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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
細番手
2011年08月24日
今日は午前中加工出し昼前から彦根の組合にお客様でした。加工出しのほうはリネン100番手がメインで、リネン100番手に関しましてはシャンブレーなどで量産の体制が整いつつあります。

今、総先染にもトライアルを開始しリネン120番手クラスに挑んでいます。海外でも80番手クラスでのアパレル向けのリネンの無地織物などはかなり出始めています。番手を細くするというのは、紡績に時間の掛かる細い糸というだけではなく、その糸を作る原料から上質のものをセレクトしなければならず、また、細い糸を使うとそれだけ経も横も本数が増えることもあり、また、糸切なども糸の細さに応じて累乗的に起こりやすくなり、同じ1mを織るのでも手間とリスクは10倍くらいに膨れ上がるのです。

織機で織れない糸にぶつかったときには手織したほうが織るのが簡単じゃないかと思うこともあります。リネンを見るときに、糸が2倍細いだけで布の価値が数倍上がるというのは、生地を扱われている方でもほとんどご存じなく、え、そうなんですか?と言われることが多いのです。すなわち、見た目以上の価値観を見出してもらえず、細番手の良いものというのは流れることが難しい結果につながります。

リネン好きの個人の方のほうが、そのあたりをよくご存知で、リネンストールなんかも、細い番手をしっかりめに織ったものに移行を始めています。消費者が最後に求めるものというのは、作り手が作ろうとする価値のあるものと近いことが多いのではないかと思うことも多いのです。そういう微妙な価値の違いなのでこだわりという言葉で表現する部分なのかも知れません。