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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
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2014年12月17日
テキスタイルマルシェが終わっての感想。会社の本生産の時期と重なってしまって、外部との連絡がスムーズに取れないことがあって、仕事関係の皆さんにはご迷惑おかけしました。

会期中は帰宅してもまったく時間がなく、リネン日記も更新できませんでしたが思い出して書かせていただこうと思っております。

今日も午前中は彦根、帰って、溜まってしまっていた書類関係を手がけました。
2014年12月15日
今日はテキスタイルマルシェ5日目。終わってから打ち上げが近くの居酒屋でありました。それぞれが自己紹介を兼ねて順番に感想などを述べ、わきあいあいとしたムードながらも自分たちがやっているということで思っていることを一人ひとりが述べる。本当にまともな姿勢で、可能性を感じる。

物事というのはビジネスライクになりすぎると、陳腐化してしまう。手作り感覚であるほうが逆に新鮮にみえることも多く、店頭のブランドショップと同じようなセレクトするよりも、機屋が機屋らしい売り方をするというのが、一番の強みになるだろうと思える。

楽しく飲み過ぎて、米原行きの終電に乗ったものの安心して寝て、途中、乗り過ごしたと思って飛び降りたら長岡京、次の電車で野洲まで帰ってタクシーかと失敗したと思って、次の電車に乗ってまた眠ったら終電で、野洲かと思いきや大阪に戻ってしまい。午後1時。

急遽、大阪に泊まることになってしまった。
2014年12月08日
今日はテキスタイルマルシェの準備。昨日荷物を出荷出来ず、今日大阪の物流倉庫に搬入。スムーズに対応してもらって佐川持ち込みよりも簡単かも。昔は佐川さんも馬力があったが今はいつ届くかが読めないことが多いのと締め切り時間が早すぎてそれに会わせようとすると追われ過ぎる。

なんか準備ができ帰ってからパンフレットなどの準備。テキスタイルマルシェにもお世話になって一年。物事というのは、最初は迷うことも多いが何事も経験で、結局継続できるということが成功の一番のバロメーターなんじゃ、ないだろうか。

自分が継続したくても継続できないこともあるだろうし、継続するためには、それを支えるために別に働く必要がでてくることもある。商品開発とかもかっこよい響きだけども商品を開発することよりも商品開発する環境を維持することのほうが大変だろうといえる。

自分の中で新しいアイデアがあってもそれを形にするのは別問題。自分は働いているつもりでもそれが形にして、お客様にかってもらって使ってもらって初めて仕事としてはひとつ正しく出来たといえる。フロックではだめで、継続してそれが続いて出来ないと駄目。継続していることが実力のひとつで、結局、自分に仕事する力があるのかどうかというあたりになろうかと思う。
2014年12月06日
今日は、青森の小銀刺作家角舘徳子氏が会社に新規の企画のためにお越し下さいました。横浜で展示会を開催されその脚で滋賀県に来て下さり、来春夏に向けて小銀刺の麻の基布の打ち合わせです。

手が足りなくて工場の中で、リネンの100番手をチーズアップする作業を手伝ってもらったり、織物工場の現場の雰囲気も味わってもらって、せっかくの滋賀県なので夕暮れの琵琶湖をちょこっとご覧頂きました。初雪が舞い、寒い一日だったので、青森の方でも寒い、近江湖東地域を味わっていただけました。

今日は加工出しで加工工場にも行き、リネンウールの加工出し、テキスタイルマルシェに間に合うのか?途中からでも出せればと思っております。ちょっと厚地の綾織なのでアウター向けですね。
2014年12月05日
ようやく、細番手の縦糸に糊がつき上がってきた。仕事は手一杯になって、それは林与だけのことではなく、どこもが手一杯。仕事があって仕事ができない。これは日本の構造的な問題であろう。

今日もある工場さんと電話で話をしたが、町工場というのは一つの専門的な部分しか知らないという限界を強調された。でも、最終的な生地という話になると、生地をつくるものが自分がつくりたい生地がつくれる環境にないとなると難しい。間に人がはいるといろんな制約が増えるのは今までも経験済みで、注文を下さるお客さんにしてもそうだし、逆に、弊社が仕事をしてもらう場合も同じ。値段のことが大事な方が多いと思うが、それも話できずに商売の話をするというのもナンセンスでしかない。

他人の力の下で加減しながらのものづくりが続くと、それがいつのまにか自分のものづくりのスタイルになり、ほかの人のものづくりに追い越されてしまうのは必然であろう。今、世界を見渡せば繊維の世界で日本のプロは出来ないが増えすぎてきている。とくに、新しいものをつくるとかが減って、真似して似たようなものをつくるばかりに。

産業の高度化というが高度化しすぎると、「寸借詐欺」「振込詐欺」「泥棒」とかにたどり着くだろう。自分で育てるということが大事で、生産するということもお金ではなく本質的な冨と幸せを人類にもたらすものだと思える。繊維というのは非常にまともで悪い仕事ではないと常々思うのだ。儲け主義に偏ると働かないで稼ごうとするから、そんなんを理想にしていたら末期は近くなると思う。
2014年11月30日
以前から約束を入れておいてくださった西脇のデザイナーさん、機屋さんがお越し下さいました。地場産業系の機を動かされている機屋さんというのはみなさん、苦労されていると思います。というのも、林与にしても、新しい何かをしないといけないと動いているのは、今のままでは駄目だと思っているからです。

みなさんのヒントになればと思って、社長になってから、この7年ほどにやってきたことなどの一部をお話いたしました。林与のような小さな会社がやってきたことなので、同じような規模の会社さんにとってはよいヒントになるだろうと思うのです。成功話ではないのです。経験談や失敗談のような話のほうが多いです。実際に経験してきたことなので、こうやったらうまくいくというような話ではなく、さまざまなあたらしい経験をしてみるような姿勢で仕事をしているつもりで、新しいことを実際にやってみているみたいな。

結局、人に頼って成功があるのではなく、成功しなくても、まずは自分が経験や失敗を積むということが仕事だと思うのです。実際の作業を自分で出来る人は強く、そういう作業を誰もが出来るものではないでしょう。日本の今の現場なんて昔の恵まれた時代とくらべると経験を積めるチャンスすら少ないともいえます。というのは、昔はたくさんの人がいてたくさん、いろいろなものが流れていたので、普通にしていればいろいろな経験を積めたでしょう。今は、仕事をしていても流れているものの質と量が普通にしていると非常に少なく、また、一つの仕事をするのに非常に時間が掛かります。結局、自分でやらんとなあと思うのです。

来られた皆さんの中に、一人、昨年シャトル織機を一台いれられたとかで、普通のものを織るのが難しいという経験をいわれて、まさにそうでしょう、と思います。何万メートルの布が正しく海外で織られて入ってくるのに、日本で普通のものを正しく織るのが難しいということに取り組む。そんな逆行するようなあたりが面白いなあと思う。
2014年11月27日
今日は2日目、今日は、弊社のすでにお取引のお客様が何件か来てくださったのと、そのほか、今までネットで買ってくださったお客様が何件か会いに着てくださいました。

ハーベスト展というのは、天然素材展で、出展企業の得意とするものが異なっております。シルク、ウール、麻、綿、パイル、草木染、オーガニックコットンなど。求めておられる商品にたどり着けない場合もあるかも知れないですが、求めておられる知識にたどり着かれる可能性はあろうかと思うのです。

私自身も、麻で出展をしておりますが、私の会社で完結するものではありませんし、ニーズにも対応できない部分もあるので、足りない部分は、私の知っている同業他業者さんがたぶん、お持ちですよ、とか、やってられますよ、とかご紹介させていただいたり。ハーベスト展に来られるみなさんというのは、こだわりを持たれたお客さんが多いので、弊社でなくてもよいので、そのこだわりにたどり着いていただきたい気分です。

今回、面白いなあと思ったのは、青野パイルさんの出されていた、ベースはコットンで、リネンパイルのシール加工した素材。リネンなのに毛皮みたいで、同様の綿のタイプとちょっと違う。綿のを昨年みて驚きましたが、リネンでできないかと尋ねてみたのが、今年、みることができました。さすが、青野さん、武道家。やるときはやる男。
2014年11月26日
なんとか早朝、東京に到着。一人でスーツケース2個。自分のスタイルって、変だと思うけど貫くのもいいんじゃないだろうか。スーツケース2個を持ち歩くって、不便だけどそれほどのことも無い気もする。自分でものごとをやるときには自分の感覚が大事で、自分が違ったことしたかったら比較はなし。

本田宗一郎の話で、外国のお客さんが料理屋のトイレに入れ歯を落とされたそうで、お客さんがその入れ歯をはめて食事をしたがらず、本田宗一郎が自分がはめてみて大丈夫とやって、お客さんのはずかしいを消し去って、食事もみんなで食べることができたということ。

こういうのって仕事でも大事で、出来ない人っていうのは自分の経験したことのないことはやらない。簡単な織機の調整でもそうだが、だれか専門の人がいて自分を助けてくれると思い込んでしまっている。汚れるのも仕事で、手で油をさわって手を汚してが普通にできないと普通のことが普通に思えない。

知識だけの人というのは好きじゃなく、知っていることで満足してしまう。こんなことがと思うことでも、実際にやってみると普通にできない理由があって、そういう理由に気がつくのが大事なのだ。できないものをできるようにするには、できない人をできる人にするというあたり。

できることでもやらない人って多いもので、そういうのが地場産業が食べていけない一番の原因だろうと思えたりする。こんなこと書いていると出来ない学生の口だけに聞こえてしまう。書いているよりも、目の前のことを一つ一つ形にしていくそれが大事。
2014年11月25日
今日は、午後から大阪でテキスタイルマルシェの説明会。そのため、朝のうちにドッタンバッタンと仕事をつめて、午後1時半の電車になんとか間に合った。今日の夜、出発で、明日は東京恵比寿でのハーベスト展。

休みが明けて、加工出し、検査出し、そのほか、外との調整ごとがたくさんある。不景気であるといいながらも、仕事なんて本当にたくさんあるもので、仕事を選んでいるから仕事がないのだろうと思うところがある。仕事を選ぶというのは、何をつくるかということではなく、会社の中でものをつくる会社がものをつくる一つの作業が自分の仕事だと思っていると、ほかの人が片手間にその仕事取っちゃって仕事がなくなる。

いろんな作業をこなしてこそ、人の能力が生きる先進国でのものづくりなのであって、装置産業的なラインでの生産は製造コストの安い新興国へのシフトが進む。特に繊維産業はその顕著たるもの。

よいモノづくりをしている優良な企業が、優良な環境を得た瞬間にものづくりが中から崩れ始めるということも、日本のものづくりの衰退の原因だろうと思う。自分が食べていけるだけの仕事をこなせるのかどうかというところがまずスタートラインという当たり前の前提すらもがないことが正しいことなのかどうか。

昔、墨染めで有名だった会社が潰れたのも、墨染めブームで沸いた、その2年ほどあと。つくれば売れるみたいな状況を経験した企業というものは、つくっても売れない時代を乗り越えるには、中からの改革が必要。

また、売れないものにしても、それを扱う人次第で売れるということも多い。それがものづくりが物に終わらないところなのだ。買う人は売る人の人格も商品の価値に含めて買うからだろう。ものづくりのアイデアはいくらでもあっても、それを実行してくれる人を捜しているケースが多い。自分自身が実行する立場に近づいていかないと流れるだけになり駄目だろうなあと思う。
2014年11月24日
輸出に際して問題になるのが相手の対応。大手のイタリアメーカーから依頼があったときもサンプルが何度も届かない問題があったが、相手が対応しないとその国ではものが動かないのだ。中国なども同じだったりする。

日本の場合には、繊維製品に関してはほとんど無条件で物が届くように取り計らわれるが、イタリアや中国の場合には、相手がいくら大きくても、相手が通関に協力しないことにはものが入らないことが多い。送る方法が違えば届かないということもある。

こういうのが見えない関税障壁であったりもするもの。以前、中国に着分として送った生地などもEMSだと届かず、FEDEXだと大丈夫ということ。年商、何十億円の企業がやっても駄目なので、より小さなアイテム向けには不着の確立は高くなる。ましてや、日本から輸入したことのない相手だとリスクは高いものだ。

受け取る側の能力が要求されるというあたり、税金を払わないといけないとかの問題もあるので、イタリア企業がよく要求する税金込みの値段を出してほしいとかとなると、こちらが納税の作業リスクを背負うことになる。相手国にそういう処理をできる事務所がないと駄目なのだ。中国の場合は貿易権を持っているかいないかで、本生産の受け取りができるかできないかが決まってくるので、大手アパレルでも貿易権がない場合には、業者を間に挟んで処理をする。

海外に生地をうるのは、つくればそれで売れるという簡単な問題ではないと感じる。まず、相手からの代金回収が可能かどうか、作る前に支払ってもらえるのか、送る前に支払ってもらえるのか、送った後に支払ってもらえるのか。また、だれが本当に相手の責任者なのかと言う問題もある。特に、現地の商社が間に入る場合に、商社にしても話を進めたがるが、実際にクライアントからお金が入らないとお金を払わないものだ。ここがややこしい。

話をしている相手がお金を払う人でない場合に、ものや企画が先に動く形で、話を進めようとする。海外と取引をするときには、生産前に全額を払えるところでないと、途中で背生産量の変更やキャンセルということも十分にありえる。契約書なんてあろうが、そういう相手というのは払う用意のないものは払わないと聞く。

量を想定して低めに値段だけ決めて、戻れない状態で最後の最後に生産量を減らすとか常習犯な業者も多いので注意。国内でも引き取らないのは繊維の業界では大手の商社系がよくやる手法だったりして、商社自身に信用がないというのは商社としての存在意味すらもなくしてしまう。
2014年11月22日
今日は、縦繋ぎやったり整経のための糸を割ったりもろもろの作業、昨日壊れた織機も元気に動いて晴れ晴れした気分。海外からのオーダーのストールも順調に織りを進めることができ、その横ではキッチンクロスのライトブルーが染まりあがって整経も済んで、縦繋ぎ。

入り口の台とその向かいの台では、それぞれ別のオーガニックの生地。これからの急ぎが、リネンの100番手素材。納期が迫ってきて、整経の段階で糊付けの終わった糸をなるべく使い切ろうという計画で、糸の割りなおしを行う。ジャガードの注文も年内を目標。

そのほか、本麻の注文も急ぎで横糸が染まるのを待つ。あと、ストールも本生産が3マーク分、10数本繋いで織っての話。見本も二つ予定、これも量産に進む方向で、糸の確保などを固める。プリントの案件と後染め用の案件もいただいていて、P下の生地を生産始めないとならない。

本生産の時期そのもので1月中くらいまでの織る仕事が埋まり始め、一番のネックは、糸の染めの問題ながらも、予期していたわけではないものの、先染のウェイトをかなり落としているので、なんとか凌げそう。でも、今日もFAXで先染の追加のお話。これも染糸を調べてみると染めないとならない話。

仕事というのは納期が求められるが、実際に注文が入っていない状態で納期の算定をすることが非常に難しいものだ。卵と鶏鳥の話に似ていて、注文するなら生産の計画に入れるので納期が見えるけども、注文の入っていない状態で納期を約束すると実際に注文が入ってきたときにオーバーブッキングしてしまうことになりかねない。

仕事を受けるために、糸の確保、染めの納期、加工の納期が、織物を織る以外に納期を出すのに必要で、「納期いつ?」と聞かれるだけで、いったいどれだけの注文が入るのか入らないのか判らないままに、各方面に問い合わせる。納期を聞かれても実際に注文が入るのが遅くなると、納期の計算もまったく違ってくる。年末年始の2週間はものが動かない2週間と考えたほうがよい。
2014年11月21日
シャトル織機のドビーのロッドが消耗して壊れた。一日にというか、1m織るのにも何千回も何十キロの力が掛かった状態で前後して、鋳物と鋳物が擦れ合う。油が少し切れた感じで動いていたがために、そこが消耗して壊れた。

先端が虫眼鏡のようになったロッドバーは、織機特有の部品なのでどこかで簡単に手に入るというわけではない。仕方なく、使っていない織機から部品を外して交換することに。交換は1時間ほどで完了したけども、シャトル織機が長持ちしないのもこういうのが大きな原因だろう。

ドビーのフィルムカードなどを作るときにもなぜ、2本がワンセットになっているのかなどの不思議もこういうところに答えがあったりするのだろう。ペックやドビーのカードを動かさなくても平の織物が織れるように、2本でワンセットになっているのだと思う。

織機の部品の交換をすると、手が油で真っ黒になる。そういうのを嫌がっていては、1cmもまともなものは織れないのがこの仕事。汚れる仕事を嫌がるくらいだと、試行錯誤して問題を解決するという次のステップにはたどり着きにくい。

私自身は、50年以上前の織機が当たり前に現役で動くというのに感銘を受ける。織機というのは、古い織機でもすでに出来上がったものがあるのだから、幸せである。昔の人は一から織物を作ったものだ。
2014年11月20日
いろんな意味で、昔、百万円したものが今は無料みたいなことはあるもので、その一例が、マイクロソフトが販売するVISUAL STUDIOという開発環境。今は、小規模の企業なら、正規のものを無料でダウンロードできて開発に使える。

昔、WINDOWS2000の頃につくった、織物シュミレーションプログラムをXP用に書き直そうと思いつつ、それがまた現実に向かいそう。今時、一からソフトウェアをつくろうなんてケースは稀になりつつあるけども、自分が、織物を作るときにこんなソフトがほしいと思うものを自分でつくれたら一番便利だ。

もともと、WINDOWS用の出る前に、コマンドラインでプログラムを走らせるタイプのコンピュータでシュミレーションソフトを作ったのが始まりで、一つのシュミレーションが出来上がるまでに、10分ほど待たされたり。それでも自分が自分で使いたいソフトをつくってミルというのは夢があったと思う。

こういうのって織物を自分でつくるのと似ていて、プログラマーも織物を作る作業も同じだと思ったりしたものだ。
2014年11月16日
オーガニックリネンを扱っているとオーガニックやなあと思うことがほとんどないながらも稀にある。オーガニックリネンもノーマルのリネンと同じくらいにクオリティコントロールがなされているのだろうと思えるところ。でも、オーガニックらしいところも時折みかけたりするのだ。

たとえば、通常の糸よりも強いスラブや、糸むら感、色むらの出現など、これはどうしたらよいものなのかと思うくらいに、急にそれが出てくる。普通の反物なら欠点としてバロックを打つのだが、オーガニックリネンという理解の元、そういうのはある程度は許容範囲とする。

オーガニックリネンが出回ることが少ないのは、リネンの紡績会社も、オーガニックリネン専用の紡績工場をもたなければ、国際認証が取れないようなあたりだろうといえる。一般のリネンをつくるラインでは、オーガニックリネンはつくることが出来ない。これは紡績にお湯を必要とするリネンの場合には、綿と違って非常に厳しい問題となるであろう。

オーガニックリネンなのだが一般には、強い繊維がないので難しいといわれるが、織っているときの糸の硬さというのは通常の糸よりも硬く強い気がする。それでいて、織ったあとに水を通るとふっくらとなるような気がする。いつも糸を触っているので、そういうのが違和感に思え、違いがある気がするのだ。

糸を扱っている人も違うのだろうなあと思うのは、チュニジア産のオーガニックの糸の巻きが汚れていたりすることがある。一般の糸では箱から出してビニールを取った時に糸が汚れているようなことはほぼゼロ。まだまだ、チュニジアの工場、糸を扱う作業に慣れていない人が働いているようだ。そんなのもオーガニックらしいではないかと思いながら、汚れている外側の糸を取り除く。
2014年11月15日
今日は検反をする。林与自身が一杯仕事があるのは、いろんな仕事をできるからというだけのこと。ひとつの仕事しか出来ない人というのは、技術的にも弱いことが多い。仕事が溢れていても、自分の仕事ではないと思うのだろうが、その仕事をしている人にしてもほかに自分の仕事をもっている中でその仕事をこなす。

いろいろな工程が見えると専門度も増すのだが、手伝ってあげてる感覚のおっちゃんおばちゃん仕事になってしまうと、技術や作業にしても高度なところには行きにくい。ましてや、そのような状態だとデザインとか売れるものをつくるとか、お客さんの存在などの意識はなくなってしまうもの。

出来る人というのは新しいことでもいろいろなことを出来ようとして作業をしてきた人なので、その仕事が新しくても今までの経験で飲み込みも早い。仕事慣れしていない人というのは、新しいことの飲み込みも遅く、最初のペースが遅いと長い時間やっても、普通のスピードにまで達することは困難であることも多いものだ。

日本よりも海外のほうが器用にものをつくれるというのがここ数年も加速したように思う。取り戻すことは難しいだろうと思えるのだ。個人の気持ちの問題でなく、働いて仕事することが悪いことのような社会になりつつある。大人よりも子供のほうが作業が上手というのも今の日本。機械任せで作業が進んだことで、機械化されると本来だと、織ることの負担が減った分、機械を調整するなど高度な仕事も取り込んでいかないとならないのだが…。
2014年11月14日
9月末決算なので、毎年、11月末までに決算書の作成が必要。今、その時期。今朝は、公認会計士の先生がお越し下さり、会社の決算書の作成を指導下さる。

小さな会社にとって決算書を作成するために帳簿やいろいろな書類を準備するのは、本業と同じくらいに負担の掛かる仕事。私も、9月末に調べた在庫を、コンピュータに入力するだけで、朝から夕方前まで掛かってしまった。

途中、たくさんのお電話をいただいて中断しながら焦りながらも、何とか、夕方には決算書の雛形が出来上がった状態。ひと安心。
2014年11月13日
海外の展示会に出展を行っているので、海外とのメールのやり取りも多い。海外とのやり取りで一番の問題は、話が進んでいても実際に生地を買えるのかどうかというところ。注文があるなしよりも、実際にその対価が準備できるのかというところが大事だったり、また、海外取引においては、発送は完了しても、受け取り側の準備が十分でないと商品が届かないというケースも起こりうる。

イタリアの大手のメーカーとのやり取りでも、イタリアの通関には相手のアクションが必要なのに、相手がアクションを起こさないことで、通関できないというケースがあり、相手がデザイナーや生地開発の人だと通関の意味が分かっていなかったりする。それはその人の限界を超えてしまう世界で、その人が会社のほかの人の力を使うなりして受け取る力を持たなければ、商品は通関できずに止まって、送った側の問題にされたりすると大変であり、相手の能力を見極めるのは大事。相手の大小ではなく、そういう壁を普通に乗り越えていけるような相手と一つ一つ取引していくことが大事で、そういう壁を一緒に乗り越えられる相手との取引はやりがいがある。そういう相手の方は生地も大事に使ってくれるもので、使いたいから使ってくれるという安心感がある。
2014年11月12日
今日は、半徹夜モードで、朝。今日は縫製の必要な納品の予定で、夜ぎりぎりの出荷に間に合うかどうか微妙なところで、張り詰めて仕事。そんな中、今日は、海外から届いた1トンの糸が会社に届く日で朝電話があった。

運送会社が、4トンなので道が入れず会社まで荷物を持ってこられないということ。近くのどこかで軽トラで引渡しをいうが、軽トラで2回に分けてすると、待機料金が別途必要という。運送会社が持ってこられない分手伝ってとりにいくのに、10分、15分ほどのことで、待機料金が必要というのも馬鹿な話だが、そんなもの。話を続けるのも面倒なので友達の会社の場所をお借りして引渡ししてもらうことに。

結局2トン車で持ってきたのでそれなら会社まで配達できたんじゃあないかと思うし、借りる必要もなかったが、結果論なのだろうか。待機料金を払ったら4トンで持ってきただろうけど、払わなかったので経済的な2トンで持ってきたのだろうか。4トンで持ってくる前提で、待機料金の話なんかもしていたので4トンで持ってきてほしかった。運送会社の話の信憑性というものを運送会社が自分自身で否定するようなケース。

途中、夕方、彦根に納品の案件。夜7時の便で、反物を巻いて佐川出荷の案件。課題だった縫製の案件もなんとか夜10時半の栗東の発送締切に間に合って、今日はたくさん仕事ができた幸せである。
2014年11月06日
2日間で終わるPTJ。短いようではあるが、林与にとっては十分に濃いお話が多く、具体的に進める案件もいくつか新たに始まった。以前、お取引の有った韓国のブランドさんが、今回日本にお越しで最初お話したときには知らずにお話していて、後で名刺をいただいて、以前、お取引いただいたことを思い出す。今回もストールの注文を入れていただいて、韓国でも近江上布柄のストールが流れはじめそう。

この展示会の会期中も、日本でも展開されているスペインの大手アパレルメーカーとイタリアの大手プリントメーカーからの近江上布柄のサンプルに関するお問い合わせなどもいただいて、インターナショナルな展開が始まればという期待はある。来年に向けてはまた新しい柄にも取り組みたい。

オリジナルの近江上布に関しては、触って、硬いと思われる方が多く、洗えばやわらかくなるのかということを尋ねられることが多い。着物の近江上布というのはこんなもので、仕上げに糊を使って硬く仕上げてあるのだということも説明する。また、高級感や光沢感を出すためにも表面の毛羽を押える必要はあり、パリッとしているくらいがよかったろうといえる。生機ですかと問われる場合もあるけれども、生機は案外ペッタンコで、仕上がったものよりも柔らかいともいえ、無理と硬く仕上げていたりしたものだった。

現代のアパレルの世界において硬いものを受け入れることはなかなか難しいだろうといえるのは、特にエアコンの普及。麻は汗を吸って急速に体に馴染むものなのだが、エアコンの中では硬い風合いのものは硬く、シカシカと感じる。使い込むことで、その風合いは柔らかくなるので、ハリスツイードほどではないが、息の長い使い方が求められる。まあ、近江上布絣にしても一生モノであることが前提の高級品だった。

人が詰め込んだ精魂というのが布からは伝わり、そこからはほのぼのとしたものではなく、厳しさを感じることができるものだ。こういう布を再現することに憧れても、本来そういう布が生まれた背景があってこそ、ここまでのものがつくられたということがあろうかといえる。私が近江上布を見るときに感じるのは力なのである。
2014年11月05日
今日は初日、朝からアポイントを取ってもらっているお客さんなども何件かあって含ですが、落ち着いた状態で順番にお客様がブースにお越し下さる様子で、大きなパニックにもならず、夕方6時まで順番にじっくりとお話させていただけた感じではなかったかと思います。

今回は時間がなくてジャパンクリエーションの会場を回ることはできなかったのですが、海外からの出展企業が増えジャパンクリエーションはかなり国際色が出てきたようです。PTJの会場も流れは多く、弊社の場所もジャパンクリエーションとプレミアムテキスタイルジャパンの移動口辺りにあったのですが、新しいお客様との出会いも多くありました。

円安の今のタイミングでは日本の業者が海外の生地に手を出すのは難しくなってきていると思うので、海外からの出展者の数が増えるのは不思議に思うのですが、円安によって、国内勢は国内需要が返り咲いて賑わいを見せてきているように思ったりもします。

それでも、どこの皆さんもおっしゃるのが輸入原料が高くなりすぎてみたいな話。リネンの場合は高くてもよい原料が手に入らないような状況が続いているので、頭の痛い話であったりもします。







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