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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
大阪
2011年06月22日
今日は、朝6時起きで大阪、9時に大阪のホテルで夕方までの講習を受けました。大阪で大阪のお客さんと電話で話すと不思議な気分です。別にお会いする予定もないのですが、大阪にいることを言わないのが失礼な気持ちさえ起こさせます。

もし、林与が、東京や大阪にあったら、多くのお客様と近くて便利だろうにと思うこともありますが、流れに流されてしまって、作り方はもちろん、作るものというのも変わってしまうと思います。

林与の家では、曾おじいさんの前というのも織物をもちろんやっていたと思うのですが、曾おじいさんのときに、自分で織物を企画する機元としての創業があったことが、今の多くの賃機屋さんと違うところで、着物の時代が終わってもアパレル向けの広い幅の織機に入れ替えてものを作り続けることができたのです。

生地なんて、いつでも作れるものと思っていると、いつの間にか作れなくなってしまう時代がくるというのは、林与の場合、おじいさんのころから感じていた感覚です。倉庫にオイルショックのときのマルセル石鹸が今もたくさんの残っていて、糸というだけでなく、生産に使う道具まですべてを守っていかないとならない厳しさをもってものづくりを続けていたのを感じます。

在庫の布などを見て、助けるお気持ちでだと思うのですが、これが全部売れればよいのになあといわれることがあるのですが、林与は昔の近江上布の反物を今も残しているように売れてなくなればよいと考えてものづくりをしているのではありません。これは売らないで残すという選択もあったりするのです。