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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
最強の寒波
2023年01月24日
今日の午後から明日にかけてが寒波のピークらしく、最強クラスが予想されている。この寒さというのを我慢して作業できる人というのはあまりないだろうし、それなりの覚悟が必要だろう。私は夜中も作業していたりするので、今夜は工場の中も氷点下になるだろうから完全な防寒対策で作業。私の場合には慣れているので、手なども適応できているけども、お昼の時間でも、慣れていない人だと指が冷たくなりすぎて糸も結べなくなってしまう。

私自身はこの仕事に就いた時からどこの作業の現場もそれなりにストーブが一つとかくらいで、寒いことは寒いのが普通で、それに慣れているけども、今の普通の生活をしているとそういう世界はあり得ない話だろう。本来は麻織物の場合には雪深く寒いところが織物の産地であることが多いのだけども、もう、そういう寒さの中から、麻織物が生まれてくるという概念は成り立たなくなってきているとは思える。

冬のぬくもりといえば、あっても火鉢しかなかったような時代の感覚が消え去って、部屋中があったかいような環境が普通でないといけないような今の時代の職場環境とは、真逆の寒い工場の中、そういうのが気にならずにというか無視して仕事に没頭できるのか、できないのか。綿織物にはあまり私自身はそういうイメージが少ないのだけども、麻織物にはそういう厳しさみたいものが手織りの時代からつきものであるような気もする。時代遅れみたいなところもつきもののような気もする。

衣というのは、体温を調整するための重要なもので、それがエアコンとか食べのもの置き換わったような気もして、衣の重要度は下がってきたように思われる。夏の暑いときにも麻のものを着れば涼しく過ごせるというチョイスよりも、エアコンの中で汗もかかずに涼しく。麻のものと綿のものとの違いもあまり感じられなく、麻は機能性よりも、エコであるとか、サステイナブルであるとかの部分のほうが重要視され始めている。こんな寒い時期に夏の暑さの話をしてもあれなんだけど、冬に麻のものを着るとほんと寒くて需要がないのかと思いきや、暖房の中で快適に冬に麻を着ることができるという需要もあまりよいことではないのかもしれないがあるだろう。冬場の重衣料が売れなくなっているのも、暖冬傾向でまた、家の中は暖かく快適なくらしみたいのが普及して、ウールの産地も苦戦されている話は多く聞き、ウールの産地でもウールだけでなく、冬の時期には麻をおるというような流れはあるようである。

私は、極端だから、一番我慢強いものが勝つだろうから、環境も過酷であれば自分は残るんじゃないかと思っていたりする。ほかの麻の織物をおってられる織物工場さんも我慢を乗り越えてえらいなあと自分が苦戦していることとかぶるところがあって、展示会などで話するとおなじような考えをもっておられるところは多かったりして仲間のような意識がある。