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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
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2010年12月08日
シャトル織機というのは、それぞれの台が微妙に違う音を奏でます。奏でます、と言っても、シャトルが叩かれる大きな音に混じっての微妙な各部位の動きによって作り出される音なので気にしていないとどの織機も煩いだけの同じ音に聞こえるかもしれません。

今日も、シャトル織機の音がおかしいので、シャトル織機が故障しているのが見つかりました。そのまま使い続けていれば、消耗品の部分だけでなく、本体を消耗してしまうので、気がついてよかったです。今日の故障は、鋳物と鋳物がこすれて、金属が粉になって消耗してしまっていたのです。

シャトル織機には油を差す小さな穴が、金属と金属がこすれあうような部分には付いていて、30箇所くらい油を差すべき場所があると思います。油差しで、順番に差していってあげるのです。時間の掛かる作業ですが、花に水をあげるような気分です。油がしみこんでいくのを見るのも楽しかったりします。たくさん油を差せばよく織れるような錯覚に陥り、たくさん油を差したい気分を抑え適量を心がけます。

今の時代、油を手で差さないといけないような機械があるのかというと、あんまりないですよね。これもシャトル織機の持つ美学だと思うのです。織機が人の手を必要としているのです。
2010年12月07日
今日は、リネン100番手のストール生地が加工から上がってまいりました。最後の仕上げが特殊なので、そのタイミングがあり、加工で1ヶ月程度掛かってしまった感じです。リネンのストールもいろいろな種類がありますが、ストールの柔らかさに関しては、細番手のものほど肌へのタッチがソフトです。オーガニックリネン生地のほうも明日の仕上がりを予定しております。順次発送を行ってまいります。今しばらくお待ちくださいませ。

2010年12月06日
今日は、待ちに待った月曜日なのです。というのも、土日に連絡が付かなくなってしまっていた撚糸工場さんに連絡をいたしまして金曜日に出来上がったということで糸を取りに行きました。

撚糸工場のイメージというのは、騒音が激しいイメージがあったのですが、この工場の中は非常に静かでした。事務所の奥が工場になっているのですが、戸を開けても静かな音で撚糸が進んでいます。撚糸工場のコンパクトにまとまった感じには驚きました。

林与の場合、工場の中が、糸、物、機械の部品で溢れかえっています。実は、これって、希少かもしれません。私自身、使ったこともない道具が工場の脇には転がっています。
会社に戻ってからリネンデニムに取り組みました。味があってよいです。

今日は、12月にリネンデニムを履きながら一日過ごしてみました。違和感少なくよい感じです。色も、少し落ちて、ユーズド感がでてきました。8月の終わりにも履いていましたが、12月でも大丈夫ということで完成かなあと思います。
2010年12月05日
今日も暖かな感じの日曜日でした。仕事のほうは納期が詰まっていまして、10日前に上がってくる予定の糸がまだあがってきておらず、10日分の空白をカバーしないといけないので、日曜日でどうしようもないながらも困った状況です。

ものをつくる人も規模も縮小してしまったところが多いので、実際に注文が入ってもそれに対応できるところが少ないので、一気に受注が集中し遅れている加工工場さんを責める気にもなれません。

このような状況というのを予期はできていたのですが、注文される側の方が動かれないことには駄目な部分もあるので、結局、スタートが遅いと納期が遅れるという結果に繋がってしまいます。生産期間が2ヶ月程度となっているケースがほとんどです。

夕方には出荷を4点行いました。夜遅くに染色工場さんに糸を持っていくと、事務所には明かりが付いており、日曜日ながらも社長さんがビーカーの色出しを一人会社でやっておられました。今年はまだ寒くないのでほんと動きやすくてよいです。いつもなら12月ともなると糸を扱うため素手が当たり前ですがその手が悴んで、仕事中もポケットに手を入れたい気分になります。

工場は広いので、暖房をすることは無駄ですし、ストーブなどは火災が起こるといけないので使わないよう心がけています。織物加工工場さんなんかでは、この冬の時期に、冷たい水を毎日触っての加工をされているので、それに比べれば織物工場というのは暖かな環境だと思います。
2010年12月04日
2011AWものだと思うのですが、ニューヨークのブランドさんが普通とは違うコラボで動き始めています。デザインチーム全員とカーボンコピーメールでのやり取りでプロジェクトが進む速さですが、開発には数年掛けたものが多くその速さで需要されるというのも、どこまでの価値が相手に伝わっていなければ長くは続きません。

日本国内のブランドさまでも代表の方やデザイナーさんが窓口として直接に動かれているところというのは全てにおいて話が早く、ものづくりをする側としても、どこまでのものを要求されているのかということが、ストレートに伝わってくるので仕事がしやすいものです。

ブランドの方の中にはどこでもものはつくれるとおっしゃる方がおられたりします。いろいろなモノづくりのスタイルがありますので、そういうケースでは、商社さんが抱えられているお手軽な生地をお勧めすることもあります。他で林与の生地の類似品は作れたとしても、林与の生地は林与が作ったものだけです。そこには製造環境を守るというものづくりの根底を支える部分を大事にしている部分があります。

長らくお待たせしておりますが、この火曜日、水曜日には、ご予約いただいている生地が加工から上がってくる予定です。順次発送してまいりますので、よろしくお願いいたします。
2010年12月03日
滋賀県に米原(まいばら)というところがあります。新幹線の止まる駅なのですが、今日は、その駅の近くで労働基準監督局による法律改正などの説明会が行われ、県内の企業がたくさん参加されていました。

会場に行く途中、突風が吹き荒れ、車のハンドルが取られるほどの強風で、私の運転する軽バンは空のマッチ箱が走っているかのごとくで、田んぼに落ちそうな勢いでした。雷も轟き、12月なのに台風がくるのかと思うような少し暖かな一日でした。

これって、6月頃肌寒かったのと似ていて、12月に暖かく感じ、6月に肌寒く感じるのは季節の逆転を感じるしかありません。季節感がなくなってきているのだといえます。来週以降は冷え込むということですが、冬には冬らしい季節感がないと今までの日本の価値観というものも薄れてしまうのだろうと思います。

子供の頃というのは、運動をするときには水分を補給するな、ということが言われてきました。あれって体には悪いことだったかも知れないのですが、日本的な特有の精神面を育成するためには非常に重要ではなかったかと思うところです。
2010年12月02日
今日は、早朝から製品を作られたいということで、お客様が東京からお見えになられました。麻織物全般に関してのお話などをしながら途中加工出しを行いながら、午後には彦根に行きました。帰りには彦根の組合に立ち寄りラベル作成などしました。

帰ってからは、整経の作業などの問題点などを検討いたしました。縫製工場のほうにも立ち寄り生地を渡したりしました。新規の仕事の依頼や相談などお話をいただくことも多く、バタバタしています。

リネンにおいてもアパレル向けは難度の高い生地が増えていますので、染色工場、加工工場などとの連携が納期などとも絡んで非常に重要になっています。来年のカレンダーを見ると、来年頭に加工出しすると1月中ごろのアップになってしまうので、年内上がりを希望されるところが非常に多く、織り以外の前工程、織ったあとの後工程を考えると動き続けたとしても時間は限られています。

ものづくりに対する姿勢において、御共感いただけるブランドさまなどに対しましては、「林与」ロゴのライセンスなども開始いたしました。生地をご購入いただき生地を使用していただくことは可能で、「林与」の生地を使用していただいていることを謳っていただくことは可能ですが、「林与」ロゴの使用に関しては、林与からのライセンスが必要となっております。類似品と区別するためロゴで、林与自身も自分の手がけた生地を使用したもの以外への「林与」ロゴのライセンスはいたしませんので、林与の生地かどうかを判別していただくひとつの基準となります。

過去にも、問屋さんが林与のサンプルなどをアパレルに持ち込まれ、林与で作ったというお話でアパレル様がご理解いただき話が進んでいた話があるそうですが、アパレルの方も林与も知らないまま、実際には他の機屋さんが織られて、百貨店で販売される商品でありながらも、林与の生地であるという謳いで出回る産元を偽装するケースでした。

布をご購入いただいた皆様にお付けしております「林与」ロゴは、林与の生地を使って、おつくりいただいた作品などにご活用いただる特典の一つです。ただ単に、四代に渡り麻を織り続けたというだけでなく、麻織物のこだわりというのは特別で、麻織物のへ変わらない価値観をしっかりと守り続けています。
2010年12月01日
ながらく、お待たせしましたが、リネン生機、オーガニックリネンのオフ白と生成、キッチンタオル、もろもろが織りあがりました。明日、加工に投入です。予約注文いただきました来週の火曜日くらいには加工上がりの予定です。ストール生地のほうは加工のほうほんと手間が掛かる様で、加工上がりを待って久しい状態で遅れておりましてすみません。

本当のリネンというのは、何ヶ月も掛けて作ることが多くこんな感じです。実は、200mほど織る予定のオーガニックリネンにしても、12月頭頃の仕上がりがお約束だったので、織半分途中での加工投入となりました。シルクも今では安くなりましたが、シルク以上にリネンの価値が高かったころから何十年も続く昔ながらのものづくりなので、どうしても時間が掛かります。

普通の織物の何倍もの時間を掛けて昔ながらのシャトル織機で織り上げることに関しては、プレーンでノーマルなものに対しても人の技がそこには詰まっているのではないかなあと感じます。そういう世界をどこまで守れるかが日本の織物としては世界的に評価をいただける部分ではないかと思います。

今日は、ニューヨークのブランドからメールによるリネンの着分のお問い合わせがありました。イタリアのゼニアさんの方も、展示会のときには生地を眺めるだけではなく、林与の歴史とかそんな部分も大事に思ってくださったように感じました。

午前中は、お客様で、今日のお昼過ぎには加工工場のほうに出向きました。欧米向に加工風合いを考えようと思って、さまざまな加工を見せていただき、私が求めるリネンの風合いをじっくりと検討させていただきました。今日は、いろいろな得意先からの電話をいただき12月に入ったのを感じます。夜は自治会の会議がありました。
2010年11月30日
先日、繊維ニュースという新聞に岡山のタケヤリさんが載っていました。1年前のジャパンクリエーションの時には、タケヤリさんの方が、私がブースに不在の時にお越しくださりお名刺を残してくださったのですが、そのときはリネンの超細番手のストールを織っているところの動画をご覧になられ関心くださったようです。お話したかったですね。

リネンの超細番手のストールを織るときには、シャトル織機でどこまでゆっくり織るかみたいな世界に挑戦している感じです。あんまり遅いと、シャトルのステッキを叩く力が生まれないので、シャトルの動きが遅くなり、反対側にシャトルが到達する前に糸に挟まれてしまうのです。ストールのようなものなら織機の中央で織物を織るので、シャトルが飛び出すことがあります。

シャトルというのは早く動いているときに飛び出したりすると本当に危険です。巨大な弾のようなイメージです。リネンの高密度のものを織るときにも糸切れが起こるとシャトルは飛び出しやすく、レピア織機に慣れてしまわれた方は怖くてシャトルに戻ることができないと思います。

シャトルというのは織機に挟まれたりすると壊れてしまうのです。また、シャトルチェンジするヒガエの織機というのは希少ではあるのも、シャトル織機の動きにシャトルボックスの上下運動が加わると何倍もシャトルを挟みやすくなり、シャトルが壊れるだけでなく、筬やシャトル織機が壊れてしまうこともあります。

特に、一番上のシャトルから一番下のシャトルに移る時などは見ていても危ないです。織っているときにも心配しながら見ていますがうまく動くもので感心します。シャトル織機には、シャトルを挟んだときに筬が逃げるような仕組みや、テンプルバーにも弾力を持たせて、シャトルが壊れないように随所に工夫があります。

手織りではないので、織機自身が万が一のときに壊れてしまわないような機構までも必要としているので、織機というのがさらに複雑になるだけでなく、その調整というのがさらに複雑になっているのです。力織機を使える職人さんというのは希少だとは思いますが、今の量産の時代に、そういう方の技術というものが評価されることは少ないのです。
2010年11月29日
今日はリネン25番手を織っています。リネン25番手くらいで、ロングファイバーとショートファイバーが分かれるのですが、そのあたりを区別されてリネンを購入されている方というのは少ないと思います。

ロングファイバーは、ライン、1亜、とも呼ばれ、ショートファイバーは、トウ、2亜とも呼ばれます。ショートファイバーは落ち綿なので、繊維長が短く毛羽っぽいリネンですが、糸の状態で見てもほとんど違いは分かりません。織りあがると繊維長が短いだけにダルな感じなので違いがみえてきます。

リネン紡績工場の方とお話したこともあるのですが、案外、糸を作られている方でも、ロングファイバーだと材料が高い、ショートファイバーだと材料が安いという区別くらいしか思われていないようで、仕上がりの差というものをあまり意識されていないようです。今のリネンがダルなものが多くなっているのは、ショートファイバーを使用したものがほとんどだからです。

アパレル向けのリネンと雑貨向けのリネンの違いは、原材料の産地や紡績水準の違いだけでなく、ロングファイバー、ショートファイバーの違いが大きいと思います。そのほか、ウェットスパン、ハーフウェットスパンの違いなどもあって、同じリネンでも用途や価格に応じてかなり違います。
2010年11月28日
今日は、朝7時過ぎから、自治会の「ゴミ拾い+川堀り+環境」という3つの環境美化がありました。最終的に集まったゴミはあまりなく、ゴミの仕分けも簡単に済みました。一方、田んぼの脇の水路には崩れた土が溜まりきっていたために川堀りと呼ぶ作業は大変でした。これは、60歳、70歳を超えた人が多い自治会にとっては過酷過ぎる感じで、お天気がよかったのが幸いです。

仕事のほうも生産期に入っていますので、午後からは仕事をしたのですが、撚糸のほうもかなりピークのようで思ったように糸が上がって来ず、生産の計画がずれています。カジュアル向けのリネンのほうは染まりあがってきました。こちらも、来春に向けて大急ぎの納期なのですがシャトルなのでじっくりです。撚糸屋さんのほうはいっぱいいっぱいのような状況らしいです。

レピア織機のほうもフラットなものよりも、少し変わった織物が動いているのですが調整が非常に微妙です。通常の順通しと呼ばれるものではなく機から作る織物が増えてきています。機から作って織る織物というのは織の載せ替えなどが伴います。一つの織物を織るために全てを作り上げるという世界なので贅沢なだけでなく、糸などの物理的な長さ違いの問題などをクリアしないといけないので、織れるか織れないかのリスクも発生します。見本で無理して織れても、本番で問題なく綺麗に織れないと駄目なのです。そこが一つしか作れない世界を大事にする芸術作品と規格があってどれもが同じでないといけない工業製品との違いと思います。
2010年11月27日
今日は、朝起きて、リネンちゃん、らみちゃん、へんぷくんの絵を描きました。3人とも「幸せのリネン」のお話に出てくる天使なのですが、地球に下りてきたときにはこんな感じの姿です。

リネンちゃんは、フランス人の女の子で、髪の毛はリネンの花の形をしています。いつもリネンワンピースを着ています。性格は大人しいです。らみちゃんは、日本人の女の子で、本麻の着物を着ています。髪型はカラムシ(チョマ)の葉っぱの形をしています。性格はやさしいです。ヘンプくんは、遊ぶのが大好きなかっこいい男の子です。髪型はヘンプの葉っぱの形です。

将来は、ゆるキャラのお祭りなどに参加できれば楽しいですね。
2010年11月26日
今日はゲストティチャーの最終日です。授業で家庭科教室に入ってこられたときに、先生のお顔を拝見して、見覚えがあります。ゲストティチャーの打ち合わせに行ったときに、私たちが運動場を横切って駐車場に向かう途中で、「今回はお世話になります」と元気に声を掛けてくださった方で社員のものたちと、この学校はすごいなあと感心していた先生なのです。

3時間目がマラソン大会ということで、2時間目を少し早めに切り上げるというお話だったのですが、できるだけ時間を使って、社員たちがものをつくるところを子供たちに見せてあげてくださいといってくださり、今日は、スカートとパジャマのズボンの縫製の実演をいたしました。授業では返し縫いの練習が主な内容で、子供たちもミシンに親しみを感じてくれたものと思います。つぎは、古いタオルで雑巾を作るそうです。最後に、校長室で校長先生にお礼のご挨拶をいたしまして3日間のゲストティチャーも終了しました。

午後からバタバタと、仕事のほうの資料のまとめ、DHLへの持込、ラベルつくり、出荷など済ませて、待っていたリネンの加工糸が上がってきたり、糸など染まりあがってきたりで、社内でも、ようやく、春に向けてのリネンものの本生産が始まります。

リピートにはなりますが特別なクラスのストールなどのお話も入ってきました。実際にはストールというよりもリネンを楽しむための素材です。展示会などで、アメリカのニューヨークのブランドさんが興味を示してくださったのも特別なクラスのストールで、生成のリネンがアメリカで評価いただけるというのは不思議です。
2010年11月25日
今日も同じ小学校でのゲストティチャー2日目です。小学校5年生を教えているのですが、5クラスあって、2時間づつ違うクラスで生徒も先生も初対面です。子供たち、1時間30分ほどで授業が終わるのですが、一旦、休み時間に入り教室をでるときに、バイバイとさよならしますが、どのクラスも5分ほどしてまた10人くらいが戻ってきて話をしに来てくれる子が多いです。

子供たちにミシンを教えただけでなく、私の会社の社員たちも子供たちとのふれあいを楽しませていただきました。素直で元気な子供たちだなあと実感です。授業中も、子供たち同士も仲がよく、誰かが困っていると同じ班のほかの子が、男の子なら「おまえ、なんでできひんねん」といいながら助けてあげるというのが印象的でした。

子供同士が、ゲームをする感覚に似ていて、分からないところを教えあうようにミシンに慣れ親しんでもらう、これはミシンの操作ではなく人間関係なのです。仕上がったミシンの縫い目というのは、初めて縫ったので、真っ直ぐであったり、曲がっていたり、ミシンが布を自動的に送ってくれるということを理解できていないと手で送ってしまうのでゆがんでしまいます。

今日は、練習布を忘れた男の子がいて、すごく明るい子で、先生に雑巾を見つけてもらって、雑巾で練習をしていました。忘れたから今日は駄目ではなく、その雑巾を楽しそうに縫っているのをみて、本物を感じます。練習布というものは学習用のキットで、半分、作られた世界なのです。分厚い雑巾で練習した子のほうが当たり前に苦労していました。

片隅で、壊れているミシンを直しました。中の部品が壊れているようなケースが多くて、部品数も少なく修理は非常に簡単なのです。たくさんミシンのある状態でないと、一人一人の待ち時間が増えます。家庭にミシンがない家も増えているかと思います。ミシンに使う糸は、家からそれぞれが持ってきたようですが、手縫用の糸があるなど、ミシン用の糸ではない子も多かったです。糸によって難しさが違います。

会社に戻ってから、イタリアの生地メーカー向けのスワッチ発送の手配を行いました。スワッチ生地点数が50点近くになります。今回はDHLで送る予定です。本格的に通関の書類を作るとなると案外悩むことも多いのです。そのほとんどがリネンであっても、一部、綿麻、シルク麻などの素材が含まれていると、その作業というのがむちゃくちゃ煩雑になります。
2010年11月24日
今日からゲストティチャーにお招きいただき、彦根市内の小学校のミシンの授業をお手伝いします。自己紹介をさせていただいたあと、10分ほどお時間をいただきまして、ものを作るところを見ていただきたいなあとおもい、家庭用ミシンではスピードが遅いのでなかなか難しいのですが、パジャマのズボンやブラウス、スカートなどを、裁断した布の状態から縫製して形になるところを見ていただきました。

子供たちがこのミシンの授業をきっかけに、将来、自分で洋服を作ってみようと思われたら素敵だなあと思います。私自身、子供の頃、家庭科や図工の授業というのが小学校にあるのは不思議でした。普通の頭でする授業よりも何倍も濃いのです。手を使うというのは頭を使うよりも何倍も慣れが必要で、頭で考えても実際にはなかなか形にするのが難しいというのがあります。

一方で、仕事で縫製をしている人たちにしても何を作るかということを自分自身で生み出せるデザイやパタンの部分をできる人というのは少ないのです。もっと言えば、縫製の仕事の部分に限っても、一つの服を自分で仕上げることの出来る人は、今の時代、縫製の現場では少ないといえます。一人一人が分業の時代で、襟だけ、裾だけ、ポケットだけなど海外では流れ作業で仕事が進むのが当たり前な時代なのです。海外の縫製は、自動車や電化製品を作るのと非常に似ています。

子供たちは、ミシンの上糸を通して下糸を通して丁寧に真っ直ぐ縫う作業です。ミシンと触れ合う一番最初のところです。自分自身が理解してやることが大事で、一人一人の作業を見守りながら、ボビンを反対につけたり、糸の通し方を間違えたりしたのを見つけられないときにどこが間違っているのか考えてもらい、分からないときには教えてあげるのが私たちの役目でした。

子供たちというのは、鉛筆と消しゴム、のり、はさみ、身の回りのものといえば、洋服、靴、など、遊ぶ道具といえば、ボール、グローブ、あと、楽器程度です。そこにミシンという本格的なブラックボックスが登場で、使うのに準備が必要な道具で、どう教えれば慣れ親しんでいただけるか、ゲストティチャーの役目かと思いました。
2010年11月23日
今日は祭日でした。プリント工場の社長さんがお越しくださいました。プリントに関してはいろいろと新しいものを研究されていて、経験も深くあられますので、お話をお聞きしていても単に仕事のことだけでなく、仕事をするときや人付き合いに対しての姿勢をさりげなくアドバイスくださっているような気がします。

私が、今やろうとしている、日本の夏の代表的な和柄である近江上布柄の復興プロジェクトなどご協力いただけるのではないかとお話をいたしました。実はアイリッシュリネンハンカチに色柄を載せたいと考えているのですが、その色柄というのもプリントのバリエーションも考えており、ヨーロッパの柄以上に、深みと味のあるものを載せてみるのがよいのではないかと考えているのです。

それは特殊な世界であるにしましても、普通のプリントにおいてもいろいろな提案をくださっており、技術的な面でもたくさんアドバイスをいただけました。最終的にお客さんに満足していただくためには、実際に流せるようなレベルものを作っていくということも大事で、そのようなものを念頭に順番にスタートしていこうと思います。

前前から、プリントの試作をするのに、生地巾のインクジェットプリンターが欲しいなあと思っていたのですがその工場にはあって、しかも、それを捺染に置き換え本番につなげることが可能ということで、人のつながりで技術的にもトップクラスのものが生み出せるということを感じます。
2010年11月21日
今日は、朝から自治会の収穫感謝祭ということで餅つきがありました。お天気が非常によく出足が好調で、公民館前の小さな広場はごったがえした状態でした。収穫感謝祭ということですが、1kg500円のもち米は、開始予定時間の10時前には、もう半分以上が売れてしまい。皆さん4升ほど買われていきます。開始20分ほどで完売状態です。驚くほどの売れ行きにびっくりです。

他にも村づくり委員会のほうが準備しました、無料の豚汁などもお昼にはもうなくなってしまいました。無料のポップコーンも、ジュースも綿菓子もなくなってしまい。お昼すぎには食べ物などがなくなり、餅つきしたお餅も全てなくなりました。好調すぎるほどの感謝祭で、みなさん、喜んでいただけたことと思います。

60歳から70歳くらいのおばあさんたちがたくさん来て下さってたのですが、餅つきに関しても、その世代の方でも、臼で餅をつかれていたという経験を持たれている方が少ないのを感じます。林与の親戚の勘一じいさんの奥さんであるおはるさんが、返し手をできる本物として抜擢されました。80歳を超えておられるのに、あのすばやい手の動き、小さな頃から当たり前に臼で餅をつかれていた世代の方であるというのが一目瞭然です。

草の根ハウスでは、文化祭が行われていました。人々のハンドメイドなものがたくさん並んでいます。愛荘町には、びんてまり細工というものが伝統文化の一つとしてあるのですが、地元の方が作られた作品が並んでいました。地元の人がつくられたものなので、物がどうというよりも、その方々の顔が浮かんでくるところが一番意味のあるところです。私自身、つくり手の見えるものづくりというものが大切だと感じるのもそのあたりです。
2010年11月20日
今日は、シンポジウムの当日で9時に彦根の会場に集合ということになります。9時に着くとやはり昨日のリハーサルで発表内容を考え直されるというケースがどのチームでも起こっており、パワーポイントの切り替えをするポイントも変わることになり、その変更に対応するだけで精一杯で、シンポジウム会場準備のほうの責任者としても役があるのですが、そちらはもうほとんどできません。

午前中、全体のリハーサルも行われました。リハーサル途中にも、遅れて来られた一つのチームが大きな変更をされてそれに対応するため、私自身、全体のリハーサルで、切り替えのタイミングなども練習しないといけないのですが、私自身のリハーサルが出来ずに本番の時間も迫ってきました。

講演会のほうは、武田尚子さんの基調講演で始まり、第二部のパネルディスカッションも非常に内容濃く、よいシンポジウムにまとまったと思っています。お天気にも恵まれたことも幸いしました。片づけが終わったあと、参加くださったみなさんが労いの言葉を掛け合って帰路に着きました。
2010年11月19日
今日はシンポジウムの画像編集を早朝から続けて行っていました。送ってもらった画像も画素数が多いものが多いので画素数を落としたりしますが、環境が違うとどうしてもうまく表示できない画像など含まれていたりして、そういうのをカバーです。

準備日なのですが、午後から簡単なリハーサルが行われました。組合企業の発表に関しましては、各チームに構成をお任せする形だったのですが、パワーポイントの画像と発表内容とが合っていないとなども実際のリハーサルをされると気がつかれるのです。リハーサル後打ち合わせなどを行い、そこからもう一度、私のほうの準備が始まります。

時間的には非常に遅い段階での調整なのですが、リハーサルが終わってから、自分が明日パワーポイントのスライドの切り替えのタイミングなどを再度チェックし、資料を全て打ちだし、おかしいなあと思うところを明日朝から確認するためのメモなど作りました。作業を終えて帰ると朝の5時半で寝る間もなく、もうシンポジウム当日です。
2010年11月18日
今日は、東京からTextile-Tree編集長の成田さんが弊社にお越しになられました。朝から来ていただいたのですが、素材の話を話しているうちにあっという間に3時になってしまって、午後は長浜にご予定があられまして、また今度来て下さった時にごゆっくりしていただこうかと思います。

成田さんを駅までお送りした後、別のお客様との約束が4時からあって6時くらいまでおられ、夕方7時には出荷で、そのあと国産のトップの麻糸を倉庫に取りに行きました。明日は、シンポジウムの準備で昼からいないので、夜中ながらも糸を出しておかないと仕事が出来ないからです。

真っ暗な倉庫に懐中電灯を持って入って、糸を出していると、周りから見れば、何をやっているんだろうと、泥棒みたいなみえるのかなあと思います。ついでに、シルク麻120番手と書かれたニッセンのラミー加工糸を持って帰ってきました。50年くらい前のものではないでしょうかね。日付なども明るいときに確認しようと思います。昔、白絣などを織るのに使っていた糸ではないかと思います。

当時の糸というのは、高価なものなので、糊のついた一つ一つのチーズが紙に丁寧に包まれているのです。チーズ一つにしても、一つ200g程度しかないのにひとつひとつが紙に包まれているのです。ものが希少であった時代にこそあった価値観の世界を感じます。これは日本のバブリーな価値観とは違い、ものづくりの精神が当たり前に日本に生きていたころの価値観ではないかと思います。
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