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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
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2010年09月10日
今日は、朝5時過ぎに滋賀県を出発しまして東京に向かいました。東京に着いたのは午後1時前で、最初にリネンハンカチプロジェクトのハンドヘムでお世話になりました「H TOKYO」さんにご挨拶にまいりました。ハンカチの専門店で、おシャレを演出するファッション性の高いものとして販売されています。壁に並んでいるハンカチを眺めていると1枚1枚のハンカチに強い思いがあるように感じました。薄い布から厚い布まで天然素材を中心にセレクトされています。ハンカチに関しましていろいろと教えていただきました。

次に、六本木のAXISビルのリビングモチーフさんに向かいました。小林良一氏からお店を紹介いただいて、studio GALAの作品がいろいろと並んでいるということで、見ておきたかったのです。実は、それを知らない1年ほど前に東京の大手アパレルさんのデザイナーの方から、地下にあるNUNOというお店を紹介され見に行った後で、1Fにあるリビングモチーフさんのお店の中も見て回ったのです。輸入雑貨のお店なのかと思って面白いものがたくさんあるなあと眺めていたのがリビングモチーフさんでした。こより箱や硯のダイニングウェアも初めて実物を拝見いたしました。

その後、渋谷駅の近くにあるアパレルさんの展示会にお邪魔しまして、来年の春夏のコレクションを見せていただきました。展示会にお邪魔させていただくと、そのアパレルさんの製品のテイストが良く分かるので、素材提案が非常に明確になります。また、今回は、弊社の素材も使っていただきましたので、どんな形の商品にしていただいたのかを見ておきたかったということがあります。

夕方には、アンスナムの中野靖氏にお会いしました。商売云々よりも、私自身、若手で活躍されている服飾関連の皆さんとは一度お会いしておきたいという気持ちが強かったので、一度お会いしましょうということで実現させていただきました。

その後、夜には東京ミッドタウンにまいりました。海外ブランドを中心とした高級漂うお店が並ぶ中で、お客様の影は平日ということもあってまばらでした。子供のおもちゃを扱うお店だけが忙しそうにされていたように思います。遅くなったので東京で泊まることにしました。
2010年09月09日
今日は、午前中、カーテンを扱われている業者さんがお越しになられました。リネンのカーテン素材ということで、弊社にベーシックな素材のものを何点かご提案させていただきました。カーテンというのはアパレルファブリックではなく、ホームファブリック系のリネンを使用するのが普通ではないかと思うのですが、アパレル向けのリネン糸を使用した繊細なリネンカーテンがあっても良いのではないかと思います。

最近は、1馬力の小さなモーターを使うシャトル織機で、省エネでエコなものづくりにも没頭しているので、消費電力はかつての何分の1という世界になっているのですが、工場自体は、高圧電力を引いておりますので、関西電気保安協会さんが点検に起こしになられます。

午後には、リネンのデニム素材ができあがりましたので、それをジーンズに試作縫製です。これも2年越しのプロジェクトになっております。自分で履いて確かめるのが楽しみです。その近くの手芸店には、糸巻き機を買いに行きました。それほどすごいものでもないのですが、木管に巻きませんので、今後は糸の発送もメール便での発送も可能になるのではないかと考えています。メール便だとぺちゃんこになっちゃいますが…。社員がとりあえずリネン糸を一個巻いて作ってみたと報告しにきました。

インターテキスタイル上海も近づいて、新聞関係の取材なども各方面からいただき、ちょうとビンテージアイリッシュリネンハンカチなどもできあがりましたので、新聞にも載せていただこうかと考えております。リネンデニムの試作品も数日中にはできあがりますし、また、リネンの厚地シャツも私自身が数日試着してよい感じです。シーツに包まれているような感じというとお分かりでしょうか?

リネンキッチンタオルなども、市販されているほかのものとは違って、本格的にヘビーデゥティに織ってみて、洗えば洗うほどリネンの風合いを楽しめる素材です。ここしばらくソルドアウトで織ってます。ビビッド系5色のキバタを2セットとライト系5色のキバタを2セットできあがり、2セットづつしか今ありませんが、ご購入いただけます。ご興味あられますかたは、下の画像からご注文くださいませ。
2010年09月08日
今日は、ファンド事業の審査会があったのですが、配布資料を印刷しようとするとプリンタトラブルで、プリントアウトに時間が掛かり時間ぎりぎりの出発となりました。ハンカチよりもビンテージアイリッシュリネンを用いたアパレル素材に目を向けたほうがよいのではないかというご意見を審査員の皆さんからはご指摘いただきました。

ハンカチのイメージというのは手ごろなイメージがあるようなのですが、ハンカチ用のリネンというものは、手織りされたり、繊細な細番番手が使われたりで、今の時代においても、一枚の小さな布に、日本で数万円で取引される中国の有名な刺繍なども何ヶ月もの手間を込めるというのがハンカチの世界で、そういうものすら後継者がいないといわれています。

日本でも握りバサミをつくる職人さんがいなくなったり、握りバサミすらどこで買ってよいのか分からなくなってしまっています。小学校の家庭科の授業でも、今風の握りばさみが裁縫箱の中に入っています。昔というのはにぎりバサミ一つが1500円ほどするような時代で、ものを使うときにも丁寧に使うように大人たちから叱られたのを覚えています。

今の時代に一生大事にしてもらえるようなリネンハンカチを作ることができるのは幸せなことではないかと思います。アイリッシュリネンの特徴であるわずかにゴールドが掛かったオフ生成色をベースに、ビンテージ調の先染柄を配しました。北アイルランドで一番最後までアイリッシュリネン紡績を守り続けたといわれるハードマンズ社サイオンミル紡績でアイリッシュリネンの歴史を語れるというだけでなく、アイリッシュリネンの特徴である超細番手とそのアイリッシュリネンらしい色味としなやかさを兼ね備えているのが良い感じではないのかなあと林与が自己満足に浸る世界です。
2010年09月07日
明日は、リネンハンカチプロジェクトの審査会なのでその準備を行いました。リネンのハンカチもハンドロールドヘムで揃いまして、非常にありがたいところです。ハンカチを入れる適当な箱がないものかと、探しましたところ、手織りのハンカチを何枚か入れるタイプの中サイズの桐箱がありましたので、リネンハンカチながら、桐箱の中に雲流紙に包んでお見せする方法にしました。

この箱は、そもそも近江上布のハンカチを入れるために、40年以上昔に京都の業者さんに頼んだ桐箱です。小学生のときに京都に行くと先代がいつもこの近くにハンカチの箱を作ってくれた業者さんがあるという話をしたのを覚えています。もしかすると50年くらい昔の箱かもしれません。いまもしっかりと閉まるところが職人の技だと思います。その箱の一つには、近江上布絣の文様のハンカチが2枚、時代の流れを超えて入っていました。

私のおじいさんの時代に、近江上布の麻のハンカチを考案したのです。わざわざ、ハンカチにするために、ハンカチの四隅にハンカチ用の額縁を付けて中にかすり柄をあしらっています。ハンカチを開いてみるのももったいない気分になり、そのまま、触ることなく眺めて蓋を閉めました。

3枚とか4枚いれることのできる箱が数箱みつかりましたので、それを使うことにしました。桐箱にリネンハンカチ、なじまない感じです。この桐箱も当時で、数千円するものだったと聞いており、ハンカチを入れる桐箱に何千円ものお金を掛けるのはさすが日本の伝統工芸の世界だなあと実感いたします。
2010年09月06日
ここ数日、リネンの超高密度でワンピシャツに取り組んでいます。細番手リネンの良さをどれほど引き出すかという話なのですが、出来上がったもの非常に良い感じで、布を触って良さを実感です。ポロシャツのロングっぽい形のものを作ったのですが、かっこよいです。

非常に特殊なクラスの布ですので、この番手からすると私が考えるアパレル素材としては世界トップクラスのリネン生地で、今年の春に店頭で見かけたプリント柄の細番手のリネン生地を上回るクラスになったと考えています。

実はこの生地というのがヨーロッパのブランドさんからもピックアップが多かったもので、単に良質といわれるリネンの細番手の糸を使用しただけではありません。リネンを織るという本質的な部分をしっかりと捉え、どこまで贅沢をできるかという意味で取り組んだ素材ですので特別です。リネンに対する夢の世界があります。

その本質というのは、見る人が見れば分かってもらえるのではないかというのが林与の結論です。高すぎて普通は生地として流すことができなくても、そういう生地を作り続けることも麻布へのこだわりの一つだと思います。次は、この素材でリネンのホワイトシャツを作ろうと計画しています。

このシャツですが、夏物がメインというより、春秋冬もののシャツになるかと想定しております。年中リネンを着たいような方向けのアイテムではないかと、自分自身、製品を眺めながら実感しております。着るたびに愛着がわいていくような素材であってほしいと思います。
2010年09月05日
今日は、夏らしく、蒸し暑い天気の一日で、午後3時過ぎから雷を伴う豪雨が降りました。その後は涼しい風が吹き、まさに夏の一日らしい一日でした。家が停電してしまい、ブレーカーを上げてもどこか調子悪く、落ちてしまいます。どうやら洗濯機のあたりが調子悪いようです。雷で壊れてしまったのでしょうか。

今日は、昨日間に合わなかったので、リネンキッチンタオルHDの出荷を行いました。製品で販売されるということで、ダブルウォッシュにしての出荷バージョンです。ちょっとくたっとした感じになってるかなあと思います。オーガニックリネンHDのほうは、今日もテスト中です。今日は、会社は休みだったので一日、社員が作った綿麻のピンクのシャツを着て仕事して過ごしました。

雨が降る前には、出機さんにビームをもって行きました。ご夫婦でおられましたが、体が万全ということではないので、ビームを織機に乗せてから帰りました。このあと、色柄のカードを作って、明日ももう一本ビームを運ばないといけません。大きくビームを巻くとシャトル織機ですと織るのにすごく時間が掛かるので、小さく2つに分けて仕事をしていただきます。

今日は工場内で綿の黒い糸を捜し次の整経の準備と、秋冬物のサンプルの横の色の調整を織機を触りながら考えました。来週は一度東京に向かいたいなあと思っているのですが、やることが多くありすぎて時間が作れるかどうか微妙なところです。
2010年09月04日
今日は、アパレルさまから宿題をいただいている企画の糸の決定と柄出の割り振りを行いました。色の制約などがありまして、最初予定していた糸使いでは見本を自由につくることが難しくなりそうなので、糸から考え直しました。

今、ブランドさまのデザイナーさんというのは、私よりもお若い方が増えておられます。特に東京方面では、30歳くらいの方が担当くださっているケースがほとんどで、自分も麻織物の中では若手ながらも、デザインの世界というのは世代交代が進んでいるのだなあと実感いたします。

生地屋さんとお話していても、41歳の私よりも若い人ばかりです。非常に皆さんが丁寧に接してくださります。その一方で、仕入れなどは、昔ながらのお付き合いを残しておりますので、私より上の方がほとんどです。いつの間にやら、仕入先とお客様の両方から非常に丁寧に接していただけるような感じになってしまいました。

デザイナーさんとお話をするときに、こんなことが出来ますかといわれて瞬時に応えることができるためには、質問される相手の何倍もの経験をつんでおかないと難しいです。他で難しい問題の解決を求められているときもありますし、なにの題材をステップアップするために聞いてくださるケースもありますが、その場でそのお話を聞いて、それがどういう問題を孕むのか、自社の設備との兼ね合いで可能なのか不可能なのか、相手に聞かれて、1~2秒ほどの間に、応えさせていただくのがプロではないかと思うのです。どうしても、瞬時の判断がつきにくいときには、一度やってみて、どこまでできるか考えて見ましょう、という話になります。
2010年09月03日
昨日の夜は、組合のシンポジウム委員会ミーティングがあり、その後、一つ荷物を送らねばならず、佐川急便に荷物を持ち込みました。

今日は、なぜか、曜日の感覚がなくなってしまっておりました。今日は、午前から午後に掛けてミーティング、午後からは来客が2件あり、途中お電話なども何件かいただいて、バタバタと時間が過ぎていきました。ほんと一週間が早いです。

今日は、夕方糸が染まりあがってきまして、その際にも染めに関する問題に関しての改善策がないかどうかなど情報交換をいたしました。染まった糸に問題があるときに、それが糸の問題なのか染の問題なのかははっきりとしておかないとなりません。

夜は、洋服を作るための芯地を、弊店間際の手芸店に買いに行きました。超高密度のリネンワンピースが出来上がる予定です。ほか、リネンタオルに関してのお話もありまして、リネンキッチンタオルが海外のお客様からどのような評価をいただけるのかみられそうです。
2010年09月02日
新聞報道によると、この8月というのは、113年で一番暑い夏ということだそうです。観測地点の中には彦根も入っております。林与の歴史の中で一番暑い8月というのが、今年だとするとその要因は、普通なら夕立など雨が降るほどの暑さなのに、雨がほとんど降らないのです。滋賀の彦根地域も局地的には降っているそうですが、全体的には降っておりません。特に人が住んでいる地域では雨が降らないんです。

水というものがうまく循環しなくなっているのだと思います。近くに流れる愛知川の流れというものが止まってしまい、川とは呼ぶことのできない毎日です。生態系が崩れてしまってダムのある川とない川との差が出てしまっています。子供の頃は、まだ、愛知川にも夏休みには水が流れていて、”うろり”と呼ばれるじゃこよりも小さな魚が川の至るところにいたものです。それを堰を作って誘導して網に集めて、何時間かでバケツにたくさんの”うろり”を捉えることができました。水が流れていないのですから、夏の川も、涼しい場所というのではなく焼石だらけでコンクリートジャングル化してしまっています。

私が子供のころは、暑いときには、窓を閉め切ってエアコンを掛けるのではなく、窓を全開にしないと駄目だった時代です。実際には、人が過ごす居住空間を考えるときには、一番暑い夏ではないと思います。どの車にもエアコンがついていて、中よりも外のほうが涼しいということはない時代です。

エアコンをぜいたく品扱いしていた昔は、国を挙げて28度とかいうのが、エコの基準でしたが、もうそれも昔ほどは言われなくなってしまっています。今の時代にとっては、28度というのは仕事をできるような室温ではないといえます。25度くらいで年中過ごすのが当たり前の時代になっているので、それを支えるために、大きなオフィスでは、何十キロワット分もの室外機が一日中フル稼働しないといけない時代です。
2010年09月01日
最近は、小学校も8月いっぱいが休みということでもないようで、9月1日が新学期の始まりということでもないようです。私のイメージの中では、8月は夏、9月は秋というイメージが当たり前にあるのですが、毎日暑い日が続き、この残暑は、6月7月の冷夏を補うかのような自然のバランスでしょうか。

今日は、午前中、彦根に行きました。お仕事、仕事以外、いろいろな案件で目白押しなのですが、電話をいただいても後手、後手に回ってしまうような状態です。8月26日から31日までのセールにおいては、キッチンタオルHDのほう、たくさんの方に買っていただきまして、作るほうが間に合っておらず、しばらく、ソルドアウト状態が続きますが、また出来上がりましたらみなさまよろしくお願いいたします。

キッチンタオルに縫製した製品も、一度水洗いしてから、お使いいただけますようお願いいたします(一度、しっかりと洗っていただけますと画像のような状態になります)。
2010年08月31日
今月のプレゼントは、オーガニックリネンフェイスタオルHD生機2Mを2名さまにプレゼントいたします。GOTS認証を得たオーガニックリネンを使用しており、そのまま、水洗いしていただけますと4シーズンなストールになります。

薄手ながら高密度におってますので、フェイスタオル以外にも、ヘビーデューティなキッチンタオルとしても使用できますし、バスタオルも可能です。市販ではもちろんないクラスの林与オリジナルな素材です。シャトル織りで、一時間に1mの世界で織り上げる、本近江織麻布の逸品です。

もうすぐ、こちらのサイトでもキバタならびに、ストール、タオルを中心に小物商品として販売いたしますので、よろしくお願いいたします。何気に見える布ですが、リネンの世界で語れるスペックを持った素材です。


2010年08月30日
今日は、午後からひこね繊維シンポジウムの打ち合わせが産官学のコラボで彦根市役所でありました。シンポジウムまで残り3ヶ月ほどでどんどんと迫ってきております。

社内の書類関係が遅れておりまして、インターテキスタイルの申し込み関係など、バタバタと途中組合の事務局に立ち寄りFAXさせてもらったり、前に進めていかないといけないことは多くても時間がないのがネックです。
2010年08月29日
今日は、午前中、織の状況を確認しながら、インターテキスタイルの申し込み関係などの書類作成を行いました。午後からは、隣組会があり、そのあと、その組長が当たっていたので組長会というのがあり、夜には直会としてすき焼きを食べる会がありました。

その場所で私の家の歴史に関するいろいろな発見がありました。ヨジヨモン爺さんの姉妹が、近くの家に嫁いでそこも織物を始められたという話、北清水のおばあさんもヨジヨモン爺さんの姉妹であったこと、勘平じいさんと市郎衛門さんのところのお婆さんは与一爺さんの兄弟であったことなど。勘平じいさんがしっかりとして現場を守っておられたのも、お酒が非常に強く厳しかったといわれる与一じいさんの兄弟だったからということで謎解けました。林与の場合、林与の織物に携わる方みんなが自分のおじいさんおばあさん以上でたくさんおられるので織物で近すぎて親戚としての関係が良くわからなくなってしまうのです。

林与以上に、周囲の皆さんというのが林与の歴史を当たり前かのように良く知ってくださっております。私にとっては、子供のころから、家の工場でいつも働いてくださっていたので、おじいさんやおばあさんでしかみえない人たちですが、戦争の時代のみなさんが背負われていた運命みたいなものを感じました。他の家の家系のお話も聞かせていただき、3代遡ればご近所がどの家もが繋がるようなお話です。

万博の後の高度成長の時代というのは、ものがつくれば簡単に売れる時代だったそうです。今の中国のような感じだったのでしょうか。今、昔の林与を支えてこられた親類のおじいさん、おばあさんたちは亡くなってしまわれていたり、もう90歳近いご高齢で耳が遠くなっておられお話を聞くのも難しかったりするのですが、先代や勘一じいさんに聞いとけばと思った話を周囲のみなさんから教えていただけるというのはありがたい話です。

近江湖東産地で、何代も続けられていたところが織機を動かすことをやめられてしまった中で、東円堂の皆さんが林与の歴史的なものを良くご存知で応援してくださっている部分があるので、続けていられるのかなあとも思いました。
2010年08月28日
ビンテージアイリッシュリネンハンカチの淵かがりをどのように仕上げるか、今、検討中です。ミシンで高品位なものに仕上げるのが良いのか、ビンテージなアイリッシュリネンなので手作業で仕上げるのがよいのか、ご覧いただいた方に、ものの良さや、感動を与えるのはどちらなのか迷っています。

リネン生地というのは本当に不思議です。加工などで引っ張ってると伸びますが、何ヶ月もおいておくと、段々とサイズが自然に戻ってきています。106cmほどに仕上がっていたのが、110cmくらいまで戻ってきており、ハンカチの縦と横がちょうど良い感じになってきました。縦横ぴったりまで、あともう少しの我慢です。これが物性を安定させ、かつ、湿度を戻し風合いを良くするための、何ヶ月も放反する効果です。(反物としてしっかりと巻いてあるだけでも縦方向の力というのは縦横のバランスに影響を与えるのです。)

リネンハンカチプロジェクトですが、最初は、アイリッシュリネンのリネン超細番手が織れれば自然と昔林与が手がけたような良い先染のリネンハンカチができると思っていたのです。でも、実際の工程を考えていくと最後ハンカチになったときに良い感じのものをということで、110番手クラスのオフ白でハンカチを最初にテスト的に縫製してみて、大きさを決めたり、その加工の風合いがハンカチとしてどうなのかを吟味することが大事なのに気がつきました。先染なので、リネンの色糸の収縮の問題なども染料と色の出の可能性から考え、ベストな手法を選んでおります。

風合いに関しても再度トライアルが必要という結論に達したのです。このビンテージの糸に合う加工が何なのかです。また、展示会で、リネン110番のハンカチを皆さんにプロジェクトのPRのためにお配りしたことにより、真っ白がよいのか、ナチュラルなオフ白が良いのかも非常に参考になりました。ほとんどの方が、ナチュラルなベージュ掛かったオフ白を選ばれます。これすらもが、本当にスキップして、白は真っ白と考えて作ってしまうと最終的な全てが台無しなのです。以後は、なるべく30年前の糸の色を尊重する形で白くは晒さない決意ができました。

そして、140番手での無地の加工のトライです。薄く繊細さを出したいという思いが強かったので、100番手と同じ規格に乗せてハンカチにしました。透けるようなハンカチの生地ができましたが、物性の面でスリップしてこれでは駄目だと、縦本数の再検討ならびに横の打ち込み本数の検討の必要性に迫られました。

縦本数が変わると、柄の本数も変わりますし、その計算は、本当に微妙なものです。加工した後でどれだけ縮むかというのは、また縦本数や横本数が異なれば微妙に変わってきますし、打ち込み本数なども、送りの状態によってあるいは織機によって、巻き取りローラーの形状などによっても、異なってきて、計算機で計算したものにその他の要素を足したり引いたりで、多分大丈夫かなあと思う程度の状態で、何ヶ月かかる機つくりや織の部分に突入していくのです。入手が困難な糸をテストで何キロも使って何ヶ月も掛けてテストするような本当に贅沢な話です。

縦横の比率を合わそうとすると、機を作り変えたり、筬から手配しないといけない話です。織るだけでも1日数メートルの世界ですが、その前の準備には、その何倍もの時間と覚悟が必要です。そのように何ヶ月も掛けて織った布を加工に出すのですが、どういう加工にするかだけで思ったような風合いに上がらないこともあり、全てが水の泡になるという危険と鉢合わせなのは分かっております。

出来上がったものは、リネンのハンカチや布というだけですが、糸、染、織、加工、そして最後のハンカチへの仕上げ、全てが揃わないと他とは違うものに見えないかと思ったりもいたします。
2010年08月27日
8月のリネンプレゼントを考えております。今、細番手オーガニックリネンのフェイスタオルを開発しておりますので、それをフェイスタオルの状態で、2名さまに1枚づつプレゼントしようかと計画しています。

オーガニックリネンの糸だけに、微妙な濃淡の糸の色斑による横段がみられるという現象が起こっておりますが、オーガニックなので仕方のないことなのかなあとも思い、おつくりしている林与自身もオーガニックリネンは特別であることを納得しながらのオーガニックリネンフェイスタオルの登場です。でも、風合いは、リネンと思えないくらい本当に良いですよ。林与独自の加工を施しております。このクラスならビンテージリネンの風合いに近く、リネンの高級ワンピース素材としてもよいかもです。

糸の問題では、中国紡績のリネンのトップ糸などの試織も開始いたしましたが、糸のトップ形状の濃淡が横段となって現れるなど、色によっては織りでの工夫が必要となりそうです。昔の糸を使ったトップ糸なども今年は人気で数社が取り上げて下さっております。トップ糸というのは、味があってよいのですが、通常の糸と比べますと糸の安定性というものが非常に微妙な色のバランスで成り立っているといえます。複数のトップ糸を扱う糸商さんもそのあたりの点の問題に関してすでに認識はあるようで、トップ糸の問題に触れられないところはありません。

現在、キッチンタオルの生機ほうが色によって、品切れ状態になってしまっており、各色を織っておる最中です。最長で5日程度出荷までお時間くださいませ。今までにご注文いただいた皆様の分は、月末到着予定での発送計画です。
2010年08月26日
今日から8月31日まで、全商品20%オフセールを行います。日常の業務なども絡みまして発送のほうが多少遅れるかもしれませんが、このチャンスをお見逃しなく。通常ありがちなクリアランスのセールではありません。林与にとっては年中、リネンと麻なのです。

暑い夏が続いています。日ごろからお会いしている方なのですが、先日突然、2年前に生地をお分けして甚平をおつくりになられて部屋着としてご愛用いただいている話をされました。15年振りくらいでしょうか、甚平用の生地を特別に3色各1反づつ3反おつくりさせていただき、お買い上げいただきました。

初めてお使いになられる麻の甚平でしたので、麻に対しての印象を決めてしまうだろうと思い、良い物をの思いでご提案させていただきました。良い麻のものというのは、その感触が忘れられずに暑いときに自然に着たくなるというものだと思います。

日本でも麻の着物を着るという機会は非常に少なくなっており、素材からして、本当に涼しい甚平を手に入れることは難しくなってきています。本麻の甚平でも、涼しいものと涼しくないものがあります。同じ麻100%でも、甚平に適した布、適していない布というのはありまして、毛羽感のあるもやもやっとしたものは、あまり涼しくはないです。
2010年08月25日
今日は、朝5時半起きで6時半のラジオ体操に参加してその後、自治会の青少年育成会の役員として子供会のそばの種撒きを手伝いました。そばの種というのは赤黒く三角形の形をしています。そばといえば、長野のそば道場を思い出します。

そば道場で自分でそばを打てば、美味しいそばが食べられるというのが売りの教室なのですが… 私は極太麺が美味しいだろうと考えて最後、蕎麦を2倍くらいの太さに切りました。ぶっかけそばのような感じで食べたのですが、お互いに美味しいねえとお互いのグループのそばを試食したときに、だれもが無言になるような、美味しくないものだったのです。材料が同じでも、味がまったくほど異なるということの発見です。これはリネンの布つくりにも共通しています。織り方や加工方法で、さまざまな表情にリネンが変わります。

そばの種を撒きその成長を見るだけでなく収穫し、最後には、子供たちのためにそば粉を挽き蕎麦を打ち、種から食べるまでを眺めるので、ものづくりに接する絶好のチャンスなのですが、全てが用意されすぎていて、子供たちは簡単だなあと思うに違いありません。こういう行事というのは主催している大人や高齢の皆さんのためにある行事なのではないかと思うところも大きいですが、子供たちの自主性を尊重することが必要で、子供たちには、物事の本質的なことを教えないと逆に駄目だろうなあと個人的には感じるところもあります。
2010年08月24日
今日は、以前、商工会さんのほうから旧豊郷小学校校舎でのおみやげ物に関するお問い合わせをいただいたこともあってお昼の時間に立ち寄りました。いつも彦根に行く途中で右手に見える校舎なのですが、昔は現役の小学校ということもあって立ち入ることはできませんでしたが、魅力的な建物だなあといつも思っておりました。

全国的に有名になったのは、この校舎が新校舎を建てるためになくなってしまうということで、地元を中心に保存運動が起きたことです。私自身、中をみたことが無かったので、長年の歴史のために中はボロボロなのかなあと思っていたのですが、今日、中に初めて入らせていただき、しっかりとした広い廊下があって、この校舎が全ての小学校の原型になったのではないかと思う感じがしました。

旧校舎の裏には、新しい校舎があるのですが、新しい校舎は何十年かで建て替えられるだろうと思いますが、旧校舎は何十年たってもまだ健在のように思います。私自身古いものがすべてよいとは思わないのですが、昔に作った本物クラスは、今作ることすら難しいのにそれを壊してしまうのはもったいない気がします。

時間がなかったので、ほんの10分ほど立ち寄って中を見せていただいただけですが、入り口玄関付近にあった温度計は32度をさしていました。新しい場所に新築のコミュニティセンターを作るよりも、何倍も価値があるなあと思う地元の資産ではないかと思います。木の階段なども磨り減っているのがとても良い感じなのです。

こういう場所を観光地化してしまうことは、その良さを損ねることになってしまうのではないかと思います。観光地なんてものは、本当にたくさん作られまくっていますが、その観光地というものがどこに行っても同じにしか思えないレベルなのです。この校舎もそのような観光地のひとつになってしまわないでほしいと願います。ひっそりと何十年もそのままの良さを保っていただきたいと思いました。
2010年08月23日
10月13日、14日、15日のジャパンクリエーションに向けては、秋冬向けっぽいリネンを検討しております。通気性を遮断したリネンの高密度織物などは、秋冬に適しておりますし、林与のリネンのソフト仕上は、春夏秋の3シーズンを意識した素材です。リネンのキッチンタオル素材なんかも一年を通じて台所で活躍すると思います。

現在のファッション業界でのリネンのトレンド的な風合いというのは、必ずしもやわらかいものではなくなってきております。やわらかさよりもナチュラルさが重視される傾向が次第に強くなっており、リネンの糸そのものの良さや安全性に評価のポイントが移ってきていると思います。



2010年08月22日
布をおつくりしておりまして、林与は本当に恵まれていると感じております。有名ブランドさまにご利用いただくだけでなく、日本の伝統行事でありかつ皇室行事の新嘗祭に御献上いただく際に御献上酒を包んでいただくのが「林与」の麻布であったり、みのもんたさんのテレビに出演される際のシャツやプロゴルファーの福島晃子さんにも林与の生地で作られた洋服をご着用いただくなど、いろいろなご縁にも恵まれまして、良いものを作ろうという励みになっています。

ネットでお客様からお問い合わせをいただく際にも、林与の麻織物へのこだわりは、普通ではないことはご理解いただけるのではないかと感じます。今日は、京都の三十三間堂のお隣にありますハイアットホテルでの個展を開かれるということで、日本のものづくりの美学にこだわられるプロダクトデザイナー小林良一氏からも、林与のリネンが日本に観光で訪れられる世界各国の一流の方の目に触れるようなお話をいただきありがたく思っております。

一方で、こういう機会をいただくからには、他とは同じにならず本質的な部分を守り抜きなさいというご支持をいただいているのだと自戒の念に駆られます。それが安易に価格で妥協しないようなものづくりの厳しさを守ることにつながるのではないかと思います。近江の湖東産地で作り続けること自体が何十年も前から難しくなってしまっておりますので、せっかく作るからには良いものをという思いが強いです。
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