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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
チーズアップ
2012年12月21日
チーズ巻き屋さんのおじいさんから電話があって、リネン100番手の6袋が巻き上がったとのこと、「速い」なあ。会社の中ではまだ一袋目なのに…。流石に、何十年やってこられた力の差を感じます。

夜中には、100kgほどあるビームを雨の降る中、出機さんに一人持ち込みました。肩に担いで持っていくのですが、肩に担いで屈伸した状態から一気に立ち上がらないといけません。

今までの記録は、一杯に近い、90kg分くらいの糸の巻かれたビームを一人で持ち上げました。ビームとフリンジの重さを考えるとトータル140kgくらいまで行ってしまっているでしょう。火事場の馬鹿力といいますが、集中すると力というのは出そうと思えば出せるものですが、気持ちに諦めがあると半分の重さでも無理だったりします。

じつは、若いときほど重いものを持つのが苦手で、肩に重いものを持つと肩が痛かったのですが、今は肩で持つことが普通になって、こういうのもそれをやってこられた方のやり方を真似て、やってみているうちに普通のことになってという流れです。

小さな麻の機屋ですので、せいぜい100kgまで、大きな織物工場にいくほど、一つのビームが300kgとか平気であったりして、生産性を求めると装置産業になり、働く人のできることもどんどんと限られてしまっていくものです。

昔、コンピュータ工場で働いていたときには、15kg以上のものは持ってはならないような感じです。そういう規則ができてしまうと、人の能力が落ちてきます。結局、その大きな工場すらも、作業員の楽を求めすぎて仕事すら無理ができなくなり、他の工場に買収されてしまいました。

できることをやらないというあたり、仕事として考えると越えられない壁を乗り越えることすら無理です。大きな工場ですら、うさぎとかめの競争と同じで、海外との競争に晒されていて、一流を気取って楽をすれば無くなってしまうものです。

私自身が上海やパリの展示会に行って安心をすることが、他の大手のリネンメーカーさんは余裕があって何人もの人間が集まらないとひとつのことが難しく、その形というのは商売が順調なときというのは良いですが、下がり始めたときに、逆にもろいものです。