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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
自然な暑さ
2012年07月15日
暑くなりましたね。でも、昨年と比べると今年のほうが30度を超える日はまだまだ少ないという状況のようです。節電対策がいわれている中ですので、ありがたいことではないでしょうか。いつの間にか節電が悪のようにいわれていますが、原子力で命が常に危機に晒されることを考えると節電意識も大事に思うか、あるいは、海外のように命の危険を覚悟で原子力を推進していくかです。

日本というのは都合よくものごとを考えすぎで、安全だといって一番安全でないものを推進してしまう傾向があります。ふたを開けると専門家すらもが素人以下の状況で、一番心配なメルトダウンすらも想定外なのが怖いですね。これで大丈夫なら逆に安全対策なんて必要がありません。本来なら汚染された土壌は遠洋に投機されるべきですが、結局は費用が優先されて埋め立てに使われてしまうようです。更なる健康被害覚悟して掛からないとなりません。

水俣病、アスベスト、ミドリ十字、対費用的な考えで大きな被害が常に生まれるのも覚悟は必要で、あとは、行政の安全という言葉にゆだねることなく個人が自分の安全を守る必要がある時代です。安全な地域すらも危なくなるのはなぜでしょうか、人々の命を考えるなら逆に危険をしっかりと謳うことが大事なのです。人の命の軽さというものを感じます。

日本という国は原爆を実際に体験した唯一の国だといわれますが、その国が原子力発電を一番推進している国なのです。地震大国日本なら地震の危険性を考えると世界中で一番危ないところに原発を並べていることになります。そして、安全を謳っていた専門家や運営者たちも想定外ということで原発の危険性を立証しました。人々の安全意識とは裏腹に損得主義に目のくらんだ一部の人たちが危険性を安全だと謳っておいしいところを取っていていざ事故となると安全だと謳っていた人の誰も顔が見えてこない、怖さ。莫大な広告費をもらって推進してきたマスコミも同罪で、欲に目のくらんだマスメディアというのは有害ですらしかありません。

私自身は、普通の夏が戻ってくることは良いことではないかと思っています。エアコンが当たり前になってしまったのも、機密性の高い家を作りすぎたせいがあります。日本の家は、本来は木の家で通気性が大事なのですが、通気性がないとエアコンが必須になってきてしまいます。エアコンなしでは夏に弱い家ということです。原子力が普通になれば、衣食住がそれを基準にしてしまうのですが、命の覚悟をしてまで原子力を推進していくほど、自然というのは人の生活を守れないものなのでしょうか。電力へ依存を減らして、自然を活用するのが大事です。

暑さを経験しない子供たちが増えています。エアコンの効いた塾で勉強して大事なものが失われていくのを感じます。熱いときに外で運動をしてそれを乗り越えることができるようなところから本来は強い人が生まれてくるのです。今の時代というのは、人の力を引き出すということは非常に難しいものです。世の中が生活やものづくりが画一化されるなかで自分自身が普通な生活を考えていては特別なものづくりなど到底到達が無理なのですが、それを乗り越えてものづくりをできる人を求めているのが現場だといえます。

鳥インフルエンザで真摯な養鶏場経営者を自殺にまでも追い詰めるマスメディアとその一方で、東電から莫大な広告費をもらって原子力推進の記事に協力して口封じされてしまっているマスメディア。常に苦労をして生きている人と常に楽をして生きている人とでは同じ日本人でも価値観が違います。有名な、ピューリッツァー賞を受賞した「ハゲワシと少女」、その衝撃さに喜ぶ、道楽連中の神経が怖いです。まだ、まともなのは、なぜ少女を助けなかったのかというあたりまえの神経です。この写真を撮ったカメラマンは薬物の常習者であったということですが、日本のメディアも災害報道のときに人の命よりも欲に目のくらんだ報道姿勢が目立ちます。

そのカメラを持って、少女を助けることもなく、ハゲタカにとらわれる瞬間をまっている神経というものが怖いなあと感じ、そのカメラマン自身はスーダンの貧困なんてなんとも思っておらず、それを食い物にしているだけでしょう。その彼が自殺に追い込まれたのはまだ良心があったからでしょうが、その写真に喜んで賞を与えたビューリッツァーの連中の神経の怖さはマスメディアの陥りやすい罠そのものです。林与がテレビを見ないのは、テレビ業界というのは恵まれすぎていて、金に目がくらみやすい部分が大きいからです。

節電対策にしましても、小さなところはやんわりとした冷房されているところが多いようですが、大きなチェーンでは法で規制が掛かっても利益優先でかなり冷やしていつもと変わらない対応。大きなところとういうのは、人の気持ちが働かないので、残念ではありますが、やはり法律で縛る必要があるのを感じてしまいます。停電なんかも恐れていますが、実際に怖いのは万が一の原発事故なので、それと引き換えなら別にしばらくの停電なら我慢してもよいのではないかと思います。そういうゆとりの考えこそが、電力会社の殿様商売感覚を変え、日本を救うのではないかと思うのです。