぬぼれでした。パターンナーさんで、私よりも創作力はもっておられます。

ということで、画像は、「リネン100%ストール用キバタ ビッグギンガム」をストールに仕上げてくださった画像です。自分自身で仕上げるためには相当な時間と手間を使わないといけないのですが、手作りで世界に一つとかいうのって本当に素敵だと思います。

一年ぶりくらいの画像アップになりますが、リネン日記「1周年」ということで特別仕様です。堅苦しい文章ばかりが続いておりましたので、皆様のお目の保養になればと思います。これからも「リネン日記」よろしくお願いいたします。
2010年06月13日
「リネン日記」が誕生したのが、昨年の6月14日です。皆さんに読んでもらえるようになったのは、昨年の12月頃からです。展示会のことや仕事のことなどを思い出せる良いヒントとなります。

今日は、リネンキッチンタオルのご感想をいただきました。3回洗ったら良い感じになったとおっしゃってくださり、林与のイメージと同じです。ただの平織りのキバタが洗うだけで良い感じに仕上がるのは見ていてうれしいものです。ストールよりもこちらのキバタのほうが何倍もなぞに満ちています。限界まで厚く織ってあるのに、タオルにもできそうなソフト感があるのです。キバタのストールがうまく行った方は、キバタのキッチンタオルに挑戦してみてくださいね。

皆さんにキバタで買っていただいたストール生地、生成、ビッグチェックはどんな感じでしょうか?150mづつくらいはすでにお買い上げいただいたので、たくさんの方がストールつくりに挑戦されたものと思います。何度か洗っていただいていると、そろそろ、柔らかくなって、こんな梅雨っぽい雨降りの日には、しんなりとしてよい感じではないかと思うのです。色も、だんだんと薄くなってきたのではないでしょうか。今、手元に10回洗った生成がありますがふっくらとしています。

普通のリネンタオルなどで販売しているものは一旦柔らかい加工がしてあってそれに糊を付けて販売しているのが普通です。リネンのキバタと言うのは通常しわが入っていますが、販売されているタオルが硬くてもしわがないのはそのためです。林与が今織ったのは本当のリネン100%の生地です。本当と言う意味は、織るときに糊もつけず、油も付けずに織ってあり、生成の糸がそのまま生地になっています。また、使用している糸はエコテックス規格100のリネン糸なので安全性の面でも一般のリネン糸と比べると安心かと思います。
2010年06月12日
「本麻手もみ100番」をアップしました。写真をご覧いただけると分かるかと思うのですが、発色など綿とはちがう本麻の美しさがあります。シンプルながらも、本麻が本麻であることを感じるシリーズです。

ずーっと、アップしたかったのですが、写真を撮るのに手間取っておりました。こういうのが本麻の織物のベーシックな世界です。リネンを着ておられる方と言うのは増えてきたものの、夏に本麻の洋服を着ておられる方と言うのはほとんど見かけることはないですが、本当に軽くて涼しいものです。

生地屋さんなどでも並ぶことは少ないですが、日本らしい麻の生地もあるということをご覧いただければと思います。
2010年06月11日
夜には、縫製の組合の会議がありまして会議が終わってから、先月イベントで大量に余ったという冷凍ホットドックを3本食べました。今、夜なのに寝付けないほど胸焼けのような感じでうなされています。とうとう寝苦しい夏が到来したのでしょうか、それとも、ホットドックのせいでしょうか。

今日は、コラボしがの産業支援プラザの方からJETROが行うヨーロッパブランドバイヤーさんの展示会のFAXをいただきました。魅力的な内容だったので申し込みをいたしました。国や県などが情報を提供してくださることは非常にありがたいことです。

昨日書きましたカシミヤの糸は、なんだか不思議な感じの糸です。一本だと弾力性があって強そうな感じなのですが、束になると扱いにくいです。「麻糸のごとし」という表現がありますが、麻屋さんなので、麻糸を特別扱いにくいと感じることはないですが、そんな感じだと思います。

インターテキスタイル上海と北京で通訳してくれた方からメールが届いて、今は、上海の友人のメンズブランドのお店で働いているそうで毎日たくさんのお客さんで非常に人気だとか、今、上海は万博の効果もあって世界中からの人が集まっている一番熱い場所なので、メールからもそんなイメージが伝わってきます。
2010年06月10日
国内紡績のカシミヤの細い番手が届きました。毛番で80番手です。このクラスが多分通常流れているうちではかなり上位のクラスのカシミヤだと思いますが、カシミヤはあまり使わないので、自分自身が使って良し悪しを判断していこうと考えます。

林与は、超細番手の麻を織っておりますので、通常の糸だとほとんどの糸を織りこなすことが可能です。たぶん、この糸も織れるんじゃあないだろうかということで、試しにどんな感じなのか見てみたい感じで、他と違うものができるなら商品化していけるかと思います。

細番手の魅力と言うのは、リネン100番手のストールとリネン66番手のストールでは、原材料はもとより紡績工程からして難度が異なりますので、ほぼ同じ目付けで織り上げて同じ加工を施しても、その生地はまったく別物に感じます。

通常リネンの66番手でも繊細な織物に感じるのですが、リネンの100番を超える世界と言うのは、別世界で、海外のアパレル向けの素材の展示会などでは見たことがないといわれる方が多いです。そんなリネンの100番とカシミヤとのコラボなんかも秋もの向けにはよいんじゃあないかと思うところです。
2010年06月09日
社内では、リネンワンピースの販売に向けて動きがあります。ベーシックながらも素材の良さを楽しめるようなリネンのワンピースが作れないかと思っています。市販されているクラスのリネンだと面白くないので、リネンの100番手くらいのオフ白をベースにしたクオリティでエレガントなものにできないかと思います。

同時に、ひこねの縫製の力を生かしたものができないかと、林与独自のプロジェクトも進行しております。2年前までは、不可能だったリネンの世界が、素材の開発をできたことで広がり始めようとしています。

数年前にチャレンジした、リネンの浴衣も再度新素材を活用してどうなるのだろうか、楽しみです。綿のマットな感じとは違って、リネンの太くても光沢感や繊細で透明な感じが、女性の美しさを引き出せるのではないかと考えています。

浴衣って、涼しそうに見えても熱いというのが実際だったりするところです。たぶん、綿の浴衣だと寸胴にしないときれいじゃあないのだと思うのですが、簡単に羽織ってエレガントなものが作れないだろうかと思うところです。

リネン日記をご覧で、自社柄をお持ちでコラボしてくださるような捺染屋さんおられましたらご連絡くださいませ。林与では、リネンにプリントを考え、100番手クラスのP下素材などをどう料理しようかと思考中です。午後からは彦根の組合で事務的な作業などを行いました。
2010年06月08日
今日は、午後からコラボしがの方がお二人お越しになられ、今、滋賀県のファンド事業として動いています。ビンテージアイリッシュリネンハンカチのプロジェクトに関して中間の進捗状況の確認に来られました。現在、40プロジェクトが動いていると言うことで、継続の審査は厳しくなっているとのことですが、もともと自分でやろうと考えていたことですので、全力で突っ走るのみです。

このハンカチ用の生地を展示会などでご覧いただき、いろいろなご意見をいただきまして、2年目の物づくりの参考になりました。今年は、単なる白いハンカチではないので、ハンカチの規格を決めたりして、ハンカチのなかの簡単な柄をいくつか試してみました。

今年の次のステップは縦横の先染です。ある程度しっかりした密度で織るので、糊付けの問題が生じてきます。きれいなハンカチが織れるでしょうか。並行しまして、社内での縫製のテストなども行っております。

素敵だなあと思えるハンカチと言うのは、見ているだけで、触りたくなるようなハンカチではないかと思います。真っ白なハンカチよりもアイボリー掛かったオフのハンカチのほうが何倍も人気が高いことも展示会で分かった成果の一つです。
2010年06月07日
同じものでも使う人が違うと長持ちしたり、素敵なものに変わるというのも感じる出来事がありました。先日、お越しくださいましたお客様が、早速、リネンの布にハンドヘムを入れてくださった写真をお送りくださいました。わー、っと思ってしまうような出来事です。

一日掛けて、丁寧に一つのラインを完成して、これって、ほんと昔の手仕事の世界ですよね。今の時代にそのような作業に没頭できる方にお会いできることは、プライスレスな価値観の世界だと思います。林与も一つの布を作るときに糸探しから初めてそれを織れるまで何度もトライアルすることがあります。特に新しい糸とであったときには、半年、一年考えて形にしていきます。途中、満足できずに一からやり直したり、織ったものを加工に出して、自分の中での合格点まで近づけて行きます。

そういう布という完成品にたどり着くまでにいろいろな苦労があるからこそ、たとえ、無地の布を見たとしてもいろいろな思い出がよみがえってくるのだと思います。ロットが違うだけで同じ加工をしても風合いがまったく違うように思えることも多いのです。朝触ったときちょっと違和感を感じる布でも、心配で、夕方触ると程よいとか、ほんと、天然を感じるのが本来のリネンや麻布です。

近江米を産する田園に囲まれた湿潤な気候の中で、加工をあがってから、だんだんとリネン布の味が増していくのも感じることができます。寄せ集めではない昔ながらの価値観を守ることで、本場の近江湖東産地の麻織というものを守っていければよいと考えております。
2010年06月06日
今日は、自治会のもち米の田植えが11時から行われました。もち米を植えて、それを収穫してお餅を最後に食べようということです。自治会の外部団体の青少年育成会が主催になってする行事で、その情報を聞きつけた、5歳から小学校3年生くらいまでかなあと思う子供たちが20人ほど集まってきて、田植えを行いました。

ほんの30分で植え終わってしまって、後は泥んこな手脚を水洗いです。毎年はアイガモのヒナを入れて、有機栽培するもち米になるはずなのですが、近年の鳥インフルエンザなどの流行もあったため、今年は、野生のアイガモも放鳥はありません。

去年は、オーガニックにこだわり、もち米があまり取れなかったということでした。自然を求めると、人間のコントロールができないところにたどり着くものだと思います。

オーガニックな要素というのは環境に優しくても、人間には優しくないことが多いもので、自然対化学の対立だと思います。今の時代でも天然素材があってもより安く量産できるように似たようなものを化学的に生み出すという手法がとられます。良い風合いを生み出すために素材そのものを良くするよりも後の加工の薬品で風合い自体を化学的に生み出すという手法が取られます。

今日、手作りの体験農園の看板が立てられました。私自身は看板づくりには携わっておりませんが、温もりのある手作りな感じの看板であるところが絵になりすばらしいなあと思うのです。自分で作ったものが一番みたいな感覚を養うためにも、社会がその手本を見せていかないとだめかなあと思います。

今朝、会員様向けにメールでご案内しましたキッチンタオルとキバタは、この下のほうに並んでおります。見つけにくかったという感想をいただき、次回からは、メールのほうにリンクを貼るよう改善いたします。
2010年06月05日
今日は土曜日でしたが、朝から奈良からのお客様がお越しになられました。弊社が最近お作りした生地などを見ていただいたほか、倉庫に行きまして、弊社の昔の近江の絣文様の見本などをご覧いただきました。

今作るものというのがどれほど無力なものなのかを私自身が実感する世界です。一本一本手織りするだけでなく、年間百を超えるような絣柄を生み出した先人の力には感服するところです。毎日ご飯を食べるように当たり前に、新しい絣柄が生み出されていたのです。イースター島のモアイをなぜ、昔につくることができたのかという以上に不思議な世界です。数十人の仕事とは思えません。

今、そのひとつでも作ろうとすると、数人掛かりのプロジェクトで、1ヶ月仕事ではないでしょうか。これは、単なるプリントではないことを考えると、世界では相当手の込んだ部類の織物に位置します。日本の昔の織物がどれだけ、手間隙を費やして作られたものなのかということを物語ります。

一ヶ月を織り上げるものなのに、コンピュータシュミレーションもせずに、どれもが今の時代にも新鮮に見えるような色柄で作り上げられているというのが軌跡だといえます。日本の着物の世界が世界に誇れる文化であるというのは、同じものを作ろうとしても大変だという再現性の難しさにあるのではないでしょうか。
2010年06月04日
今日は、朝、リネンの生成が届きました。箱を開けると思ったよりも明るい色の生成りが入っており、前回のものとは紡績メーカーが違うのかなあと思ったりですが、たまたま、お客様のほしい色が明るい色の生成りだったので良かったです。でも、こういうのはたまたまの出来事ですので、こういうラッキーなことが続くわけではありません。後の問題を少なくするためにも仕事をするときには糸の確保というのは非常に大事です。

リネンの生成にはさまざまな色味があって、産地によってフラックス原料の色の違いがあるだけでなく、レッティングと呼ばれるフラックス原料の作り方によっても変わってきますし、気候によっても変わってきます。他にも、フラックス原料の産地の問題ではなく、紡績工場の技術水準や作業基準によって、生成の色味が大きく変わってくるのです。

生成の色というのは付けるのではなく、色を抜いて調整していきます。生成の色にその紡績工場のセンスが良く表れてきます。林与が好きだなあと思うのは、昔のアイリッシュリネンのゴールデンアイリッシュと呼ばれるカラーですが、今はもう手に入らないと思います。カラーの安定性の面からも、良質のリネンの産地としては最大の、フランスやベルギー産のグレーっぽい生成を基調にしています。

いつも同じような色味を使っているので、少し色が違うだけで、黄色いなあとか、濃いなあと感じることができます。リネンの布を触っていると、朝と夜では感触がちがうことが多いですし、加工してから時間が経つと湿気を吸って良い感じになってくることが多いものです。

生成というのは、色の安定性がないので、アパレル向けには生成の代わりに生成りに似た色で染めた染め糸を使うこともあります。生成というのは、生の草っぽい性質が残っているので、気をつけないといけないことも多いものです。
2010年06月03日
今日は、東京からお客様がお越しになられました。1ヶ月前のジャパンクリエーションの3日間の一番最後のお客様としてお出会いさせていただいた方で、プロダクトデザイン事務所を運営されておられます。海外の美術館などでも個展を開かれ、日本の伝統的なものづくりに目を向けられ日本らしさを世界に発信されておられます。

9月にご予定の個展に向けて進めていきたいというお話をいただきました。私自身は、通常に流れる良いものと特別に作る珍しいものとの差というのは大きいことをお話させていただいたりいたしました。

心が和んだのが、その後、京都に行かれるご予定があったのですが、その前にお寺めぐりをされているということで、石馬寺に行きたいとおっしゃられました。時間も遅かったがために拝観はできなかったのですが、外から拝ませていただきました。

ご住職さまには、座敷の縁側から庭を眺めながらお茶とお菓子をいただき、地元の人間ながらも立ち寄ることがなく、近くにありながらも小学校の遠足以来という特別なチャンスをいただけたことをありがたく思います。記憶していた井戸の中の馬という昔のイメージが、だいぶ違ったのには驚きました。

気さくにお話させていただき感じたのですが、ものつくるというより、その前に、心を大事にすることを感じました。
2010年06月02日
今日は、合繊関連の糸メーカーのほうに問い合わせをさせていただきましたところ、快いい対応をいただきまして、日本にも熱く動いておられる方がまだまだおられるのだなあと言う実感をいたしました。

お話をさせていただいていて、やるやらないの物事の判断というのが私の物事の判断方法とかぶっており、まさにものをつくるメーカーさんだなあと意気込みを感じました。そのような方と出会いがものづくりの大きな助けになります。でなければ、自分自身で他分野のことを一つ一つ解決していかないといけないのです。

実際に分業体制というのが進みすぎて、工程データ管理はできていても、会社の中の人がものを見ていないケースは増えてきています。流れ作業になりがちなのです。同じデータで動いているつもりでも、出来上がったものの風合いは異なってしまっていることが多いのですが、その出来上がったものの風合いというのを判断する職人的な人というのはいないのです。

最終に仕上がったときの技術的な問題は当たり前ですが、風合いなどの話までもを、糸商さん、染工場、加工工場をはじめとする関連企業さんに伝えることがあったりするのですが、それを大事だと思われる方に話をしないとお話をしても無駄に終わります。

不思議なもので、同じ原糸を使用して、同じ工程で織った布というのが、同じ風に上がらないというのが、合成繊維の世界とは違う麻の世界なのです。特にリネンではその傾向は強いかと思います。原糸の製造ロットが違うと、フラックス原料の畑からして異なってくるので風合いの違いというのは生じてきて当たり前かもしれません。この問題が再現性に影響してくるので、紡績メーカーの品質の安定性に対する意識というのは非常に大事なのです。

前にも書きましたが、ヨーロッパで長雨の続いた年のロットはどこのメーカーのものも、通常のそのメーカーの色よりわずかに濃く硬かったのです。このことはヨーロッパの原料を正直に使用しているということであり、その年の品質が落ちることは仕方のないことなのです。逆に不作の年の糸は高いです。お米の不作と似ています。また、フラックス原料というのは、毎年毎年新しい原料が使用されていることが伝わってきますし、糸商さんというのも在庫として寝かせることをせずに新しいものに置き換えられていることが理解できます。
2010年06月01日
今日は、社員の検定試験があって、石山というところに朝早くから行きました。お昼前に終了で後は結果を待つだけです。終わって社員たちはほっとしたようです。労いの為、お昼ごはんを思いっきり食べてもらいました。

国道が混んでいたこともあって琵琶湖岸の道路を帰りました。夏の日を感じさせるお天気の良さで、車のエアコンを使うよりも、窓を開けて風に当たるのを楽しみました。琵琶湖の周りでは平日ながらも、ボート、魚釣り、写真撮影と車で数十分のところに自分とは違う世界もあるものだなあと気が付きました。

帰り隣町の能登川の水車で途中休憩をしました。大きな鯉が水路で泳いでいます。手をたたくと餌がもらえると思って寄ってきます。琵琶湖や川には鯉がほとんどいないのに小さな池には100匹以上の巨大な鯉がうごめいています。人間の力というのは自然の形を変えるだけでなく、自然であるはずの動物の性質までもを操ってしまっているのです。

会社に戻ってからは昨日夜遅くあまり寝ていなかったので社員よりも私のほうが疲れていて少し休憩いたしました。夜には出荷など行いました。
2010年05月31日
今日は、工業技術センターで、細番手のリネンの件を職員の方とお話しました。先週末に電話で少し打ち合わせさせていただきてから行かせてもらったのですが、繊維分野の私と同世代くらい馴染みの3人の方が出迎えてくださり織物のことをお話しました。

工業センターというのは、県の施設で県の職員の方が研究や分析などをされています。繊維以外の分野もあるのですが、織物分野では、滋賀県には、麻織物、絹織物、綿織物があるので、主にその県内の3産地の素材の相談を受けられていることになります。

今日は、綿の麻の混率の分析依頼を出しましたが、単に依頼を出すだけでなく、ポイントをしっかりとお尋ねしまして困られるのかなあと思いきやしっかりとお答えいただき、分析依頼を出す以上の意味のあることを得らた感じです。その検査用の資料に対する感想も、私と同じイメージを持っておられ、自分自身が感じたイメージがどうなのかというところもしっかり確認できました。

夜は、彦根で繊維組合の総会があり、その後に懇親会ということで、晩御飯を皆さんと食べて、日本酒を飲んだので体がお疲れです。ピーマンのわさびの利いた握り寿司を食べました。これは、おいしかったですよ。野菜のお寿司というものいいものですね。
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