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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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2010年11月17日
朝には、職人さんがリネンの太番手の糸があったということで持って来てくれたのですが、コーン1個で、どこの銘柄のものか分からず毛羽などがかなりあります。手に持って、これは良い糸なのか悪い糸なのか。太い糸なので織れないことはありません。厚いリネン生地をためしに作るのにはよいかもしれません。

レピアのほうとシャトルのほうで、職人さん2人が織機の調整をしていてくれています。今日は夕方にお客さんが来られる予定でしたが、その予定が流れましたので、シンポジウム資料の作成のための資料のファイルを開いて、どういう風に構成するのか考えてみました。

明日以降は、仕事が出来にくい状態になるので、工場の中の仕事が流れるように、明日以降の仕事の段取りを整えております。どこも同じでしょうが、12月中ごろの納期のものが多く、今がピークではないでしょうか。

そろそろ、キッチンタオルHDなども織りあがってきました。20年ほど前から、リネンウールなどは、組合の展示会などでも、秋冬の提案として行ってきたのですが、リネンウールなども新しいリネンの形として受け入れられるようになってきたのを感じます。当時から、シルクリネンやリネンウールなど、かなり良い感じの仕上がりだったのですが、珍しすぎたのかもしれません。

洗えるリネンや麻なども、昔からあったのですが、今の時代になってようやく日の目が出てきたように思います。クリーニングに出す家が少なくなり、家庭で洗うことがほとんどになりましたので…
2010年11月16日
今日は、午前中に加工工場に反物を確認に行きました。最初上げてもらったときには問題なくみえた反物でしたが、風合い直しのために2回目に上げてもらうと反物の半分くらいから厚さが違うように思えるということで、実際に見せてもらいに上がります。

これは、糸の太さが違うとしか思えなく、会社に戻って、全ての工程でどこの糸を使ったのかということを調査いたします。糸を使いきる以上に、在庫の糸を持つということは、ロットが分かれることが多くなりますので、同じ色糸でもロットの違いで段が見えたりすることなどよくあります。

午後からは糸商さんが来られまして、夕方までいろいろとお話をしました。リネン糸の供給が需要をまかなえないというのは、さまざまな方面から言われているのですが、今日もその話が上がっていました。不作の時と同じで、こういうときは非常に注意しないといけないなあと実感いたします。糸を扱えば良し悪しは分かります。
2010年11月15日
今日は、午前中に加工出しを行いまして、午後からはお客様、4時前に組合事務局でラベルつくり、夕方は彦根の小学校にゲストティチャーの打ち合わせで、その後、シンポジウムの打ち合わせ、夜の8時くらいにシンポジウムのチラシとポスターを長浜にある滋賀県東北部工業技術センターにお届けしました。

帰ってから事務的な仕事を済ませて、工場の中を確認しますとジャガードの反物が解かれていて確認作業中です。先日、チェーンベルトなども交換して非常に調子よく動いていたジャガード織機なのですが、ジャガードの縦針の動作に問題があって、微妙な目飛びが連続して起こっています。これはジャガード織機にはよく起こりがちな問題で明日の朝一番にジャガードの入念なチェックを行わないといけません。

ジャガードの縦針の加減というのは非常に微妙で、その全てがうまく動くということのほうが奇跡に思えるのですが、それが動いて柄が正しく織れるのですから、奇跡に思えることが当たり前なのはすごいことです。このジャガードというシステムをみていると昔のコンピュータシステムに近いものを感じます。パンチカードにプログラミングすると、機械がガチャガチャと動いて結果がはじき出されるのです。

ジャガード織機を動かすということは、織るという作業よりも、機械を修理する部分に力が注がれると思います。私自身思うのですが、普通の織機でもトラブルにおいては、仕組みを理解するだけでなく、部品を自分の手で取ったり外したり、また微調整のため加工するなど機械工のような作業が含まれます。

織機を持つということは、会社の中に、それを動かすだけでなく、動かすときに発生する小さな問題を常にメンテナンスする人間を持たねばならないということになってきます。昔の北アイルランドの織物がジャガード織機であったというのは非常に職人的だといえますし、平織りの織機というのは手織りの時代も含めて何千年も昔からあったことでしょうが、ジャガード織機というのは多種多様な織物が多いので、全ての機械がジャガード織機に置き換えられても不思議ではないと思ったりはしませんか?でも、それが起きないのは、導入コストが高いだけでなく、複雑な機械というのは維持コストが非常に掛かります。

逆にジャガード織機は万能ではありません。平の織物が織れるかというと、回転数が遅いので生産性が低いからというだけでなく、発生しがちな目とびの問題があるので、ジャガード織機で平の織物を織ることはなるべく避けています。林与では織ってませんが、日本で、ジャガード織機が活躍しているのは仏壇の装飾品に使われる金襴織物などの分野です。金襴織物の世界で手の込んだ世界が続いている背景には、宗派ごとにオリジナルの様式や文様があって、その文様を守り続けているからだといえます。
2010年11月14日
今日は朝、火災警報器を近所の家に配りました。自治会で共同購入した方に配ったのですが、どうやって取り付けるのかを尋ねられるケースも多く、そのあたり、応えられないと厳しいかなあと思って事前にネットで取り付け方法などを調べてから配りに回りました。

今年は、海外で生産されていたところの仕事が国内に戻ってきたといわれており、そのことで、通常、国内で生産しているところの生産が非常に難しくなっています。国内においても納期の関係もあって簡単なものしか作れない時代にはなってきています。

中国で生産されているところの話を聞くと、中国では、賃金が上昇してきておりキャパがないといわれ、中国企業が低コストを求めてベトナムなどで生産を行う動きがあると聞いています。日本企業も大手は、低コストを求めてベトナム、バングラディッシュなどでの生産を模索しているようです。

今、中国の若い人たちが縫製などの仕事に従事することは非常に少なくなってきており、もともと、繊維などの産業しかなかった国で、日本と同じ逆ピラミッド型の人口構造をした状態で他産業が活性化して来ると、何千人もいた縫製工場に割り振れる若い人口というのは年々極端に減少し、数年で、巨大な織物工場や縫製工場が成り立たなくなってきたのです。

中国では、旧正月が終わると、働き手が工場に戻ってこないといわれています。それが、企業と労働者の関係で、実際に日本では考えられないことですがそれが起こりえるのが中国の企業です。
2010年11月13日
今日は工場の中で生産に向けての調整を行いました。工場の中にいるとすごく時間の流れが速いのを感じます。いくつかの問題に取り組むときに、2時間3時間という時間が簡単に流れてしまいます。機械の調整はもちろん、糸を調べるのにしても糸の在庫を確認するだけでもかなりの数時間は掛かり、それを使える状態にするには時間が掛かるのです。

それでも染めているのに比べると時間の節約になるだけでなく、品質の安定の面では、一番です。見本で使う糸と本番で使う糸の染ロットが変わったりすると、微妙な色の違いが出てきます。原糸や加工ロットが違うだけでも色の違いが出るだけでなく、織る織機が違うと風合いの違いが出てきますし、織機の設定の違いで風合いはまた変わってきます。

生成やオフ白の糸でも、ロットごとに違いますので、ロット管理するだけでなく使える糸、使えない糸を再度チェックいたします。糸のメーカーによっては織れてアパレル向けの糸であっても、案外糸商さんが定番で持たれている糸であっても、水洗いを想定するアパレル向けには使ってはいけないメーカーの糸というのもあるのです。その糸を使われて服をつくられると、買われた方が大変なことになっていると思います。

糸の段階で数値的な検査はクリアしているとは思うのですが、実際の織物での実績や検査が本当は必要なのです。たとえば、和紙の糸というのが出ており、検査数値などでも強度は十分というようなことでしたが、織って実際に布としてどうなのかをみないと本当の問題は見えてこないのです。展示会や新聞などでは和紙の素材ということで話題にはなるのですが、販売している人たちは、実際の布が破れるとか水に弱いとかいうところを知らないまま販売されていることも多いのです。そんな弱点は後から見えて来るので、最終的には和紙の糸などは、スリット使いにするなどの使い方が主流になっているようです。

夜7時過ぎから夜自治会の会議がありました。毎週末行事がありそのための会議が伴います。田舎の人ほど忙しく大変だというのは事実だと思います。
2010年11月12日
今日は金曜日、午前中に電話が入ってきて、バタバタと4時くらいまで連絡を回して段取りを整えます。とりあえず、今日にしておかないと間に合わなくなることは済ませて、加工の段取りや糸在庫のチェックなどを行います。

今、染工場のほうが非常に忙しい状況で詰まっておられ、一方、年内納期を希望されるものがほとんどになっています。このことは、簡単に量産できるものしか作るのが難しいというような話に繋がってきますので、海外にシェアを奪われていく要因の一つかもしれません。

先日も、加工工場さんにお願いした反物がありましたが、なかなか、他のものとは流しにくいということで、本番での納期などの問題を考えると別の方法を検討しなければならない話になりました。加工工場さんにもよい仕事をしていただきたいので、時間を十分取って加工を検討してもらうようにしないといけないのですが、通常の工程から外れたものづくりというのは、工業的なラインに乗せると何倍も手間が掛かるので、手作業的な作業を選択せねばならないのかとも思います。

手作りのほうが案外、スムーズにものづくりが流れることが多いのは実感します。味のあるものを求めると、その方向も一つではあると思うのですが、アパレル向けの正しい仕上げというのは再現性が非常に高く、経験や実績も高いので後で想定される生地の問題をプロの目でクリアしてあり、生地としての信頼性は高いといえます。
2010年11月11日
お取引のある東京のリネンショップさんが、もうすぐ大阪にもショップをオープンされるというご案内をいただきました。生地ショップさんのオープンかと思うのですが、洋服なども自社ブランドとしてご提案されていますので、新しいお店が生地ショップさんなのか洋服ショップさんなのか、オープンにお邪魔してどういうアイテムを取り扱われているのか拝見させていただきたいと思います。

実店舗をもたれるということは大変なことだと思いますが、実店舗の魅力というのは、インターネットや通販の世界と違って布や生地を本当に触れて良し悪しを判断できることではないかと思うのですが、それ以外にも、布がずらっと並んだ雰囲気を見て何を作ろうかと思ったり、欲しいなあと思っていた布にめぐり合ったりと、実店舗がある利点というのは大きいかと思います。

今日は、工場の中でトラブルでダウンしている3台の織機を順番に調整して、稼働させるようにいたしました。織機というのは、ある織物が織れるための正しい状態というのは一つしかないと思います。その状態にどうやって近づけるかが大事で、見本などでいろいろな織物を織ると、織機の設定がバラバラになるので、それをその織物に合うように調整をあわせてあげないといけないのです。

今の小ロット多品種の時代に、勘は大事なのですが勘だけで作業をしてしまうと、その一回一回の調整で、一つ調整が悪いと織れないという自体に陥り、一つの状態を求めて、1週間も2週間も調整しないといけないことになります。一番困るのは見本は作れたけど、本番ができないということで、見本をつくるときに、依頼される方というのは数メートルでよいという場合が多いのですが、実際に問題なく織れるのかどうかを試すためには15Mから20M、調子が出てから織ってみないと本番で大きな問題に遭遇し、結局、織れないという判断をしないといけないこともあります。加工なども再現性を求めるためには、数十メートルを加工して本番で再現性があるのかを見ておかないと駄目だったりで、そのあたりが小ロット多品種に置けるものづくりの難しいところです。見本つくりには本番以上に時間と手間とコストが掛かっていることが多いのです。
2010年11月10日
インターテキスタイル上海のファイナルレポートが届きました。全体の入場者数は4日間で5万7000人弱で、出展者のほうは、20カ国から2500の出展者ということで、今までの中では一番大きなインターテキスタイルになってきたようです。6月に同会場で行われました繊維関連の機械の総合展が前年20%ダウンとかの結果だったので、インターテキスタイルも今年はどうなんだろうと思っておりましたが、全体的にも大盛況に終わったようです。

VIPラウンジの無料チケットを日本のフランクメッセの主催の方からいただいてたので、3日目の開いた時間にコーヒーを飲みに立ち寄りました。この巨大なインターテキスタイル上海の全体をコーディネイトされているフランクメッセ香港のキャリーさんが、私が休憩していると後から休憩所に入ってこられたようで、休憩所を見渡して私を見つけてくださり顔を覚えてくださってて声を掛けに来てくださりました。

こんな世界規模の大きな展示会を主催されている主役中の主役の方が、この展示会に参加している2500社のなかでも企業の規模としては小さな出展者である「林与」を見つけて声を掛けに来てくださるというのは、彼女は本当に記憶力が良いだけでなく優しいすぎます。私が逆の立場で何千人も相手にしないといけないとなると、自分にそんなことできる能力があるだろうか・・・。お若いファッションモデルのような彼女がそれを当たり前にこなされているのをみると清清しさを感じます。

ファイナルレポートなどにも名前が出ておりました渡辺さんも、会期中を通じて、きめ細かに応援くださってました。準備の日に、私がハンガーバーの高さを高くする特殊な道具を探しているのを察知され、即座に日本ブースを作っておられる業者の方に要望を伝え、「林与」のブースのハンガーの高さをちょっと高く調整したいというのを叶えてくださったのも彼女なのです。後で分かったのですが、実はハンガーバーの高さを調節するのは、道具を借りるだけでは出来ず、業者の人でないとコツのいる難しい作業なのでした。

私自身、主催のみなさんお忙しいのはわかってますので無理は頼みたく、海外での展示会のことですので多少の調整など諦めないといけないことは諦める覚悟なのですが、それをできるできる、がんばれがんばれみたいに応援してくださるサポートの姿勢を感じます。主催側の個々の方は何倍もの責任と能力をお持ちであられながらも、出展するものを心地よく迎えてくださる影の主役に徹しておられるのが今回の成功の裏にはあるのだと思います。
2010年11月09日
今日は、朝、彦根の高校にシンポジウムで使う資料を取りにいきまして、その後は、糸を染めるための準備で、一つ計算を間違ったり、染め忘れがあると、糸一色が揃わないだけで、ワンマーク全ての納期が狂ってくるからです。織物に使う糸の本数などをかなり厳密に計算して在庫の糸を確認して、今日は、15色ほどを染めに出しました。夕方には、アパレルさんが百貨店でイベントをされるということで、急ぎということで現物の在庫の問い合わせがありそのサンプルを送りました。

あと、細番手の高密度織物の準備の手配も今日は進めまして、加工出しのほうも準備しました。予約いただいている分の生地なども12月頭頃を目標に準備を進めております。なんか、一気に来春向けの本番などが入って来てますが、シャトル織機、レピア織機、ジャガード織機ともキャパはありますので、来春に向けて企画を検討のアパレルの方など、林与のリネンをお試しくださいませ。

夜、展示会でのリクエストサンプルが届いていないとイタリアのゼニヤさんから今日メールが届きました。お送りして2週間ほど経っていますので、もうとっくに着いたものと思っていたのですが、EMSで送ったので調べてみると税関チェックで止まっているようです。相手も生地の大手で生地サンプルを送ってもなんの問題ないと思うのですが不思議というより、なぞです。

ブースに来ていただいて、すごく気さくにお話しさせていただいて、とても生地を気に入ってもらえたみたいで、お会いしてから3週間ほど経ちましたが覚えてくださってて前向きに進めようとメールも下さるのでありがたく、このくらいの輸送トラブルはよくあることなので気にして出来ないと諦めては駄目で、再度お送りすれば届くだろうと思います。手続き自体には問題がないようですが、イタリアやフランスというのは生地の国ですので、輸入される生地に対してのチェックが厳しいという話をJETROのアドバイザーの方に聞きました。
2010年11月08日
今日は、1台の織機で、織機に生地が10Mほど巻き込まれてしまってるトラブルが発覚して、その問題を解消するために織機の巻取りローラーの部分をばらしました。巻き込まれて、布が逆流する現象は時々起こるので難しい問題ではなかったのですが、ネジなど今まではずされた形跡はないにも関わらず、ねじ山が潰れているような感じで、はずした後にはめるのが一苦労で、結局、ネジを中古の別のものに二つ交換しました。

この織機は新しく1976年の織機です。こういうみえないところがいい加減なのが、だんだんとシャトル織機も近代化してきた証拠です。今の車や電化製品などの塗装も、表面だけで裏まで、塗装できていないとかがほとんどです。

新しい織機や整経機ほど織物のことをしらない、機械メーカーの人が作ってあるので、不便なところが多いのです。基本的に真似を繰り返し、あらゆるメーカーが少しづつ改良を重ねた時代の昔のもののほうが織機としては汎用的であり、誰でも使え、部品も比較的に共通でトータルな面においては良いのです。

午後は、現在進行中の来期ものの糸量などを計算して、在庫糸などを調べて、加工工場に行き、仕上がりが硬くなった生地の問題を検討しました。加工工場さんというのは分業体制が進んで、それぞれの工程を担当された方が、最終的な生地の風合いを確認されることはほとんどありませんので、風合いを良くする為に各工程で工夫されるということがなかなか難しいようです。外注の織り工場なども糸を捜しに行きましたがありませんでした。夜には、数件の発送を終えました。
2010年11月07日
11月8日発売のソーイングナチュリラが届きました。これから冬に入る季節ながらもハンドメイドされる方向けというのは、すでにリネンものが多いですね。ソーイング=リネンというイメージが定着しているのかもしれません。ナチュラル=リネンのイメージだったりもします。

本麻の世界というのはミシンを使うよりも裁縫の世界だったのだと思います。昔、私のおばあさんが、自分の着るもののほとんどを自分で作っていたのを思い出します。今の時代のプチ贅沢が自分の着るものを自分で作る世界なのかもしれません。それは自分自身のブランドつくりみたいなもので、コンセプト的にはブランドの本質です。

昨年の夏でしたが、長浜の布工房DENさんのご自宅にお邪魔させていただいたときに、おばあさんがおられまして、油絵を描かれたり、布を使った手仕事をされたりと、芸術的なものをたくさん作られているのを見せていただきました。一生を創作活動に使われている姿勢が伝わってきて、ハギレすらも一つ一つを大事に作品に取り入れられる姿を見せていただいて、そういう姿勢こそが今の時代にはない価値なのだと感じました。

そういう素朴な世界は、海外にあるかもしれませんが、それを海外でやったとしても当たり前のことで、時代が変われども昔ながらのスタイルを貫いているところに美学のようなものを感じるのです。失われつつある価値観を持ち続けるところに評価に値する何かがあると思うのです。

今日は夜は麻関連の皆さんと3人で能登川駅前でのミニ会合、たまたま、そこのお店の店員さんが昔の同級生だったりして、結構みなさん地元にいるものだなあと実感します。
2010年11月06日
11月8日発売のソーイングナチュリラが届きました。これから冬に入る季節ながらもハンドメイドされる方向けというのは、すでにリネンものが多いですね。ソーイング=リネンというイメージが定着しているのかもしれません。ナチュラル=リネンのイメージだったりもします。

本麻の世界というのはミシンを使うよりも裁縫の世界だったのだと思います。昔、私のおばあさんが、自分の着るもののほとんどを自分で作っていたのを思い出します。今の時代のプチ贅沢が自分の着るものを自分で作る世界なのかもしれません。それは自分自身のブランドつくりみたいなもので、コンセプト的にはブランドの本質です。

昨年の夏でしたが、長浜の布工房DENさんのご自宅にお邪魔させていただいたときに、おばあさんがおられまして、油絵を描かれたり、布を使った手仕事をされたりと、芸術的なものをたくさん作られているのを見せていただきました。一生を創作活動に使われている姿勢が伝わってきて、ハギレすらも一つ一つを大事に作品に取り入れられる姿を見せていただいて、そういう姿勢こそが今の時代にはない価値なのだと感じました。

そういう素朴な世界は、海外にあるかもしれませんが、それを海外でやったとしても当たり前のことで、時代が変われども昔ながらのスタイルを貫いているところに美学のようなものを感じるのです。失われつつある価値観を持ち続けるところに評価に値する何かがあると思うのです。
2010年11月05日
今日、繊維ニュースという繊維関連の新聞を読んでおりましたら、女性デザイナーの玉木さんが、播州産地でシャトル織機を2台導入されて機業を起こされたというお話を読みました。林与自身、織物をデザインしている立場で、デザインするというのは実際に作業する何十分の1の時間とコストで出来るのですが、実際にそれを作業に移すとなると何十倍の時間とコストが掛かる部分をテキスタイルをデザインされる方がわかっていただけると、織物を評価する基準も変わってくると思います。

デザインだけにとどまらず、生産するときになにがどう難しいのかを分かることで、織物の価値が生まれてくるのです。私自身が、大量生産のものに魅力をあまり感じないのはそのあたりなのです。不思議なことに、以前お付き合いのあったブランドさんの洋服というのは、縫製など素敵だったのですが、海外で縫製されたものと国内で縫製されたものでは、小ロットで作られる世界ですので縫製の技術などに関しても雲泥の差を感じたりしました。

小ロットで作られるものというのは、コストを抑えようとすると民芸的な手作りの水準になりがちなのですが、それを何万枚も作られる量産品以上の高い水準に持ち上げようとすると、本質的なものづくりの力と品質水準が必要となってくるのです。

時々、専門家的な方が林与がいろいろなものづくりを残しているということで期待を持って、工場に見えられることがあります。お越しいただく際に工場が埃っぽいとか改善的なことをご指摘いただくことも多いのですが、一番大事なところが見えておらず、専門家の皆さんが、まさに海外の量産工場を理想とされたイメージです。日本でなぜものづくりができなくなったのかというところそのものであったりしまして残念に思うところも多いです。私自身、世界の半導体工場で働いたのですが、それは、まさに海外に移転すべきマニュアル化された世界で日本のものづくりの価値を生み出すものではありません。実際にその工場での生産も海外移転してしまいました。地場産業を考えるときに、コンビニチェーンみたいなスクラップアンドビルトの理想とする視点を変えないと難しいかなあと思います。

今日の記事を読んで、デザイナーさんのような方が自分自身で力織機を使われようとするところが、日本でものづくりを残されようとする意気込みだと感じます。専門家の人というのは、海外に移りがちな時代の流れに乗ったコスト削減の生産体系を持ち込まれようとして、逆に日本のものづくりを殺してしまっているところがあったり、また、そういう、シャトルで織れば通常のものよりも売りやすいというようなレベルで考えられていたりするとそれは本質を理解しない浅い世界だといえます。織る側からすれば、レピアで織ったほうが簡単に安く作れます。きわめて行けば、日本で作るよりも海外で作ったほうが安く。損得を考えれば、一番安いところで買って売るのが一番よいのです。その正反対な世界が、一番、損得を考えないのが自分で満足のいくものを作ることだと考えます。

今日は、午後からシンポジウムの打ち合わせで、レピアの修理に機械屋さんが来てくれる話になっていたのですが、打ち合わせのほうが夜にまで伸びてしましい、帰ってみると織機のほうが、巡油システムの配管に漏れがあり正しく油が行っていなかったということで中のギアが摩擦で削れてしまったということでした。35年動いてきた機械なので、もし、この管に油漏れがなければ、この部品にしても一生ほど使えるようなものなんだろうと思います。本来、蓄積された技術をしてすれば、昔のものより、今のもののほうがよいものでなければならないのですが、より安いものをつくるという方向性だと、どこまで、一年前より、今年はより安い方法なのでどうしても、製品のライフサイクルにあわせてどんどん品質は落ちてゆきます。
2010年11月04日
今日も春の穏やかな日です。ネットショップのほうで、ご購入が多いのが北海道と沖縄の方です。通販でリネン物を買われるケースが多いということだろうと思いますが、私のイメージでは、沖縄というのは年中暖かいからリネンをお使いになられる場面が多いのだろうと思い、一方で、北海道では明治時代、昔軍需用などにリネンが栽培されていたという経緯がありますので、リネンに親しみを持っていただいているのかと思います。

東京方面のリネンのお店の多いような場所の方でも、いままでいろいろなリネンを経験されてつい最近、「林与」を見つけてくださった方が多いのです。ショップのほうのリネンのほうが大分在庫切れになってしまっており、申し訳ございません。今、シャトル織機で丁寧に織り進めておりますので12月くらいには出来上がる予定で進んでおります。お待ちくださいませ。

キッチンタオルのほうも、今から生産に取り掛かりますので、ご入用の皆様は在庫ゼロでの予約の販売になりますが出来上がり次第、発送しますのでご注文くださいませ。今日もリネン糸が届き、箱のフタを開けて色とツヤに問題がないか確かめています。この作業って、ロットごとの違いを知るためには本当に大事な作業なのです。フランスやベルギー産のフラックス原料を使用していても紡績工場によってまったく違うテイストのリネン糸になります。
2010年11月03日
今日は、穏やかな小春日和を思わせる一日でした。不思議なもので、昔はそれほどコスモスは咲いていなかったのですが、今は、田んぼ一面に助成金などを受けてでしょうかコスモスが植えられている光景がよく目に付きます。昔見た、ちらほら咲いているようなレベルではないのが、今の時代のっぽいなあと思います。

文化の日ということで、各地で文化祭などのイベントが行われているようです。彦根の組合も毎年のことですが物産展に協力をしたようです。地元の人にですら、日ごろ馴染みのないのが地場産業であったりします。こういう穏やかな日に地場の産品を眺めていただくことはよい機会ではないかと思います。

夜には、知り合いの社長さんの誕生日ということで社員が近くの食べ放題のレストランで焼肉を食べる会を開くということでお誘いが掛かりました。お腹いっぱいです。ささやかな、贅沢ですね。工場の中は、見本を織っている一台のレピアの織機の調子が悪く、帰ってから原因を検討いたしました。
2010年11月02日
今日、大津のコラボしがに行きました。用事が済んでその帰り掛けに、1Fの展示スペースを覗いて見ました。何も展示されておらず、動物のいない動物園の檻のように、入れないように、格子のシャッターが閉まっていました。

先日、ジャパンクリエーションのために用意しました、過去の近江上布の見本生地に関しての展示会をするようなスペースを探しています。滋賀県でやるのが意味があってよいのか、東京なのかは分かりませんが、場所によって意味合いは違ってくるかと思います。滋賀県でやると、滋賀県の歴史のように感じてもらえる方が多いかと思います。東京でやるとするなら、日本の麻織物の歴史の一部として眺めてもらえるのだと思います。

事務的な場所よりも、百貨店のような場所で個展のような形で展示するのがよいのかもしれません。リネン日記をご覧の方で、場所に関しまして提案などございましたら教えてくださいまし。最終的には出版物の形でより多くの皆さんに日本の和柄の世界をご覧いただこうと思っております。
2010年11月01日
今日は、提出の書類に追われておりました。そろそろ、来春夏ものの本生産が動き始めており、年末納期だったり来年頭納期を想定して、今から一斉にスタートする感じです。通常は2か月程度の納期のものも多いのですが、ストールなどは在庫の染糸を活用することで、1か月以内のものにも対応を広げられるという長所があります。
2010年10月31日
ここ数日寒い日が続いています。でも、近江湖東の産地は、まだまだ肌寒いくらいです。今日は、朝から自治会の防火訓練があり評議員ならびに組長ということで、朝8時から参加させていただきました。朝のうちは、雨も降らずに良かったです。午後からは少し雨が降りつづいています。

今日は、書類つくりと新規にご依頼をいただきましたスワッチのほうをまとめておりました。海外からも私が訪れたブースの皆さんからメールが届いており、海外の出展者さんも落ち着きを取り戻されたようです。

リネンプレゼントは、今月は、ジャパンクリエーションの際にブースにお越しくださった方に、お配りしました。キッチンタオルのほうが少し手元にありますので、会員登録くださっている皆様の中から抽選で2名さまにプレゼントいたします。ヘビーデゥーティタイプではなく、市販されているくらいの薄手のリネン100%のキッチンタオルです。

実は、私自身は寒くなるのを待っていたフシもありまして、ようやくリネンデニムが通年素材としていかほどなのか試せるときが来ました。今日は、避難訓練もありましたので上下スポーツウェアのジャージを来て過ごしているのですが、少し肌寒く感じながらも、もう夕方になってしまっています。

オーガニックリネンのほう再生産に関するお問い合わせも多かったのですがSOLD OUTが長らく続いておりましたが、来期のアパレル様向けに確保しておかねばならない糸の量などが見えて来ましたので、生成とオフ白を200M程度づつウェブショップ向けに割り当てて会員様向けに先行して予約販売を行います。今からシャトル織機で、一日15mほどのペースで織りますので、出来上がるのは1ヶ月ほど先のことになるとは思います。冬場に機を織るというのは近江湖東産地の慣わしでした。このリネンというのも、そんな名残を組む、近江織麻布としての味わい深い側面があります。

新プロジェクトしましてこの冬、40年以上は弊社に保管しておりましたであろう紡績糸「きぬあさ120番手」を蔵出ししておるプロジェクトを行います。本来、手織りや小幅織物に使うための糸ではありますが、服地として織りあげ、単に細いというのではなく本麻織物の風格みたいなものを再現してみたいと思います。来春に向けてのPR素材です。昔からお付き合いのある加工工場さんが、「昔の林与さんの本麻はツルツルしてキバタが崩れて困った」といわれる、ピカピカ光沢感のある本麻織物が再現出来ると想像しています。糸の均一性など糸をみて、昔の日本の紡績技術のすごさ糸加工のすごさを感じられるほどの、時代を超える本麻糸の一級品です。
2010年10月30日
今日は、ビームを福山通運さんに持ち込みました。今日のビームは、糸の巻いていない空ビームで42kgでした。この前のは、糸を巻いたビームで、93kgです。このビームが滋賀県から広島のサイジング屋さんに届くのですが、そのままの状態で、広島まで運んでもらえるということで助かりました。

佐川さんも重すぎて駄目、クロネコさんも重すぎて通常便では駄目です。どこの会社も規定みたいなものがあって、それを超えるものは運べるとしても運べないという規定です。実際、運送のプロが運べないときに、陸続きなら発送の準備も運ぶ以上に手間が掛かる作業ですので、自分で車で運ぶほうが手っ取り早いかなあと思うことも多いものです。

最近は小ロットの注文が多いので、織物のビームの本体の重さというのが重く思えるので、林与が特注で職人さんに作ってもらった小さな円盤が重宝しております。小さい円盤を巻いたビームですと25kgくらいに収まるのではないかと思います。使い古された空のビームを見て哀愁を感じられる方がおられたりします。

昔、林与には、130インチの織物が織れる織機がありましたが、建築資材のような長い長いビームでした。あの織機があれば、今、いろいろなことができたでしょうが、あのビームはビームだけで100kgを超えてしまっていて、高齢化した職人さんや女性の織手さんたちが扱うには難しいので、結局、活躍することは少なかったので廃棄いたしました。巻き上げたビームは何百キロにも達することもあり、小さな工場の中でそれを動かすことや、そこまで大きいと見本を作ることすらもが難しいのです。
2010年10月29日
お寺の和尚さんの奥様がお越しになられました。息子様がご結婚だそうで、何を皆さんにお配りしようと考えておられるようで、以前、私の姉の結婚式のときに皆さんにお配りしたテーブルセンターが数枚残ったので、それをあるとき奥様に母が使っていただこうと貰っていただいたところ、大変気に入っていただけたようで結婚式の引き出物の候補に考えてくださっているようです。

リネンをジャガード織にしたものですが、普通のテーブルセンターと比べるとしっかりしていて高級な雰囲気があります。姉の友人のご結婚の際にも引き出物に使っていただきました。手作りの世界のお品に近いので、かなり、前からご注文いただいていたのですがぎりぎりの仕上がりでした。

テーブルセンターっぽい生地といえば、思いっきりしっかり目のキッチンタオルが資材っぽくって似ているのですが、キッチンタオル以外の用途を検討くださるかたも多いようです。イタリアの生地屋さんもアパレル向けの用途をお考えのようなお話でしたし、また、かばんなどにもすごくよい雰囲気に仕上がります。展示会では私が他のお客様とお話しているときに自動車関連のメーカーの方もその素材には注目をしてくださってたようです。

今日は、あるところで、2つのリネンの生成を見かけました。一つはバッグで、もう一つは、ハンカチでした。両方の番手は同じくらいだったのですが、糸のグレードも違いが歴然としていました。片方は多分、資材系かあるいは輸入リネンテキスタイルで、もう片方は、アパレル向けの国内で織られたリネンテキスタイルだと感じました。

弊社のリネンを手にされた方のコメントで、ストール用のキバタに驚かれる方がおられます。色味にしても、リネンの生成の色って染めたように一様にしっかりとしているのですね、みたいなコメントです。マット感ではなく、光沢感があるのも良いリネンの特徴です。アパレルのプロ向けに提案するリネンというのは、不純物の少ないものでないと染めたときにさまざまな問題が出てくるので、安定した色味の良質の糸を使わざるえないのです。
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