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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
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2016年03月08日
オーガニックの糸はやはりリネンにしてもラミーにしても癖がある。それが本物の証なのだろうが、今、織っているオーガニックラミーは、昨年の最初の試織で、織機を4回載せ替えるなど横糸の打ち切れの問題で苦戦した。その理由がわかったのは今日。

本生産にしても苦戦するだろうと予想をして台数を増やして納期対応したが、予想に反していい感じに織れて驚くほど、最後に一番織り易いだろう白を残した。ところが、染糸を白に交換した途端にあの去年の悪夢が再来。片側の耳が縦の綿の耳糸に負けて打ち切れを起こす。回転数を落としても駄目で結論からいうとオーガニックラミーは、耳が締まるシャトルで織るのには糸の強度の面で白は向かないということだろう。

試織をして苦戦したのも、色糸が染まってくるまでに、白を織っていたからということで、織機や織機の調整に問題があったわけではなく、織れない謎が解けたような気分である。しかし、今から白を問題なく織らないとならない状況で、何台か掛けているどれかの織機で織ることができるのかできないか試してみるしかないだろう。

染めた糸のほうが強いというのは不思議に思える。反応染料の結合が糸を強くしている可能性もあるだろうが、薄い色でも染めてあるだけで全然違うことからすると、糸の状態で100度近い温度でラミーの毛羽などが複雑に絡んでオイリングでしなやかになって、伸度が増して強度が増しているのじゃないだろうか。
2016年03月07日
昨日の晩は、となり組の会で、恒例のすきやき。本来だとお酒を飲む人ばかりなのが、田舎の集まりなのだが、私が46で、54歳の方のほかは60、70代で、皆さん、あんまりお酒は飲まなくなっておられる。東円堂も変わってきたように思う部分である。

興味深かった話は、川のこと。不飲川(のまずがわ)というのがあって、それは、愛知川地域を流れる川だと思っていたが、東円堂の端のあたりに湧いているところがあってそこが始まりということ。その下流一体というのは沼地化してしまうことが多く、8号線ができるまでは、ただでも貰い手がなかったといわれるような場所だったという。それが今は一等地になったということ。

東円堂という集落が恵まれていたかというと、水害との戦いであったようだ。大川と呼ばれる、林与の隣の家の東側を流れる川が氾濫をすると、道が川になったということ。伊勢湾台風のときに、林与が3歳で、道一面に水があって道のとなりの水路が認識できない状況で、道が川という普通とは違う光景に三輪車で楽しそうに走り出して、道の角っこで、川幅30cmほどの大月川に落っこちて溺れて人生終わりかけたのもなんとなく覚えている。道一面が雪のようなイメージだった。

そういう川の水も昔はもっときれいで、戦後のころは、その川の水を汲んで、五右衛門風呂をしていたそうで、けっこう大変だなあという印象。もらい風呂の風習もあったそうで、子供のない家には家を持ちに縁組が行われたことや、兄弟が姉妹とそれぞれ結婚したとか、たかだか100年もさかのぼれば、生きていくこと自体が近所の助け合いでなりたってて、そういうのが集落の結束を高めてきたともいえる。
2016年03月06日
すいません、ご発送の遅れならびに、いくつか漏れてしまっている件が発覚しまして、現在、すべてのご発送状況を確認中です。

昨日リネン糸のご発送の件でメールをいただきましたお客様、申し訳ありませんが、メールを読ませていただいて再度メールを開いてそのあと再度メールを確認しようとしましたが、メールが見当たらないような、不思議な状況にあります。

リネン糸届きません、という内容でメールいただきました。申し訳ございません。再度、メールいただけますでしょうか。受信トレイ、迷惑メール、削除したメールなども探しておりますが、見つけることができず、お手数ですが再度、ご連絡いただけますと幸いです。できましたら、ウェブのお問い合わせからご連絡いただけますでしょうか。

よろしくお願いいたします。
2016年03月05日
私も仕事を始めたときに、勉強と仕事の違うのは、仕事の場合には、記憶しなくてもよく、記録すればよいということ。仕事って勉強と比べると簡単なのだ。そして記録したものを調べればよいのだ。でも、田舎の年配の人というのは、総じて記録を取るのが上手じゃなくって、農業感覚でアバウトに仕事している人が多い。仕事も同じ定番のものが流れているだけだとそれでよいのだが、新しいものをつくるとかなると厳しいのだ。

専門学校の先生の紹介で、卒業された方が林与で働き始めてもらっているが、先生の紹介だけにとくに優秀なのだろうが、初めてでもわからないとかできないがほとんどないのがありがたい。織り子さんや職人にありがちな限界がないのが高度なものをやっていこうとするときに助かる。

よくいわれるのが、日本でのものづくりの理想は高度なものをつくることなのだが、毎日ご飯を食べるように高度な織物が出来上がってこないと、今の日本では織物を続けることは無塚しいだろう。あるいは、生産性重視で、国際競争に勝てるくらいに品質の安定したものを大量に生産するか。前者の場合には、機械よりも人の力が必要で、後者の場合には日本だと人を減らして設備が大事でとにかく設備を動かし続けることで勝敗が決まり、いつかはコストの面で海外生産の流れに向かう。

国産を謳われていたデニムの会社が中国生産に移行されるのも。その客さんである大手SPAが日本の大手生地メーカーのどこもの主たる需要先なので、縫製工場までもが海外なので国産ではほぼ無理だろうという結論。これは自動車だと国産へのこだわりを謳っていたトヨタがいつのまにか海外生産に移行しているのと同じで、規模が大きいと値段が通らないので仕方ない流れなのだろう。縫製が海外に移行して国産生地を使うというのも難しい話なのであろうとつくづく思える。

先日の取材でも話をしていたのだが、林与にしても綱渡りが奇跡的になんとか続いているだけのことで、奇跡を呼び寄せるために努力や失敗を重ねている部分が、実際には一番大事なのだろうと思える。というのも、結局はリスクから逃げないで経験をどこまで積むのかが商売の基本だろうと、これは外部にリスクを分散するジャストインタイム思想とは正反対の本当の意味での日本的なものづくりシステムだろうと思える。自分がリスク被って仕事しようとする考え方自体が日本的でいわゆる職人的で、日本の商売の基本だろう。

ある会合の講師が、トヨタ流の人が近江商人の三方善を持ち出しておられたが、哲学がまったく整合しとらんとおもえるばかりで、そういう講師の先生を生み出してしまう風見鶏的な結果至上主義というのも経営の哲学がなさ過ぎて情けない話だなあと思える。
2016年03月04日
昨晩は、朝まで掛かって、しが新事業応援ファンド2次審査のパワーポイント資料作成。今日は朝一番に大阪に納品。お昼過ぎから、東京から日経PBの記者とカメラマンの方が起こしになられ取材を受ける。話がクラウドファンディングの話から、途中で大幅に脱線して、林与の機屋珍道中みたいな流れ。

ファンドの担当者によるプレゼン資料の添削が帰ってきて、私が作成した文字だらけのパワーポイントが、すっきりとキーワードとポイントを押えていい感じに、流石です。林与は2次審査は上海の展示会と重なって出席できず、姉が代役としてプレゼンを行う。当初は、まったく、想像もしていない流れなのだが、なんとかなるだろうしなんとかならんでも。

今回、しが新事業応援ファンドで出した内容は、林与の近江上布アーカイブを広い幅で横絣織物で再現するというもので、プレゼン資料の中の事業目的も、「麻織物作らせたら林与には敵わんなあ・・・と思ってもらう」だったりする。自分で作ってなんじゃそれはなのだが、やる中身は大真面目なプロジェクトで、国際的な舞台にもっていっても、日本の布の力を感じてもらえるような布の世界を生み出したいと考えている。私が近江上布みて感じるのが与一じいさんには敵わんなあなので、まず、その域に到達したい。

もっと落ち着いて上品にものづくりをしないと駄目なのだろうが、所詮機屋、どったんばったんの中で、自分の手と目と足と他の感覚を使っていろんな経験を積みながら、結果としてできあがるものって自分が作った実感があってよいんだろうと思える。
2016年03月03日
今日は、ドラッグストアーで買ったやきそば調理して食べたら急に、運動もしていないのに、午後3時くらいに持病の運動誘発性小麦アナキフィラシーが発症。お風呂に入って1時間で回復するも、昨日はたっぷりと寝て体力もある状態アレルギーが起こるとは、食べ物の原料が単なる小麦というだけでなく、小麦の種類によるのではなかろうかと思える。

セブンイレブンのコンビニのサンドイッチは食べて運動してもアナキフィラシーは起こらないのに、上海のコンビニのサンドイッチではアナキフィラシーが起こった。丸亀製麺のうどんとかマクドナルドのパンズはなぜか歩くだけでもアナキフィラシー起こりがちである。

今の小麦は昔の小麦と違って遺伝子組み換え版が多いらしいから、それが影響しているのかもと思える。国産だと比較的大丈夫なように思えるが、丸亀製麺のうどんは国産原料を謳っているのにアレルギー反応が出てしまうのは、産地ではなく小麦の品種など別の問題だろうか。

小麦でも何がだめで何が大丈夫なのかその理由を知りたい。
2016年02月29日
2月29日の誕生日の人は、4年に1回しか誕生日がない。この一日があることで、今年の2月の倒産件数などは例年よりも少なくなるだろう。なぜ、2月が短いかは、もともと、太陽暦というのも農業のシーズンと連動していて3月から始まって12月までだった。農業閑散期のカウントしない期間が月として1月と2月に割り当てられた。
2016年02月28日
今日も朝まで工場で社員が来るまで織機を動かす。急ぎの仕事で昼間動かすと色々と他の問題の発生などの面倒を見る必要があるので、一人夜中動かす。

朝、家に戻ると玄関を開けた途端に中からイタチが飛び出してきた。玄関の下に通気孔の穴が10cm×30cmほど開いていてそこから留守のときに出入りしているようだ。以前から穴が開いているのを塞がないといけないとと思っていたが、母親が穴が開いてないとの一点張りで、実際に確認するとやはり逃げ込んだ玄関の下には穴が開いていた。

被害が何かというと私が食べようと作って残ったシュウマイ10個。このシュウマイは横浜名物の赤いパックのよく見かけるシュウマイなのだが、普通に蒸し器でシュウマイをつくるのが苦手で、フライパンに水とだし汁を入れて普通よりもおいしく仕上げてあるのでイタチが食べたい気持ちもよくわかる。

それと、イタチが玄関の履き物に触れたようで、イタチの臭いが履き物について、それを知らずに履いたらイタチの臭いが足のかかとについて、工場に戻って仕事してもイタチの臭いが気になって、朝からお風呂にはいって、履き物を洗濯機で洗って。言われている通りに、イタチが臭い生き物だと言うことは今回の体験でよくわかった。

他の人が言っていたが、家に侵入したイタチが食べ物がないと、腹いせに強烈な臭いの糞をして去るという。それが本当に腹いせだったらイタチとう言うのはすごい神経をしているとおもうが、たぶん、食べ物がない場所という印で、次にそこに入っても臭いがすればそこを探しても無駄ということ。一方、食べ物があると糞をしないのはイタチは自分の糞の臭いがする食べ物を食べたくないからじゃないだろうか。本能だろうか、自然の摂理か、結果、案外デリケートなところもあるのも感じる。

イタチには悪いが穴を閉じよう。


2016年02月25日
着尺の件で、改善方法がないものかと午後から加工工場に反物を持ち込んで相談。相談する前に、反物の物性を自分なりに分析して、改善方法としてよいと思っていた方法がマイナスの結果になる可能性が高い。加工工場で加工方法の説明を受けて、どうすればベストなのかを検討。やはり詳細が分かればいろんな意味が見えてくるものだ。

しかし、一回で新しいことを行うというのはリスクが非常に高く、検証作業が本来は絶対に必要。だが、いろんな制約が存在していて、そういう作業を正しくしようとしても正しくできないことも多い。また、短いテストだと優位性を持たないこともありえる。

織物を作るときに織るまではなんとかできてもその先のことを煮詰めるのはその織物に応じて完成のところにまでたどり着くための経験が必要となってくる。今回は幅の問題がひとつのネックで一番最初の縦糸の本数からもが制約を受けてくる。

幅というのも入れたり引っ張って合わせることはできるが、無理をすればその反動が悪い物性として帰ってくるので、あまり、生地に無理をさせないようにしないとならないので、本来は、幅というものは自然な仕上がり幅であるというのが一番理想。そうするといくら計算をしていても、麻の生地なんて毎回多少の前後が出てきてしまう。

2016年02月24日
今日は岩間シャトル4号台の問題の解決。3番のシャトルから1番のシャトルに変わるときにシャトルがうまく交換ができない。問題は何かというと、杼箱が勢いよく落ちすぎて、1番のシャトルじゃなくってシャトルの入っている杼箱の上を叩いてしまってみたいな状態。

シャトルの杼箱を固定する板羽根の強さが弱いからだろうという想定で、そこを調節して、ヒガエが問題なくできるように。原因が特定でき間違ったところを調整しなくて本当に良かった。調子が悪いので、機自体を別の織機に載せ替えしようと考えていたところで、結局、大きな時間の節約になったし、正しい原因が究明できて良かった。

一方で、ドビーカードが破損して、キズが発生している。ドビーカードの作り直し作業なのだが、平織のヒガエタイプの3000本近く、私がやっても1時間くらいかかる作成作業。他の案件でも解決しないとならない問題が多く、ちょっとしたことが正しくないとかが命取りで時間がどんどんと足りなくなる。

夜11時、今日の出荷が終わると、なぜか雪がちらついている。これから朝までもう一仕事。
2016年02月23日
昨日、今日とメディアの取材の話で、雑誌とテレビ。本来ならありがたい話なのであるが、今の忙しすぎる状況では丁重に辞退させていただく旨をお願いする。ミラノウニカの匠のコーナーの撮影でも林与にとっては大パニックで、逆に林与の取材のみなさんへの対応が遅れ気味でご迷惑を掛けてしまうことが多い。

普通の会社と違っていろんなものが処分せずにありすぎて、生地生地生地だらけだったりする。そんな会社はないだろうと思うが、林与の事務所も生地で溢れている。みんなはそれを在庫がこんなにあるというが、それは端反でサンプルであるのだが、どれもにお金だけでなく時間も手間も使っているので、気軽に譲ったり捨てたりできるものではない。

片付けてしまうとお客さまが来られたときに対応ができなくなる。良い方法があればよいのだが、ヨーロッパの会社のように、小さなカラーチップにして、生地を配れるようにする方法もあろうが、色無地中心の会社の方法だと思う。やっぱり、枡見本のような大きな贅沢なものをみて布の力を感じてもらいたいと思うのだ。
2016年02月19日
食品とかは産地偽装などがよく問題視される。産地が違うだけで2割3割相場が異なるのが当たり前だったりして、最近もテレビニュースで、ブロイラーの普通の鶏肉を産地さんに見せかけて販売した会社が話題となった。

私も地場産を謳うだけにそれなりに自社でコストを掛けたものを作って納得していただいて売りたいと思う。産地のある社長さんの親身なアドバイスで林与さんは看板があるのだから海外産の生地を上手に使って儲けるほうがよいのではないのかと、いただくが、自分自身が寝ないでも仕事して守り抜こうとするものがある世界だから意味があって、繊維なんて、生地ひとつにしても生地すらもが材料であって、生地が海外産になるなら、製品が海外産であってもよいだろうと、大手のSPAが成功されている。

大手のSPAにしても、成功されている理由は海外産であることをしっかりと謳っていられるからで、正しく動いているし、謳い正しくなければ大問題なのである。リネン日記で、フランス産という表現が正しくないのも伝わって大手SPAのフランス産の原産地表記がフランスあるいはベルギー産に変わったのも適切な道へのひとつのステップではあろうと思う。

大手SPAが一番最初に安価に売り出したリネンシャツは、オーストリア産のリネンだったが、一体どこの紡績工場だったのであろうか。まったく、ノーマークの急にわいて出たオーストリアの紡績工場産リネン、消費者の琴線に触れ爆発的に売れたようだが、今までオーストリアにリネン紡績工場が存在するというのは聞いたこともない世界である。リネンの業界なんて狭いのにそんな情報の信憑性が今も確認がが取れないのが不思議なのが大手SPAのものづくりのブラックボックスであって不思議すぎるのである。

私の情報が足りないのだろうか、オーストリアに商社やかつての紡績工場が新興国で海外生産しているくらいはいくらでも存在するだろうが、展示会などでもそんなオーストリアの紡績工場のうわさすら聞いたことがないのが不思議。2000年以降に、オーストリアにリネン紡績工場が存在するのかどうかという情報あったら教えて欲しい。いろんな展示会などにも出ているけど、オーストリアの紡績工場の存在というのは聞いたことがないのだ。アイリッシュリネンもそうだが当時、本当に不思議だったことのひとつである。
2016年02月18日
今日は、地元の高等養護学校の生徒さんたちが朝1時間ほど見学に来てくださった。高校1年生の皆さんということで、2年目からは、織物、料理、農業の3コースに分かれて勉強されるというお話。工場のなかでシャトル織機が大きな音を立てて動くのをみてもらったり、ビームを担いでもらったり、小さな工場の中でもいろんな機械などもあって新鮮だったろうと思える。意外に人気だったのが、整経機。糸が川のように流れながら巻かれていく様子を楽しそうにみてもらえた。昔の近江上布のハギレもみていただいた。

私も勉強になったのは、昔私の会社で働いていて下さった近所のいそさんがスクールサポーターをされていて、私が働く前の会社の様子を語ってくれたり、もう一人、同じく東円堂で、農業をされているくよもんさんも若いころに会社で整経の仕事をしてられたとか、林与の織物は、明治、大正、戦後の復興期に村の仕事だったようで、いそさんのお母さんが出機さんの一人で、織った反物を貰われ着物に仕立て、いそさんが母親から受けついだものとして見せて下さった。50年たっても、売り場にならべても大丈夫なくらいしっかりとしていて一生物といわれるだけあって、娘さんも含め、3代に渡って着ておられるという。それだけ大事に思ってもらえるのはすごいことだと思った。
2016年02月15日
ミラノウニカで、林与の中で、今回の一番人気は、小梅格子の柄だった。理由は、入り口付近の壁に小梅格子の柄のワンピースを掛けてPRしたことで、多くの方が目に止まったワンピースを触って実感してブースの中のハンガーなどもみてくださった。赤っぽいのはやはりイタリアで大事な気がする。フェラーリと共通する要素が小梅格子の色使いには秘められているのがイタリア人の感性にあうだろうとチョイスして配置してみたというのは冗談ながら、イタリア、フランス、イギリスのデザイナーさんの琴線をくすぐれそうな要素が、林与の近江上布の世界にはあったりする。

イタリアの雑誌コレクチオーンにピックアップいただいたのは、赤珠の柄。私が写真で撮影しようとしても、カメラがかすり柄なのでピントを合わせることができなくって、送った写真データがピントがぼけた違和感の宇宙惑星みたいな写真だったが、そんな写真をセレクト下さり載せてくださった。雑誌をみて、そんな違和感のある写真は、林与のだけだろうから、実物がどんなかみたいということで興味を示してもらえることもあるのではないかとポジティブシンキング。

ほかのイタリアの雑誌の方が興味を示され撮影された柄というのは、日本的なもので、選ばれる方の感性というものが選ばれる柄によって伝わってくる。ひっくり返せば近江上布のどの柄が好みかで、その人の過去の印象深かったイメージというものを呼び起こさせていたり、深層心理みたいなものがわかるんじゃないかと思える。選ばれる人のデザインに対する理想というものが選ばれた柄によって感じ取れる気がする。

使っている色というのはひとつの柄に4色程度で、すべての柄に使っている色の数にしても20色から30色くらいしかないだろうけど、その限られた色の中でジャパニーズモダンを作り上げている。この20色30色というのが、ジャパニーズモダンなイメージを生み出す元素みたいなものだろう。その色味が異なったなら全体の雰囲気は変わってくる。オリジナルの近江上布とインクジェットしたストールなどの色味の違いは、雰囲気の違いを生み出し、製品として存在するときのジャンルを変えてしまう。

世界でも大手の電化製品のメーカーのデザイン部門の方からミラノウニカで弊社のブースで素材をみてメールが届く、麻素材に興味をもたれたというより色柄のデザイン性の部分なんだろうなあと思える。弊社だけに問い合わせされておられるわけではないだろうが、デザインというのは生地だけの世界にとどまらないのを感じる。最終日今回の記念に取った写真をみてそれほど多くの数のものが並んでいるわけではないけど、林与の展示案外楽しそうに見えると自己満足。
2016年02月14日
林与では、織物を現場で生産に携わりながら実践的に技術修得する研修生の第一期生を3月14日まで若干名募集しています。応募資格は18歳以上で、未成年者の場合には保護者の同意が必要です。期間は2016年4月1日から2017年3月31日の1年間を一期とします。受講料や選考の手続きなどの詳細はメールにてお問い合わせ下さい。(毎期につき若干名、特待生として実質的に受講料免除になる制度もありますが一期終了後に返還される形になります。)

内容は、一年で、糸の結び方、糸の準備、チーズアップ、糸の小割、整経、経つなぎ、機つくり、機替え、カードパンチング、製織、織機の調整作業、加工出し、補修、検反作業などをマスターできます。覚える力と体力も必須になります。二年目も希望される場合には再選考がありますが、一年目の内容プラス織物企画や生産管理を含めた内容となります。三年目も希望される場合には再選考がありますが、一年目、二年目プラス自主企画などを含めた内容になります。期間中は布の生産現場にどっぷりと浸かっていただいて、林与の指導の元で、一般的な織物職人以上のプロフェッショナルかつトータルな力を身につけることを目標とします。
2016年02月13日
今日は一日空港と飛行機の中、夜に大阪に到着。ネットのご発送なども遅れておりますが、これから帰ってこの週末にできるかぎりいたしますのでよろしくお願いいたします。新しいご注文のご発想に関しましては5日程度発想までお時間いただく形になりますが、よろしくお願いいたします。
2016年02月12日
今回のイタリアは、イタリア万博会場の正面のNHホテルに滞在。地下鉄の駅周辺では一番くらいに有名なホテルなので地図も持たずに人に聞きながらホテルにはたどり着けた。ミラノウニカのミラノフィエラシティへは、歩いたり地下鉄乗って乗り換えたりしていると40分ほど、タクシーではホテルの前から乗って混んでいなければ15分ほどの距離。

メトロの駅まで歩いて15分ほどで遠いのが難点で周りになにもないが、ホテルの中は、静かで快適な空間。場所さえ市内にこだわらなければ、こういう空間も楽しめるのだなあと思え、部屋だけでなくロビーも快適でビジネスユースには悪くない。チェックアウトしてからも快適なロビーでネットしながら仕事の案件を整理。

林与らしくないのだが・・・。
2016年02月11日
今日はミラノウニカの最終日、朝ホテルのブッフェでフル充電して、タクシーで会場に向かおうとすると昨日と同じタクシー運転手。私以外はタクシーをあんまり使わないというのが良くわかる、通訳の人にミラノではタクシー使わないのですがと聞くと、交通網が発達していることとあとはタクシーにボラれるのを警戒して使わないのだと言う。

終わり間際、ジャパンパビリオンの4箇所で流されていると言う日本の匠のビデオをはじめてみて、見逃さなくってほんと良かった。ジャパンパビリオンの日本生地のプロモーションへの力の入れように驚くばかり。林与なんかはおっさんなんで表にでないほうがよかろうといつも思うのだがいい感じで編集いただいて、ジャパンパビリオンの一員として参加させていただいている恩恵を一番くらいに受けさせてもらっているのが林与なんじゃないかと思える。私自身は機屋というのは地味な存在であるべきだと思うところもあって、勘違いすると仕事の意味のわからないレベルまで落ちてしまうし、本質を忘れ損得勘定優先のチープな存在になってしまう。

ヨーロッパに来て高級ブランドさんとの商談でも、ほとんどの場合、林与の麻生地の値段は高いと感じられることが多い。たぶん、ヨーロッパメーカーのリネン生地の1.5倍から2倍くらいの値段だろうと思え、さらに送料や通関費用なども乗るので、ヨーロッパのアパレルメーカーにとっては、林与の麻生地は、ヨーロッパメーカーのリネン生地と比較して最終2倍から3倍の高額に映るだろう。一つとか二つの生地の比較ではなく、全体的にこの会社のものづくりは他とは違ってみたいなものを感じてもらえないと受け入れてもらえないだろうから、ヨーロッパの企業とは違う要素をもって憧れてもらえる様なものづくりのスタイルを持つことが大事だと思える。

匠のコーナー以外にも、現地の雑誌などにも載ったりこれから載るとかで、林与の生地やものづくりがメディアを通じてヨーロッパでファッション雑誌を読まれる方に伝わるかもしれないと思うと楽しみで、ものづくりに強くあるためには生き方に他にない強さが必要だと思える。それは日本が失ってしまった島国根性的なものかもしれないと思う。島のような限られた状況のにおいて独自に他を卓越するような何かを生み出していくために重要な要素は人という要素の人生観の違いであろう。

イタリアに着いたときはやせ細って歩いているとベルトをきつく締めていてもズボンが落ちるほどだったが、この3日で10kg以上増量でき、ベルト無くてもズボンは落ちないほどに復活。病気で痩せたのではなく食べる時間も無く動き回ってたいただけでなく、追われながらも織機や機を立ち上げるために頭をフルに使って相当のエネルギーを消費したのだと思う。追い込まれた状況で正しく仕事をしようとするときに林与のペンティアムプロセッサーは案外消費電力が大きい。食べて元に戻ったので健康な証拠だろう。元に戻れば食べ過ぎ防止リミッターも機能しているようだ。
2016年02月10日
よく寝すぎてこれほどに熟睡できたのは何年ぶりだろうか、15分で朝ごはんを食べて、会場入りはタクシーでぎりぎりの9時、やはり初日の人の流れとくらべると2日目は落ち着いてはいるものの、それでも台紙つくりには追われる状態が続いてちょっと合間に通訳の人とおしゃべりしていると手を動かすようにいわれる。この通訳の人はお母さんタイプなのであって仕事のできる人だなあと思える。林与もスワッチのほとんどを会場で準備して渡したので、宿題を抱えずに帰ることができる状態も珍しい。

ちょっとお客様が途切れる合間には、主催の方や、福田織物さんとか、富士吉田の宮下さんとか、前田源商店さん、宮真さんなど顔なじみの方とお話に来てくださったり、どこもが盛況のようで、前回の万博と重なった9月よりも盛況であるということ。日本の出展者のみんなの顔が明るい。

今回うれしかったことの一つに、日本でも展開されているロンドンのブランドの方が林与に会いに来てくださったこと。東京の商談会で、林与のキッチンクロスとかを日本のお土産に買ってもってかえってくださった。自分でも手織りされたりの方なので、生地などに愛着をもってくださる方で、お話したかったけど飛行機の時間が迫っているのでということで今回はスワッチを選んでもらっただけで、お話できず残念だったが、もう2年くらい経つのに林与を覚えていてわざわざ主催の方に尋ねてブースにたどり着いてくださった。ほんとうれしいなあである。
2016年02月09日
今日はやせ細ってイタリアに到着した林与が、ホテルの朝食のブッフェでハムなんかを2kgくらい食べて体力を回復する、映画のロッキーでいうと、ロッキーのテーマが流れ出し、過酷なトレーニングに打ち込むようなイメージだろうか。減量とは逆なのだが増量のトレーニング。

朝食を食べ過ぎて地下鉄では会場入りが遅れそうでタクシーで会場に向かうが、15分程度の距離なのでそれほど遠くはない。今回通訳でお世話になる方とも会場で対面でき一安心。開場してから2時間くらいはお客さんの流れはよくなかったもののその後は夕方6時30分の終了まで非常に忙しく対応に追われる形。匠のコーナーで今回出展の日本の3社として弊社も取り上げていただいた成果も大きく、映像や匠のコーナーのハンガーサンプルをみられてブースにお越しくださったところも多い。

前回参加したときはAW展だったが、今回はSS展ということもあって、しかも麻に関してはジャパンブースでは弊社だけみたいなところもあるのだろう。リネンという言葉だけで、お客さんが興味を示して生地を見てくださるような感じなのかもしれない。人気どころは、やはりプリント柄だろうか。柄が目に入って触りに来て下さる方も多い。今回、大ポカもあって、出発間際に時間がなく、匠のコーナーやトレンドコーナーの控えを持ってくるのを忘れ、そういうところに出した林与の強い特色のある素材を、ブースでは見てもらえないという状況。林与にはありがちなのだが、本来ならありえない笑い話なのである。

今回は、帰国後の対応ではなく、できるかぎりをその場で対応してしまえるように、スワッチサンプルを会場でお渡しする形に、この形だと対応できるお客様の数が極端に減るが、間違いなくお渡しできるので結果としては良い。持ち込んだモバイルプリンタが活躍してくれている。通訳の人も仕事を前に進めるタイプの人なので、私がノホホンとくつろいでいると手を動かしてくださいと指導が入り、貯まりがちなスワッチの台紙の作成とプリントアウトが進むことになる。彼女は、かばん作家さんでもあり、リネンもかばん素材としてはたくさん使われており、日本の作家サイトで販売もされているということ。やはり出来る人というのは自分でそういうのやれる人なのだろう。

夜は、ミラノウニカ主催のパーティがあって参加。福田織物さんとクリエイティブクロッシングでお世話になった経産省の方もミラノウニカの視察でパーティも参加されていたので、パーティの場でお話しする機会を得る。後半、イタリアでは有名な女性歌手が出て来て会場は非常に盛り上がるのだが、それよりも、私自身は会場のお客さんのノリの良さをイタリアなんだなあと楽しんだ。音楽がなると踊り出せるのがいい。

シャンパンを飲みすぎたか、メトロの終着のRHO FIERAの駅で駅員に起こされて電車をおりる。イタリア万博の会場の周りを歩いてホテルにたどり着くのだが、その距離というのが2kmほどあるだろうか結構疲れ、左足が痛くなると、途中、バス停で休憩したりしながら、そんなことしているとなんとなく、イタリアのこのあたりにも馴染めてくる気がする。ミラノ市内と違って、ホテルの周りミラノフィエラ展示会場以外にはコンビにすらも無く陸の孤島なのだ。NHホテルの入り口にしても、倉庫の扉みたいで中がまったくみえず、どこが入り口なのか自動ドアが反応して扉が開かないとわからないくらい。これが洗練されているイタリアンモダンなセンスなのだろうが。
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