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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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2010年08月15日
今日は、夕方クロネコでの出荷が終わってから、夏物の動向を見ておこうと近江八幡のショッピングモールに1時間ほど寄りました。婦人服関係を中心に眺めたのですが、リネンのシンプルなものもちらほらありました。

ハンドメイドテイストな手作りショップや手芸店も眺めましたが、コットンベースやコットンリネンのものが多い中で、リネン100%ものというのは触るだけで実感が出来て、林与の布でないながらもリネン100%ものですから、これをみなさん買ってくださいねとお勧めしたい気分になります。

盆と正月といいますが、駅前のショッピングセンターなのに、夜の7時頃なのにほんとうにお客さんがまばらで、さびしい感じがいたしました。今の時代というのが、店頭でものを買う時代ではなくなってきているというのを実感いたしますし、店頭に置かれているものが特別なものでなくなり始めているのを実感します。

イタリア製のリネンのランダムなマルチカラーストライプのストールが目に止まりました。40番手クラスでやや固めですが、色が原色の多色使いでイタリアっぽく、リネンらしく売り場でも非常に目立っていました。
2010年08月14日
今日は、朝7時から盆踊りの準備に評議員として出て、早く準備が終わったので午後4時からの再度集合ということになりました。この盆踊り大会というのは明治、大正から行われているのではないかという話でした。江州音頭というスタイルの踊りになりますが、近江商人の礼儀から来ているという話も今日の準備の際に聞きました。ということは、この地方では、どこもがすでに盆踊りをやめられている中で、伝統的な江州音頭の盆踊りとしてはかなり本格的なものであるということでしょう。

例年は、お盆の前の週に行われる盆踊り大会ですが、今年は始めて位にお盆と重ねられました。帰省される方が来られることを期待してのことでしょう。そういう方のための飲み物も用意されました。村づくり委員の方が、バザーで食べ物を用意され、子供たちは踊ることよりもそちらが楽しみかもなのです。弊社からは私も含めて6人が踊りました。夜、10時頃には、運動場いっぱいの人が踊っている状態でクライマックスを迎えました。

こういう大きな成功に終わる行事でも、来年もやるべきなのか、sどこかでやめるべきなのかという問題がつねに付きまとっています。こういう行事というのは「人々の幸せ」という本来の意味を失ってしまっては続けていても無意味ではないかと思うのが林与の考え方です。

こういう伝統的な村にも新しい住宅地区ができていますが、その地区の代表のかたも遅くまで片づけを手伝ってくださってただけでなく、前向きなお言葉を私にも掛けてくださっておられました。地域の人々の幸せのために善意でやっていることが伝われば、新しく参加される方にも理解が深まるのではないかと思います。

人々が気持ちで動けるというのが一番大事ではないかと思います。立場、建前や損得よりも、こういう日本的かつ献身的な行事を長く続けていくためには、本質的なものが最終的には大事ではないかと思います。
2010年08月11日
今日は、午後から京都の紋紙屋さんに行きました。弊社担当の方のほか、会長さまがおられ、ご無沙汰してますということで、近況報告を兼ねた仕事以外での長話をさせていただきました。京都の町屋を改造した会社はいつ行かせていただいてもステキだなあと思います。明日からはお盆休みということです。

紋紙の紙は、日本の業者さんが製造の継続が難しくなって来たということで、スイスからの輸入紙に戻ったそうです。日本国内での一級のものというのは段々と手に入りにくくなり始めています。海外のものと国内のものを比べると国内のもののほうが品質が一定で供給も安定しているという要素が今まであったのですが、それ自体を維持するのが難しくなり、海外のものにシフトして行かざる終えないところに差し掛かっているものと思います。自分が品質を信じて何十年も安定して使い続けてきたものを変えることは、自分自身の品質を守れなくなるのではないかという危惧すら伴います。

紋紙屋さんにしても、スイスの紙だからといって特別に評価する訳はなく、日本の今までの安定した製品と比べて、どの程度まで許容の範囲なのかを確かめられながらご自身での判断をもたれております。リネン糸の場合と同じく、何か問題があれば、結果として、今までの紙の特性を熟知している私自身も、そのスイスの紙の問題点があるなし判断に加わらせていただくことになってきます。

糸や織物云々だけでなく、織機のことや織機の部品、修理、ジャガード織機の紋紙の品質面での話なども知識を持っておくことが布づくりしていく上では大事だったりいたします。そういうのって経営者っぽくなく、職人っぽいと思うんです。価値観の違うところでのものづくりを生み出すのは、そういう知識の裏づけではないかと思います。

会社に帰ったら、加工工場から反物が上がってきていました。一部は盆明けになるとの連絡があったとのことです。何日も掛けて織って加工から上がるのを待っているので、加工から上がってくる商品を見るのは待ち遠しい気分なのです。
2010年08月09日
今日は、午後からひこね繊維シンポジウムの県立大学との打ち合わせに立ち合わせていただきました。大学生の皆さんにアイデアから新しい作品を生み出そうという試みです。大学生の皆さんも夏休みながらアルバイトなどでお忙しい中を産学のコラボに協力いただいています。

作ろうとする作品3点は絞られてきており、いくつかの作品には、素材に締め付けの少ない布帛や天然素材を使うような作品を考えていこうとすることも考えておられます。デザインという面では、作品に自由な色柄を乗せてみたいというところが学生の皆さんらしい発想だと思いました。

学生の皆さんが、作りたい物に対して、しっかりと話をされる姿が非常に好感をもてます。一度、私の会社にもお越しいただいて、素材を見ていただいたり、ファッションの実際の現場というものやものづくりの現場を実感してもらいたいなあと思います。

キッチンタオルですが、大判なので夏のエアコンの聞いた部屋でのひざ掛けにも良い感じです。普通のタオルにはちょっとゴツすぎて厳しいかなあと思いながらも、膝元に置いたらすごく良い感じでした。通常の大きさのリネンタオルも開発中ですので今しばらくお待ちくださいませ。
2010年08月08日
今日は、会社はお休みで、お昼の間、縫製工場の社長さんが軽トラを貸してほしいということで、縫製工場に向かいました。平日は活気のある縫製工場の中ですが、食堂の一角で、ひこにゃんグッズを撮影されている社長の姿がありました。

お話をきいていると、売れるとか売れないではなく自分の地域を盛り上げるためにグッズを手がけておられるのが伝わってきます。ひこにゃんブームが去ったあとも、ブームとは違う意味で支え続けられるというのはなかなか仕事ではできないことです。だからこそ、日曜日に、社長が一人献身的に作業をされている姿があるのだと思います。

午後には会社に戻りまして、私も、リネンキッチンタオルを撮影しました。かなり、きれいに撮れまして大満足です。このリネンキッチンタオル市販のものと違って優れものじゃあないでしょうか。綿の薄いフキンとは雲泥の差です。

林与が市販のものとは違う、リネンの本質的なキッチンタオルを作ろうと考え作ったものです。プロのバーテンダーがグラスを洗って、その場で拭けば、洗ったばかりのグラスをお客様にお使いいただけるイメージを想定して作りました。前回は生成のみでしたが、今回は、Wサイドラインタイプで10色のかわいい展開です。
2010年08月07日
今日は、ひこねシンポジウムの件で高校での打ち合わせがありました。高校生がつけたいファンデーションということで、描かれた20点余りのデッサン画をチョイスくださっており、その中から3点余りを学校の先生と一緒に選考いたしました。

私個人の感想としましては、デッサン画というのが非常に良く描けているので不思議でした。一見して、体系だけでなく顔から指先までしっかりと描かれているので、高校生には出来ない仕事だなあと感じました。お話をお聞きすると、お絵かきのような下書きのラインを先生たちが用意くださって、その上に高校生たちが服を着せるような感じで書かれていてるそうです。教育のプロの皆様が今回のプロジェクトを裏で献身的にサポートくださっているのを痛感いたしました。

前回は大学生のデッサンを見せていただきました。高校生たちが大学生になると、今度は、自分たちで下書きのラインから自由に描くようになり、顔も指などもすべてを自分でクリエートする力がついてくるのだなあと思います。学生たちにはものをつくる楽しさを知ってもらいたいなあと思う一方で、その難しさも感じてもらえたらなあと思います。

つくるデッサン画を3点選びましたので、後は企業側のほうで形にしていくことが重要だと考えます。1点物として作るのは簡単だったりして、再現性の必要性や品質また価格納期を考慮する商品の形まで考えるとものづくりのスタイルが非常に限られた物となります。今回のミーティングでも、ひとつの市松模様のニットの柄の素材があって、その素材の手配だけで、数千セット作らないといけないような話になってきます。それを避けるためには、品質や再現性など後のことを考えないで、ハンドメイド的な手法で1点だけを作る方法を取らざる終えないのが、後の流通形態も考慮してお店に並べることを想定した本当のプロの試作といえるのかどうかというところだと思います。
2010年08月06日
ミケランジェロが彫ったといわれるダビデ像とその有名な話にダビデ像の鼻の話があります。その像を注文した注文主がミケランジェロに鼻がもう少し低いほうが良いといわれて、ミケランジェロが鼻を削るふりをして、注文主は満足したということです。

私自身は、その対応には疑問です。できないものは出来ないとはっきりといえばよいと思うのです。芸術家や職人ならやった振りをしてては駄目でしょう。良いもの悪いものを見極める目は一番大事ですが、その話が一人歩きしてしまうことを危惧します。

布をおつくりするときも、いろいろな相談を持ちかけられます。すべてを予想してお客様の言われることを行うとどうなるか説明いたします。布を駄目にしてしまわないとその言っている意味の分からないお客様もおられますが、一度、二度は、駄目な見本を作ってでもその意味を見せてあげます。それは私自身が経験して理解していることで、その人にとっては初めてのことだからです。分かる人はその意味が分かりますし、分からない人はずーっとそのままです。私自身も自分自身のリスクで多くの経験を積むことで、作業している人以上の気持ちで全体を統括しています。

イタリアのプリントやテキスタイルのデザイナーはお客のリクエストで色を変えないという話を聞いたことがあります。そのことには自分のデザインを変えないという意味以外にも大きな意味合いが潜んでいます。自分自身で類似品を作り出さないことがオリジナリティを長続きさせるコツではあるのです。

ミケランジェロの場合、鼻を削ることは、自分の作品でなくなるという意味合いが含まれていたと思います。削る真似をしなければよいという簡単な結論です。その削る真似をしたという話が何百年も残るのは、ミケランジェロにとっては恥ずかしい話ではないかと思うのです。
2010年08月05日
今日は午後1時間ほど、加工工場さんに行った途中、東近江市(旧五個荘町)にある近江商人資料館に初めて脚を運びました。きっかけは、弊社には昔の近江上布の見本がたくさんあるので、資料館には近江上布がたくさんあるだろうから、林与以外の近江上布というのはどんな世界なのかを見ておこうと考えたからです。

実際、近江上布の資料は少なく、目的は達成できなかったのですが、近江商人の道徳的なことを解説する物語を見ることが出来たり、観光客に対してというより、地元の人に近江商人の文化を知っていただくために作られた資料館であると感じました。

資料館での三方善に対する解釈も私の持論とは異なる部分もあったりはするのですが、少しでも三方善の精神が広まることを考えれば細かいところを考えるべきではありません。大きな目で見て、世間全体がよくなるようなことを最終目標に商売をしていくことが大事だということだと思います。
2010年08月04日
糸を通し始めた筬があと30cmのところで端のほうが筬に微妙な問題があるのが見つかり、新しい筬で通し直しです。

別の台では、整経をビームに巻いたものと織機の織る場所とがずれていて、片方の耳のところが織り難いという問題が発生中で、原因は分かるのですがそれにどう対応するかが難しいところです。通常の整経機で、30cmとか40cmとかの幅が狭すぎる織物を巻き取ったときに、巻取りがうまく出来ないという問題は今までに何度か経験しているのですが、多少の位置のズレはカバーできていました。ところが今回の規格ではどうしても織るのが難しいということで、別の方法での解決法を考えます。

これは整経機の設置の問題から絡んできますので、通常の整経を優先した位置取りにするのか、特殊な狭い幅の織物を巻き取ることを想定するのかで、判断が分かれるところです。小幅織物などのようにビーム全長がの短い場合には問題としての認識は起こりえないかとも思いますが、広い幅の織機をつかって小幅織物を手がけるときには検討が必要な問題となってきます。

縫製のほうでも今日は手作業でやっている三巻の部分をアタッチメントでどういう処理が可能なのかという点を全員で検討しました。手作業でやる場合とアタッチメントを使用した場合との仕上がりの違いや、最終的な仕上がりにおいてどちらのほうがより見栄えするのかという点を議論しました。アタッチメントを使用した場合には、最後の仕上がりがつれたりしないように常に調整することの重要性を指導しました。ヨーロッパなどの市販のリネンの製品は縫製は、輸入されて日本の店頭に並んでいるものを見ても、アジア新興国の縫製の品質よりも良くないことが多く、日本製品のようにきっちりと布目などまでも考えて縫製されたものが少ないのです。

ジャカード織機の案件なども、夜、糸番手規格など設定を分析して、紋紙の製作などから前に進めていくことになり、織る前の紋紙の設計などで数週間必要になるような形で、お盆休みの予定の開いている前半がそれに費やされそうです。そのほか、新規に依頼があった来年もののインディゴ染の案件も検討を加えました。
2010年08月03日
夏が暑くないのを心配していましたら、とうとうすごく暑い夏になりました。アブラゼミもしっかりと、日の明けないうちから鳴くような感じで、まさに夏そのものです。最近は、沖縄とか北海道のお客様などから生地を買っていただくことが多いのですが、沖縄はもっと暑い夏をすごしておられるんだろうなとか、北海道も暑くなってきたんだろうなあとか、思います。

今朝は、朝9時から織機を1時間ほど調整しました。工場の中はすごく、すごく暑いのです。でも、そんな中で働くのが私自身は好きなのです。昔、大阪のコンピュータのプログラマーとして働いたことがあるのですが、夏、エアコンで、すごくオフィスが冷え冷えで寒かったのを覚えています。夏なのに毎日毎日寒いのです。夏に風邪を引いている人も多く、寒くて体調を崩される方もありました。コンピュータを作る会社では、365日24時間同じ環境で保たれていて、作られた空気の中で働いている気分で、特別酸素も供給されているのではないかと感じます。外に出ると、外の熱気で、浦島太郎の玉手箱現象を毎日体験しました。

先日、彦根のお城の近くの観光地にいったときに、暑い暑い中一日中、コンクリートと駐車された車からの太陽の光の反射の中で、ヘルメットをかぶり駐車場の番をされているのを眺め、礼儀正しく丁寧にお客様を誘導されているのを見て頭が下がる思いがします。雨の日は雨の日で一日中、雨の中で傘も差さずにびしょ濡れでの対応をされているはずです。それが毎日毎日で、人が送る一生というのは、たった一日を見ても、他の人の何十倍もの我慢をされて働かれ、他の人の幸せを支えられているような仕事もあるのだなあと感じます。そういう駐車場にたたれておられる皆さんというのが65歳を超えておられるような方であるのが日本の社会の実際の厳しさなのだなあとも感じます。

今日は、午前中お客様で、午後からは彦根の高校で打ち合わせ、会社に戻って、夜はまた彦根で別件の打ち合わせがありました。今日も、いろいろな皆さんとのお話の中で、ものが作れる体質とは何なのかということを考え、暑い中で我慢して働けることに意味があるのかないのかということも大きく関わってくるかと思います。
2010年08月02日
今日は、午前中加工工場に加工出しに行きました。いつもの担当の方がお休みだったのですが、他の方が対応くださいました。その後は、染色工場に行って、その後、別の加工工場に行く予定でしたが、かわいいヘビーデュティキッチンタオルのシリーズが出来上がりましたので、その写真を撮りたいなあと思いましたが長年使ってきたニコンの7年選手のデジカメが不調で…

家電屋さんを数件回りましまして、リネンの生成生地が上手に取れるカメラがないのかと探しましたが、リネンの生成の生地を取るのはほんと難しいものです。ニコンに慣れていたので、ニコンにしようかと思っていたのですが、ニコンよりもキャノンのほうが液晶が明るかったので撮った画像がよい感じがしてキャノンのデジカメにしました。

昔だと新しい電化製品を買うとこってりとマニュアルなどを調べて使ったものですが、最近は、マニュアルを開く時間もなく、基本的な機能だけを頼りに最後まで本当の使い方を知らずに電化製品と付き合うことが多くなり、デジタルな時代というのは不要な機能がどんどんと増えているだけじゃあないかと思います。見たままがただそのまま取れれば良いのですが、布の場合、カメラの機種やPCの画面設定で色が簡単に化けてしまうので正直に撮っているつもりでも、ご覧になられる方の環境で色は異なります。

今日は、夕方にストールが上がってまいりまして、ストールに作り上げる作業を行いました。夏が終わって秋になるとリネンストールが恋しい季節になるかと思います。午後からは、服地のほうの新規の注文もいただきました。
2010年08月01日
皆さんのお住まいの地区に「山の神様」はありますか?今日は、山の神様の日でした。朝から、荒れ果てた感じの雑草を刈って、石を積み上げて作られた小さな祠におまいりしました。この山の神様の由来をやっている誰もが語れないのが不思議ですが、自然に大して参る形なので宗教としては人間が介在しないので純粋なものに感じます。

山の神様みたいな宗教こそが、非常に純粋な気もします。誰かが神様だと思えば神様で御神木であり、他の人からすれば関係のない石と木です。その土地の所有というものも個人の土地であったりとおおらかなところがあり、個人の家にあるお地蔵さんに似ています。林与の前栽にもお地蔵さんのような形の石があり、それをお地蔵さんとして普通の石とは別扱いにしています。

ひとついえるのは誰もがわからないほど長く続いたものであるということです。50年とか60年に1回当番が当たるという類のもので、今年は私の家が当番が当たりました。もしかすると、この素朴さは、有史以前のものかも知れません。

石を積み重ねたところに木が生えているというご本山には、自然のものに神々しさを感じる本質が貫かれている思いがしました。こういう素朴な信仰というものは、途中で人間のしがらみみたいなものが働くことなく、素朴なままに続いていけばよいと思います。
2010年07月31日
今月のリネンプレゼントですが、今織っておりますシャトル織ヘビーデュテイキッチンタオルを会員登録されメルマガ購読されている方の中から抽選で4名様にプレゼントいたします。麻織の本場、本近江織麻布で、「林与」のタグ付です。

林与自身が使ってみて納得の吸水性、通常のフキンとは違います。洗濯機でゴシゴシ洗って、何年も持つクオリティです。使うたびにだんだんと味が出てくることを想定しており、キバタを縫製した状態でお送りいたしますので、お使いいただく前に一度洗ってくださいね。

8月には、好評なキッチンタオルのシリーズを拡充いたします。色柄サイズ含めまして40種類程度展開いたします。日本の麻の老舗が考える本質的に良いものをと考えて作っておりますので、一度お試しくださいませ。
2010年07月30日
筬(オサ)ってご存知ですか。織物を織るために必要な縦糸を通して、織るときに横糸を叩く道具です。林与にも数百枚の筬があり、筬というのは、それぞれ目というのがあって、インチ当たり何本であるかを表します。

筬というのは規格外のものは、通常何年かに1回しか使いませんので、いざ使おうというときに少し錆が掛かったりします。これは、錆が糸につくだけでなく、糸を鑢でこするような状態になるので、縦糸切れが起こり駄目なのです。錆が掛かった場合、丁寧に錆を取る作業を何時間も掛けて行い、筬を新品と同じような状態にしてから糸を通して使います。

手織りをしておられる皆様なら筬の意味は良くご存知だと思います。手織りの場合、筬を頻繁に変えることはないでしょうが、アパレル向けの新規の企画の場合は、筬の番手を頻繁に変えることがほとんどです。その度に機を作り変え何千本もの糸を通す作業が伴い、機屋というのは単に織物を織るだけでなく、織物そのものの設計を担っているのです。

あと、横糸の本数に相当する打ち込みを変えることも頻繁です。打ち込みに関しては、物性の面と、キバタの状態で見た目の雰囲気を考慮しながら、さじ加減で何本にしようと決めることが多いのです。インチ当たり2本違うと雰囲気が変わる感じです。
2010年07月29日
ジャパンクリエーションのブースが決定いたしました。今回も良い場所に当たりまして、多くの皆様にお越しいただけるのではないかと思っております。現在進行中のビンテージアイリッシュリネンのプロジェクトのほうでも、前年度に出来上がったハンカチなどをご覧いただけるのではないかと考えております。ジャパンクリエーションに来ていただければ、きっと林与のブースは見つかるはずです。林与のパッチワークの看板が目印ですので、リネン日記をお読みの皆様もお立ち寄りくださいませ。場所はビッグサイト、今回も入場の方は無料ではないかと思うのですが、招待状が必要な方は、お送りしますので弊社までお問い合わせくださいませ。

インターテキスタイル上海も、前回同様、今年もJFWの事務局のお隣のブースです。すぐにわかりますので、上海万博の観光のついでにでも、インターテキスタイル上海にお立ち寄りくださいませ。今回の両展示会では、ファンド事業で進んでおりますビンテージアイリッシュリネンのプロジェクトのほうで出来上がったハンカチをメインアイテムとして展示しようかと考えております。ほかにも、麻織物の本場近江湖東麻織物らしいものをたくさん並べたいと思います。


2010年07月28日
今日は、ひこね繊維シンポジウムの必要書類の作成でお昼前から夕方まで事務局で過ごしました。書類に、先日作ったひこね繊維シンポジウム実行委員会の印鑑を始めて使ってみましたが、かわいくてよい感じです。

彦根からの帰りに法務局に印鑑証明を取りに行きました。出口のところで、ひとつ年下の昔から馴染みの方に一年ぶりくらいにお会いしたので近況のご報告などしました。出口のところで雨が掛かるか掛からないかという場所で20分ほど立ち話をしても、お互いにまだ話したりない気分です。

お話した中で、世間は狭いですねみたいな体験をいたしました。東京に住まれている女性の方のお兄さんが滋賀県の長浜で洋服を作るお店をやっていると紹介されて行かれたお店で、林与の布が使われているという話になったそうです。

プロの方が麻布を探されるときに、小さな林与にたどり着かれるケースというのは多いとは思いますので、そこが麻業界というのは小さな世界だなあと思うところです。
2010年07月27日
今日は、午後から県立大学のゼミが組合の縫製工場さんの見学に起こしになられました。朝から織機のほうの調整をしていたので時間ぎりぎりにしか行けずにいたのですが、県立大学の学生さんたちというのは本当にまじめだなあと感じました。

夏で暑いので、学生なんで、県立大学と琵琶湖って近いので琵琶湖にでも遊びに行っているのかと思っていましたが、皆さん、シンポジウムのテーマらしく、「美しく、健康に」な感じです。。デッサンされた絵をみても、素敵だなあと思うものが多いので、それをどう形に変えていくかというステップを手伝うのが企業の役目だろうなあと思いました。

林与がものを作るときも、実際にやってみないとだめだなあと常に思います。頭では何とでも織物を設計できるのですが、それをするときにどれだけの時間と人材、設備とお金が必要なのかとか、さまざまなリスクも含めてどれだけあるのか理解することが大事な部分だと思います。

アイデアはあってもそれを実現しようとするときに世の中にないものというのはそれなりに理由があって今まで出てきていないことが多いのです。それに気がついているかいないかで同じ失敗を繰り返す繰り返さない、また、前に進める進めないが決まってくると思います。アイデアが浮かんだときや問題にぶつかったときに、すぐにそれが技術的に可なのか不可なのかとそのアイデア(デザイン)の価値を現実的に判定する作業に取り掛かるのは一番大事なことだと考えます。
2010年07月26日
朝の5時でもセミが鳴き始めました。これが私の考える夏そのものです。朝から気だるいくらいの夏らしさに包まれながらも、セミが何年も土の中いて、土から出て1週間で外での一生を終えていくという命の儚さみたいなものがあるから、うるさくてもいいのです。暑い夏なのに、セミが鳴かないほうが怖いのです。

子供の頃を思い出します。朝から晩まで、一日何十匹という蝶やセミを虫籠いっぱいに集め、夕方暗くなってから虫籠を開放するのです。先日、カインズというホームセンターに印鑑を取りに行ったときには、外国のカブトムシを販売していました。子供の頃、図鑑を読んであこがれた外国のカブトムシですが、現実にホームセンターで誰もが買える今、私が子供の頃に想像した世界で一番大きなカブトムシという憧れのイメージは今の子供たちは持たないと思います。

今日は、応援ファンドの提出日で、先週からやっておりました資料をコラボしがに持ち込みさせていただきました。朝から最終のチェックを始めたのですが、11時ころと2時から仕事のほうの電話などが入って、数字などのチェックなどして印刷が終わったのは午後3時過ぎで、午後5時の締め切りに間に合うのか心配しながら高速に乗り、午後4時半過ぎに、コラボしがに到着いたしました。コラボしがでは、提出の受付の担当の方が順番に対応されており、しばらく待って無事提出させていただきました。

大津までせっかく来たので、コラボしがの展示コーナーを見て帰りました。物産品として、農作物っぽいものやお漬物の瓶詰が展示してありました。農作物というのは産地を非常に語りやすいものだなあと展示をみて感じました。土の中で育つものだからでしょうか。

今日は夜には、縫製組合の助成金の打ち合わせなどがあり、当初の計画とのズレなど、進行状況などの遅れなどを生み出している問題を根本的に考えないといけないなあと思っております。
2010年07月25日
今日は、会社は休みでお天気がよいので、頭を悩ませていた問題に取り組みます。布の風合いの調整に取り掛かります。原料は良質で生機も満足なのに、加工した後の風合いが悪い感じなのには納得がいきません。

いくつかの問題に感じることはあります。その答えを自分自身が見つけないことには前に進まないのです。糸が悪いのか、生機規格が悪いのか、はたまた、加工に工夫が必要なのかです。先日織り上げて自分で加工したものは良い感じだったので、それに近い加工をどう再現するかだと思います。

リネンを触っていると、日中の乾燥しているときにはパサパサ感があります。外で干して乾燥してしまった状態はパサパサしてます。でも、しばらく放っておくと湿気を吸って、しんなり感が出てきます。梅雨の時期のリネンというのが案外しんなりしてよいものです。私自身が、素材からして高級なリネンが好きなのは、ぬめりのあるソフト感よりも、リネン独特のしんなりとして光沢のある繊細な高級感なのです。

パサパサしているのも悪いことではないのです、これから水分を吸収しようとして準備できている段階ですので、着たらすぐにしんなりとなります。大事なのは毛羽があるかないかです。毛羽があるとラミーやリネンでもウールとおんなじで暑いです。ウールという素材は、吸水性はリネン以上に抜群なのです。リネンやラミーにおいては、どこまで毛羽を押さえるかが夏素材としてのポイントです。

夜まで掛かって、自分自身で仕上げて、一級のリネンの布に仕上がりました。リネンが良いのは、天然のものなので使い込むほどに風合いが良くなることです。私自身が、明日から数日、さらに良い風合いを出すために時間を使ってみようかと思います。せっかく2ヶ月近くも掛けて形になった布ですので、ここで満足していては駄目だと思うのです。織や糸の良し悪しだけでなく、麻やリネンの風合いの良し悪しを判断し作り出すのも林与の大事な仕事のひとつで、林与独自の布に対する良し悪しの判断があります。
2010年07月24日
毎日、うだるような暑さになってきました。私自身は、こんな夏になるのを待っていました。外に出ても夏らしさがあるのに安心です。夏なんだから、ただじっとしているだけでも汗が出る。そんな当たり前がなかなか体験できない時代なのです。

今日は、午後から大阪のアパレルさまがお越しになられました。本格的かつ、こだわったものづくりをされていて、日本の素材、日本の職人的な要素なども取り入れられ、ボタンなども特別なものには特別なものをオリジナルで手配されているということです。だんだんとそういうこだわりが日本からなくなる時代の中で、そういうお話を聞くと、ものづくりのというものを大事にしてもらっている感じがします。草木染の話などをしても、非常に知識と経験を持っておられ、同じものができないリスク的な部分も語りとして理解されているところなど、やっておられることをすべて噛み砕いておられるなあと思います。

夕方からは、彦根の稲枝で稲盆というイベントが行われていました。近くの縫製さんが地場産品の物販コーナーで販売を行われており、お渡しするものがありましたので、イベントをついでに見学してくつろぎました。外で過ごすというのは気持ちの良いものですね。夏の暑い中、冷たい飲み物やスイカ、食べ物などを食べ、まさに、夏を実感するようなイベントだなあと思いました。お天気も良かったので主宰された方も幸せです。

地場の産業を守っておられる方というのは、気が良いというか地場のお祭りの賑わしのために出たり、また、日ごろの生活の中でも地域のさまざまな役割を担って、日本の文化的なものを作っておられるだけでなく、そういう方たちの存在自体が日本文化そのものではないかと思います。義務、業務、損得的なものではなく、熱意とか誠意など気持ちで動いておられるところに美しさを感じます。

こういう場所に浴衣を着た女性の方がおられるだけで、イベントが何倍も華やかになります。着物の偉大さを実感します。今の時代に、夏の浴衣を着こなせる和風な方というのは希少な存在です。そういう人が、フラグシップとなって浴衣って良いなあみたいな感じで、他の方が浴衣を着る火付け役になるのだと思います。
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