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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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2013年07月10日
今日、EMSの出荷に郵便局に行った帰り、ライトをつけていて10mほど先までしかライトが届いていないという違和感、ハイビームにするとすごく明るく見えるが、ロービームは先が見えない状態で走らないとならない。

この違和感というのはライトはちゃんとついているのに遠くまで照らさない、会社に戻って、ライトを見ると、両方ともライトが少し奥に外れたみたいな状態で、やや下に落ちて、上のほうに空間が出来ている。たぶん、製造時にライトを固定するネジを付け忘れたのか何かだろう。買って一ヶ月で、一ヶ月点検に出したばかりだが、やはりトヨタディーラー扱いの新車でも、このような新車時からの製造欠陥というものは起こりえる。現場では素人が自動車を作っているのだから忘れることもあるのは仕方がないだろうけど、違和感に気がつかずちょっと暗いなあと思っていると夜10m先にいる人が見えないのだから人を轢いてしまう危なさすらもある。

自動車にしても新車だからと信用して安心してしまうと駄目で、違和感に気がつくことが本当に大事だということ。整備の人が触ったかもしれないが、整備というのが、大きな事故の原因になることも多いもの。
2013年07月09日
今日は猛暑で、朝から熱気に参りながらも、工場の中で、何台かの織機を動くように設定をしていました。8月お盆前なら分かるものの7月にこの暑さというのは珍しく、今年の夏の暑さを象徴している一日だなあと思いました。

海外の展示会の準備なども必要かと、午後からは会社案内の英語版を手伝ってくれる人を捜しに彦根に行きましたが、ちょっと難しそうなので、今度は別のルートを頼りにしてみようかと思いました。

今日も、企画の打ち合わせなどで、3件アポイントの予定をいただいたものの、7月、8月中はこれ以上案件を増やすことは実際の生産などを考えると難しくなっています。現場もやってみないとうまく行くかどうか分からないことばかりで、それを当たり前に仕事と割り切って前に進めていける人でないと仕事としても前に進まないものです。

このことというのは、今に始まったことではなく、職人さんを抱えているとやはり職人さんにしても20代、30代がピークで、40代、50代では実際の仕事で食べていくのは厳しくなるというのが現実的でよくある話。仕事なので仕事ができて当たり前というのは当たり前なのかとは思いますが実際の現場の人の力というのは限界ばかりであるもので、世界で一番安いところでのものづくりに軽く追い抜かれていくものです。

近江商人が、うさぎとかめの話を大事にしていたのも、人というものの本質を見抜いていたからじゃあないかと思います。そういう話を子供に言い聞かせるぐらいに大人自身が仕事の意味を理解していないと駄目だろうなあといえるのですが、小学生の子供のほうが大人以上に社会性があって我慢ができて吸収し成長もできる。

祇園祭なんかも、私が京都で学生をしていた頃から、曳き手をアルバイト募集という形、全国から道に溢れんばかりの観光客が押し寄せる日本の伝統的な祭りながらも曳くという作業に従事できるものは少ないもの。織物の現場というのは山を曳くのと似ているなあと。祭りでも一番大事な部分の一つであろうかと思うが、人は集まり回りの屋台などが賑わって成り立っていても曳く人からみる祭りというものは別の意味合いが非常に大きいもの。周りでお店を開いて観光客をもてなすことは自主的に出来ても、祭り本来の部分を支えることは難しいこと。
2013年07月07日
弊社の麻織物というのは、昔からお医者さんの奥さんなどにお買い上げいただいていたりだったのですが、ネットでもたくさんのお医者さんのお家の方に買っていただいております。実績のある安心なものを求めようと考えて下さっているのだろうと思うのです。

一般に流れる安全とプロの考える安全とではまったく異なることがあります。たとえば、集団予防接種などは、肝炎被害をもたらしましたが、私自身も、幼稚園のときや小学生のときに集団予防接種で注射器を使いまわしているのを覚えています。看護婦のお家の息子さんだけが予防接種を受けないと学校に表明をしていて予防接種を受けていなかったのは今となってはプロの正しい判断だったろうと思います。お医者さんも当たり前にその危険性は理解していても仕事としてお金をもらえるとなると全国中のプロであるはずの医者でもそれに従うものです。自分自身は決してそんな使いまわしたもの使わないけど、小さな子供なんて商品に見えるのだろうと思います。

管理する人間がどうでもよいという態度でいて当時から危ないとされているのをもみ消して、今になって公表しても遅すぎるのですが、原発などでも同じようにメルトダウンが意図的に隠されたり、爆発直後から放射能漏れのデータが隠匿されるなど人の命というもの扱いすらも非常に軽いものだったりします。安全基準地が20倍までOKとなったのはお笑いとしかいえません。政治力で横浜などでは国が放射能もれを隠す流れの中で、素人でもわかる原発が爆発した被災地の放射能汚染されていたであろう可能性を疑う食材が学校給食に意図的に使われたりと、原発推進のメンタリティというのは恐ろしいところまで行ってしまっています。

ある海外の大手の商品開発も既存のものをどうやって安く作るかに徹しています。今まで100円原価が掛かっていたものを半分で作る技術を提供してくれたらお金を払いましょうというビジネスで、世界中に大手の提供する安全性の乏しいものが溢れかえり、それが、人々に健康被害をもたらしている可能性は高いといえます。アスベストなんかが典型的な例ですが、それと同じようなコンセプトでのものづくりがものづくりの世界標準ではあろうといえます。安ければそれがすべてのような商品開発が、次々と新しい化学物質が溢れる生活環境を生み出し、そういうのに過敏な人たちは外での生活も出来ないという状況。

林与の麻素材というのは、着物の時代から続く、何十年も着ていただけるようなものづくりで、また、アパレル向けに素材を作り始めてからも何十年もご愛用いただいた実績、今流行の新しい加工に流れたりするのは非常に心配だったり、自社自身が、日本のアパレルの花開く最初のときに開発に携わって、今は日本の麻の定番となった顔かもしれませんが、そういうのも何十年も作り続け、使われ安全性が実証されたもので、麻においては、見えない部分でこれ以上の新しいものを求めることも難しかろうと思うのです。弊社の素材が化学物質過敏性に安全だとは言い切れませんが、多くの方にご愛用いただき、麻のプロ集団で作り上げる品質と安全性重視の変わらぬものづくりを続けて行きたいと考えております。
2013年07月06日
リネンのテーブルクロスなんですが、いつも展示会のときには会場のテーブルの上に広げるようにしています。すると、雰囲気がなんとなrく明るくなる感じがして、よく使うのはhピンクX生成Xオフ白と、パープルX生成Xオフ白の大きなチェック柄とストライプのバージョンです。

生地の端から端までを使ったとても大きな柄なので、6年ほど前に作ったときには、一柄20mほどの縦を作って織るのに3日くらいかかりますので、4配色するとそれだけで2人掛かりで2週間ほど、良いものが出来上がるかどうか分からなかったので冒険でした。出来上がったものを加工してテーブルクロスとして使ってみると他にはない感じで嬉しかったの覚えています。

テーブルクロスの布にしても、在庫の生地や定番の生地を使うこともできますが、あえてテーブルクロス用に先染で開発してみて、それが結局、自分にとっては一番馴染み深い柄で、展示会していても、ないと寂しいというか、「林与」ロゴ看板も初代はどこかに消えてしまいましたが、今は、二代目となって、これもあると安心します。

今日は、展示会でテーブルクロスに興味を示していただきご注文いただきました分の生機を製品化する工程を10枚分くらい行いました。テーブルクロスにしても長年使えば使うほど味が出てくる気がします。使い込めば使い込むほどちょっと汚れたとしてもよい感じです。
2013年07月05日
昨日は会社を空け、午前中は車の点検で会社を空けてしまい、午後はたくさんの仕事関係の方からの電話が続いて、午後は電話対応だけで手一杯でした。

見本で使った糸が手に入らないというようなお話があって、糸をつくるのは布をつくることよりも工程も少なく簡単なのだから紡績工場が小ロット対応して動けばよいものと思いますが、紡績工場というのは大手であることが多く工程自体は簡単であっても、機械をどれだけ回すかという生産性の面などあってバイオーダーでの小ロット対応は難しいようです。繊維業界では、売り切れるほど売れている糸があるというのも珍しいお話です。

海外展示会の説明会の件や麻の着物地の件、生平生地を探しておられる件、百貨店さんの件、秋冬向けの進行中の件、会計事務所からの件、他にも来春夏向けのサンプルの件、他、今日は糸のことで糸商さんの社長さんとお話させていただいて林与に残るリネン糸の経緯等を調べたり。

夜は急ぎの案件の機を増やす作業、1台を2台に増やすということで機の載せ替え作業を行いました。機の載せ替えをするとまた戻す作業が伴います。織物というのは、その工程で人が働くということ評価しないと続かない仕事だなあと思う一方で、昔から、麻織物というのは農家の手仕事として始まっている経緯があって、伝統工芸師クラスや伝統工芸師を育てるクラスでも別に食べ口がないと食べていくのが難しい仕事。本業とした場合には、技能や経験云々よりもよほど実際の仕事が出来るか出来ないか。

仕事が目の前にあること自体が繊維業界では幸運なことですが、実際に目の前に仕事があってそれを嬉しいと思える人がどれほどいるのかという問題にも繋がってくるかと思います。他産地で麻織物が盛んになるのも、仕事がなく生き残ろうとして麻織物の道を目指ざそうとされるのを知り、織物の世界で仕事を喜んでされようとする方が、今の日本におられる応援したいなあと思いました。
2013年07月04日
今日は、田中直染料店での講習会に参加してまいりました。近江上布柄のデザインを復活させたいなあと、1ヶ月ほど前にネットでたまたま見つけた「柿渋X型染」という講座。朝10時から夕方4時過ぎまで掛けて、柿渋液に、インド藍、ベンガラ、松煙を混ぜて草木染、今回は麻の生平のテーブルセンターと和紙の葉書を染め上げました。

私の選んだ紅葉柄もいい感じの深い色にそまりましたが、他の方が染められたのもいい感じです。これだけ完成度も高く、綺麗に染まるなら、商品サンプルや小ロットなら自分で作り上げることができるだろうと思いました。雑貨のお店などを経営されておられる方や染をされている方も参加されていながらも、ゆったりと時間もあって、この講習会というのはお勧めです。

その後、夕方からはレメディガーデンの京都本店にお邪魔しました。お仕事も終わって家に帰っておられた時間で、お店に、田上さんとお子さんたちが戻って迎えて下さったのですが、田上さんが布ナプキンのお仕事をされている背景に家族を大事に思う気持ちがあるのを感じ、素材に関しても安全であることを第一としてオーガニックのものや特別な素材を使った商品を展開されておられます。

生地なんかでも普通は蔵入りしてしまって流れないような最高級クラスのものでも探しておられ、普通は清水の舞台から飛び降りる覚悟でといいますが、清水の舞台から飛び降りられて普通に歩いておられる感じです。そういう方についていくと安心して、安心できるもの求めることができるのではないでしょうか。
2013年07月03日
液晶が修理されたレッツノートに電源をいれると、液晶が交換されて、画面が映るようになりましたが、なぜか暗い感じ。でも新しいのがあるので、それはスペア用に使う程度だろうからそのまま使おうかと思っています。長時間印刷用のサブマシンにするか、サーバー用のマシンとしてなら問題もなかろうかと。

液晶が暗いとか黄身掛かっているとか、液晶のロット差なんかも大きいでしょうし、人の眼というのは、それ一台を使っていると補正が効くもの。暗い液晶でも瞳孔が開いて、なれて見えてくるものです。でも怖いのは、画面の色を目が一所懸命補正しようとして、人の色彩感覚がずれてしまう可能性のあること。

色に関してもたとえば、ブルーとか、カーキとか、紺、茶とか、一般的な名称にしても、実際には、色の名称一つにしても色味の区別何十から何百種類くらいは出来てしまうものです。自動車カラーといわれる原色の12色の色鉛筆カラーとは違って、ファッションの世界は多彩な色を使いますし、特に日本のファッションの色の使い方は微妙です。

2013年07月02日
今日は輸出向けのJETROさんの商談会に朝から出発。今回は時間に少し余裕を持っての会場入りで、いつもよりはリラックスしての商談でした。商談会が終わった後、京都の事務所にアイテムをディスプレイ。

今日は、3件ほど、新しい仕事の話の件でお電話やメールをいただいて、かなり手一杯ながらも、仕事がないといわれる繊維業界ですが、かなり忙しくさせていただいていることはありがたいことです。この数ヶ月で本当にこれだけのことをこなせていけるのかが心配なほどです。

最近は多くの新しい方との出会いなどもあって、今までは織る以外の部分で出来るとも思っていなかったことが非常に簡単にできたりと、外部に力を貸してくださる方も増えました。思いっきり突っ走った5年でしたが、まだまだやりたいと思うことは多く、時間や資金に余裕があれば、そういうやりたいことを少しづつでも進めていきたいと思います。

今日も手織りで織っているといわれる方が居られ、その方というのは織物に対しての見方というものは特別だったりするのです。織物がいつもであるものというよりも、つくるものという認識をもってくださっており、プレゼント用に用意したミニキッチンクロスですが、お一つプレゼントしようとしましたら、日本に来たお土産用にほしいということでたくさん買ってくださいました。大事に思ってもらえるのほんと嬉しいです。
2013年07月01日
レピア織機でもシャトルでも織機の打ち込みを決めるギアというのは2つ付いています。これははじめは理解できないかもしれませんが、ギアが二つ付いていることで、小数点以下の打ち込みの調整も可能になるのです。

弊社のレピアの場合は37が織機側の基準のギアとなります。巻き取りローラー側に50のギアをつければ、インチ50本相当の織物になります。55のギアをつければ、55本相当の織物。弊社のシャトル織機の場合には、4%の織り縮みを計算して、織機側のギアは36を基準としているようで、実質は37が基準のギアになります。違うシャトル織機は25を基準ギアとし、織機側に25をつけたときに巻き取り側につけるギアの数字がそのまま打ち込み本数になるように設計されています。

いくつのギアとギアを組み合わせると、何本の打ち込みになるかというのは、織機のマニュアルに表となって載っているのでそれを見てもよいのですが、簡単なギア比の計算で、その表自体が成り立っていますので実質何本になるかは計算も出来ます。

ストールなどの長さをぴったりに仕上げるのは正確には2m以上織らないと分からないことですので、何回かテストを繰り返してぴったりの長さに仕上げました。先ほど理論的なギア比で成り立つということを書きましたが、実際には、ギア以外の要因があるので、織ったものの長さを測って合わせるという作業が一番大事です。
2013年06月30日
昨日、京都三条の事務所で作業が終わった後、夜の河原町界隈を三条から四条へぶらぶらと2時間ほど散策してみた。お茶1リットルと途中で買って、ただ、見て歩いているだけでも祭のような雰囲気。日本的な色柄などがいたるところに溢れているのも、和のイメージを大事にし続ける京都や奈良の特色。

何かを買うというのではなく、京都の夏の雰囲気に浸るために、歩いて回るというのもいいもの。何十年たっても、お店の名前は変わったとしてもそれほど売り場に並んでいるものが変わるということもない。

河原町を下がって途中で新京極に入って四条で東に、木屋町を上がって三条の川辺で、大道芸人がパフォーマンス。川で涼を取るというスタイルは悪くないもの。田舎の川がダムができて水が流れていないのに、京都の川というのはしっかりと水が流れていてうらやましい。

京都というのは高層化反対の運動があったがために、高層化しなかったことが、逆に、歩いて回ることのできる町を作り上げたのかもしれないなあとおもったり、また、着物の人が歩いているのを眺めるのも京都観光の一つ。夏の京都の着物といえば近江上布で、林与の近江上布絣も浴衣向けの生地。

夜は、RINCROSSINGの募集締め切りで書類の提出、日本のこだわりのモノづくりが集う集まりに参加させていただければ、一人で方向性を決めて突き進む形のものづくりも横への広がりもできるのではないだろうか、やりたいことは一杯あってそれをどのように実現していくかの糸口になるとありがたいなあと思う。最終的には自分がどこまでやるかという当たり前のことに尽きるとはおもう。
2013年06月29日
今日は朝から京都三条の事務所の準備、雲はあるものの久しぶりの爽快さが漂う天気で、界隈を歩いていてもすがすがしいです。今日は、ディスプレイラックの組み立てを行いました。

組み立て始めて思ったのが、ウォールナット材というのは、組み立てるときに自分で色加減を調節しながらベストに組み上げないと、一枚だけ白っぽく目立つように組み上げてしまうような結果になってしまうということです。色や仕上がりのムラが大きすぎて、これは素人には向かないものだなあと思いました。

3セット買ったうちの1セットに塗装などの問題があり、それを交換してもらいました。それ以外にも、最初から小キズなどが多いですが、作り自体がかなりしっかりとしたものなので、それを大事に思い、小さな問題は無視して組み立てはじめました。

色のまばらさから何回も板を組み替えなおしてそれなりに完成しました。織物でいうとロット違いの糸が交じった状態で織物を作り上げたようなものかなあと思います。私が思うのに、使う人以上に、販売される方がこの色の問題や製造欠陥には返品なども多く困られているのではなかろうかと思います。上手に組み立て上げるとよい感じなのですが、たぶん、この商品はもうすぐ廃盤になってしまう気がするのです。そして安全な、逆に味の無いものに置き換えられてしまうような。

置き換わらないでこのままの形であってほしいなあと、自分自身も試行錯誤して1日掛かりで組み立て上げて納得のできる形に仕上げたので思います。
2013年06月28日
今日は朝、出荷を行って、そのあと、昨晩織った見本を確認してもらうために打ち合わせ、最初の設定が終わって大きな山を超えた感じ。これからが本生産のはじまりだけど、無事に織機が動き出すと映画のエンディングテーマが流れるよな錯覚。

織物を織るという仕事は織るだけじゃあなく企画を織物という形にするということ、確認作業が非常に多く、サンプルとして織り上がった布に関しても、再現するために織機の設定などをデータ化して保管しないとならないので、似たようなバリエーションを、たくさん試すとどれがどれか分からなくなってしまう。

こういうデータを管理できる人というのも少ないもので、これが出来ない人というのは何が正しいのか分からずに織物をつくることになるので、確実に見本とは違うものが本番で出来上がってくる。そういうのを心配せずにものづくりするのは行き当たりばったりで、時間も神経も使わずに楽しいのだが、実際の仕事というのはすべてを覚えてというか記録して再現しないといけないという事務的な部分。

自分が一回作った見本があれば同じものがつくれるのかというとそれは単なる確認用で、実際は作業工程をデータ化したものが一番のよりどころ。
2013年06月27日
毎日ほど出荷がありますが、先日、地元のクロネコで時間間際に慌てていくと、百貨店向けにたくさんの出荷を出しておられるお店の方、順番待ちしていると、声が掛かる、地元の老舗のお菓子屋さんの同級生の娘さん。商店街のお店が閉められて行く流れの中で、販路の開拓にしても、なかなか難しそうにみえることを形にされて動いておられる。

いつもは、クロネコでお店の若大将である弟さんが出荷されているのを見かけ、商売は違っても、どのものづくりの商売も同じだなあと実感。よく考えてみると同級生などにも商売の家の息子さんたちが多いというのも、昔ながらの宿場町愛知川の特色。

そういう商店街の老舗のお菓子屋さんが続いている続いていないということも、社会のイメージにとってはすごく大事なことだろうと思える。下手すると八方塞りなもので続けていくことが難しいから、続けているところというのはそれ自体が大きな魅力だったりもする。

普通、人間というのは少しでも良い仕事を探したりするもの、私も世界的にも認められたコンピュータ製造工場の中で働いたけど、そういうよい環境のところで働くと他で働くことが出来なくなる。そしてそういうところというのは競争力がなくなっても、後戻りできず、消えていくものだったりで、大きな企業の歩むことの多い末路。会社の名前だけが自分のプライドみたいな、中でやっていることはほんと誰でもできる分担されたマニュアル化された単純作業。

最先端の分野であろうが、職人の技を養うようなことをすれば日本でも工場の存続が可能だったろうに、職人気質が消えた職場でノルマはあっても働いている人が素人になると職人気質は邪魔で、マニュアル化に進むもの。

現場では適切な判断できるかどうかが一番大事。原発事故もマニュアルの見直しではなく爆発する危険性も覚悟し、福島の事故でもチェルノブイリと同じ放射能汚染に悩む可能性もあったリスクを認識しているプロが今後は対応する必要。たまたま、地下から大量に漏れ出し無限希薄されただけで一つの県が救われた。絶対に壊れないといわれた炉心容器が壊れて地下から流れて人のすることの不完全さに救われた奇跡で、人の作業が完璧で、格納容器が壊れなかったらチェルノブイリと同じく石棺化。

地球環境には良くないが、原発事故に対して人の力というものは無力なら、もしもの時には海に沈めるようなことも選択としては必要だろう。今回の事故も大事に至らなかったのは結局はそういうこと。ほとんど垂れ流してから汚染を防いで、汚染された土壌が埋め立てに使われるというような形だけの環境保護。今回の事故はチェルノブイリと違うといって推進するなら、現実的には、そういう事態や選択も覚悟して推進する必要があろうかと思うし、原発が基本的に地球環境を破壊するという当たり前のリスクを受け入れてこその原発推進には意味があろうかと思う。最近の偽善的なすり替え、欲にまみれた大人は騙せても、純粋な子供は騙せない、裸の原発。メルトダウンして裸というのがわかっても裸じゃないと言い切ろうとして、何十万人もの命なんてどうでもよいというのが、日本の原子力行政40年積み重ねた本質であり賜物じゃあないでしょうか。
2013年06月26日
お待たせしております。キッチンクロスが新しく織り上がり始めています。心配していたのが、今年の糸の問題。この一昨年、昨年とフラックスの作柄が良くなく、リネンの糸がいろいろなトラブルを抱えておりました。しかしながらも、今織っている、このキッチンクロスはよい感じに出来上がっております。

林与のキッチンクロス、しっかり感があるところが魅力で、かばんをつくったりしてくださる作家さんなども多いです。何十年も使えるような丈夫なものをと考えましたので、林与のシャトル織機が目一杯がんばった感じです。

夕方には、染色の専門家の方が来てくださり、依頼していたストールの染の試作を持ってきてくださった。一つの美しさに驚くほど。色も深く、この上ない感じ。よいなあ。多くの方にぜひ見てもらいたい。もうすぐ海外向けの展示会があるので海外の方にみていただこう。宇宙を感じるような和のイメージに引き込まれるに違いない。風合いに関しては、量産では特別に柔らかい風合いに仕上げる方向に持っていく。とりあえず、この美しさを見ていただくことが大事。

夜は、ウールの整経の巻き取りもしてみて、麻とくらべるとテンションなどの管理、やっぱり簡単。ほとんど注意しないでも綺麗に一様に巻ける。これが麻だとぷっつんぷっつんと糸が切れるので、注意。糸を繋ぐときも同じで、綿と麻では手で繋いでも機械で繋いでも、何倍も難しさが違うもの。織るときも同じ。糸の種類が違うと同じ織物で同じようにはいかないもの。麻は手織りが向いているのだろう。
2013年06月25日
昨日の来られたお客様が、ふっくらと織り上げることに関して糸の地撚数についてお話されておりました。昔のリネンのように麻をふっくらと織り上げようとするといろんな要素があります。シャトル織機で織ることもひとつですし、糸なんかに関してもチョイスは重要だったりするものです。

展示会なんかでも、日本のファッション業界の大御所の方が、私がこだわった自分がとても好きないい感じの素材に反応を下さっておりさすがだなあと思いました。実は私が説明もせずに、置いておくだけのその布に興味を示されたのはそのお方くらいだったのです。一般にはつくることが難しい布です。

そういう大御所の方であっても普通の世界じゃない、感覚が生きていることが生命線だろうと思うのです。見抜けず他に流されると終わりかも。ヨーロッパのテックスワールドでも、リネンの本場ベルーのデザイナーさんが弊社ブースに一番最初のお客様として来てくださり。何も語らずしてアイリッシュリネンに興味しめしてくださり、それは名前がどうとではなく、私のものづくりや私の良いと思うものに共感があるかないかだけの分け隔ての無い世界。

共感下さる方というのは自分自身が、アトリエを立ち上げておられるような方が多い、有名じゃあなくてもいいし、そういう方を応援したいし、そういう方の目も同じベクトルをもっていて、普通は見捨てられてしまうようなところしっかり救えるような目が共通している気がする。

一方で、定番の商品などは、自分自身が一つの極めた形として他から出てこようが、また、他が飽きてしまわれようが、作り上げてきたこだわりから、自分自身は続く限りは続けて行きたい。私自身も同、同じものをつくり続けようとするので、材料からして一つにこだわると同じものをずっと使い続けます。糸のロットによる僅かなロット差などももちろん感じることができますし、リネン100%に織りあがれば同じということもなく、途中の工程なども大事で、できる限り同じ織機で織るなども大事です。ここまで同じにしようとするとスケジュール的に難しくなることも多いですが、糸の微妙なロットの違いに気がつくのも他の要素をすべて一定にしようとつとめるからです。織る人もできれば同じ人が織るのが一番。

同じ織機でも調整が異なれば、糸が同じでも織れないことは当たり前、ましてや織機が違えば同じタイプの織機であっても織れないこともあるものです。同じ材料と同じ織機があれば同じ品質のものが出来上がるかというと、人という要素が一番大きかったりするものです。自分がつくったキズを織る以上に家に持ち帰って手間を掛けて直している人の布というものには将来性はあり、そういう人は伸びていくもの。
2013年06月24日
今日は麻から整経で、2本目のリネンキッチンクロスの経糸を荒巻したものをビームに巻き取り、2時間ほども糸を均等に巻くために手で糸の感触を確かめながら巻き上げるのはマラソンに似ている。途中で休憩しようかと思うような誘惑にも駆られるが、実際にマラソンを走るわけでもなし、これくらいの仕事、2時間続けてできなければどうする。

巻く作業にしても綺麗に巻き取ることが問題なく織るためには大事で、いい加減に巻くなら簡単なこと。麻織物というのは難しいといわれるが、その難しいことのひとつが、整経ての作業。今日の糸は25番手。非常に簡単な太い糸。そのあと、機を探して2台目のキッチンクロスの織りを始める準備。
2013年06月23日
今朝は、月曜日で、リネンを加工出し、加工工場でお若い息子さんが仕事されているのを見て、うごき自体がきびきびとされているので、すがすがしい気分になります。

年を取るごとに出来る仕事というのも急激に落ちていくのが職人さんなどを見ていても普通で、簡単なことも難しく思える前にものづくりを成し遂げておかないと、たぶん、10年後には、自分のものをつくる能力というものは半分、20年後には、何分の一以下に落ちているだろうと思います。

午後からはストール用の糸が届きました。現在かなりキャパオーバー気味になりかけているので、自分のできることなんて限られているので次から次に受けてしまうと絶対に仕事の収拾がつかなくなるものです。また、今のことに追われすぎるとその次のことが準備できておらず、突然、立ち行かなくなることが多いもの。

調子の良いときに調子に乗りすぎると、調子の良いことがずっと続くことは稀で、組織にしても拡大路線から収束路線に移行したときに、組織が歯車で動いていると、歯車が一つかけると全体が動かなくなるというものです。大きくなると薄まることが多いもので、薄まらないように常に気をつけておくことも大事。
2013年06月22日
家具のことを調べていると、シックハウスの要因になるホルムアルデヒドの問題が日本ではブームのようです。通気性の良い家だとそれほどカビやダニは発生しないので、ホルマリン漬けにする必要もなかろうかと思いますが、今の機密性の高い家ではそうとうエアコンを駆使し続けないと、残留ホルマリンの値が下がると、カビやダニの温床となろうかと思います。

今は、輸入の木材が多いので外国のカビやダニなどの問題に悩まされることになりそうです。実はリネンの糸なんかも同じで、糸自体は大丈夫でもダンボール箱のほうが劣化しやすいので、得体の知れないメーカーの糸というのは心配なのです。実績のあるメーカーの糸を使い続けることで少しでも買われるお客様の安心の要因になればと思います。

同じく、染色や加工なども薬剤が今はころころと変わる時代、新しいものをつくろうとしてお客様が人柱になってしまうよりも、何十年も同じ商品を守り続けることで安全性の高い商品を提供したい気持ち。似たような商品は溢れているのでどこにでもあるといわれますが、そんな売れ難いどこにでもあるものを見えない部分でしっかりと作り守り続けていく、それが産地で織られる良質な麻織物のイメージの一つであればよかろうかと。
2013年06月21日
今日は織物というものを考える出会いがありました。仕事というのはお金儲けのためにするものというのが普通の概念もしれませんが、仕事を自分で考えてしようとするときには損することが仕事であることも多いもの。

仕事で損を自分からできる人は少ないものですが、新しいことをやろうとするときに、ノーリスクでやろうとする道をとるのか、リスクをとる側に回るのか。例え新しいものが出来たとしても売れると分かるとすぐに似たようなものは出てくるものです。

新しく真似で出てくるものというのは次に新しい真似のものに動かれるので長続きしないものです。自分でコストをかけたものというのは、自分で育てた思い入れがあるので、売れなくても続けていけるものだったりします。そういうのがオリジナリティに繋がっていくもの。

大阪のRINCROSSINGの展示会でも綿のガラ紡の世界が興味深いなあとおもいました、そういうのも品質の面からすると廃れた技術でありながらも、手を抜いてよいものがつくれる時代には、そちらのほうが手の掛かった良い世界に見えるのです。良い悪いの判断だけでなく、一つの道を守り続けていること自体が大きな脚光を浴びることに繋がるものです。他の人がやろうとしても逃げ出すようなことをずっと続ける、大事だと思います。
2013年06月20日
今日は、お昼に、京都三条の事務所に置くウォールナット材のオープンラックが届きました。小さな事務所なので大きすぎたり重すぎたりを心配していたのですが、組み立て式で、二人もいれば運んだりできそうな感じの大きさだって安心です。他に小さな引き出しの付いたオープンラック用の収納ケースも別便で届いてこちらもうまく活用すれば、狭い事務所もすっきりな予定。林与のアンテナショップ的なお店というのは、壁一面で完結いたします。これも一つのビジネスモデルなんじゃあないかと思うのです。

展示会などで、林与のブースに来ていただくお客様が、よく言われるのが、麻のものを探しているのだけど、なかなかイメージに合うような良いものがなくてと、ものを探しておられるお客様が多いのを感じます。ご相談を持ちかけてくださっても、林与の麻生地にしてもそのお客さんのニーズに合っているのかどうかということは分かりませんが、いろいろ探して見歩かれている方が、麻の良いものがなかなかないというのは事実なのかもしれません。

林与の独特な麻織物の世界というのは、新しいものが溢れすぎる今時に、変わらない世界が求められることもあるのではないでしょうか。同じことを続けていくのは、売れるときもあれば売れないときもあって難しいことで、売れないときほど続けていくことは難しいもので、仕事のないときにほどしっかりと自分自身が仕事を生み出して仕事をして力をつけておかないとならんものだろうなあと感じます。
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